心の中で奇声を上げっぱなしの30分。オカ研部長の名前が判明したあああ宗矢とのぞさんがラブラブだあああ熊代さんが眼鏡っ娘になってるうううネビュラの中に水上悟志さんの他作品のキャラがいるううう髪を下ろした銀子がすっかりお姉さんだあああ根津屋先輩が役に立ったあああ以下略。
宗矢と銀子が、屋根の上で互いを姉・弟と呼び合うシーンに胸が詰まる。たくさんのものを失って泣いていた宗矢を思うと……。もうこれだけでも、5年後を描いてくれたことに感謝したい。
楽園の民と龍との関係が兄・弟であったことが明らかになったことで宗矢の立場と重なる、という持って行き方の上手さに唸る。これによって、龍を倒すのではなく赦すのだ、という宗矢達の立ち向かい方にグッと共感が増した。
最終回前にして既に感無量。次回の大団円を楽しみに待ちたい。
TOKYO MXでの放映直前に水上悟志さんがつぶやいていた通り、ラストで「うおおお!」と驚いた。
根津屋正義、たんに遅れて間に合わなかっただけだった……しかも見せ場なし。引っ越したという伏線がこんな形で回収されるとは。まあでも、これはこれで彼らしい気はする。
穏健派と封印派の決闘は、出し惜しみなしの全部入りな感じで、見応えがあった。手描きでは手間がかかるゆっくりとした動きで、巨大感と重量感たっぷり。そこへ田中公平氏の劇伴が加わるのだから、隙がない。最後の決め手が下駄というのが最高。
にしても、シリーズのこのタイミングで年単位で時間が経過する例って、他にもあるんだろうか。まさかこんな形で「登場人物達のその後」が見られるとは。
カレルレンとラシャヴェラクの名前は「幼年期の終り」が元ネタだけど、たんに名前をいただいた、くらいの繋がりかなあ。なんとなく先生の方がカレルレンと予想していたので、ちょっと意外だった。
今回の作画好き。特に服のシワの描き方がいい。服と体の間にある空間が、動きによっても表現されているのが素晴らしい。今回見ていて「おおっ」と唸ったのはこのへん。
・あおいとひなたの下校シーンの服のシワ
・電車の中で手をブラブラさせつつバッグを肩にかけ直す
・三人があおいと別れるシーンで手を挙げたときに袖がずり落ちる
本当にちょっとした動きなのだが、常日頃からの注意深い観察なしには描けない、キャラの実在感に貢献する、見事な芝居である。