サービス開始日: 2016-09-30 (2996日目)
主人公一行が世直し旅、という言ってみれば水戸黄門パターンのシンプルな勧善懲悪なわけだが、肩の力を抜いて気楽に楽しむことができた。
とてもユニークな作品で、面白かった。
キャラももちろんよかったのだが、自分としては舞台となっている世界の設定により心惹かれたので、もっといろんなクラスタのいろんな人のエピソードを見てみたかったなあ。
第8話のサンドリヨンのエピソードはお気に入りだったので、最終話で彼女が意外な形で再登場したのは嬉しいサプライズだった。
感無量。このエピソードをこの上ない形でアニメ化してくださったスタッフのみなさんに、心から感謝を。演出も作画もキャストの演技も(特にかぐや役の古賀葵さん)も全てが素晴らしく、作り手の強い思いが伝わってくるフィルムでした。
原作ファンとして、完結までアニメ化するのが無理としてもなんとかここまではアニメ化して欲しい……と思っていたのが今回のエピソード。原作はこれ以降も続いていますが、たとえアニメ版の続編がなかったとしても自分は十分満足です。本当に幸せな三ヶ月でした。
……とか書いてる間に新作アニメーション制作決定の告知が。マジですかあああ!!
主人公のドラマを12話で過不足なく描き切った、満足度の高い最終話だった。
演出や作画が苦しい回でも一定の面白さがキープされていたのは、作品の土台となるストーリーやドラマがしっかりしていたからこそで、そこは原作の力によるところ大だろうか。お仕事物としての前半での主人公の言動が、最終話でブーメランとなってきれいに返ってくるのが快感だった。
こういうジャンルの常として主人公二人はくっつきそうでくっつかないままだと思っていたので、終盤の告白展開には本当に驚いた。
けれど、「阿波連さんはかれない」のだから、普通じゃない距離感こそ二人には相応しいのかもしれない。
面白かった。
クセは強いが魅力的なキャラ、意外性のあるストーリー、アップショットに頼らずロングショットを効果的に使う演出、手間のかかる演出にもしっかり応える作画、キャラにマッチしたキャスト、と高いレベルでバランスの取れた作品だったと思う。
小説原作らしく、各エピソードがラストに近づくにつれて伏せられていたカードが次々とめくられ加速度的に盛り上がっていくのに引き込まれた。原作小説の一冊かけて山場を作っていく構成を、こんなふうに上手くアニメに落とし込めた例って意外とない。
主人公のメノウの戦い方が、力に任せてゴリ押しするタイプではなく、相手を上手く騙して隙につけ込むタイプだったのも、バトルに「どうやって勝つのだろう?」という緊張感と「こうくるのか!」という驚きがあってよかった。アカリがメノウの知らないところで独自に動いているのというのがまたいい。
ふたりの旅路がどこへ行き着くのか、続きが気になる。