12話構成でここまで満足感のある内容、素晴らしい。タイムリープ系ミステリーとしては非常に完成度が高いと思う。
以下、「僕街」の実写映画と原作漫画も履修したうえで書きます。実写映画・原作漫画・アニメで「違うところがある」ということまでは書きますが、どこがどう違うかについてはネタバレを防ぐため触れません。
「僕街」は実は以前、実写映画版だけは見たことがありました。また、違う部分があるらしい、というところまでは把握してましたが、どう違うのかまでは把握せずに視聴しました。で、共通部分も改変部分も含めてめちゃくちゃハマって原作も一気読みした、という状況です。
また伊藤監督の『HELLO WORLD』『富豪刑事』は大好きで、特に本作は『富豪刑事』とスタッフがかなり重なってることもあり、非常に期待して臨んだのですが期待以上でした!
そもそも時間モノというだけでもう好みなんですが、リバイバルという概念の面白さ、サスペンスの巧みさが素晴らしかったです。大人の主人公と子どもの主人公が出てくる点、ものすごいどんでん返しがある点、伏線がめちゃくちゃうまく張られてる点…自分の好きな要素しかないし、先の読めなさが最高でした。映画であらすじは知っているけど続きが気になって仕方なかったので、初見だったらどれだけ翻弄されただろうw
原作を読んだうえであらためて思い起こすと、映像化のお手本というか、12話というシリーズ構成に実にうまくはめ込んだなあと。1話の引きからして最高でしたが毎回引きが本当にすごくてですね…。
キャラクターが本当に魅力的ですよね。雛月がけなげで、どんどん笑顔が増えてくると本当にうれしくて、彼女の作文とか佐知子さんの朝食を見て涙していたところとか本当に胸が詰まって、心の底から守りたくなる。恋愛感情とはちょっと違うんですよね。人として、救いたくなる。佐知子さんもなんかもう理想のお母さんというか妖怪というか完全にヒーローで、だからこそ死んでほしくないって思える。愛梨の「信じたい」という言葉…いい子すぎる。八代すら実に魅力的なサイコパスに描かれてるんですよね…。胸糞悪いのになぜか惹き込まれてしまう悪。そしてケンヤの頭が切れすぎるw あれもミスリードのひとつなんでしょうが、そのキレッキレのケンヤが本気で友情を育んでいく姿がすごく印象的でした。
そして、あの問題の11話のOPなんですが、ほんとに「うわあああ」って変な声出ました…そういうことか、僕だけがいない街ってそういうことか…って。で、まさかの現実。なんという鮮やかな転換。人生を奪われたのは雛月でも佐知子さんでも愛梨でもなくて悟だったという逆転。こういうの好きです。佐知子さんやケンヤや雛月やヒロミの15年の人生を考える。西園の15年を考える。考えてしまう。それだけの妄想の余地がここにある…
ラスト、よかったです。尺の都合もありかなり切り詰めたところはありますが、西園の弱さというかヘタレと悟へのクソデカ感情。そして、そんなものをもはや恨んですらいない悟にはかけがえのない仲間たちがいる。文句のつけようのないハッピーエンド。愛梨とのピザ屋での日々は失われてしまったけど、新たな思い出を作っていってほしいな、新しい世界で。
結局、雛月が殺された世界は悟の夢だったのかなんだったのかですが、自分的には最初の世界(雛月と佐知子さんが殺される)も、1回目のリバイバルの世界(阻止したと思ったけど雛月が殺される)も、悟にとっては現実だったのだろうなという気がしています。悟が意識不明になる世界で、悟は明らかに知るはずのないことを知っていた。「上野へは電車一本で行ける」なんてことを言った(この伏線本当に好きすぎる)。雛月やヒロミや彩が殺されるかもなんて、何も知らない子どもが思いつけるわけがない。白鳥家に石を投げ込んだりなんて思わない。15年経って目覚めても、絵があんなに上手いなんてありえない。ケンヤはまだぎりぎりものすごく勘がいい子どもで済むけど(それでもこいつもリバイバルしてるレベル)、確実に最初の失敗した世界線からの因果が悟にはあると思ってます。
映像的には、シネスコとビスタで違う時間軸を表す手法、リバイバルを映画のフィルムになぞらえた表現、最後の晩餐の絵で裏切りを示すやり方、タイトルフォントの変化、カット割りとカメラワーク、映像力学…BGMの使い方のうまさともあいまって、最高の演出でした。蜘蛛の糸は気づかなかった!!
いろいろな要素が伊藤監督の後続の作品である映画『HELLO WORLD』に引き継がれている気がしました(HELLO WORLDのネタバレになるので詳しくは語りませんが)。
・「声に出てた」シリーズと「しっかりしろ29歳」シリーズが好きでしたw
・犯人のミスリードが上手すぎる!先生怪しいんだけど他のブラフも秀逸すぎて。
・悟の部屋の本棚、時間モノが多くていいねいいねって感じ
・美里、はてしない物語読んでた!美里も本の世界に逃避するしかなかったのかもしれないな…
・キャラデザ、原作よりもわかりやすい感じにはなってましたね。
・苫小牧、行ったことがあるんですが、本当にあの映像の通りで良い所です。科学センターも本当におすすめです(あのレベルの展示が入場無料なところが、苫小牧市の底力を感じさせる)。
・白い鳥と黒い鳥の対比、好きだ。
・OPとED神ですね…アジカンのOP、タイトルも歌詞もてっきり書き下ろしかと思うくらいのマッチ度だし、カット割りが最高だし、不穏さでさらに視聴者をゆさぶってくるし(あの水はそういうことか…!)。スタイリッシュED、モノクロームの木と雪山が死ぬほど好きだ。自分の北海道の心象風景そのものと思う。
・バカなの?って言われたいです!!!!
マジでこれほど構成が素晴らしいアニメも中々ない
評価:S
原作を深く理解した構成力で、1クールの完成度が非常に高い。
普段ミステリ系を嗜まないので、犯人が最後までわからずどきどきわくわくした!(ザコ)
OPEDはどちらも名曲。
・・・美しい
これ以上の芸術的なストーリーラインは存在し得ないでしょう
いわゆるタイムリープもののミステリー作品。作画は劇場版クオリティ。
ヒューマンドラマとミステリー色が強いです。タイムリープの面白さよりも、他人と距離のある主人公が、他人を理解し信じるということの大切さを知っていくことを焦点にしている点が他と違うのだと感じます。
そのため、タイムリープものって偶然1回だけタイムリープするか、自分の意思で何回もタイムリープしてやり直すかのどちらかに分かれますが、そのどちらでもないのが地味に面白い点だと思いました。
主役の満島真之介の演技は悪くなかったと思います。ただ、もう1人の主役の土屋太鳳がうますぎるのと、脇役をみんな声優で固めてしまったため、浮いてる感じはあります。それでも声優側が演技を俳優に寄せてる感じがあるので、違和感はあまりないです。
5年ぶりに2週目。
主人公(幼い方も)の最悪な声以外最高。
<評価:S>
視聴2022.8.12
原作を最後までしっかりとアニメ化したようなので、良作ですね
これ、原作・アニメ・実写映画共に大体途中までは同じ内容で、加代が保護された後から内容が変わるのね
実写映画の制作当時まだ原作が完結していなかったからか、原作やアニメと違う結末で終わる (タイトル通り“僕だけが”いなくなると)
原作とアニメは微妙に変わっているところはあるが、最後に過去に戻った場所で愛梨と出会う点は変わらないと
何回見ても楽しめるわ、これ
超良作
ハラハラドキドキする展開で、先が気になって仕方なかった。
映画より結末が好き。
主題歌も好きだった。
内容を忘れてしまったので数年ぶりにもう一度観た。現実味が強いのにどこまでが現実かいまいちわからないままで良い。現実味という点で漫画家にとって漫画家の人生が一番よく描けるのかなあとか考えていた。原作との違いも気になるので、そちらも追いたい。