園遊会は権力者が権威を示しながら楽しむ場。けれど猫猫は表に立たないから裏側描写がメインとなる
すると目立つのは女同士の諍い。桜花等は表情を険しくしていたが、前回にて女を控えていたと知れた猫猫にはどこ吹く風
彼女の舞台は他にあり、その時こそ最も猫猫が輝いた瞬間となったね
今回は妃たちが集うという事で玉葉妃や梨花妃以外の妃に関する情報も出てきたね
幼すぎる姑というのは思わず絶句する話だが、それが生じ得るのが宮廷という魔窟
その魔窟は他にも魔が住まう訳で。簪を巡る遣り取りなどまだ可愛い方。毒見役の猫猫が向かうべき魔は他にある
妃の前に食す事で器に隠された魔を探る毒見役
その役が毒を見過ごしてしまえば妃に渡る。だからこそ身を以て毒という魔を受け止める必要がある
けど、毒を好む猫猫にとって真の魔は悪意。誰かの命を害そうとする悪意こそ魔
その意味では里樹妃の毒見役が主への魔を通したのは許しがたい振る舞いだったのだろうね
猫猫は自分が毒で痺れを楽しむのは許しても、他が毒で命を楽しむのは許さない。そんな彼女の正義感が良く現れていたよ
けれど、猫猫の推理でも毒を盛った真の魔は見つけられず。未だ姿が見えない悪魔は一体何者なのだろうね?
魔族と人間の性質を描いてきて、最後は魔法使いの性質か
魔族や魔法使いは生涯を懸けて魔法を極める程に誇りを持っているからこそ、魔法を貶せばそこに隙が生まれる
結局は狩るか狩られるか。魔族の言葉が先天的なものでしか無いなら、生涯を懸けたフリーレンの罠がアウラを喰らう様は納得できるものであり、彼女の強者感を突きつけてくるものだったよ
フランメが解説する魔族の性質。以前に行われたフリーレンの解説が魔族に狩られない方法なら、今回は魔族を狩る方法
魔族が情を利用したように、フランメとフリーレンは魔力を利用する。喰らわれる側からしたら卑怯な手法だとしてもそれで憎き相手を狩れるならその手段を採る
魔族が人間を騙すのは食欲等が絡んでいるのだろうが、フリーレンの原点にあるのは憎しみか
それはフリーレンの感情を永い鍛錬を通し曖昧に変えてしまうもの。そうすれば魔王を倒す意志さえ薄れる
精錬されても使い道を無くしていたフリーレンという罠を拾い上げたのがヒンメルなわけか
そこでフリーレンの旅が復讐の旅にならず、面白くて下らない魔王討伐の旅になったのはヒンメル達のお陰。それが今のフリーレンに新たな感情を齎していると思うと感慨深い
見える魔力に絶対的な信頼を置いていたアウラを騙すフランメとフリーレンの罠
人間が積み重ねにより魔族を超えるなら、フリーレンは魔法を貶す生き方により魔族を喰らう
絶対的強者の貫禄が感じられると共に彼女がどのようにして魔王を喰らったのか、その片鱗が見えるかのようなエピソードだったよ
クリスマスになっても子供を家に帰してくれないカレッジはまるで茨で囲った城のよう
生徒の自由は制限され。安全に守られているとも言い難い。元から不安定な者がより不安定になるのも当然
生徒達が不安定さの中で楽しめる筈だったクリスマスがフィロメラにとって限界に達する日となるのはなんて皮肉だろうね
チセが作ったルーンは茨を象ったもの。茨はエリアスを意味する物であるし、同時に茨の加護により友人達を守りたいとの想いが籠められている
けれど渡されたフィロメラは全く違う対応、ルーンをお守りでなく糧としてしまう
孤独と苦しみを深め、茨のように様々な呪いに囚われた彼女に助けなんて存在しない
それでもフィロメラが楽になる道があったとすれば、それは自身を茨としてしまう事だったんだろうなぁ…。触れるだけで誰かを傷つける存在
ヴェロニカとリアン、他の学生に棘を向けた彼女。これまでの苦しみが嘘のようにすっきりした雰囲気で親を求める彼女の姿があまりにもおぞましい
だからこそチセとエリアスが彼女を茨の中から助け出してくれやしないかと願ってしまうが…
ダイヤが優美にアホな事してる……
さておき、これまではジンクスと上手く戦えていた筈が背負わされた悲願の重さによりジンクスそのものと果てのない戦いを始めてしまったような
でも彼女が戦うべきはレースそのもの筈で。もはやこれは迷走と呼ぶしかない
サトノ家の悲願、G1勝利はダイヤだけの夢が掛かった勝負ではないから彼女達は苦しむ
ジンクスにより道を絶った先輩を、ジンクスにより道に悩む後輩を知っている。また、サトノの悲願に懸ける大人達の姿も知っている。それら全てがダイヤの背に伸し掛かるから彼女は何としても勝利を掴まなければという想いを強くしてしまう
ジンクスの正体が神様ではなく、彼女自身に成りかけていた
そこへマックイーンが良い手本を示してくれたね
彼女とてレース直前の落鉄という不幸を体験した者。けどそれに負けず勝利を掴んだ。ジンクスの恐ろしさも怖がる必要が無い点も知っている
きっとマックイーンにとってジンクスはレースの香りつけの1種に過ぎない
なら彼女に憧れるダイヤが行うべきは自分の強さを信じる事だけ
ダイヤはジンクスがあるから負けるのではなく、ジンクスがあるから勝てる。その図式にする為に自分の強さを信じる
レース中の雄叫びは魂の全てを絞り出しているかのよう
だからこそレースが終わった後、彼女は歓声に応えるより大泣きする以外できなかったのかな。それ程までに背負った悲願が大きかったのだろうね
勝利のジンクスを掴んだ彼女の姿はとても美しいものだったよ
ゴミの化粧を施された木簡、実は暗号かもしれないし本当にゴミかもしれない
別の顔をしている以上は当人が語らない限り真相は誰にも判らない
猫猫と壬氏、向かい合って正体を探りつつも探れる幅も探って良い幅も異なる。それは端的に二人の立場の違いを示していたね
園遊会を前に艶やかな飾り付けを求められた猫猫は化粧を施されようとしたわけだけど、実際は艶やかに見せない事こそ彼女の化粧だったわけだ
見目麗しい女であると主張して男を求める後宮という場。けれど猫猫が生きてきたのは男を安易に近付けては身が危うくなる世界。それは猫猫の別の顔と言えるね
猫猫がこれまで見せていた化粧顔によって壬氏は彼女を軽々に扱えた。しかし、真の顔は壬氏には想像もつかないような防護策が必要になる世界を囁き教えてくる
理解した際の壬氏が見せたこれまでと異なる顔は何を意味するのだろうね?色々想像が膨らむけれど、猫猫には通じなかったのは残念
皇帝と妃たちが集う華やかな園遊会。けれど、そこには華やかさで悪意を誤魔化した顔を持つ陰謀が潜んでいるようで
漫画版を読んだ際に印象深かく思えた次回のエピソード、猫猫の本質が発揮されるだろう瞬間がどのように描かれるか今から楽しみになってしまうよ
会場もステージも屋台も何もかも手作り。それは春香達が行うツアーとは比べ物にならないけど、手作りだからこそ未来達の想いが詰まったものになる
それはミリオンスターズがどのようなアイドルになって行きたいかを示すものになるわけだ
これから未来達と同じようにアイドルになる歌織と紬があのステージを見た事には大きな意味がありそう。これから己がどのようなアイドルになるかが理解できる
また、静香のアイドル活動に賛同しなかった彼女の父がこの想い溢れるステージを見てどう思うのか?それが静香のこれからにとってキーになるのかな
詠子やあの父親にとって、極限の恐怖が宿る受胎告知の家。けれど終わってみれば夜宵にとっては等しくただのオカルトで。後悔の念を口にする父親とてただの門番扱い
表情一つ変えずに悪霊を倒し、卒業生ハウスをゲットする夜宵を見ると恐怖を使いこなす者こそ最強なのだと改めて感じさせるよ
裏では新たな恐怖となっていく空亡の成長が描かれたね
神様に挑んであっさりしてやられる様は恐怖に負ける側。でも知恵を絞って鬼子母神に挑み、勝ちを拾った様子からは既に空亡も恐怖を使いこなす側になったのだと判る。
恐怖を使う者が揃い踏みしたことで夜宵やこれらの者達が邂逅した時にどのような恐怖が撒き散らされるのかと楽しみに思えてしまうよ
魔族の特性が描かれて以来、対する人類の特性を強調するエピソードが続くね
魔族と人類の間には絶対的な力量差がある。前回はフェルンが意表を突けたが、それが勝利に繋がるわけじゃない
それでも魔族が人間を脅威と見做していない点、更には人間の積み重ねがその力量差を覆す下地となっているね
フェルン達の実力では魔族から勝ちを拾えない。あくまでも相手の不意をつく程度。フリーレンを頼りたくなる
それでも二人が戦いに巻き込まれるのはフリーレンの存在に因るもの。リュグナーはフリーレンを警戒しているから情報を引き出せる二人を襲う。つまり二人を脅威と考えていない
そこにこそ勝機が存在する
シュタルクがアイゼンから教わったように最後に立っていた者が勝ち
どれだけの力量差があろうとも相手が舐めて掛かるなら勝ちは拾える。フェルンの速さと手数、シュタルクのしぶとさは歴然と存在した力量差を覆すもの。魔族と人間の天秤を傾けるもの
それにしたって、斧を腹で受け止めたシュタルクは無茶苦茶だと思うけど(笑)
弟子達は素晴らしい戦いを見せた。次回こそはフリーレンの本気が見られるのかな?
コミュニケーションは深まりつつも行き詰まりを見せるチセ達の交流。そこで改めて表に出てくるのは魔力を奪う犯人探しか
チセ達がカレッジに閉じ込められるのも、生徒達の心身が不調を来すのも全て犯人が原因。かといって無力な学生が犯人探しに気張ればそれはそれで諍いが生まれる。彼女らの現状は迷宮そのものだね
何処へ向かえば良いかすら判らない現状、その意味ではエリアスが気分転換の収穫なんて言い出したのはかなり珍しいかも
出来ない事を頑張るのではなく些細でも出来る事に精を出す。それが最も彼女らにとって「らしい」姿だから閉塞的ではない空気が生まれる
そこでチセがフィロメラを気に掛けるのは、彼女の苦痛を少しでも軽減したいとの優しさからだろうか
チセの心配を他所にフィロメラの苦境は変わらず
彼女に近いアルキュオネは親代わりにも成れる筈なのに踏み出せず。彼女の部屋に入れるヴェロニカは異変を来すフィロメラの心には踏み込まず
頼れる者も打ち明けられる者も無いままに孤独を深めるフィロメラを誰が救ってやれるのだろうね?
夢、目標、自己実現。それらを叶える為のレースを競うライバル達の存在は本作の物語に素晴らしい彩りを添えてくれるね
その点を最も体現しているのはキタサンブラックか。彼女は敗北も挫折も成長も経験している。だからこそ彼女の物語は面白い
ダイヤの勝利は神様が邪魔しているかのよう。でも神様が敵なら彼女のレースは詰まらないものになる。そこで神ではなくジンクスを破ると誓う強さが彼女のレースを面白くさせる
別種の動きをしているのがドゥラメンテかな?彼女は最強を証明する為に走っている。そこに他者の存在はない。その意味ではドゥラメンテのレースは強いけれど面白くはない
だからこそ彼女を強く意識するキタサンが関わってくる事でレースが面白くなる。キタサンはあんなに意識しているのにドゥラメンテの方はキタサンを認識もしていなかった
キタサンの敵愾心が状況を面白くしてくれる。また。宝塚を走る他のウマ娘達が掲げる自己実現もレースを面白くしてくれるね
結果はキタサンすら意識していなかった人物の勝利とちょっと皮肉の効いたものに
けれど、それがドゥラメンテを完全な勝者とせず今回のレースは良いものだったという印象を持たせてくれる。ドゥラメンテが認識を改めるのも当然の流れ
2人が「相手は此処に在る」と意識し握手を交わしたのは感動的なシーンかも。だからこそ、ドゥラメンテの違和感が気になってしまうが……
事前情報の時点で嫌悪感を覚えずに居られなかった受胎告知の家、噂に違わぬというか噂以上におぞましい家でしたね…
訪問者を儀式のため犠牲にする。明確に人の意志が伴うそれは容赦無いからこそ、少しの油断も許さない。それが尚更に恐怖を呼び起こすものとなっているね
前回、恐怖を愛するスタンスを明確にした詠子を恐怖のどん底に引きずり込む流れは凄まじい
一方で夜宵は良い意味でいつも通り。恐怖に竦む詠子の横で冷静に状況を観察していたね。状況を分析しているという事は攻略の鍵を探しているという意味であり、彼女だけを見ればまるで推理物を見ているかのよう
それでも、抗いようのない天使様の凶行。時を追う毎に悲惨な状況に追い込まれていく詠子の様は流石に絶句せざるを得ない……
まあ、あのような目に遭っていても事故物件ゲットの意志が揺らいでいない点は褒める他なかったりするんだけどさ
夜宵は元から超常的だけど、詠子もメンタルが鋼みたいになってきたな…
これだけ人数揃えたら色物も混じるものだけど、ミリは色物タイプが多すぎないかな(笑)
それぞれに特徴が有るという事はそれぞれのやりたい事も異なるという意味であり
異なる色を誰がどのように纏め上げるのかという点が問われた回だったのかな
思い付いたら即行動というのは美点では有る。けど、彼女らはアイドルでその行動が仕事である点を思えば、ある程度の慎重さも求められるわけで
未来や茜の発言からそれぞれが勝手に動き出し収拾が付かなくなったように広げるだけでなく纏める者も必要
だから破綻寸前でPが話し合いの場を設けても既に遅くて。不安や反論が噴出してしまったのは当然の流れ
調整不足に因る瓦解の危機、中心人物不在に因る意思のバラバラ
ここでPの対応が糸口となったし、また翼の機転も良かったね
オーディションでPは春日未来にシアターの未来を見た
なら彼女の言動にこそシアターが目指す中心像が有る筈で
皆の意志を代弁しつつ自分の遣りたい事も言う。それはポジティブな言葉だから皆に響く
未来の言葉から多彩色が一つに纏め上がる様は美しいの一言だね
漫画版読んだ時は程々な印象のEPだったけど、コンテの力か途轍もなく良いお話に化けたように思えたよ
梨花妃の身に起きたのはおしろいに始まる予後不良。正しい知識の下で正しい看病をすれば問題なかった筈の事案。けれど妃として彼女を飾り付けねばという高慢さが彼女を追い詰めたわけだ
帝の勅命を受けた猫猫は特別な立場の筈。けれど梨花妃の侍女達は猫猫の身分だけを見て彼女を遠ざける
位の上下が猫猫に思うような治療をさせない。高位の御方から寄越されたのに女が集う水晶宮は別の位が跋扈し、それが梨花妃と猫猫を近づけさせない
だからこそ、イケメン壬氏がその位に罅を入れられるんだろうけど(笑)
一時的な位を手にした猫猫が知る真実は位の上下を一変させるね
猫猫は薬屋として患者の上に位置するから梨花妃だけでなく侍女すら動かせる
他方で全ての患者の下に位置するのが薬屋と言えるから彼女を助ける為に我が身を追い詰める程に彼女の面倒を看る
それでも生きるかどうかは患者次第。きっかけの言葉を得たとはいえ、あの容態から快復できたのは梨花妃が生来持つ強さによるものなんだろうな
次の課題は妃として得るべき帝の寵愛。ここでも猫猫は面白いアドバイスを。玉葉妃に偏っていた寵愛の位を梨花妃に揺り戻す逆転の秘策
下世話だけど、ああいった環境だからこそ有効なんだろうなぁ(笑)
前回は魔族の異質さを描いた。そして今回は魔族と人間の違いを描いたような
魔族が言葉を話すのは獲物を狩るため。つまり魔族にとって人間なんて食べ物でしか無い。だから相手が何をしてくるかなんて考えない
相手への無関心且つ無理解、それが回り回ってドラートのあっさり過ぎる敗北に繋がるのだろうね
シュタルクが褒める平和な街の良さ、けどリュグナーが見るのは邪魔な結界のみ
シュタルクやフェルンにとって戦う理由になり、グラナト伯爵が守ろうとするそれをリュグナーは欠片も意識しない。だから外交ごっこが破綻して暴力沙汰になっても苛立たず、むしろ本願に立ち返れた事を喜ぶ
彼らにとって話し合いなんて本当に何の意味もない
姿勢に現れる魔族の圧倒的優位性、そこにこそシュタルクが勝機を見出せるのは面白い
フェルンの目眩ましになるし、リュグナー達がフェルンに注目した隙を突いてグラナトを助け出している
魔族は人間を意に介さない。だからこそ人間でも魔族に打ち勝てる可能性が生まれる
リュグナー達を弟子に任せ自身はアウラに挑む格好となったフリーレン
遂に明かされた彼女の異名が指し示すだろう実力、そして彼女の薫陶を受けたフェルンがどれだけ戦えるか
過去からの学びがフリーレン達の旅を彩る本作、魔族と人間という永い因縁の果てにあるだろう今回の戦いがどのように描かれるか本当に楽しみですよ
カレッジに入ってから様々に行われてきたコミュニケーション。今回はそれを深く突き詰める回だったね
賑やかさが消えた夜は相手しか見えないと思うからこそ相手の言葉に耳を傾ける背景となる
コミュニケーション方法としての面白さがありつつ、学生らしいイベント感に溢れた話となったね
見えてきたのは魔術師に生まれたという理由で、家に縛られる子供達の姿。これまでもフィロメラは自分の意思を上手く表に出せない少女として描かれて来た。でも彼女を付き人としたヴェロニカだって自分の意志全てを表現できているわけではないような
檻の中に居るからこそ、同じように檻に居る者を求めてしまうのかもしれない。それが彼女らのコミュニケーション方法なのかな
そう考えるとリアンはかなり特別なのかも。彼の傍に居るアイザックだって檻に囚われているのにリアンは檻を知らないかのように人と接する。その在り方がフィロメラやアイザックを苛立たせるのは当然
一方でそんな態度が人をを惹きつける一面となるのは面白い。檻はコミュニケーションを阻害する。だからこそ檻を気にしない者が輝いて見えるのかな
これまで主役を張ってきたウマ娘達が大事な場面で栄光を掴んできたものだから忘れそうになるけど、本来レースというのは簡単にトップを取れるものじゃないんだよね
その傾向が強く現れたのがキタサンというわけかな
彼女はテイオーに憧れ走っている。その覇道が簡単なわけがない
それでもレースは一瞬で決まるものだから時にはあと一歩で1位を取れたように思う事もある。でも、その一瞬は簡単に縮められるものではないから思い悩まずに居られない
そこでまたしてもネイチャが良いアドバイスをくれたね。キタサンが持つ魅力的頑丈さ。それをトレーニングに活かすというわけか
ここでブルボン達が協力してくれたのは意外な驚き。彼女らも限界まで身体を痛めつけてレースに挑んだ者達。これからキタサンが目指すべき方向性に合致している
だからって簡単な修行になるわけがなくて。彼女が修行後半でモチベーションを落としたのは当然というもの
だから求めたのは同じ志。ダイヤもキタサンと同じように憧れ等を土台に栄光を目指している。でも、彼女の覇道とてジンクスに阻まれるように簡単な道ではない
それでもダイヤは敗北をジンクスや弱さのせいにしないんだね。名に冠するダイヤモンドの如く自分は砕けないと豪語した。自分はそのように在るのだという強い意志、キタサンも同じ遣り方が出来る志
ダイヤに得たヒントから覚醒したキタサンが厳しい修行を成し遂げたのは納得の一言
正直、レースについてじっくり描いて欲しかったのが本音だけど、彼女にとってはレース本番よりも勝てる自分を手に入れる事こそ今回の肝であり、レース結果に並ぶ成果と言える回だったのだろうね
箸休め的な雰囲気の為か螢多朗は危険な目に遭わないし夜宵も悪霊をぶっ飛ばさない。代わりに描かれたのは詠子のオカルトとの向き合い方
恐怖を愛する螢多朗を愛する自分。そんな第三者的な立場でオカルトを楽しんでいた己とて恐怖好きなのだと認識するまでのEP
命の危険を味わうなんて経験はオカルトに関わりたくないと思わせるに充分過ぎる体験。それこそ恐怖を愛していなければ
だからこそ改めて恐怖が必要だったわけだ。以前螢多朗が恐怖を覚えた首塚へ行く事で彼が怯える恐怖をどう思うか確認できる
けど結果はピクニックかのような明るい雰囲気。結局詠子も恐怖を愛する側であったわけだ
恐怖を愛しているなら恐怖を使いこなす事もできる。それが安奈の永久機関か…。アレを友達と言いつつ出来る詠子こそ恐怖の主
そんな彼女だからこそ次の恐怖へと向かえる。だからって受胎告知の家なんて曰く付きの場所に女性2人で行こうなんてその行動こそが恐怖だよ…
箸休めの筈が何が休みだったのか判らない、恐怖に満ち満ちた回だったね…
1~3話の感想を纏めて記述
ガンガンのコミックスは既読
攫われた立場で後宮で目指す栄光も無い猫猫は事なかれ主義
そんな彼女が薬師の性によって後宮の後ろ暗い面に関わりつつも、そこへ彼女の知識と推理力が光を投げ入れる様は爽快の一言
一方で彼女は影に隠れたかった人間。が、壬氏という才を見抜く人間がいた事で影から引きずり出され
面白いのは美貌を備えた壬氏は猫猫を后として盛り立てるわけでもなく、立場の弱い玉葉妃のバランス取りに使う点
後宮での価値を持たない猫猫が意外な価値を生んでしまうという
ただ、猫猫は壬氏が制御できる人間ではなかったようで
色を拒み毒を好み。華美な後宮より闇夜の陰謀が猫猫には似合う
それが後宮の色に飽き飽きしていた壬氏にとって心地よい毒となるのは面白いを通り越して笑えてしまう
3話は影の美しさを描いていたね
後宮で御手付き無く下賜されるなんて恥の筈。けど芙蓉姫にとって後宮が光の場所でなく、別の場所に光が有るとしたら
後宮を去る芙蓉姫を見遣る玉葉妃の目に光と影だけでは説明できない羨望を見てしまった気がするよ
デレアニの時も癖の強いアイドルが多いと思ったけど、ミリはそれ以上だなぁ…(笑)
ただ、それは多人数のアイドルの中で埋もれないよう自我を主張しているように思えるし、同時にステージへと逸る気持ちが表に出てしまっているとも感じられる回だったかな
アイドルに合格しても輝きを発揮する場所はまだ存在せず
自分達のステージの形が見えない未来達が気にしたのは他の合格者達がどのように輝きの日を待っているか
いわば先輩の話を聞く機会。それも有ってか、余計に百合子は先に合格した自身は先輩なのだと思いこんでしまったようで
でもダンスレッスンに現れたように先輩とか年上だからって未来達より何かが秀でているわけではない
それはPにも言えること。彼女らを導くPだからって輝きの答えを知っているわけじゃない
なら、どうすれば良いのかという点はチーフが教えてくれたね。765をフォローしてきた彼だから言える芯のある言葉
まつりが工事中のステージを見せて、星梨花がステージに立ちたい気持ちを語り、百合子がステージからの景色に似た景色を見せた
それは一人では成せない輝きへの道
先輩後輩ではなく、同じステージに立つ仲間として絆を築いたミリオンスターズがこれからどのようなステージを見せるのか楽しみに思えたよ
千年前を生きたフランメを語るのは偽物の魔導書だけ。フリーレンが覚えているだけでは世に残らない。でも、銅像等の物があれば人よりも長く世に残る。代わりにその人が居たと教えてくれる
そう踏まえると自分より遥かに永きを生きるフリーレンの為に像を遺したヒンメルの思い遣りは心に染みるね
でも物だけで全てを伝えられるわけじゃないから、人々は像を囲んでヒンメルに助けられた過去を語り継ぐ。それがもはや感謝よりお祭り感が優先されたとしても像が有る街として伝わっていく
それはフリーレンとヒンメル達が確かに旅をしたのだという事実を伝えてくれる。そういった場所が幾つもあればフリーレンは独りぼっちにならない。素敵な話だね
言葉や物による伝えの良さを説いたAパートに反して、Bパートは言葉の罠を描いているね
人は言葉で想いを伝えるからこそ魔族に利用される隙が生まれる。村人どころか勇者でさえ騙される
魔族の想い溢れる言葉は実は空っぽで獲物を捕らえる為の武器でしか無いと判る描写は秀逸
言動は理性に満ちているからこそ、人間は魔族の本質を見誤ってしまう
グラナト伯爵の息子の部屋という実の籠もった言葉はリュグナーの父親の部屋という虚ろな言葉と同等になってしまう。その程度には言葉というものは脆い
喰らわれる言葉を踏み越えるにはそれこそ力が必要になる。この恐るべき魔族に対して勇者一行の一人であったフリーレンはどのような戦いを見せてくれるのかな?
限定された空間は、望むと望まざるに関わらず、学生達に会話をさせるものになっているね。
でも会話が増えたからって、相手の心のパズルが解けるわけじゃないからそれが衝突の原因になったりする。その点はリアンが判りやすく、一方でフィロメラは判り難い。だから相性が悪い
コミュニケーションの難しさを改めて見た気がしたよ
リアンはパズルを通してフィロメラとの過去からの繋がりを取り戻そうとした。
でも彼女の方は自身のパズルを誰かに解かせる気はない。だからリアンは彼女が判らず衝突する。ついでに彼に憤るアイザックとも衝突する
フィロメラのパズル解除に最も近かったのはチセかな。彼女は同じ経験をした自分ならフィロメラを判ってやれると思っていた。でもフィロメラは自分を誰かに解かせるなんて無い。それは明確なコミュニケーションの拒絶
エリアスはシメオンとの会話を通しチセの趣味に関し興味を持つように。また、アルキュオネとの対話はカレッジに来てからの学びが活きていると感じられ、同時に彼女に特別な興味を抱いているのではないかと思わせる
でもやはり一番注目したくなるのはチセとエリアスの会話かな。以前であればエリアスはチセが誰かと会話をしているだけで不安定になってしまう事もあった。でも。今回はチセがヴァイオレットと会話をしていても特別な反応を示さなかった。というより、穏やかな時間は消えなかった
チセとエリアスの会話によって、何かのパズルが解けるというわけではない。でも2人の会話は育まれた2人の想いを上手く組み合わせているように思えた。今回はそこまでの上手く行かない会話ばかりだったからこそ、些細な二人の会話がとても際立って見えた
キタサンが敗北の苦しみから復活してから挑む有馬
そこへ立ちはだかるゴールドシップは良い意味でキタサンの先を行く存在だったような
キタサンは商店街の人々から愛される賑やかな存在。けどゴルシはそれ以上に競馬を愛する人々から愛されている
飄々として捉え所が無く、その言動も何処まで本気なのか判らない。そんなゴルシがもう現役では居られないと感じさせる決定打となったのはキタサンの飽くなき走りへの欲求かな?
「まだ走れんのか」という台詞には辿り着けない速さへの壁を覚えてしまった言葉だったような…
けどここで単純に自分の走りを終わりとしないのがゴルシの凄さだろうね
引退ではなく移籍、速く走れなかろうとも走る事そのものは辞めない。観客が喜んでいたように彼女の航海は終わらない。ゴルシの姿勢とそれに感動する観客の姿こそキタサンに希望を与えるものになっているね
だからこそ今回の敗北はキタサンにドゥラメンテの時ほどの失意を与えず、希望を与えるものになっている
負けたとしても一線で居られなくなったとしてもそれで全てが終わるわけじゃない、愛されなくなるわけじゃない
ゴルシの有終の美はキタサンにとてもとても大きな夢を残すものとなったと感じられたよ