白い嵐ってタイトルから闘いが荒れるのかと思ったら、文字通り天候の嵐だった。白いってつくのは宗谷名人との絡みから付けられたのかと1人納得。
宗谷名人、耳が聞こえない?ので、前回のインタビューがチグハグだったのか。
常人には預かり知らないところではあるけど、浮世離れした性質と、天才とまで言われる才能とは表裏一体だなぁと。
天才だからあの性質になったのか、あの性質だから将棋に専念して天才になったのか、名人に至るまでの背景に想いを寄せて、なんだか切なくなった。
相変わらずの熱量がすばらしい。今日もがんばろう、って気になる。
京伏の肉の人はほんと変態だなぁ…。御堂筋くんが、『勝負にストイック過ぎるだけで、随分とまともなやつ』に見える。
冒頭の、ヴァイオレットがギルベルト少佐の目と同じ色をしたペンダントを前に胸を締め付けられる仕草をし、これは何?と自問するシーン、
それは愛だよっ!とツッコミたくなった。この伏線は、ラストですべてが明らかになったとき振り返るのでは。
よく見ていると、足や手の機微で各キャラクターの心情が表現されており、この控えめな表現が逆にグッとくる。巧みな演出。
ウォッチング中佐やティファニー夫人など各キャラの心情まではっきり読み取れて切なくなった。
タイトルに入っているくらいなので、ラストには少佐の意を組んでエバーガーデン家に戻るのかな。と思ったけど、途中、中佐から『エバーガーデン家から身元引受人にはなるけど…』って話が出てるので、戻ることはないのかな。せめて和解できるといいな。
ヴァイオレットの感情はあるが自覚がなく、一見すると冷血に振る舞っているように見え、ときに情動に駆られて動く、というのは実にアスペルガー的な振る舞いだなぁと。そう思うと、現代にも通じる話なのではと。
中佐はヴァイオレットの良き理解者で父のよう。物語後半、中佐のセリフが超カッコいい…。
『これから色々なことを学ぶけど、知らない方が楽に生きられただろう』
『自分がやってきたことで自分の体が燃えている』
戦争で殺人を繰り返したことによる多くの罪や、腕を無くすなど傷、を背負っていることを意味してるのかな。(このあとの回想シーンを見る限りではそうとれた)。
また、今回のティファニー夫人とのやりとりでは、自らの発言で、自らの評判を下げていた。炎上のような行為を意図せずしているわけだけど、これも含まれるのだろうか…。炎上で自らの体を燃やす…、なんだか現代にも通じる話なのではと。
ヴァイオレットが感情を理解したとき、心に受けるダメージは底知れないものがある。
犬のぬいぐるみを放り出して、屋根の上で義手の動きを確かめるシーン。ヴァイオレットは何を思っていたのだろう。
と思ったら、直後の少佐とのやりとりで答えが出ていた。命令に従うしかしなかった(犬と呼ばれた)少女が、自らの意思で動き始めていることを暗に示していた模様。実によく練られた構成。
OP、ED曲ともヴァイオレットの心情を言葉にしていて良い。
ヴァイオレットの成長が、一歩一歩とても丁寧に描かれていた。今回のもう一人の主役、後悔の念に苛まれ自らを責め酒に溺れる兄と、それを見守る妹の話には涙ぐんでしまった。
30分という短い中で、主人公の成長物語に加え、端役のストーリー・背景までキッチリと作り込まれており、この作品のクオリティには脱帽するしかない。
ところで、この作品、ヴァイオレットを通じて、特定のアスペルガー症候群の人から見た世界をとても緻密に描かれているように感じられる。ヴァイオレットを見ていると『感情の輪郭(カタチ)』を正確に把握・理解し、自分のものへと咀嚼していく過程を追体験しているかのような感覚さえ覚える。
ヴァイオレットの言動に妙な破綻も感じられないことから、原作者からこの作品のスタッフに至るまで、ヴァイオレットという登場人物の内面に対して理解のある人達が集まっているのだなぁと、そんなことを思った。
繰り返しになるのだけれど、この作品は、映像はいわずもがな、登場人物の内面描写がとても良い。各回つくり手が伝えたいと思ったであろうことがクリアに伝わってくる。
タイトルの『自動手記人形』が『送り主のココロを伝えることを仕事とする人』であるとするなら、この作品を制作された原作者・スタッフもまた『自動手記人形』と言えるのではないだろうか。
名場面集という感じ。結果に至るまでの一人一人のストーリーが省かれているので、見ていてテンションが上りきらないというのか、TV版では毎回感じられるような熱量が感じられなかった。ちょっと物足りないかなぁ。
宗谷名人の異常さが際立つ演出だった。
今回は全体を通してフワッとした内容のほのぼの回だったけれど、これから一波乱ありそうな幕引きだったので、どんな緊迫した戦いが繰り広げられるのかと、次回が楽しみ。
失敗を重ねることで成長する主人公に、徐々に明らかになる過去、キャラクターに多くを語らせずに静かに物語の変化を奏でる映像美。
今回はふわっとした話でハッピーに終わるかと思いきやの、ラストは、話をシリアスな方にグッと引き締める見事な幕引き。
今回のラスト、寿司で例えるなら、まるでネタの味にクッキリとした輪郭を与え、ネタの魅力を存分に引き出す良質なサビのようだった。
構成、脚本、演出の見事なハーモニーは絶賛するしかない。
今期1番の楽しみな作品に急上昇。
前半、学年主任無双過ぎ。とはいえ、落ち着く所に落ち着いて良かった。友達のケアセンターでのエピソードは、どこか浮世離れしていて、実際にこんな感じなのかなと思うと、なんだか胸が苦しくなる話だった。
後半、桐山目線での心象描写がとても丁寧で、優しさに溢れていて見ていてほっこりした。
記憶の断片映像が繋がって徐々に物語のあらすじが見えてきた。結構ショッキングな映像が繰り返し挟まれるのはSAN値が削られた。
すでに主人公には幸せになってほしいと願う自分がいる(1話にして話に惹き込まれている)。これからの成長が楽しみ。