マ組と普通科で夢の実現具合に大きな差が有るかと思いきや、普通科でも自分の夢を叶えようと努力する者が集っているというのは印象が変わる話
普通科の皆は魔法使い以外の夢を抱いている。そこでは魔法使いを夢見るクルミは浮くのではなく、魔法を夢の為に役立てる手段とするミナミが呈した魔法理論が面白いね
魔法使いとそれ以外、法律レベルで定められた壁は簡単に敗れるものじゃない。だからこそ、手帳ではなく自筆の魔法陣なら問題ないという論法は普通科の皆を惹き付ける
一方でマキが伝統について話すシーンも印象的。ルールが有るなら何でもかんでも破ればいいというわけではなく、ルールに従って別の可能性を探す事も否定していない
ただ、肝心の授業が凄いのか酷いのか判断に困る…(笑)
魔法陣の理論を図形を通して理解させるのは良いけど、難関校の授業がお絵かきに終止するってどうなの……
でも、それによってクルミは魔法陣の真髄の端緒を掴めたのかな?
既存のルールに従っていなさそうなミナミの授業、これを受け続ける事で本当にクルミは魔法使いに成れたりするのだろうか
突然の同居というラブコメ状態だけれど、すぐ恋愛に結び付かない構図は良いね
千夏と一緒の空間にドギマギしつつも大喜はそれに溺れるを良しとしない。むしろ、より深い仲になる為インターハイを目指そうとする考えは好感を持てるものだね
ただ、近づいた事で却って大喜を悩ませるのは千夏を読み切れない点かな
同じ家に住む事になっても千夏とすぐ恋仲になれると思わない。むしろ千夏がバスケに対し本気であるという点は知っている大喜はその考えを尊重し自らもそこに並び立とうとするわけだ
でも、それ以外ではまだ千夏の考えを知れていない。だから無防備な接近を繰り返す彼女にやはりドギマギしてしまう。その光景はとても甘酸っぱいものだね
他方でこの同居は千夏に大喜を知る機会ともなっているね
同じ家に住まなければ見えないストイックな筋トレや思考は大喜への認識を改めさせるものとなっていそうな
また、擦れ違いに拠る誤解も大喜は自分の為じゃなく千夏の為を考えてのものだと教えるものになるね
この状況は大喜が認識している以上に二人を近付けている
そうなると気になるのは雛の現状
匡の「素直な奴が強い」との台詞を採るなら、大喜の恋を応援する雛は果たして素直なのだろうかと考えてしまう
親友を名乗る彼女の考えにあるのは本当にそれだけなのか?というのは深読みし過ぎだとしても、大喜の現状を知らない雛は危うい境界に居るような…
もはやド安定と言えるシリーズで居ながらこちらが求める水準を毎度満たした逸品を提供してくれるのだから嬉しい処
新シリーズ初回は想いの優しさを感じる話となったかな
普通は物が動き出すなんて思わない、物は物。でも動かないからといって情が湧かないわけじゃないのが『想い入れ』の面白い点
夏目の作ったミニ先生は滑稽だけど可愛らしい。それが無くなってしまった時は惜しむ気持ちが湧いた程。動かなくても夏目は情が湧いていた
なら動けば余計に情が湧くのかというとそうでは無いような
夏目はミニ先生が動かなくても罅割れに手当しただろうし、叶えたい何かがあれば手伝ったように思う
対象が物であってもきっと想い入れがあれば情が湧く
似た要素は神主にも言えるね。彼とて動かぬ物を慈しみ、壊れた時には悲しみを抱いた
夏目のように妖が見えない人間でもそうなら、物が動かなくても情が湧いてしまうのは想いが有る何よりの証拠で
ミニ先生に宿った妖もそうなるのが面白い。動く振り子時計よりも動かない時計に愛着を覚えたのは彼とて人と同じように情を物に抱いたのだと感じさせる
情を持てるほどの想いが有るから、彼は自分を慈しんでくれた神主への情も同じように湧いたのだろうね。そういった繋がりはとても尊いものであるように思えたよ
なら、別の見方としての多くの名前が残された友人帳もただの物ではなく沢山の情が詰まった想いの入れ物と考えられるのかもしれない
友人帳を中心としたこれからの物語を再び味わうには丁度よい初回と感じれたよ
一人暮らし少年の家に突然メイドがやって来るとか、それどんなご都合展開…と思ったらむしろメイドさんにとって都合の良すぎる相手だったというね…
人好もメイドさんも誰かと一緒に居られる温もりを求めていた。二人の出会いは互いに良すぎる相手となったけど、条件など求めていなかった筈のメイドさんにとって何よりも破格の主となったような
一般人の人好には暗殺術が得意なメイドなんて不必要、雇う余地は無い
けれど、掃除を一緒にしてくれる人という条件なら彼女を引き止められる。それは言葉の言い換え。でも1人じゃ掃除が出来ない人好やメイドさんにとって、二人が一緒に居る最上の理由になる
ここでもメイドさんの方が得る量が多いのは面白い。美味しく味わって欲しいとの想いが詰められた豚カツはメイドさんにかつて無い温もりを与えるものになるね
だからって夜中にソース舐めてるのはちょっと酷いけど(笑)
ただ、ここでも人好は分け合う遣り方を選んでいるね。夜中に起きて夜食なんて駄目生活を美味しい食事を共にする時間とした
メイドさんは人好から食事も夢も温かい物を与えられている。だからこそ、自分がそのような想いをしている時に人好がそれを分かち合えていない点を気にしたのだろうね
与えられてばかりで暗殺だけが得意なメイドさんが人好に返せるものは少ない。だからこの身一つで与えられる膝枕は格好。でも、受け取って貰えなかったら…というタイミングで人好の飛び込みはとても良かった……
二人が分かち合ったとても尊い温もり。それがどのように家族となり、与え合っていくのか。興味をそそられる初回でしたよ
まるで絵画を見ているかのような気分にさせる素晴らしい作品…
好きになった人は高嶺の花、告白以前に名前を覚えて貰うのすら一大事。そのような境遇だからこそ、一歩一歩彼女に近付いていく工程がとても尊く感じられる
それは話の展開だけでなく、一つ一つのシーンがとても緻密に描かれているからなのだろうね
大喜と千夏の接点はせいぜい朝練の時間くらいで遠くから見遣るしか出来ない。だから彼女が監督と何か話していても内容を知れやしない
大喜の恋がきらめきを失わないのは、スポーツ選手らしく挑戦心を保ち続けるから。その感情が千夏のくしゃみに接した際に過剰な行動をさせる原動力になった
それは確かな一歩だね
大きな変化の一歩となったのは1on1で向き合った時かな
相手の挙動に注視する競技は大喜がどれだけ千夏を見ているかを示すものになるね。また、千夏に大喜の人となりを教えるものともなっている
本作が良いのはここで大喜が知らず知らずして千夏に最も大切な事を知らせている、思い出させている点だろうね
一歩ずつ踏みしめていた大喜が大きく駆け出すのは千夏が遠くに行ってしまうと思い込んだから。でも、それだって告白できないという理由でなく彼女が遣りたい事を出来なくなる虞から
結局勘違いだったそれは、けれど千夏に大喜という人となりをアピールする最高のシーンになったような
そのように綺麗なオチが付いた後にまさかの同居エンドとか吃驚させられたよ……
この事態に今回は活躍が控え目だった雛がどう絡んでくるのか楽しみすぎる…!
これは童話的と云うか、一昔前の少女向けアニメのような雰囲気を持つ作品だね
けれど、落としてから上げていたり、緊張感有るシーンを高いレベルで描くものだから誰でも楽しめる作品になっている
魔法使いに憧れていたのに落第してしまったクルミが夢を諦めない中でどのように彼女だけの魔法を手にするのか楽しみですよ
さらっと描かされていたけど、どうやらクルミは努力家タイプのようで。小さな頃の憧れを胸に日夜勉学を熟してきた彼女は夢を叶える側の人間であるように思える。なのにマ組不合格…
不思議なのは他にも理由が見えない不合格者が居る点か
穿った見方をすれば、不合格には何か理由があるかもしれなくて、それは夢を叶える道へと繋がっているのかもしれない
普通科とマ組は住む世界が違うかのよう。クラスは分けられ、輝きも異なる。その状態で歓迎会を見ても自分には関係ない世界
だからこそマ組の騒動を収めたミナミが担任として普通科にやってきた挙げ句、生徒を魔法使いにさせるというのは世界が引っ繰り返るような話
これから彼女らの学園生活はどうなるのかな?
逃若党の未来は絶対ではなく、時行の逃げ上手も絶対ではない。だからこそ、そこには命懸けの駆け引きが生じるし、常に以前の自分を乗り越える成長が求められる
今回は保科達や狐次郎にその点が求められた形となり、同時に生きる為の逃げ力が試される戦ともなったのかな
相手が兵力は上でこちらは寡兵なら、どうしたって効率的な戦法が必要。そこで玄蕃や狐次郎は上手く動き回ったね
特に狐次郎は奮戦と評するのが相応しい働き。けれどそこで彼が反省点としたのは仲間の名前を覚えていなかった点。今回は時行の逃げを広める戦であった事を思えば、彼だけが皆を活かすのではなく、皆が皆を活かす逃げへの仕組みが必要だったわけだ
時行による逃げて生きるという信念に真っ先に影響されたのは保科だね
前回はあれだけ死こそ全て!な感じだった彼が生きるを覚悟して戦う様は将としてとても気持ちの良いもの
将が変化を遂げているから諏訪神党の者達も同様。狐次郎が生きるに必要な助けをし、敵の将に助からない道を用意した彼らの変化は逃若党があの戦いに参加した最高の褒美に思えたよ
一方で逃げ生きる事を不利な結果とさせたのが吹雪の策か
清原の無能を見抜き、彼が生きる為に逃げるよう仕向けた。それは逃げが必ずしも良い未来を導くとは限らないと示すもの
だとしたら、保科に気持ち良い負け戦を教え、諏訪明神の力になると宣言させた今回の負け戦は良い未来を引き当てた逃げだったと言える
この経験は鎌倉奪還に役立つものになる、そう思える回でしたよ
殺し合わない敵対関係、白夜もミラも辿り着いたのは敵意なんて露ほども無い穏やかな日々
白夜はミラにやられているし、ミラは白夜にやられている。互いに負け続ける関係。最終回だからといって特別な事は何も無いのだけど、それこそが二人が辿り着いた優しさに満ちた敵対関係なのだろうね
白夜とミラ、二人の視点が描かれた今回だけど、それによって描かれる内容に大差はない。言い換えれば二人共一つの場面に対して似たような事を考えている
相手の優しさに嬉しくなって、相手の笑顔に多幸感を覚えて
それはどちらが勝ったも負けたもない状況。かといって引き分けというわけでもない。互いに負けているようなもの
世界を救う魔法少女と悪の参謀が仲良くなって、行き着いた先は互いに負け合う関係。相手から得られる幸福に浸り、相手に参ってしまう二人の様子にはこれから先を期待してしまう
だからこそ、不本意な終わりを迎えてしまった原作を基に、終わらないラストを提示したアニメ版の優しさには感無量の気持ちとなってしまいましたよ
カオスも度が過ぎれば言語化した感想が難しくなる…
そんな最終回はもはや無法状態となっていたよ。最終回詐欺に唐突な謎設定にそして全キャラ大動員。最終回あるあるななメタネタを多分に含みつつも展開されているだけに、言葉での説明が難しい…。というかせんとくんのインパクトが強すぎた(笑)
前回の前フリは何だったの?という調子で始まった今回はもう本当に好き勝手やっているなという印象
ただ、面白いのはのこが好き勝手やっているのではなく、制作側が好き勝手やって、のこが被害者になっている点。のこになら何でも有りという認識がこの最終回を作らせている
いわば、のこは自分が振り撒いたカオスにしてやられた形となったわけだ
その構図を打ち破る様が最終回の醍醐味になるわけでも無いのがまた別の意味で面白い
虎子が意識するのは部活の維持ばかり、餡子とめめはそもそも勝負に興味がない。最終回なのに全く一致団結出来てない
そんなダメダメな状況で過剰な暴走をするのこをゆるキャラ大先輩のせんとくんが強烈なダメ出しで締めてくれる様は何というか本作の終わらせ方として逆に有りだったのかも知れない…(笑)
サブがゲーマーチームから誘われても、赤猫のチームを選ぶという温かいEPから始まったのに、最終回でクソ客を出してくる本作侮れない
当たり前の日常を続ける面でもチーム力は発揮されるが、問題が発生した時こそチーム力は最も輝く
あの瞬間、バカにされていたのは珠子か店か。その認識が最終回を飾るに相応しいお題でしたよ
珠子の元上司は猫がラーメンを作るという点にまずケチを付けたけど、最も言い掛かりを付けたのは珠子に対して。だからハナも珠子に怒るよう勧める
なのに珠子が怒ったのは赤猫のため。それも有ってか他の客も助勢するし、クリシュナも表に出てくる
あの瞬間は店員も客もOne Teamを形成していたね
今の珠子は赤猫の為に動ける人間。だからこそ心配なのは雇用条件を今も満たしているか
でも、そんなの要らぬ心配であるのは先の話を見れば判る事で。佐々木の来歴を明かされた事を含め、珠子は赤猫の一員として誰もが認めている
そうしてもっと明確な証である正社員登用が待っていたというのは良かったな
以前の職場で人間扱いされなかった珠子が猫のお店で「人間で初めての社員」へと認められるまでの物語だったのだと思うと中々に感慨深いものがある
猫のラーメン屋というファンタジーな代物を、それでも時には猫が働くとはどのような問題が有るかという点も含め描いた本作。穏やかな気持ちで楽しませて頂きましたよ
修学旅行という常とは異なるグループが形成されるイベントが描かれた今回は人の繋がりを改めて感じる内容となったかな
早乙女が近づきたいと願う早瀬はまことも近付きたいと思う相手。そんな相手と仲良くなれたのは特殊イベントに拠るものではないというのが今回の要点だったのかな
以前、友達だった相手とまた友達になるというのはかなり勇気が必要。おまけにコミカルなお邪魔虫が次から次へと現れれば更に難しくなる
でも友達ともう一度友達に成るなんて、それこそ友達らしい事をすれば済む話かもしれず。着物レンタル辺りから普通の学友らしくなり距離が近付いたまことと早瀬の様子は微笑ましいね
でも、人と人の繋がりは時に痛みだって齎す
まことを女子と勘違いした男子生徒の振る舞いはまことから繋がりを奪うものだね。まことに裏切られた自分を守る為にまことがあの姿で学校に居る事を否定しようとした。それはまことから繋がりを絶たせてしまう。早瀬もその状態では容易には近づけない
そのような壁を突破するにはやはり勇気が必要で
早瀬の勇気を見た早乙女が同じように勇気を出して彼女と友達になるシーンは良かったな
そんな二人から勇気を貰ったまことが母親に向き合ったのは良い未来へ繋がるかと思ったけど……
向き合う事を許さない母の拒絶。そのルーツには何が在るのだろうね?
人類最強の父・神雲を前に千夜に求められたのは己の成長を示す8年間の発揮
ただ、あの戦いは強い力をぶつけても、より強い力で返されると証明するものになったような
連続技を放つ千夜を強いと言うなら、いなす神雲は更に強い。二人をアマテラスで屈指させた無の民は更に強いという事になる。強さの連鎖に果てはない
神雲は千夜が願いを叶えるのに強さが必要だと言う。なのに人類最強とまで呼ばれた彼は望みを叶えられなかった。それはより強い力がより大きな願いを叶える訳では無いと証明してしまうようなもの
千夜はこの親子喧嘩を通して父に自身を認めさせたかったのに、別の力がやってきて願いを剥奪した。力が有っても力だけでは願いを叶えられない
無の民が召喚したアマテラスは最上級の力の証明となった。けど、他方で子供にとって最も強さの象徴と言えるのは父親かもしれない
アマテラスを前にして為す術なく呑まれた神雲がそれでも月湖だけは助けた。また、既に故人である為に力なんて無い筈の月湖の父も彼女を助けるのに一役買った
それらが叶う様子は力という言葉では説明できない強さを感じられるシーンでしたよ
心理テストは深層心理を表すもの?という点はさておき、今のミラは意識した発言とその内心がチグハグな状況であるのは確か
悪の参謀として魔法少女を倒すと公言しながら、実態は白夜と逢瀬を重ねてばかり
白夜が心配と家を訪ね、そのままお泊りしてしまう今回はその乖離が強く出た印象
言葉と想いが違うという点で白夜は判りやすい
言葉はミラに一世一代の覚悟を思わせる程だったのに、実態はお化けが怖いというもの
でも、それだってミラを不思議存在でないと否定したい想いが強く出すぎてお化けが怖いという言葉になった
白夜がその調子だからミラも深層にある想いを引き出してしまう
敵対しているだけの関係なら、一緒に寝ていても何も思わない。眠れないなら言葉に表せない程の想いが在るからで
深層にある想いはもう表層に出かけている。特に白夜が寝言で「参謀さん」と何度も呟いて、ミラがそれに喜んだ事からも明らかで
後は二人が思いを認めるだけの段階であるように思えるが…
のこの言動がカオスを巻き起こす事態は数多けれど、物言わぬ状態でもカオスを引き起こすのは厄介だなぁ(笑)
てか、あの光景には無反応なのに、タグには反応するクラスメイトは何なの…
カオスは必ずしも言葉を必要としない。そんな前フリを感じたね
マタギが襲い来るEPは意味判らん状況が一周回って意味判る…というか、のこってシカなのだから鹿狩りの標的にされる事も有るかと納得…
狩る者と狩られる者。そこに言葉は要らないから、二人は言葉を交わさないままに静かな勝負を始める訳だ
でも、校内でやるのは迷惑だから止めようね?
言葉を不要とする勝負、それだけに言葉が通じないギャルにマタギは負けるし、抗弁が効かないカミさんにも負ける。最終的に言い訳不可能な状況を押さえられ警察に連行されるのは可哀想だったが
謎の雰囲気が出てたシーンは面白い物が見られると思ったんだけどね…
言葉を介さないカオスを描いた後なだけに、余計なカオスを省きのんびりとした会話劇に終止したCパートの話には特に穏やかさを覚えたね
一緒に服を買いに行く道中、というひねりの無い構図は彼女らがこの物語において尊い絆を築いたのだと伝えてくる
それだけにラストの不穏さが何故起こったのか気になるが…
しょうもない回に見せかけて重厚さが有りつつ、結局しょうもないオチで締める何ともバランス感覚の難しい回
冒頭、かじかんだ手で祈る時行の姿からは貢献への感謝と死なせた責任が感じられる。姿隠した死者に祈るのはそれに意味が有ると信じているから
祈りに力が有ると誰もが信じている
頼重の神力回復、どう見ても精力付けてるだけじゃん…というツッコミはさておき、胡散臭い頼重の言葉に従う時行は遊ばれてるようにしか見えないし、郎党からはヤバい勘違いもされる
見えない力を取り戻す工程の見える範囲は怪しさのみ。これらのシーンは見えないものよりも見えるものによる影響力の方が強いと示している
だとしたら、雫が見せたものは面白いね
普通は見えない神獣、されど時行は見てしまった。それは時行に不可思議を信じさせる理由になる
なら、釣られて頼重の力をも信じる背景となるね。神力が戻ったのは聖なる水だけでなく、頼重をより強く信じるようになったからかもしれない
そうして信じる、祈る強さを示しながらも、信仰の象徴を無自覚に餌と考える尊氏は既に人外の領域に到達しているのだと理解させられる。彼にとって信仰など喰らうもの。また、直感力も人外じみている
面白いのはそんな彼を実弟である直義も少し不気味に感じている点だろうか。見える繋がりを持つ弟からしても兄の正体は見定められない
見えるを喰らい、相手に見せない尊氏の恐ろしさを改めて感じたよ…