deadsugar

@deadsugar

ある人物が怖い目に遭遇し他者に状況を説明するも、「夢でも見たんだろう」と相手にされないというホラー展開の王道パターンはよく存在する。今回「ねじが落ちている」という通常なら気にも留めない現象への恐怖を語った花名に対する、たまての返答のなんと誠実なことだろう。さらに興味深いのは「人それぞれ」の多様性を肯定する例示としてギャルゲーを持ち出している点だ。「ギャルゲー」はともすれば「パターン化されたやりとり」の比喩として用いられることの方が多い素材だが、たまては（もちろん自分がギャルゲー好きだからであろうが）そこに人間の豊穣性を読み取っている。それは、この作品そのものの豊かさでもあるだろう。