主人公がお子様相手に優しいところがとても良かった。子供たちの行動が幼いので小1くらいかとおもったら、小5で結構な高学年だった。最終話のプロ小学生のミュージカルはクオリティ高いのは分かるが、もうちょっと前の回でやってくれたら良かった。この作品だったら、最後は日常話で締めてほしいかも。やっぱり見たいのは、お姉さんと子供たちの交流なので。個人的に天使は、ずっとお姉さん陣営についてくれる妹だったかなという感想。
全話通して、構成と世界観が光ってた。神様が作った箱庭ゲームのシムシティー感がとても良かった。脚本がきれいに世界を転がしている反面、キャラクターの駒っぽさは気になった。特に男子。女子キャラのヒロインと神様は、懇切丁寧に魅力的に書かれてるけれど、男子キャラの取り合えず入れとけばいいだろうみたいな書かれ方は一体なんなのか。そもそも、中心にいるはずの主人公がロボットを動かす小道具でしかなくて、肝心の中身がない。伏線のヒロインへの恋愛感情以外、個人の考え方や感情がほぼ書かれていないのは気になった。友達も一般人代表というたいそうな役割がありながら、完全に手持ち部沙汰で、とりあえず待ちの姿勢なところがなんとも。待ってるだけの一般人ポジションなら学校のクラスメイトでもいいわけで、主人公の近くで一生懸命足掻くお前が見たかった。スタッフは女子描く方が好きなんじゃ……と邪推できるレベルで、男女でキャラクターの扱いが違うように感じた。極端な事言うと、主人公と友達が不在でも、今回の形に近いGRIDMANの作品にできたのでは。これだけ魅力的な世界観を作れるのだから、男子キャラの設計も女子と同じ熱量でやって欲しかったなあ、というのが最終的な感想。
主人公も特撮オタクの友達もヒロインも、個人の好きな方に動くので連帯感が薄いところがこの作品の仲間の特徴。友達は怪獣大戦が見たいし、ヒロインは友人と戦いたくないし、主人公は流されるままで自分の意思はない訳で。気軽に参加できるサークルの雰囲気。
主人公は、怪獣の正体が人間だったら倒せないと悩むが……結局主人公の意思はスルーで話を締めたなあという感想。GRIDMANの物語は、戦いメインでいいとは思うが、ストーリの中ですら、主人公の扱いがロボットを動かす媒介でしかないので、存在感がほぼ無い。記憶喪失と関連あるのだろうか。今時点だとヒロインの方が、まだスポットライト当たってる気がする。
ブレスレット登場シーンがかっこいい。グリッドマンがパソコンから「使命」を繰り返し語るシュールさ。レコードばりに同じことばかり言う。相変わらず主人公がふわふわしてて、本人の意思が不明。ヒロインがキーボードクラッシャーかと思った。
2期も全話通して丁寧な作りだった。1期よりも最強の敵ポジションがはっきりしていたので、シリーズ通してメリハリがついているところが良かった。主人公の最強能力披露と家系のあたりはやっぱり面白い。ラスボスも結構すき。ただ、シリーズもののラストという意味では、主人公が寝てるまま何もせずに終わったところはまあ残念。前作にも言えるが、主人公より主の活躍で終わるシリーズ。普段は主人公がもっと主張してくるので、最後も活躍していいのにという印象。主が、せっせ真面目に主人公の家計の調査をやってるのが、非常にご苦労様だった。しかも主人公が、たいして気にしてない所がなんとも哀愁漂う。主の苦労性属性が付与されて、2期はまさかの主忍耐ENDという終わり方で、まさに今期のまとめ通りだった。続編が期待できる締め方ではあるが。