戦車喫茶が非常にカオスな空間。それのせいで女の子部屋としてはあまりに普通じゃない秋山の自室のインパクトが減っているような……
今回は前回Bパートに続きあんこうチームそれぞれの戦車道に向き合う理由がクローズアップされていた印象
沙織は聖グロリアーナとの試合を通して戦車戦を純粋に楽しめるようになった。だから強豪校といきなり当たってしまっても出場できるだけで楽しいとなる
秋山はプレッシャーがかかり思い詰めるみほのためにわざわざ潜入までしてサンダース校の情報を持ってきた。それは初めて出来た友達のためでもある
それぞれが戦車道に向き合う理由はあるけれど、あんこうチームに共通しているのはやはりみほの為に戦いたいという思いなのだろうね。みほの足を引っ張るまいと隠れて居残り練習している姿はちょっと涙を誘う
そうこうしている内に大洗女子学園の練度は上がり、それぞれのチームカラーも決まり制服も出来上がった。本格的な始動感があるね
そしてBパートで描かれた戦車戦、今回は情報戦がメインといった所か。
秋山の潜入取材というズルから始まった戦いはアリサによる通信傍受という更なるズルが重ねられみほ達は負けそうになってしまうが、その局面を更なるズルであるケータイで連絡を取り合って乗り切る展開は面白いね
これで戦局としてはある程度互角になったわけだから、次回こそみほとケイの実力勝負が見れそうだ
戦車道に向き合う理由といえば、何かしら思惑を隠しているっぽい生徒会メンバーが何とも不穏
戦車戦を純粋な気持ちで楽しんでいるメンバーが多い中で、彼女らの存在はちょっと異質に映るが……
肝心な部分が伝わらない事で破茶滅茶に展開していくストーリーが面白いね
イメチェンって見た目を変えて相手からの印象も変えることが狙いの代物なんだけど、あまりに見た目が変わってしまうと本人だと気付いて貰えない。そんなあたふたが描かれるAパート
成幸は逆ナンされていると勘違いしてしまうし、理珠は理珠で成幸の余所余所しさを親睦深まる兆候と勘違いしてしまう
でも、勘違いしたままの状況であってもいつものように成幸が勉強を教え、理珠はいつものように国語問題に躓く。普段どおりの関係性が維持されているのは面白いね
でも、やっぱり勘違いしたままだから、普段の成幸であれば理珠に直接伝えられないだろう想いを語ってしまう。それを契機に理珠も普段は聞けないだろう「今日の私、どうですか?」なんてストレートに聞いてしまう
結局成幸は「今日の理珠」をどう思うかをストレートに返せない。だから理珠も親睦が深まった気がしない。
それでも互いをどう思っているかがほんの少しだけ通じたこの展開は勘違いに因る役得かもね
Bパートではスピーキング習熟のため英語だけで会話することに
慣れぬ言葉で会話し続ければどうしたって本来の意図と異なる言葉を使ってしまう場合がある。それは成幸がうるかの下着を褒めたと思われたり、うるかを大切な恋人だと訴えてると思われたりする場面
前者は単純な聞き間違いだけど、後者は成幸の言い間違い。成幸が言い間違ってうるかが正しく聞き取る非常に珍しい展開
だからうるかも成幸が言い間違えてるなんて夢にも思わないしそのままの意味かと思ってしまう。成幸の「うるかは大切な勉強友達」という想いは伝わらず、「大切な恋人」と誤って伝わってしまう
いざという場面に弱いうるかとしてはもう逃げるしか無いわけだね(笑)
それにしても成幸の言葉を勘違いしてぐるぐる目になっておかしな行動を繰り広げるうるかはやはり可愛らしいね
視聴中は「何故翠は蓮を追い返すためにゲーム勝負なんて仕掛けたのだろう?」と不思議だったのだけど、落ち着いて考えてみたらあれって蓮のやる気を復活させる為か
自分の目的を邪魔されないようにしつつ最小限の労力で蓮も励ます翠。確かに素晴らしい胆力をもっているようで
入院した会長の代わりに文化祭を盛り上げようとする蓮。気負いが過ぎるとアイディア出しも空振るし人心の掌握だって間違ってしまう、視野も狭くなってしまう
だから蓮はニムトでも単純に置かれている数字よりも近くて大きいものを出せばいいなんて判断してドボンしてしまう
そんな彼女に必要なのは会長や翠がしたように肩の力を抜かせることだったというわけだね
絶対安全と思った場所にこそトラップが潜むニムトを通して肩の力を抜いた蓮。文化祭を盛り上げる為には翠の協力が絶対に必要と思って居たわけだけど、それは結局のところ安全策でしかない
ニムトで見出した楽しさ、そして翠と切った張ったを繰り広げた経験が逆に翠の力を借りずに文化祭を盛り上げる気持ちを蓮に湧かせる展開は面白いね
元々蓮にだって皆に楽しんでもらいたいという気持ちはあったわけだし、その気持ちに真正面から向き合えば問題なく文化祭は盛り上げられるだろうね
ここに来て翠がボードゲーム好きな理由が判明
商品が作品になる歴史を聞き、それを自分の夢とすると決めた翠。そこには単純にゲームを楽しみたいという気持ちに終わらず、他の人にもゲームを楽しんで貰いたい、自分でも素晴らしい作品を生み出してみたいという純粋な気持ちが有ったというわけだね
今回は文化祭をどう盛り上げるか、との悩みを抱く蓮を絡めつつ皆を笑顔にするにはどうしたら良いのか、という点を突き詰めていくかのようなエピソードだったね
Aパートはまあまあ普通な戦車戦をしているというのに、Bパートでその戦車を可愛らしくデコレーションしてしまう衝撃展開
第一話の戦車道紹介時点でこの作品で扱われる戦車はある意味普通じゃないと示されていたけど、それが視覚的に表れたように思える回
また、砲弾が直撃してもアニメ的な演出でちょっと煤けるだけと、作中で描かれる戦車は本来の戦車の在り方から大きく外れあっという間にガルパンワールドに侵食されていく。
それでいながら、みほが転校先に求めた願いに対しては優しい侵食が行われている点は非常に印象的
まだ断片的にしか示されていないがみほが元々していた戦車道は非常にお堅く楽しさなんて微塵もなかったことが察せられる。そしてAパートで描かれた戦車戦はみほが知る戦車道とはそれ程違わないもの
でもその在り方は戦車道新人ばかりの大洗女子学園にとって望まない形。だから皆が思い思いの形で戦車を可愛らしくしてしまう。また、対外試合に負けた際のペナルティもあんこう踊りなんてどこか気の抜けたもの
これらはみほが知る戦車とは全く違うものだけど、それ故に違う形で示された戦車道の楽しさはみほに笑顔を齎すわけだね
そういった事情もあってか、Bパートで描かれる戦車関連のあれこれは私達がイメージする戦車とはかけ離れたものばかり
出発時間に起きれないから辞めると我儘を言う麻子を止める言葉は命令に従わないことへの懲罰ではなく、単位が足りなくなるとかお婆ちゃんに怒られるとか学生らしいもの
町中を戦車が走っていても誰も怖がること無くむしろ懐かしがり応援してくれる
戦車同士の試合が行われる周辺では確かに道路封鎖が行われるものの、どちらかというとお祭りでも行われるかのような空気感が漂う
西住流出身であるみほが指揮しながらも既に大洗流を示し始めている大洗女子学園と騎士道精神を掲げる聖グロリアーナ女学院の戦車戦がどのようなものになるのか、そしてみほの指揮能力がどれほどのものなのか次回が楽しみだね
今回はあすみと真冬がメイン回。どちらも有能なタイプであることは確かなんだけど、その能力の周囲への受け取られ方が異なる形で描かれているのは面白い
メイド家事代行サービスとして各家を回ることになったあすみ。知り合いばかりの相手連中はしかし様々な理由であすみにその家事能力を発揮させてくれない。家事代行として呼び出したメイドにお金握らせて帰らせようとする真冬と文乃には笑ってしまう
当然能力を発揮できないあすみはヤキモキしてしまう
でもその感情は代わりに唯我家の清掃をしたことや成幸の耳掃除で解消される。これは成幸があすみに付いて行った一応の意味とはなるのだろうね
徹夜で小テストを作成した真冬。教師として恐れられながらもその能力を評価されている真冬は寝不足に因る不機嫌顔も威圧として受け止められる。本人が発揮しようと思っている訳ではないのに生徒たちはその威圧を真冬の能力と勘違いする
その能力を発揮しているとの勘違いは生徒だけでなく本人にも訪れる。成幸が真冬を運び更に部屋を片付けたというのにそれを自分がやったと勘違いする。私生活の面は本当にどこまでもポンコツな先生である
印象的なのはあすみにしても真冬にしてもその能力保持に関わる場面では成幸の存在が大きく影響している点か
あすみが家事代行できなかったのは成幸が一緒に居たからだし、真冬が全校集会で寝ずに済んだのは成幸のフォローが有ったから
あすみと真冬には成幸が勉強を教える立場にないからどうしてもうるか達と接し方が変わるんだけど、それでも成幸の存在が彼女らに特別な存在となっていることが察せられる回だったな
かなり変わった世界観の中で繰り広げられる物語だね。そして主人公のクーファは暗殺者でありながらも家庭教師の真似事をすることになるのか
第一話は幾らかとっつきにくさは有ったものの、その一風変わった導入故に興味を惹かれる部分は多かった印象
2つの任務を背負ってメリダのの元を訪れたクーファ。彼は人に好かれやすい紳士的な態度を列車から降りてすぐに始めている。これは事態がどの様に転んだとしても自分が怪しまれないようにとの慎重さに起因しているのかな?
だからメリダにも優しく信頼できる存在として接しようとする。
その甲斐あってメリダはベランダの手摺から落ちると同時にクーファに堕ちてしまった模様
そういった諸々やメリダを観察してどちらの任務を実行するかを最初の一日で判断した辺りからはクーファの優秀さと仕事への冷徹さを感じさせるね。
だというのにそんなクーファがメリダの決して滅気ず助けを求めない姿勢に感化させられてしまうとは意外な展開
メリダがクーファに堕ちたように見えた一方でクーファもメリダに堕ちていたのか
ただ、そうなったとしても暗殺者としての矜持を忘れないでいるのは良いね。
暗殺者でありながら暗殺をせず家庭教師の真似事をするクーファ。実の娘ではないのにアンジェル家の娘ではないのに騎士侯爵家に相応しい人間として振る舞うことになったメリダ
この二人がどれだけ周囲を騙し続けられるのか気になるところ
みほが嫌がる話題が出たら咄嗟に話を逸らして、みほが姉の言葉を聞いて沈んでいたら家に遊びに行くと言い出して、おまけに料理上手なんて沙織のイイ女レベルが高すぎるよ……
第一話でみほの人間性を紹介したのに続いて、戦車部に入部した少女たちの人となりを紹介する第二話。
先述した特徴を持つ沙織を始めとして、臭いを元に戦車の場所を探り当てる華、戦車に関わると言動がはっちゃける優花里、登校するだけで命の灯火を消し去ってしまいそうな麻子。
それぞれ強い特徴を持つ彼女らは訳ありな転校をしてきたみほに丁度良い距離感で接してくれる。料理を作る際、戦車を動かす際などはまだまだ纏まりの足りなさを感じられるシーンはあるものの、そういった様々を共に経験することで彼女らの交友は更に良くなっていくのだろうね。
それはみほの「やっぱり転校してきてよかった」という台詞によく表れているように思う。
まさに「何事も実践」というわけだね
また、みほとは違うチームになった少女たちもわらわらと登場して誰が誰やらといった感じだけれど、それでもそれぞれの特徴がよく現れる描き方になっており、同じ傾向を持つタイプ同士でチームを組んでいるために何となく覚えられる仕様になっているのは良いね
そして実際に戦車を使っての練習試合。素人だらけでまともな戦い方を知っているのはみほだけと思っていたら……
まさか真っ先に経験者であるみほが居るAチームを狙うとは。他の部員たちも戦意は高いということだろうか?
分割形式の第二期の為か、あらすじを説明しすぎるようなこともなく、かといって冒険的な話になることもなく。良い意味で第一期のノリがそのまま続いている印象
それでいながら第二期開始早々から文乃へのいじりが頻発。文乃はもう「そういうキャラ」として扱われる運命なのだろうか……
まあ、模試の判定結果をカップ数と勘違いする一連の会話には笑ってしまったが。全く意思は通じてないのに会話は通じてしまう恐ろしさよ…
でも、こういった齟齬が生じてしまうのも文乃達と成幸が主に見ているものが違うからなんだろうなぁ
文乃達は海トークからつい理珠の体型を連想したまま判定結果を聞いてしまったから勘違いする。
成幸は教師として助平心皆無のまま理珠と接していたからカップ数を判定結果と勘違いする
成幸と理珠が互いに勘違いしたまま話していたと判明した後にはブランコで同じ方向を見ながら会話。この時になって成幸の「どんな判定結果だろうと理珠を励まそう」という気持ちも正しく伝わる。逆に理珠が意識していたカップ数も成幸に正しく伝わってしまうから、助平心が無かった筈の成幸もつい理珠のご立派な胸元を見てしまう(笑)
ラストはアルファベットの意味を正しく理解した成幸が落とし物の持ち主を正確に探し当てて終了、と。
意味が伝わり過ぎてしまうのも困り種と言えるのかな(笑)
散歩して各所を巡ったり、さいころ倶楽部で遊んだりする間、綾がずっとノーパンだったかと思うとちょっとドキドキする…
美姫は道の外れ方をを知らない女の子だね。それも正しい道を知っているから外れられないのではなく、別の道の楽しさを知らず恐怖すら感じてしまうから外れられない
そんな美姫の前に現れたのが綾。彼女は道を飛び出して川に飛び込んでしまうどころか、白昼堂々と生着替えが出来てしまう。美姫にとっては未知の道からやってきた存在
だからこそ綾が言う「今日は迷子になろうよ」は美姫にとって未知の価値観。それに従うのは恐ろしい
ここで綾は美姫の導き手として機能する。独りでは恐ろしい未知への挑戦も手を引いてくれる者が居れば怖くない
試しに従ってみれば美姫の前に広がるのは未知の恐怖ではなく未知の楽しさ。この経験は翠を尾行してさいころ倶楽部に入ってしまったり、知らないゲームに挑戦する原動力になる訳だね
考えればこの回の美姫は冒頭部分の静けさと比べて大変身と呼べるくらいの冒険をしている。知らない道を歩き知らない店に入り知らない人とゲーム卓を囲んでいる。
でも進め方を知らないゲームが相手となればそう簡単には行かない。楽しさが判らなくなってしまう。
ここで二人目の導き手となるのが翠。彼女が示す道は更なる不利に繋がりそうに見える。けれど、運なんてあやふやなものに懸けて翠が示す道に進んだからこそ美姫は未知の楽しさを知ることが出来た
ラストのモノローグで美姫は「私は楽しいを一緒に見つけてくれる人に出会えた」と言っているけれど、それ以上にこの世界にはまだまだ自分の知らない楽しいが溢れているのかもしれないと未知への期待を抱けたことが美姫にとっての一番の収穫であるように思える第一話だった
劇場版を見た事はあったけどTVシリーズを見た事はなかった為に今更になって視聴
どうしても劇場版の印象が強いのだけど、こうして見るとTVシリーズの第一話は随分大人しく堅実な内容だったんだね
「戦車道は女子のたしなみ」なんてぶっ飛んだ世界観の第一話で主に描かれているのは主人公であるみほの人間性
冒頭の戦車シーンでは指揮官としての優秀さを見せるけど、それに続く日常シーンでは歩けば電柱にぶつかり筆記用具をこぼすなどかなりの鈍臭さを感じさせ、話したこともないクラスメイトのプロフィールを暗記しているなどちょっとした気持ち悪さも垣間見える
でも、こういった普通の少女としての「足りなさ」が見えてくるからこそ沙織や華が友達になり、みほが嫌がる戦車道を選ばない道に繋がるのだろうな、なんて思ってしまう
だから、生徒会と対立し硬直した状態を変えるのはみほが一歩踏み出す勇気が必要となるわけだね。みほが自分を変え進む時の揺らぎが戦車が跳ねるときの揺れに重なる演出はちょっと好き
また、そうやって踏み出しても優秀な母や姉と自分を比べて「駄目な私は……」と沈むみほに沙織と華がアイスを分けるシーンはもっと好き
1話の大部分は堅実な構成だけど、代わりに始めと終わりの部分はかなりインパクトが有るシーンとなっている。
それと併せてみほ以外は普通の少女にしか見えない彼女らがどうやって戦車乗りとして成長していくかが気になって第二話も見たくなってしまうね