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良い

永い時を生きる甚夜の在り方を体現するかのような、または祝しているかのような最終回
未来からやって来た薫は時の迷い人と言える。ただし、それは帰り方が判らないという意味ではなく、帰れるけど帰って良いかが判らない
これは甚夜にも言える事かな。彼は時の彼方に故郷を置いてきてしまったけど、葛野に帰る事が未来永劫に赦されないとまでは言えない
元居た時に帰れない二人が迷い着いた場所で想うもの。それは迷い人同士である為に安らぎを得られたように感じられたよ

薫の帰り方は案外容易に見つかったね。まあ、発言的には国枝の主人も未来からやって来た人間っぽいけど、彼は帰り方を知っているのに帰らなかった人間か
そこにある心の全てを知る事は出来ない。同様に元居た時にすぐ戻れない薫の心も全てが明かされるわけではない
ただ、心の断片を話せる相手は居た。それが甚夜であり、甚夜は迷っていた幼少期に受け止めてくれた人が居たからそれ以上迷わずに済んだ経験がある
迷っていても受け止め、帰れる場所となってくれる人が居れば迷いから抜け出せる

薫も心を受け止めてくれる甚夜が迷った先にも迷いから帰った先にも居ると知れたから、迷いを終えられたのかな
同様に迷い続けた甚夜も、待っていてくれたちとせと再会できた事は彼の心を癒やすものとなったのではなかろうかと思えるね
これから先も甚夜は時を迷い続ける。明治編では傍に居る野茉莉が現代では傍に居ないように、そこには多くの別れがあるのだろうね。けれど、現代で薫と再会できたように、多くの出会いもあるのだろうね
辿り着いた時の行く先にて幸せを断言できた彼の迷い時に思いを馳せてしまうような最終回でしたよ



良い

最終回は蓮司とリリーの会話を中心とするような形式で異文化交流とそれに紐付く恋愛模様を描くというよりも、2人が生活する異文化を描いた上でその先にある恋に至るかもしれない交流を真摯に描いているように感じられたよ
当初のリリーは確かに言い伝えのある花火に釣られていた。でも、その後には異文化である祭を心の底から楽しんでいるとも感じられた。変わらず彼女は異文化を楽しめる少女だね

家族+リリーの組み合わせで楽しんで居た所にやって来たリリー父は蓮司にとって熊にも等しい恐ろしい存在。けれどリリー父は熊と思われた事を光栄と感じる。娘を守る為なら父は熊にだって成れる
だから彼が問うのは蓮司が娘の害になる存在かどうか。対する答えは少しはっきりしない面はありつつも、リリーを傷つけないというその一点において迷いはなかったね
リリー父はその答えにある程度の納得は得られたようで

あの祭が元は異文化であったように、異なる文化存在であろうと交流を続ける内に自然な姿となっていくもの
だとしたら異文化として出会った蓮司とリリーも関係を積み重ねていく内に二人で居るのが自然な関係となるのかも知れない
花火の下でリリーが思い出したのは出会ったばかりの頃の関係。今回とそれは似ているけれど、あの頃よりも二人の関係が深まっているという意味では大違い。今後、蓮司とリリーが様々な遊びが出来るゲーセンを通して更に交流を深めていった先でどのような関係を築くのか、改めて楽しみに思えるような最終回でしたよ



とても良い

凛太郎が告白を正しく遣り直す為のデートは図らずして、薫子が思わぬ形で始まった自分達の関係を紡ぎ直すものとなったね
凛太郎は薫子との関わりの中で少しずつ彼女を好きになった。でも凛太郎には薫子が自分を好きかなんて判らないから「困らせる」なんて思ってしまう
だから彼にはその告白が間違いではないと伝える為に薫子は自分達の始まりを紡ぎ直すわけだ

薫子は語りの中で全てを明かしているわけではない。何故辛かったかも、凛太郎に何を言われたのかも
でも、そこは凛太郎を好きになった直接の理由ではない。好きになったのはきっと誰にでも優しく出来る彼の性質、薫子にとって最も大切な部分
次いで彼女が思い返すのは凛太郎に恋をして、それが走り出すまでの物語
凛太郎が薫子を好きになったように、薫子が凛太郎を好きになる物語がそこに在ったと知れる。その美しさには何度も悶えてしまったよ…!

二人は確かに千鳥と桔梗の生徒かもしれない。でも、それは対立を示すのではなく、薫子にとって好きな人が近くに居たという奇跡を唄う調べであったのは印象的
薫子が凛太郎を好きになった理由に千鳥は関係ない。改めて自分達は個の人間であると示し、自分とて凛太郎を大好きだと告げる彼女の姿はとても美しいものでしたよ……
原作で続きを読めるとはいえ、アニメはここで終わってしまうというのがあまりに勿体なくてもっと見続けたくて…。そんな身勝手な感情を抑えきれなく成る程のとても良いアニメでしたよ!



とても良い

霧島透子の脅威から麻衣を助ける為に東奔西走する咲太は忙しいね。でも、福山に発したようにまさしく「来た甲斐があったよ」と言えるだけの成果は挙げられたのかな
この回で描かれたのはそれぞれの拠り所は何者かを改めて問うような話と思えたよ
寧々は北海道では上手く行っていた自分の在り方が神奈川に来て麻衣の出現に鉢合わせた事で全てが揺らいでしまった。挙げ句に頼ったのが霧島透子という正体不明のシンガー。そうして無くした岩見沢寧々を寧々も福山もどう取り戻すかが描かれたね

思い出のマフラーを巻いていても寧々を思い出せなかった福山が彼女を取り戻す契機は彼女が本来持っているべき名誉を彼女が持っていないと知ったから
その後に福山が語る寧々の思い出は福山と寧々が紡いで来た拠り所のような人生で、それこそどうして忘れてしまったのかという話になる
自分や大切な人を見失う。そのような特殊な事態を前に赤城や咲太が自分の人生に当て嵌めて考えた上で「何処にでもよくある話」と捉え直せたのは良いね
ならば、自分を無くした寧々という特殊事態に対しても有り触れた自分の在り方で向き合える

福山が寧々に語る言葉も咲太が二人に告げた言葉も何一つ特別なものではない
ただ、特別でないから寧々はその言葉の頼りなさに反発してしまうのだけど、本当の寧々は特別でもないし頼り甲斐があるわけでもない福山と付き合っていて、今も愛されているわけで
それは頼るには不安定だけど、拠り所としては充分過ぎる岩見沢寧々という人間と言えるのだろうね

麻衣のイベントに集ったサンタクロースも自分を見失った人間達。自分が判らなくなり他人から見遣って貰えなくなった
そんな存在に咲太がしたのは偶発的でありながら最も説得力ある声掛け。流血という衝撃的事態を突き付けながら「大丈夫です!」と告げる。それはハプニング時に最も頼ってしまう自分という存在を取り戻さずに居られない状態だね。流石にあの状況で霧島透子を名乗る暇なんてありゃしない
咲太の奮闘が麻衣を守り、皆との再会へと導いた。それは一転して目出度い日だ。これで後は霧島透子の正体さえ判明すれば、というタイミングで待ってましたの劇場予告には震えてしまったよ。今から待ち遠しいね



とても良い

作中でトワサの事を「1人シンギュラリティ」なんて呼称しているけど、この第0話は他にもシンギュラリティ、特異点と呼べそうな瞬間が様々に描かれていたね
アキラがトワサの家に引き取られた瞬間が既に特異点と言えるし、姉となったトワサが世界における特異点であるのもアキラにとって特異点と言える
一方でアキラ自身はトワサが特異点だから特別な存在と感じるようになった訳でもないと描かれていたように思えるね

作品内容は近年の技術開発を反映した近未来物として、見ているだけでもワクワクさせられるものとなっているね
本作でトワサは世界を変え得る存在として描かれている。そのような彼女に対して、アキラは同じくらいの特異点になるのではなく、弟からの脱却を目指そうと奮闘しているね
対してトワサもアキラを弟以上の存在と見始めている。両者共に互いを家族から脱却させようとしている。でも、現状は家族だし姉弟だしという点が恋愛的に面白い状況と思えたよ

作中で見られたトワサへの抵抗はそのまま特異点への抵抗でもあるかな。現状から未来へ向けて大幅に進化する行動はそれこそ変化への準備が出来ていない者にとって脅威でしか無い
その意味ではトワサがアキラの一世一代の決意を一度はスルーしてしまったのも同種の抵抗と言えるかな
でも、トワサ自身も関係を進化させたかったのは事実。だから彼女の方からも一世一代を見せつけると。まあ、このシーンはアキラがその上を行く決意を更に見せつけた為に大変ニヤニヤ出来るシーンと相成りましたが

二人は家族の関係をアップグレードして新たな家族の関係へ。これは互いに諒解が有るから成立するシンギュラリティ
だから、特異点のような存在からお出しされる進化への諒解を持たない者からは強烈な抵抗が示されると……
と、ここまでは話の筋が理解できるのだけど、ラストに提示された光景がシンギュラリティとかそういうのを超越していた気がしますよ?
キャラクター原案きっかけで見ようと考えていた作品だけど、想像していた以上に楽しめる作品となりそうですよ



とても良い

れな子には紫陽花を家へ送り届けた事によって無事に終わったかに思える家出旅行。けれど、紫陽花にとっては行き先を決めずに始まった旅行を経る事に拠って向き合うべき問題が明確化された状態、つまり彼女の家出は終わってもまだハッピーエンドには辿り着いていない
その状態はそれこそ真唯が言うようにれな子が手助け出来る領域ではない。紫陽花が1人で向き合わなければならない問題かと思いきや、恋敵と言える真唯が手助けする流れは驚き

友人達は勘違いしていたけど、彼女らが言うように相手を優先して我慢してしまう紫陽花は自身を顧みない恋が似合ってしまう。その意味で彼女が他から抜きん出るような行動をする事もなかった筈で
今回は真唯が手助けしたかに見える構図だけど、その前に紫陽花が踏み出したから真唯は彼女に手を差し出せたと言えるんだろうね
ほんの少しだけ自分の為に行動できるようになった。それでも自分の恋を優先して他人を出し抜くような行為は難しい。特に真唯が既にれな子への愛情を表明している現状では

けれど、真唯が明かしたのはれな子が自身の愛情を完全には受け付けていない点、紫陽花が勝手な行動をしたからって未来は変わらない点
ここには王塚真唯が見せる深い愛情が有るね。それはれな子に求める愛情とは少し違う親愛による愛情。自分に訪れるかもしれない危機を他所に親友の幸福を求められる強さ
それは真唯から与えられる史上最高のアシストだ。後悔を避けるより行動すべき。そうして思うが儘に思いの丈をれな子に告げた紫陽花の姿は美しかったよ
…これでれな子の対応がもう少しマシだったら様に成るのに。これじゃ真唯が完全に道化になってしまうじゃないか(笑) さてはて続く劇場作はどのような話になるのかな?



良い

現代編で妙な仲の良さを見せた甚夜と薫、その背景には何が有るのかと疑問だったのだけど、これまた妙な話が展開されているね
薫が突然明治時代に飛ばされる展開が奇妙なら、そこに割と馴染んでしまうのも奇妙。というか、甚夜は初対面の少女に対して、また薫は見慣れぬ甚夜の姿に対して馴染むのが早すぎない…?
甚夜は鬼との関わりの中で常とは異なる在り方をする者への慣れがあって、きっと薫は時間遡行に対する慣れがある感じなのだろうか?

だとしても、薫が明治時代の人間で無いなら本質的に馴れ合う事は出来ない。それだけに天女という言い訳が必要となると。まあ、それでも簡単に馴染みすぎている気がするけども
同様に関係に馴染みを作る言い訳を用いていたのが甚夜と野茉莉と判る展開は印象的。親子を名乗る二人は本質的には完全な他人。けれど、父と娘という言い訳を用いて関係を形作った
そこで野茉莉が本質を理解しながら、それでも甚夜を父として求める点に今の二人は本当に親子となっているのだと感じられたよ

一方でこうした言い訳的に関係を形作る言葉の危機に直面しているのも野茉莉と言えて
そうか、傍目には今の甚夜って年頃の娘を養育する父親が突然若い女を傍に二人も作ったように見えるのか
兼臣にその気はないし、薫が明治の時代でそうした関係に成る事もないだろうけど、そうした可能性に対して野茉莉が本当の母親について訪ね甚夜に意識させた上で新しい母は不要と牽制するシーンに幼い嫉妬を見てしまったね



良い


普通

帰省旅行に他所様の子供が付いてくるって凄い状況…
さておき今回は判り易く異文化感が描かれていたね。日本の標準語に慣れてきたリリーにとって容易に理解できない方言を始めとして、普段は都会に暮らす彼女らにとって田舎の光景も異文化であるのは違いない
またリリーと違ってとても積極的に蓮司と触れ合う日葵の姿は恋愛的に異文化。ここまで揃うとリリーは完全にアウェイと思えるが、リリー自身はそういった異文化感を満喫しているように見えたよ

そもそも彼女は英国から日本という異文化へ飛び込んだ少女。だから慣れ親しんでいない文化であっても臆せず飛び込んでいく積極性を元より持っている。完全アウェイな環境であろうと見た事の無いゲームを見つければ、それを楽しんでしまう。彼女は異文化であろうと楽しめる人物と判るね
だから一緒にいる皆にも更文化を楽しんで貰いたいと思ったのかな。日本の田舎に英国風秘密基地を作ってしまうのは彼女ならではの遊びと言えるかも

けれど日葵が起こす異文化はリリーにとって慣れ親しむのは難しいもの。元より蓮司に対して積極的になる時はありつつも、恋愛的な積極性をリリーはこれまで起こせていなかった
それだけに普段とは異なる文化を持つ環境にてお婆さんが教えてくれた言い伝えはリリーの背を押すものになるのかな?まあ、リリーが行動を始める前にリリー父を蓮司がどうやって躱すかが問題となりそうな気もするけども(笑)



とても良い

菓子パから始まった千鳥・桔梗有志の集いは凛太郎の家での遭遇や勉強会を経て一緒に海へ行くまでに。少し前まで壁が有ったのが嘘のよう
ただ、そのような仲の良さをとって全ての蟠りが解かれているというのはもしかしたら大袈裟な話で。凛太郎達と普通に過ごしてくれるから忘れていた昴の男性への恐怖、そこへ改めてフォーカスしつつ昴を仲良しの輪に入れてくれる朔達がただの善意で彼女を受け容れている訳では無いと見える回でもあったな

今回は様々な手法で昴と男子陣との距離を感じさせていたね。遠近感による深度の違い、影などが作る境界線、最も大きな物として波の内側と外側…
それは昴が彼らとは別の場所に居たいと思っているからそうなるのではなく、男子が苦手という深く影を落とす要素が彼女に壁を意識させてしまうだけ
だから男子達に感じていたのは苦手というより怖いに近い感情かな。こんな自分を受け容れてくれるのかという
それだけに朔が境界を蹴飛ばすようにして、「友達だと思ってる」と伝えてくれ、翔平達も同調してくれた事は何よりも良いシーンだったな
また、昴が波に手を突いたシーンは彼らと同じ場所へ行けた象徴に思えたよ

花火は綺麗だけど思いの外に終わりは早く訪れるもの
けど、綺麗なものは他にも在る。薫子は昴が柔らかく変われたのは凛太郎のお陰だと感じる。でも凛太郎は行動できるようになったのは薫子のお陰だと感じる。それらの関係はとても綺麗な情景だね
とても尊い綺麗さは互いに感謝を伝え合わせる。だからもっと綺麗さを続けたいと思う。そこで薫子が発した「会う楽しみを増やせばいい」はそれこそ凛太郎が望む情景で
ふと溢れてしまった本音の言葉、これをすぐ消えてしまう綺麗さとしない為に行動する凛太郎の想いは実を結ぶのだろうか?



とても良い

棺合わせのシーン、紗寿叶と心寿で見ているものが違いすぎてちょっと笑ってしまう
ホラーが苦手な紗寿叶にとって撮影現場はド直球ホラー、全てが作り物で他の何かに混ぜ合わされていると判っていても怖い物は怖い
対して心寿は虚実が混ぜ合わされた作り物のコスプレで原作ゲームだってミラの妄想と知っていても、撮影を通して『棺』やミラの世界を知れたと喜んでいる
紗寿叶のダメージは酷いけど、心寿の願いを叶えられたという満足度は高いのではなかろうか?自分の好きだけで満たされた遣り方でなくてもそれに代わる好きが表現できているなら後悔はない。そのように感じられる最終回だったかな

前々から海夢に壁を作っていた旭の本性が酷かった、本当に酷かった(笑)
彼女は推しに好きを伝え過ぎてしまう懸念から壁を作っていたようで。というより遠くから見守る事で好きを伝えている感じかな。直接に海夢へ好きと言うより、海夢が幸せに過ごしてくれる事が旭の好きに繋がるのだろうね
……まあ、旭のあの過去回想からこういう感じの「良いこと」へ繋げる表現には割と困惑させられる感情が無くもないのだけど。旭的には幸せそうだから全部OK!って感じなのかな…?

合わせが終わったら告白するつもりで居た海夢は結局告白しないまま。ただし、代わりの方法で彼女なりの好きを表現していたね
というより、海夢はこれまで様々な方法で新菜への好きを表現してきた。今回の合わせに同行して貰ったのもその一つ
また、新菜が言う「喜多川さんの家から見える夕日、綺麗ですね」という言葉だって、あの夏目漱石の言葉を想起させる要素を含んでいるようにも思える
今は未だそのままの言葉を伝える勇気がなかったとしても、新菜ともっと過ごしたいと思う、彼への好きを表現したいと思う。そうした諸々が溢れ出るようなツーショや二人の遣り取りは、様々な好きを肯定する本作らしさが感じられ大変満足感の高い最終回でしたよ!



良い

霧島透子を名乗る岩見沢寧々とはどのような人物かを探る話となっているのに、探れば探る程に霧島透子も岩見沢寧々も曖昧となっていくのは恐ろしい構図
寧々が誰からも観測されない状況は、かつての麻衣が咲太に救われずそのままを過ごすIFの姿かに思える。それだけに寧々を救うべきは咲太ではなく、福山であるべきなのだけど、肝心の福山に寧々は観測できない。その手遅れ感が更に状況を悪化させる
寧々も福山も忘れてしまった大切な事。それをどう思い出せるのか。状況解決に必要な一手がむしろ状況を悪化させるというのは如何ともし難い話だね

岩見沢寧々が岩見沢寧々という形を失っていくのと時を同じくして、霧島透子も霧島透子という存在を曖昧にさせるね
最初は特定の誰かが霧島透子を名乗っているのかと思われた。けど、動画を通して察せられるのは多くの人が霧島透子に成り代わる事態。もはやこれじゃ霧島透子は現象だね。そこに人を見る事は出来ない。同様に自分が寧々であると忘れた彼女も人間らしさを置き忘れたかのよう
誰かの悪意ではなく現象が麻衣の命を狙い出したかのような事態に対して、どこまで咲太は麻衣を守れるのか、そしてそんな咲太を麻衣はどう見守ってくれるのか。次回に期待ですよ



とても良い

オープニングがこれまでの振り返りだったり、ゲストキャラが勢揃いしたりする要素は最終回らしさに溢れているね。まあ、同時に未知の人物達をラストにぶち込んでくるのも最終回感はあるんだけど、それらを組み合わせた事で最終回らしさが減って名雲と真白の探偵日和はまだまだ続くのだとも思えるね
そんな最終回は探偵事務所喪失の危機という急場でありながら、何とも普段通りといった印象の内容。それで居ながら話の構図は名雲と真白がどのような関係か表しているかのよう

アスレチックを前にしての二人羽織や真白でマウスパッド作ったり歌唱したり。それらに共通するのは真白が鉄砲玉のように困難に立ち向かっていく構図
既に身体が衰え始めた名雲にとってフィジカル的な無理が出来る真白は最高の相棒。けど、真白は考えなしに突っ込むから、名雲が年の功で以て備えておく必要がある。2人は役割分担が出来ていると判るね
でも、実際は二人共しょうもない部分もあるからアスナロやマキ、アズハの助けが要る。それが彼らの日常を愉快痛快でカオスな笑える日常へと変化させてくれている

最終エピソードは探偵らしく警察の闇を暴く!…筈が(笑)
まあ、雑な導入の時点で勘違いか何かなんだろうとは思っていたけど、想像以上にしょうもない真実だったね!
結局、名雲も真白も期限までにお金は稼げず。けれど、それで終わりとせず「何とかなる」の精神でやっていって、本当に何とかなるのは名探偵として10年以上のキャリアを持つ名雲ならではの在り方か。だというのに結局は真白に振り回されてトラブルへと突き進むのだからこの組み合わせは面白いですよ
ノーマーク状態から予想以上に楽しめた本作。機会があれば再び楽しみたいものです



普通


とても良い

れな子と紫陽花の家出旅行に混ざり込んだ真唯の登場によって二人が形成していた時間が崩れてしまうのではないかと危惧させられたけど、良い意味でそうはならなかったね
真唯は確かにれな子を放っておけない一心でやって来たかもしれない。けど、れな子や紫陽花を不快にしたいわけじゃないし、真唯も紫陽花も気遣いの出来る人物。それ故に突如真唯が混ざり込んだ旅行となっても心地良い雰囲気が守られたのだろうね
その反面、気遣いの出来る真唯だからこそ気遣う紫陽花の心へと鋭く切り込めたのだろうね

駄菓子屋でメニュー作りをしたり、一緒に記念写真を撮ったり、祭を浴衣で楽しんだり
それらは突貫的に始まった旅行とは思えない程に充実しているね。これらは真唯のお陰に拠る処が大きいね
紫陽花は前回描かれたように共に行動する者に楽しくない思いをさせないように気遣うタイプと明かされたけど、真唯は共に過ごす者に最良の時間を提供するエスコートタイプかな
ただ、それは花取が言ったように真唯の「寛大なご厚意」によって成り立っている

だから真唯にはあの雰囲気に釘を刺せる。正確には紫陽花がれな子の同行をなあなあで済ませられないと金銭の負担を申し出たように、家出先で見出すべき何かに気付いていない紫陽花に対して自覚するよう促す権利が在る
欲しい物を欲しいと言わず、他者との調和を優先していた紫陽花に欲しい物へと手を伸ばさせる為に。これこそ紫陽花が家出旅行において、本当に向き合わなければならない問題だったと言えるのかもしれない

紫陽花がその答えを見出そうとする場合、れな子が同行する家出の中では難しいし、既にれな子への恋心に迷いを抱かずれな子を欲している真唯の存在が在るならば別の問題も生じうる
けど彼女の中で答えは旅に出る前から出ていたというのは驚き。でも、紫陽花は自身の調和を崩さない為にそれを直視して来なかったわけか
真唯に背を押され、れな子の笑顔に出迎えられ。それでも紫陽花はれな子に伝えられなかった。調和から抜け出す事を正しいとするか、真唯やれな子との調和を保つ事を正しいとするか。紫陽花の家出旅行はまだ終わらないようです



良い

今回はモブキャラがやたらと濃い内容だったな……
さておき、花梨が主役と言える格ゲー大会。リリーと葵衣は参加する事に意味があるといった風情だけど、花梨の場合は優勝すら一つの経過点となっているのは面白いね
打倒蓮司が一つの始まりである彼女にとって、どれだけ強くなっても蓮司に勝てないのであれば意味がない。そして強者である蓮司と再戦するに相応しい自分であると証明する為に優勝は一つの箔として必要だったわけだ

花梨の前には愉快なモブ達やら意外な伏兵・望月が登場したわけだけど、彼女にとってそれら全ては前哨戦でありながら、強さの文化交流とも言えるのかな?
モブ達は兎も角、望月の立ち回りは格ゲーマーである花梨にとっては少し異文化、苦戦させられる。だからこそ、自分の文化・戦い方を研ぎ澄ます必要に駆られる
あの決勝を経た花梨は更に強くなっていたように思うのだけど、蓮司はそれを上回るのか…。蓮司の強さが異文化を通り越してどれだけ異次元なのかと気になるね…
それでも今回の涙は花梨にとって良い交流となったのだろうね



とても良い

好きな人に何を渡したいか、その悩みは相手に何を伝えたいかという悩みへと連結されるもの
凛太郎は何か気の利いた物をパッと渡せるタイプではない。それだけに杏子のアドバイスは良かったね。ケーキ屋に生まれた凛太郎は他の人よりもケーキに永く触れてきた人間だし、薫子は凛太郎の家のケーキを好んで繋がりが生まれた相手
だから、薫子に何か伝えたいならば、その手段にケーキを選ぶのは最も相応しい遣り方に成り得るわけだ

圭一郎の問い掛けはとても的を射たもの。誰かへの贈り物であるならば美味しいのは当然として、そこに何を籠めたいかが課題になる
ここで凛太郎が薫子に伝えたい想いを言葉に出来なかったら問題外だったのだろうけど、彼は不器用でも何を伝えたいかを明確に出来た。それはきっとケーキ作りの腕前以前の課題だったのだろうな
そう思えば、凛太郎が学校でぶっ倒れるくらいの労力となっても弱音を吐かなかったのはその困難に納得できたからだろうね。薫子に伝える感謝を容易に形作れると思っていない

だからか、受け取ったケーキが凛太郎の手作りであると知った瞬間に薫子が描いた表情はその時点で凛太郎の想いの一口目が届いたからかな
あれは誕生日ケーキであって、誕生日ケーキを超える想い。「美味しい…」との台詞には凛太郎から贈られた感謝を味わい、そして作ってくれた事への感謝が籠められているように思えたよ
てか、ちょっと見ただけでも手間隙かけて喜んで貰えるように精魂込めて作ったと判るケーキだったのはちょっと羨ましくなるね

そうしたケーキは味わい以上の想いを持っているから実際に食べたわけでもない相手へも届く
凛太郎の育ちを見守ってきた杏子と圭一郎は誰かの為にケーキを作りたいと願うようになった姿にも、作ったケーキを美味しいと言って貰えた事への喜びに詰まった想いも感じ取れる
それどころか、凛太郎は更なる要望を口にしたね。家業を手伝いたいなんて大抵の親が喜ぶのではなかろうか
でも、杏子と圭一郎が喜んだのはもっと別の事で。「よく笑うようになった」との台詞に籠められた感慨に凛太郎にこれまで与え、そして返された想いの深さを見るかのようでしたよ



とても良い

今回は「好き」の否定や懸念が背景に存在するエピソードとなっただけに普段より少しだけ重めの話となりましたね…
魔法少女以外はコスしない紗寿叶の根幹にあるのは魔法少女のイメージを崩すというより、自身のイメージを崩せない諦観が有ったような。体型が控えめな紗寿叶という枠を崩せない限りブラックロベリアには成れない
でも、そうした思い込みのように形作られた枠をそれこそ思い込みによって崩すのがコスプレであると描く内容は良かったなぁ

都が教えるコス技術はそれこそ諦めなかった事による賜物だね
彼女が当初望んだのは自分とは似ても似つかない人物に成り切ること。まず性別が違うし身長も違うし顔付きも違う。自分という枠から地続きのまま成り切る事は難しい
そこで彼女が行ったのはそれこそ枠を誤魔化すようなマジックだね。アイテムを使い、更に写真である事を活かして余分な現実を枠から外して
…結果、そのような別現実を切り取る心寿達の姿が人から見られたらやばい状態になっていたのはきっと御愛嬌

そうして枠を仮初でも打ち破れた事で、紗寿叶が密かにぶち当たっていた別の諦観も破れたようで
自分という枠を崩せないから自分に似ていない体型のコスはしない。この考えは放置したまま大人になったら「もう大人なのだからコスは出来ない」という諦めへと繋がってしまうもの
それを崩してくれた都達は本当に良い存在だね。そのように思えるのは紗寿叶だけでなく、過去には旭の諦観すらも打ち破っていたと知れるからか

旭が親から押し付けられていた枠は彼女から「好き」を奪ってしまうもの
それでも一瞬だけ顔を出した「好き」を都達が拾い上げ、そして彼女を現実から切り離された枠を用いて「好き」を楽しめるようにした。それは何も人助けとして有り難いものとして行われた行為ではないから、旭も彼女らに「好き」を返せる
この構図は新菜と海夢にも言えるものだね。新菜は海夢に引き上げられた事で自分の好きを肯定できたし、コス衣装制作を楽しくやれている。人は思いも依らない出会いによって誰かを押し潰す枠を壊して遣れるのかもしれない
だとしたら、旭が海夢を嫌っているかもしれない現実も崩せるのではないかと思ってしまうが…



良い

これまでは背景の一つに過ぎず、影響があるとしても赤城が人助けの参考にした程度だった「夢見る」が遂に大規模な形で日常の侵食を始めた様に静かな恐怖を覚えてしまうね
誰か数人が予知夢を見るだけだったら偶然と否定する事もできる。けれど現実のニュースで影響の一端が語られる程に多数が共有するようになった予知夢はもはや現実の侵食と変わらない
「夢見る」の広がりは咲太と麻衣の日常が変容して行く様を見せられているかのよう

咲太達が見た夢だけでも現実が塗り替えられるかのような空恐ろしさを持っているのに、古賀が教えてくれたのは更なる恐ろしげな予知夢だね
古賀が見たのは皆の予知夢に反する夢。それは予知夢の世界がもう一つの可能性の世界である点を考えれば、麻衣の危機を一つ取り除いても別の危機が迫っていると知らせているかのよう
咲太は麻衣を守る為に塗り替えられる現実へ早急に対処する必要がある。そんなタイミングで明らかになるのは霧島透子を名乗る寧々とて塗り替えられた存在かもしれないという可能性か

麻衣のように姿が見えなくなっている寧々は存在が無へと塗り替えられている。その影響はホームページだけでなく、彼女と関係ある人物へと。ここに来て福山が寧々の関係者と示唆される展開は衝撃的
ならば、思春期症候群を配っていたという寧々は他者を塗り替える加害者ではなく、塗り替えられた被害者である可能性すら浮かんでくる。その意味では美東の示唆は面白い
これまで真実と思っていた自称が別の真実へと塗り替えられる渦中、大勢の人が未来を覗き込む夢を見るのを他所に何も見なかった麻衣に近付く事故の未来。これを咲太は別の未来へと塗り替えられるのかな?



とても良い

閉鎖的な村に霊能力者とか、こうしたフォーマットを見るとTRICKを思い浮かべてしまう人間なんですが、TRICK成分は主に真白が担当して名雲はある程度真っ当に探偵をしていたね
いや、それでも真っ当に推理するパートより、真白とババ様が対決するパートの方が長かった気がするが。そもそも本作に真っ当な推理を求める方が間違いだろうし
そんな今回は閉鎖的な村にて愛乱が巻き起こす信仰のズレが面白く描かれた回だったね

愛乱を中核とした村の信仰は強固。特に何度も真白の前に立ちはだかるババ様は象徴的
それだけに愛乱こそ信仰に逆らう者であり、信仰に呑まれた弱き女性を助けようとしていたズラしの構図は驚き。まあ、その動機も驚きだったけどさ(笑)
その意味では探偵が処刑を見守る行為が事件解決に繋がるし、閉鎖的な村に警察が突入して事件解決という流れもズラしが効いていて面白いね
そして、妙ちきりんなエンディングを聴かされた後に訪れる本当の事件。既に名探偵の名声に手が届かない名雲には流石に解決が難しい気がするけど、この難事件にどう挑むのだろうね?



普通


とても良い

二人きりの家出旅行は互いの本性を露わにするものに
紫陽花が旅費を全額負担しようとしたのは配慮に満ちた彼女らしさが垣間見える。でも、これはれな子が勝手に同行した旅である以上、れな子はそのような遠慮や壁は許せない。というか、家出に踏み込んだれな子は更に紫陽花へ踏み込むわけだ
そうすると見えてくるのは紫陽花という人間がどのような少女であるかとの点だね。紫陽花はただの天使ではなく、他人に優しく出来る少女であるのだと見えてきたよ

卓球しながらの口論は無茶苦茶。てか、そこでのれな子の要求も無茶苦茶。だからか、対する紫陽花も言っている事が無茶苦茶となり、普段なら口に出さないだろう事まで伝えてくれるね
自分の為、人に優しくする。それを嫌悪する紫陽花の姿は一種の本性と言える。なのに、それを全肯定してしまうれな子はそれこそ優しいのだけれど厄介だよなぁ(笑)
対するれな子も自分の本性を垣間見せるのだけど、そんなれな子を紫陽花も肯定するね。互いにネガティブに捉える本性を肯定し合う。それは補足関係であり、良いも悪いも共有しているかのよう

本性を明かしあった次は裸の付き合い…なのだけど、一緒に温泉へ入るだけに留まらず何で揉む流れに…?
ある意味、れな子の本性に巻き込まれつつ在る紫陽花が気にするのはれな子の恋愛観。真唯や紗月と恋仲となったれな子が語る恋愛観は心の本質、彼女の中で友達と恋人がとても曖昧になっている事が伝わってくる
だから紫陽花も今は友達であるれな子に対して思わせ振りな恋愛観を伝えられたのかもしれない

自分の嫌な面も裸も恋愛観も見せ合う行為を経て、紫陽花がなんか凄い状態に
長い期間に亘ってお姉ちゃんであった彼女にとって、妹とか幼い女の子を演じられるのは彼女が望む本性の在り方かな?それをれな子に求めるのはれな子にどれだけ心許しているかが露わになっているね
それだけに今の紫陽花にとってれな子が自分以外を一番にする状態は少し嫌なのかもしれない。そんなタイミングで現れるれな子の一番を自称するスパダリ真唯により紫陽花の更なる本性がどのように明かされるのか、次回が楽しみでなりませんよ!



普通

時は少し流れ舞台も移り明治編へ。けれど、甚夜が定長のような蕎麦屋を営んでいる為に江戸編の残り香も感じさせるね
蕎麦屋に甚夜という在り方は江戸も明治も瓜二つ。しかし、傍に居る野茉莉は大きくなっているし、何よりも蕎麦打ちをするのが甚夜という違いが有る。瓜二つだけど似ても似つかぬ在り様、それは兼臣の姿を乗っ取った地縛が登場した事でその印象はより強くなったよ
地縛は兼臣の姿を持つのに彼女に成り代わろうとはしない。瓜二つな姿を利用しない理由が気になりますよ

甚夜の下へ鬼退治を依頼する者が現れるのは江戸編と変わらず。けれど、現れた鬼達はこれまでと一線を画す者だったね
向日葵と協力関係にある点も、あの鈴音を母と呼ぶ点も甚夜がこれまで討って来た鬼とあまりに違う。ただし、違うだけに留まらず、甚夜が野茉莉という娘を得たように、鈴音も向日葵という娘を得た瓜二つの構図と言えるのかな?けど、娘を欲した理由は甚夜と鈴音で全く異なるんだろうなぁ…
甚夜と野茉莉、そこへ兼臣が加わった面々が織り成すのは江戸編とどのように似てそして異なる物語になるのだろうね?ただ、残り話数が少ない事が気になるけども…



普通

リリーと言えば、ゲームが不得意でやらかしている印象が強いのだけど、今回は彼女の先輩らしい面が異文化交流を通して描かれていたような
望月は蓮司と同じ大学で年も近い上にバイトまで同じに。そうなればリリーに勝ち目はないと思いきや、まるで姑のような態度や英語力に拠って彼女を配下に治める姿は面白いね
まあ、そんな行動はちゃんちゃらおかしいのだけど、リリーの場合は様になっているように思えるよ

これは幼女先輩・奈々を前にしても同じだね。ゲームの腕前は駄目駄目だけど、人生の先輩として相手の欲しがる物を与える度量を持っている
また、最近はリリーの英語を聞き取れるようになっていた蓮司をして判らないジョディの英語を間に立ち通訳し、それによってこれまでの発言が蓮司達に配慮したものだと判るのは異文化交流の先輩感があるね
けれど、彼女は先輩後輩の前にゲーセンを楽しむ1人の少女。彼女の家族も交えて始まるゲーセン交流。夏休みは始まったばかりなのだし、リリーの願い通り蓮司と過ごす時間がこれから増えると良いなと願ってしまうね



良い

千鳥と桔梗有志による勉強会、少し前まで両校の間に見えない壁が存在した事を思えば、あのような光景はとても貴重で温かみが有ると判るね
その一方で学力的な面が壁になっているのはちょっと微笑ましい。ただ、この学力差が千鳥と桔梗という枠ではなく、単純に問題が判る者、判らない者という枠で隔てられていたのも微笑ましい。それだけに解説が誰にも理解されない朔に笑ってしまうが

期末試験が無事に終わり訪れる夏の休み。そこでの塚田の言葉が良いね
注意よりも夏を楽しむ事を優先して教えてくれる。学生の本分、というより青春の本分として夏休みを楽しむよう促しているかのよう
だとしたら、凛太郎を悩ます答えの判らない恋も青春の本分と言えるのかもね。バレてないと思っていた恋心が翔平にバレて、同様に薫子にも…?となるのは青春らしい光景と言えるか

なら、次の青春らしさは恋の悩みを友人に相談してしまう事か。
恋に振り回されてコンディションを崩して、それを心配した友人と皆から離れた場所で会話して
そうした姿はとても青春らしさに溢れたもの。そして、その青春っぽさが絢斗に凛太郎の感情が豊かになった点や信頼を伝えてくれるものとなっているね。彼らはああして判らないものを少しずつ判るようになって青春を過ごしていくのだろうと思えたよ
そして学生の夏休みっぽさに溢れたボーリング大会の爽快さで締める流れはとても良いものだったよ



良い

遂にやっちゃうの?というドキドキワクワク感を伴い迎えた今回だけど、それより原作から増量された棺の内容が強烈だった……
海夢は強壮剤というアイテムからの思い込みイメージから心が暴走してしまった。棺は穏やかな食卓風景からの思い込みを裏切る暴走が新菜にキツいイメージを見せた感じか。海夢の方は微笑ましく、新菜の方はおぞましく
これらはどう言い繕ってもバランスが取れていないのだけど、海夢は勘違いであり新菜はゲームの出来事。どちらも現実ではないから問題とはならないと

ただし、現実に近しい事態に行き着くと想像すればそれらのイメージは現実的な脅威と成り得るわけで
新菜がゲームの影響で食べれなくなったりとか、紗寿叶が迫る棺合わせに心穏やかでいられなくなるとか
でも、最たるものは海夢への影響か。新菜とそういう仲になるかもとの想像は逆に起きなかった事で、自分と新菜の間にそうした希望は有るのか?との疑問を起こさせるものになったようで

海夢と新菜は既に充分カップルっぽいが現実にカップルとなっているわけではない。だから現実に告白したらカップルに成れるのかという不安が海夢の中に沸き起こってしまうのだろうね。いや、それにしてもあのイメージは酷いと思うが…
こちらが見る分には新菜は充分に海夢を気遣っているし、そこには好意に似たものが存在しているのだろうとイメージできる。でも、確かめるまでその感情は現実に成らないわけで
棺合わせの後に目標を定めた海夢の決意が新菜に届いた時にどのような光景が広がるのか楽しみですよ



良い

前回にて双葉をぶつけて紗良を動揺させた咲太だけど、今回はまさかの麻衣をぶつける形に。いやまあ、麻衣が同行したのは咲太の想定外なんだけども
この回は紗良に見えていたものと見えていなかったものが明白に区分された回だと思えたよ
これまでは同年代の男子か少し年上の咲太しか見えていなかった。咲太がどういう女性と付き合っているか真の意味で見えていなかった。不都合なものなら千里眼を閉じれば見ずに済んだのだろうから
だからこそ、目を逸らせない咲太と麻衣の恋人らしさは紗良にとって衝撃となったわけだ

お洒落なカフェで相席して将来を話して2人だけの秘密を明かしてクリスマスイブに一緒に出掛ける予定を話す。その光景だけを見れば2人はまるで恋人
だから紗良が自宅で見せる姿も恋人とのデートを待ち侘びる少女でしか無い
それだけに完全無欠の恋仲を麻衣が咲太と演じた一連のシーンは紗良が見てなかったものを見せつけられるもの。しかもそれは片方だけが相手に夢中になっているものではなく、互いに相手を愛している上に互いを幸せにしたいと願っている姿
それは紗良の欲しかったものであり、どうやっても分け入れないもの

千里眼関係なしに目を逸らすには紗良は逃げ出すしかなかった。なのに、逃げた紗良を咲太は見つけてしまうのだから彼女にとっては厄介であり救いであり見たくないものを見ざるを得ない場面
あのシーンで咲太は紗良を責めない。だから罪を見てきた紗良自身が己を責めなければならない。なのに咲太はそんな紗良すらも責めない
だから紗良は見たいものを見る為に改めて咲太への恋心を持ち直せたのかもね
そう思えば、想いを新たにした彼女が寧々を見えなかったのは逆に良かったのかもしれないと思えたよ



とても良い

女性を盗撮しているとなれば普通は男性が犯人だと思うもの。名雲や根津がそういう写真を蒐集していると思われたのも男性である為か。そう思えば、真犯人が女性であったのは意表を突く要素かも
…ただまあ、意表を突くという点では真白の水着姿がディスカバリー扱いされている点が一番の驚きだった気がしないでもないけど。個人的にはそれなりに魅力的だった気がしないでもないですよ?
まあ、最も魅力的だったのは恥ずかしがるマキであるのは確定なんですけども

意表突きまくりのBパート、名雲の小綺麗なスーツ姿に始まり、台風上陸中でも強行される結婚式って凄いね(笑)
その後も火達磨な赤壁の戦いとかケーキに取り込まれた美馬坂、そして容赦の無いパロネタとこちらの腹筋を休ませる気のない怒涛展開は好き。これらは視聴者が想像する常識の斜め上を突き続ける破天荒さに拠って織りなされるものだね
だからオチも意表を突くもの。それまで影も形もなかったマキが攫っていく展開とか破天荒すぎて本当に好き



良い

真唯・紗月をオトシた次は紫陽花さんなのか?と勘繰りたくなる構成はさておき、早速に紫陽花の意外な姿が披露された内容に
弟達を可愛く怒る彼女の姿はやはり可愛らしいものだけど、印象的なのは真唯も紗月も紫陽花を気遣うような発言をしている点か。学校や友達の前での彼女はどう見てもパーフェクト良い子ちゃん、問題点などれな子の妄想の中にしか見当たらない
それでも心配される何かが紫陽花には有るという事で。それにれな子が知らずして迫る内容となっていたね

だらしないれな子の休みの過ごし方を聞いて良い意味に取ったり、れな子との遊びに夢中になる弟達を泣かせない程度に怒り…
どちらも紫陽花の人の良さを反映したもの。それは絵に描いたような美点、人を不快にしない対応をする彼女はとても良く出来ている。けど、それは言い換えれば自然な彼女があまり見えてこないとも言えて
この点は紗月にも言及された点だね。「一皮剥けば、人間らしい醜さが出てくる」とは今のれな子には想像もできない紫陽花の姿。でも、その一端が現れたのが弟達への怒りや家出行為なのかもしれない

なら、紫陽花のストレスが発露したらしい場に居合わせたれな子は紫陽花にとってどのような意味を持つ同行人となるのだろうね
その意味は現状では曖昧ながら、紫陽花の想定を崩す存在として機能しているように思えるね。そもそも紫陽花は独りで家出するつもりだった、新幹線でも窓際に座るなんて無いと思っていた、決まりきっていた宿泊先も予想の出来ない場所へと変更された
自分の思い通りではない。それは本来ならストレス要因となる筈が、紫陽花を神聖視するれな子が介する事で良い方へ向かっているような

ただ、それではれな子はテンパりながら同行するだけで終わってしまう。それこそ妄想のように紫陽花から嫌がられてしまうかも
だから、この家出旅では紫陽花への理解を深める行為が必要となってくるのだろうな
紗月から送られてきたファイルが頼りになるかはさておき、それをきっかけに両者の会話は進む、互いの理解が進展する
「大人になりたい」と語る紫陽花は心に何を抱えているのか、またそれを知る旅は果たしてどこへ向かうのだろうね?



良い


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