このアニメ、スピーチが毎度素晴らしい。特別な表現も、ありきたりすぎる文言も使わずに心に響く言葉をもってくる。
途中、良い話の連続にノリ切れないときもあったけど、全体を通してやはり会心の出来だったのではないかと。
1話ずつ切り取ってもそれぞれで展開・構成がしっかりしていて、4人の主人公の成長物語としても南極隊の物語としても楽しめる作品。
第4局に関してだけいえば、八一が勝負のなかで成長しながら、名人と高みを目指す者の戦いを見せてくれて面白かった。
その分、物語の締め方はガッカリと言わざるを得ない。3連敗4連勝は現実にあるとはいえ、こちらはその過程を見たいわけで。
竜王戦に入ってからいろんな人の感情を詰め込みすぎてパンクしてしまった印象。
序盤がキャラモノとして良いバランスで成り立っていただけにもったいなく思う。
ゆるーく、でも飽きずに見続けられるのはひとえに魅力があるから。
ソロキャンとグループキャンを織り交ぜながら、キャラクター性を出しながら、丁寧にユーモアたっぷりに作られた良作。
BGMのギターも良い味出してた。
八一の態度は一見ひどく見えるが、将棋で、ましてや得意戦法で負けたあとならばこれくらいの悔しさは持ってしかるべき。
それよりも姉弟子の告白やあいのトラウマシーンなどに色々とはっしょり感が出ていることが残念。
シリアス一辺倒で1話やることは将棋界では起こりうることだが、このアニメの役目ではない。
敵(目的)をハッキリと提示したほうがいいと思う。そうしないとバトルをしても、物語が薄くてキャラが忙しく動いているだけになってしまう。
このへんがアクティブレイドやブリュンヒルデとのちがいかな。