今回もレベルの高い作画だった。特に、アンズが新田の家を去るときの、アンズが小さく手を振る動きが素晴らしい。アンズが速い動きで手首も動かしているのに対し、次のカットの新田はゆっくりした動きで手首は動いておらず、キャラの感情を踏まえた芝居になっているのに唸る。
「燃えるワン・マン・フォース」は原作の中でも特に好きな巻。理由は「プロのツール」の物語であるからだ。
タフなプロの現場で選ばれる、「プロのツール」たり得るのは、強力であっても不安定な新型機などではなく、調達が容易で、技術的に枯れており、信頼性や可用性が高く、ノウハウが豊富で応用範囲が広い、定番機だ。そう、サベージのような。
そういう「プロのツール」に助けられたことのある人、愛着のある人は多いだろう。自分もその一人だ。
だから、もう動けなくなるそのときまで、宗介の操縦に応え、信頼に応え続けるサベージの姿に、胸を打たれずにはいられない。量産機の、量産機であるがゆえの魅力・かっこよさを描くという点において、OMFは一つの到達点であるとすら思う。
原作を読んだときのそんな感動を、アニメでも味わいたかった。味わいたかったんだけど……。小説とアニメで得手不得手は異なるし、仕方がないところはあるわな。
市街戦のシーンは、全般的にカメラの位置が高くて建物がミニチュアのように感じられ、第4話にあったような臨場感に欠けていたのは物足りない点。
とはいえ、サベージのラストカットなんかは、構図も色もキマった、いい画だった。
スタジアムでのDGSEとクラマの戦闘シーンで、不自然に背景のみのカットがあったのは、放送コードへの配慮か、カットが間に合わなかったのか。
警察署長に集められた闘技場のAS乗り達が、無闇に叫んだり無駄口が多かったりするのに対して、宗介やクラマやDGSEといったプロが黙々と行動するのは、よい対比。
宗介とクラマの最後の会話のあたりは、特に力の入った、素晴らしい作画だった。