言わずと知れたマガジンのラブコメアニメの2期。内容的には原作5巻〜原作10巻のシスターズウォーの最後までのアニメ化で、「すごい勢いで話進むなー」とは思っていたものの概ね原作通りの作りになっていて個人的には満足でした。
1期は作画があまりにもあんまりだったので、それが改善されていたのは大きなプラスポイントでした。
キャラ的にも五つ子の可愛いエピソードが、上杉君との関係が強まった分1期のエピソードよりもより強く感じられて良かったのと(特に1期ではずっと不機嫌だった二乃のデレてからなどは破壊力が高かった)、ストーリー的には本格的にほぼ全キャラでの争奪戦が勃発して特に見所の多いシーズンだったと思います。
個人的にはマルオや武田君のエピソードがほぼないままに話が進んでいたので、彼らのことが好きな自分としては少し残念でしたが、彼ら男キャラの話を掘り下げるよりできるだけ五つ子の可愛い話を中心に拾っていこうという意識の現れだと解釈しています。
零奈も本筋に関わってくるのに登場シーンあんまりないけど大丈夫だろうか、と思っていたものの11話の最後で五月が口にしたことによって、確かに何度も零奈を登場させなくとも口頭で補完すれば大丈夫かと思い至りました。
続編もするそうですが、限られた尺で、1期よりも高クオリティな映像化をしてくれたスタッフには感謝しています。
特撮作品のグリッドマンは全く知らずに視聴した上、やや難解な描写も多く解釈が正しいか自信がないものの楽しめた。
これは全てを作り給うた神様と、作られた箱庭の世界で生きる人間達の物語。そしてその神様は箱庭の中で都合の良いように世界を設定するが、それで渇きが満たされるかといえばそんなこともなく。
自分の手に負えないイレギュラーを排除しようとするもどんどん自分のやっていることが本当に求めたものなのかわからなくなり、自責の念も募っていく。そんな中で自分が設計した一人形に過ぎない少女が自分のことを友達だと言う。自分を好きになるように設計したのだから当然だが、それを神様はどう思ったか…。
アカネにはアカネの、六花達には六花達の世界がある。それはそうだが、アカネが作った箱庭の世界であっても人は人で、アカネ以外を好きになる人もいれば、全てを知った上で「一緒にいたい」と言ってくれる人もいる。そこが(アカネにとっては)どうにもできないところで、同時に最後にアカネが"覚醒"する原因にもなった感動的なところなのかなと。
最終回の最後の実写描写はとても示唆的だと思った。
あと大筋以外で好きなところを挙げると、この作品全体を通して本当にキャラクターが実在しているかのような"空気感"が巧みだと思った。間の取り方やガヤなどでリアル高校生感を上手いこと生み出しているのかなと。
響君の元の人格やアンチ君がどうなったか等、まだまだ気になるところが残ったまま終わったものの、この物語の主軸を「新条アカネの世界」として捉えるなら綺麗に終わったようにも思う。
滅多に見ないものの、たまにあると嬉しくなるようなそんな作品でした。