サービス開始日: 2023-08-01 (509日目)
百合アニメ…ではあるが、個人的にはこれくらいのレベル(恋する気持ちを解像度高めに語るなどの演出によって、主人公たちの空間に浸って感動できるレベル)の恋愛アニメは他になかなかない気がする(記憶が薄いが、最近のアニメでは『月がきれい』(これは男女の恋愛)、昔のアニメなら『青い花』(これは百合)とか、少なくともラブコメアニメが流行っている昨今ではなかなかお目にかかれないのは事実だと考えている)。
このアニメの良いところの1つは、先に述べたように女性同士の恋愛をうまく描いていたこと(第7話のように同性愛の難しさが割と自然に描かれていたのも評価ポイント)、言葉選びがとても素敵だったこと、それを演技する声優たちも良かった。
良し悪しをつけられないポイントとしては、映像を見る必要がある場面があまりないこと(やってないのでわからないが、音だけで楽しめると感じた。それはアニメとしてはどうかとも思うが、この作品の素晴らしさ自体が損なわれているわけではないので何とも言えない)と、作画がめちゃ良いわけではないこと(映像を見る必要が無い(キメる場面ではない)瞬間の手抜きぶりは結構すごい。そもそもの絵柄の癖も強め)があげられる。
悪いところは、人によってはこの空気感を味わえなくて、スローテンポだと感じるかもしれないこと、そしてやがきみの空気を摂取しすぎて胸焼けしてしまい、一気見が難しいことだろうか(自分は、第9話までは一気見したが、第10話を見るまでに数か月空いてしまった。これは極端すぎるが、恋愛脳な人間じゃないとこのアニメの一気見と言うのは結構苦しい可能性がある)あとはオチが中途半端。
ただ、このアニメの恋愛の描き方は本当にすごかったことだけは確かである。笑いどころはほとんどなく、とにかく登場人物たちの人間関係を追っていくだけのアニメだが、侑と燈子の関わり合い(イチャイチャしているともいえるが、個人的にはこっちの方がしっくりくる)がとても良く、それへの時間の取り方が秀逸といえる作品。人によっては退屈だと思うアニメだが、刺さる人にはクッソ刺さるだろうし、百合アニメの中では最上の作品な気もする(そんなに作品数を見ていないので何とも言えないが)。
生徒会劇が終わるわけでもない、中途半端と言えばそう思えるようなエンドではあるものの、2人の関係性を描いたこのアニメの最終話としてはキレイともいえる終わり方で良かったと思う。会いたいと思うタイミングが似ているのも、今まで一緒にいたから似てきたのかもしれない。
第11話での燈子の周りでの出来事からの第12話冒頭の迫真の演技につながっていくのは良かった。そして電車で過去の出来事をどちらが思い出しているのかは知らないが、それをきっかけに侑は燈子を家に誘うことを決意した。気持ちが露出したしっとりとした時間はとても良く、そこで侑は燈子の意思がわかり、自分の意志を固める結果となった(「好きな人が自分の嫌いなものを好きでいることが嫌」の返しが「自分の好きなものを嫌いというのは嫌」というのは良かった)。劇の結末を変えるのは予定調和。
3人で良かった…が良かった。そして劇の登場人物と燈子と燈子の姉が重なって見えるようにみせてきた。こよみが結末に悩んでいるように、燈子の自身の在り方に対する悩みがあって、劇が終わればこの悩みもまた解決していることだろう(というか劇の結末とかぶるだろう)。
伏線というか話が進展するための土台作りな1話だった。侑と燈子の関係性の現在を見せるような一幕以外は日常的な雰囲気で進んでいった。まあまあな感じだった。作画の手抜きどころがよくわかっているとも思った。
徐々に変わってきて、侑はもう既に(槙から見ても)「好きを理解出来ない・必要としない」人間ではないと感じるほどになってきた。最後の場面で一線を越えてはいけないと思うところとか、それでも体を寄せてしまうところとか、心拍数が上がっていることを認められないところとかそういうのすべて良いと思った。
『繋がり』の回だった。紗弥香は女子校時代の先輩との繋がりを「さようなら」の一言で断ち、燈子と紗弥香は手を繋ぎ、燈子が紗弥香に「何色が好き?紫陽花」と問う。侑と紗弥香のバトンパスが上手くいっていない(侑と紗弥香の『繋がり』が悪いという比喩であると思われる)が、マックで話し、紗弥香から侑へ「何色が好き?紫陽花」と問う。雨が降っているために誰かの傘に入れてもらおうとする侑だったが、朱里と朱里が好きな先輩との関係を優先させ、姉はデート中だったので友だちが見つかったと嘘をつき彼女たちの関係を優先させる。貸し出し傘も壊れていて、一人で濡れずに帰ることができないなあと思っていたところに燈子が現れる。一緒に帰る中で、侑が燈子といるときに「楽しい」「現れたときに嬉しいと思った」と感じていた。しかし、燈子にとって侑との繋がりは、「燈子のことを好きにならないからこそ続いている関係」であると考えており、「嬉しかった」と聞いたときに不穏な表情になるのも味である。そして侑から燈子へ「何色が好き?紫陽花」と問う。時が変わりバトンパスの練習をしまくったおかげで侑と紗弥香のバトンパスは上手くいくようになった(そしてお互いが燈子に対しての思いが一致している所を見るに、『繋がり』も改善されたのだろう)。
キャラクターの関係や人間性がいろんなやり方で表現されていて面白い回だった。全てを言葉にしようとするととても長くなるのでこのくらい。
紗弥香自身が女性に対して恋愛感情を持つ人種だからこそ、箱崎先生が店に入ってきてからの一連の会話と動作で店長と先生の関係を感じ取れてしまうというのは納得感があるし、紗弥香がカウンターでコーヒーを飲む動作が箱崎先生とかぶっており、この話の中では、同性と恋愛をするという共通点を持つ人(同性との恋愛をすることを諦めない人)しかやっていないことという含みがあるだろう。
9割は紗弥香の話で十分面白い、1割は燈子の話でまあまあだった。全体としてやがきみの良さが十分感じられる良い回だった。
内容はもちろん面白い。演劇を止めるように提案する侑と、それを拒絶する燈子の心の距離が川の幅くらい大きくなった後に、侑が近づきながら語り、それに答えるかのように燈子も近づく。こういうのが良い。最後に言いかけた言葉を引っ込めて手を繋いで帰ろうと言い、その距離が足場1つ分空いているのも良い。変わりたいのに嘘をついたのはまた自分も寂しいと思っているという侑の言葉は沁みる。そしてCパートで第6話にして初めて燈子目線の心情が語られる。好きとは束縛する言葉だと考えていて、その中で侑が現れて・・・から今までを回想し、侑に「好きだよ」と言う〆も素晴らしい。
わかりやすいところで言えば、第1話から1人称視点のシーンがあったり、カメラワークが面白いと思っていたが、昔の演劇台本の出演者に燈子の姉らしき名前があった。そういうのを音にせずさらっと流すのもこのアニメの良さだと思った。そして放課後の生徒会室でのくだりまでの持って行き方は、今回の1話だけではなく、今までの3話分があったからこそ出来るシーンだと思う。後半は槙の話だが、前半からのバトンタッチがあったから後半に槙目線が多いのも納得できる。「無理のない流れ」もまたこのアニメの良さであると思った。槙が百合の間に挟まる男ではないところもポイントが高い。
槙の百合考察に動揺する侑もまた良かった。
前半で見えた、旅行のお土産をもじもじしながら渡しに来た素の燈子と、後半で誰からも信頼されている理想の燈子を描き、そして侑は燈子の弱音を聞いて、どうして私を好きなのかという疑問に対して答え(自分が燈子にとってどういう存在なのか)が見つかった。選挙演説のオチも素晴らしかった。後半の最後に、前半パートのお出かけで出た話が回収されるのもしまりが良い。
大筋の話とは関係ない部分ではあるが、お出かけで話された日向 朱里(ひゅうが あかり)の失恋と、それを朱里がどう思っているかを聞いて、「まるで、練習したみたいにすらすらと話す朱里は、その言葉を、一人で何度並べて、飲み込んで、整理したんだろう」という語りが出るこの作品は最高だ。後半の、相談すれば良いのにという言葉に対して「それはだめ」とかなり強めに言う燈子の演技も良かった。
紗弥香の嫉妬がちら見えしつつ、侑の現在の心境(他の人が当たり前に有している特別の感情を知りたいこと・燈子が特別を知っている(侑に特別を感じている)ことを知って裏切られたと感じたこと・そんな燈子の気持ち(好きでいさせて)を許してしまう自分の不可思議さ)を気持ちよく描写していた。良かった。
このアニメは百合恋愛ものらしい。主人公とヒロインの関係の変化とキャラクターの成長という2つの要素が大きな柱となっていると感じた。恋だとか、特別だとかの意味を知っているだけで理解出来ない主人公の侑と、恋に興味が無い燈子。恋に興味が無かった燈子が侑に惹かれ、侑も次第に「特別」を理解するのだろう。スパイスとしての生徒会役員2年の佐伯 沙弥香(さえき さやか)と1年の槙 聖司(まき せいじ)が良い塩梅で作用してくれると良いなと思う。声優に関して、『NEW GAME!』の涼風青葉役で有名な高田憂希さんが演じる侑が特に良い。恋を知らない女の子役がはまっている感じがする。他の人も悪くは無いと思った。
シリーズ構成・脚本は、よりもいの構成・脚本の花田十輝が担当←これだけで安心感がある。絵柄が独特だが、作画も問題なさそうだ。
菊入正宗14歳。彼は仲間達と、その日もいつものように過ごしていた。すると窓から見える製鉄所が突然爆発し、空にひび割れができ、しばらくすると何事もなかったように元に戻った。しかし、元通りではなかった。この町から外に出る道は全て塞がれ、さらに時
までも止まり、永遠の冬に閉じ込められてしまったのだった。
町の住人たちは、「このまま何も変えなければいつか元に戻れる」と信じ、今の自分を忘れないように〈自分確認票〉の提出を義務とする。そこには、住所、氏名、年齢だけでなく、髪型、趣味、好きな人、嫌いな人までもが明記されていた。
正宗は、将来の夢も捨て、恋する気持ちにも蓋をし、退屈な日常を過ごすようになる。ある日、自分確認票の〝嫌いな人〟の欄に書き込んでいる同級生の佐上睦実から、「退屈、根こそぎ吹っ飛んでっちゃうようなの、見せてあげようか?」と持ち掛けられる。
正宗が連れて行かれたのは、製鉄所の内部にある立ち入り禁止の第五高炉。そこにいたのは、言葉も話せず、感情剥き出しの野生の狼のような謎の少女。この少女は、時の止まったこの世界でただ一人だけ成長し、特別な存在として、長い間閉じ込められていた。
二人の少女とのこの出会いは、世界の均衡が崩れるはじまりだった。止められない恋の衝動が行き着く未来とは?
---(公式HPより)
なかなか評価が難しい映画だと思った。製鉄所の爆発によって現実世界が甚大な被害を受けてしまったがために、製鉄所に祀られている(見伏町が祀っている)神様によって時間が停止した世界が創られた...というのだが、それについて何も説明(根拠)が無く、その世界を認めるとしても(冬から動かないというのはまあ良いとして)心が成長しているということは、時間が止まっていると単純に考えて良いものではないと思う。時間が止まっているようで冬のある1日をひたすらループしていると考えたほうがいいのかもしれない。...正直世界の不思議に関する議論は岡田麿里作品で考える必要はない(というか考えても答えが出ない)だろうと諦めている。今後この世界の構造に関する疑問(なぜ「変化」したら食われるのか等)や、佐上が持つ世界の不思議に関する真実が正しい根拠がない等そういうところに触れずに感想を述べる。
中学生の自分がかつての記憶なため、この作品で描かれている中学生の雰囲気が”正しい”のかはわからない。が、2000年代の中学生の雰囲気に対して個人的には違和感は無かった(序盤の方)。それに彼らは中学生のようで、五実(いつみ)の成長するための時間が等倍で流れていたとすると、終盤の正宗たちの年齢は+5歳以上には成長してると考えてよさそうではあるので最後の方のどこか達観している感じも納得ではある。
映像は良かった。神機狼の動きやキャラの動きも文句は特にない。内容以外で気になった点としてちょいちょい思ったのは、キャラが急に情緒不安定になる瞬間があるところと声優の滑舌なのか音響なのかわからないが聞き取れない瞬間がぼちぼちあったところくらいだろうか(鑑賞時、内耳の異常があったため自分の耳が悪いだけの可能性は0ではない)。
そして肝心の内容だが、絶賛できるほどではなかった。「面白さ」「完成度」「好み」の3軸で簡潔に語ると、感動の流れがちゃんとあって、それを楽しめると言えば楽しめるので「まあまあ面白い」ものの、上記の通り世界観に対する解像度や妥当性が薄いがために「雑な作品」になってしまっている印象。好きか嫌いかで言えば「『あの花』より好きには絶対ならないものの嫌いな要素も特にない」くらい。
世界観による行動の妥当性が無いせいで、主人公たちの行動によって享受できるはずの面白さが削減されているのをめちゃ感じる。また、出来事自体はかなり少なく(工場爆発しまぼろし世界構築→睦実は佐上に頼まれ五実を育て始める→時間が経ち、睦実は正宗に五実を会わせる→世界の真実を知り、正宗は睦実とキスをする→五実がそれを見た影響でまぼろし世界の崩壊が進み、そして正宗は未来の自分の子供でもある五実を現実世界へ戻すために奔走する)、にしては作品の時間が長いので中身が薄いとも感じるかもしれない。個人的には鑑賞前に別の映画を見ていた疲れがあったからなのか、そこまで退屈には感じなかったが、感想を書いていて2回目を見る気になっていないあたり”その程度”の感じがある。
親子の絆を描いているものの、インパクトが不足しているとも感じた。まぼろし世界の正宗・睦実と現実世界で正宗と睦実の間に生まれた五実(沙希)との絆が主に描かれているわけだが、娘の初恋相手は若かりし頃の父親でした~、しかし若かりし頃の母親には勝てませんでした~、という文面だけ見ると(お~面白そう)と感じるが、見ていてそれに感動はしなかった。途中から五実が正宗に恋しているのはわかっていたし、正宗が睦実を捨てるわけもなく、それを踏まえての睦実が五実に勝利宣言みたいなものをするラストを見て感動できる人は涙腺が弱いか頭が弱いか経験値が無い子供かの3択だろう。五実が自分たちの子供であるとわかったときの驚きも感じれたし、現実世界の自分たちを救うために五実を返したいと思うくだりも悪くないとは思うので、恋愛面だけが惜しい。
あとは、五実を現実世界に返せた後のまぼろし世界はどうなったのか。一生イチャコラする空間が完成したのだろうか。そこらへんもわからず終わったのでモヤった。
少年少女の魂の叫びが売りのダマリ作品だが、世界をかけている以上そこに対する設定の説明が無かったこの作品は失敗していると感じた。
2期はアベレージの面白さ、1期は起こる問題1つ1つが面白いという感じだった。1期は起こる問題が進展する(面白い)ときは総評も伸びるが、話が進まない(面白くない)と総評も総じて下がるというイメージ。2期は話が粛々と進んでいくから文句は出ない(総評が高い)が、絶賛するほど面白いかと言われたらそういうわけでもないという感じだった。面白い瞬間はあるものの、瞬間風速が無いイメージ。
個人的には1期の方が好きだった。1期は吹奏楽部の面白さがかなり出ていた印象だったが、2期になって吹奏楽部とは関係ない人間関係の面白さで勝負していた感じがあるので1期よりはおすすめ度は下がる。(めったにないだろうが)1期と2期のどちらかを見るとしたらどっちをお勧めするかと言われたら絶対に1期だ。
総括として特筆すべきことは無い。2年生編が楽しみだ。
1年生編が終わった。第9話で吹いた曲(合宿の時にも吹いたあの曲)が『響け!ユーフォニアム』で、タイトル回収にもなっていてよかった(第1話のシーンも使われてて良かった)。それにこの曲の伝わってきた経緯が良い(父から子への愛情・先輩から後輩への激励も込めた愛)。この作品のタイトルにより温かみを感じるようになった。
吹奏楽部の卒部会を描かれてるのも良い。楽器については詳しくならないアニメだが、どういう仕組みでどういうスケジュールで1年を過ごすのかを知れる良いアニメだ。音の違いとかは意識しないと(もしくは音楽に詳しくないと)わからないだろうが、それでも楽しめるので問題ない。
ここまで来てまだ吹奏楽部あるある(コンサート編)があるというのも、そしてそれを描くのもあっぱれだ。それ以外は普通に面白かった。演奏全カットは致し方ないとする。久美子が麻美子に愛を伝えるところが一番良かった。
良かった。麗奈の子供っぽさが出た大吉山だったが、そんな麗奈にかける言葉が『もう奥さん…いないんだよ』からの『私…応援してるよ』なのはぞっとした。言葉にはしてないものの、滝先生の妻はトランペット奏者だったのだろう。とにかく情緒あふれる第11話だった。
芸術の腕は、経験を昇華して高みに至るという側面もあると思うし、この作品はそれを数多く描いている。とても良い作品だ。
高校生あるある…というか、親の言うことを聞いてたら自分の意思とは違う人生になっていたから、親のせいだ~~~と嘆く現代の若者の権化である麻美子は自身の甘さに気づき、なんだかんだ愛する妹の久美子に自分の学びを伝えた。そして久美子はあすかにそれを説き、あすかは復帰することになったという流れ自体は良かった。が、模試で30位以内だったというのを説得材料に復帰するという作戦は、久美子に言われる前にたてられていたはずで、つまり本当に『みんなに迷惑かけないから』というのを実行した結果なのだ。ノリ自体は感動ものだが、久美子が何も言わずとも帰ってきたのだろうと思うと何とも言えない…と思ってしまったのは見せ方が悪かっただけで、おそらく久美子の言葉に感動して今までの自分が培ってきたものを見せて説得したという話だと思う(オブリガートと言ってるわけだし)。
久美子と麻美子の姉妹愛も個人的には納得感がある。過去に仲が良かったというのもあるが、兄妹とは趣味嗜好があわないものだが、不幸になってほしいとは思わない。幸せになってほしいと自然に思う程度の愛は常に持っていたのだろう。全体的に良かった。
ユーフォっぽいというのがどういう感じなのかを感じることができない自分が憎い。久美子に本心を伝えることをいとわないのは、あすかがユーフォニアムを好きだからという『風が吹けば桶屋が儲かる』的な理由なのだろう。(麗奈の話もあるが)久美子の正直な性格から出てくる親しみやすさのようなもの(他人にべらべらしゃべらない、話し相手に対して嘘のない言葉を語る、裏表がなさそう)がユーフォらしいというのかもしれない。あすかに引退してほしくないというみんなの願い、父親である進藤正和に自分のユーフォを聞いてほしいというあすかの願いなどが見えてまあまあ面白かった。
だが一番気持ちよかったのはあすかが河川敷で吹いた曲だ。文脈からくる父親の愛、あすかの願いとユーフォをやる楽しさ、久美子の感情(先輩のユーフォが好き、先輩が部をやめてほしくない気持ち)が全部のせになって聴いてて感動した。
人間ドラマ回。麻美子があすかの未来の姿に見えるような演出に感じた。あすかの人間味に安心する葵や、久美子の昔の姿を塚本の発言によって思い出す麻美子など、味のある関わり合いが多かった回だった。今後に期待。
あすかの引退でのひと悶着で、あすかにスポットが当たるのは良いが、いまいちしっくりこない状態で駅ビルコンサートも無事に終わり、次回へ続くという感じだった。
今までの演奏に比べてのメッセージ性が若干薄い感じがあったものの、バリサクソロを吹くまでの流れがあったので良し。吹奏楽の演奏特有のパフォーマンスも(しょぼかったが)描かれていたのも良かった。今後に期待。
麻美子について何も解決してないのは置いといて、前半で麗奈の滝先生に対する想いを描き、後半で滝先生が顧問をしている理由、滝先生の亡くなった妻に対する想いを描く…花言葉が『あなたを想い続けます』という花を選んだ滝先生は素敵な人で、滝先生の全国に対する願いを知れたからこそ、1期の発言が光る演出も良かった。
面白さはまあまあな感じだが、完成度が高い第6話だった。
1期の最終話の反省があったのか、三日月の舞をフルで音を途切れさせることなく演奏したのは良かった。そしてみんなの願いや雄姿を映す演出はとても良かった。音楽をするならこれが見たかったというのが叶った演奏だった。前半の不安からの後半の演奏、ED挟んで結果発表という流れも良い。
みぞれと希美の問題が解決した。その解決に至るまでの過程自体は高校生らしいと言えばらしい、偶然の重なりみたいなもので見る人が見れば感動が薄い(優子と希美の話を見ていた久美子みたいな感じ)だろうが、個人的には楽しめた。その後のあすかとのやり取りも意味深というか、2期になって先輩の人となりの行方不明度が上がってきたというか、こういう立ち回りを2期ではさせたいんだろうなというのをひしひしと感じる。
『誰かのため』の行動は『何かのため』の行動以上に原動力が強い気がする。それを見事に描いた第4話だった(みぞれのオーボエの鮮やかさが段違いに上がった)。
水着回!合宿回!という感じでもない。話し合わないとわからない的な言葉がいろいろな人たちに刺さってるな~と思ったくらいで、この回に関しては今後に期待以外の感想が無い(第1話もこう思ったが)。2年生ズの本心のぶつかり合いが起こった回が2期の一番の盛り上がりになる可能性もある。
第1話から思ってはいたのだが、久美子と麗奈の百合度が1期に比べて明らかに増しているのはなんなのか。困難に立ち向かった仲間補正があるにせよ、手をつないだりあの距離感はちょっと良くわからない。女子だとあるのだろうか。