フォーマルハウトの参入によってミラと白夜の関係は振り出しに戻されるかと思いきや、隠そうとしても溢れだすミラの愛情とフォーマルハウトのアホさに救われた感じ
また、ミラが態度を変えようも白夜が変わらない信頼を寄せるているのも大きい。てか、視線逸らしを許さない格好凄い……
結局二人は他の目が有ろうと後戻りできない関係になっている。昔は他者の迷いをこそ非難していたミラが白夜に参っている様子は迷いが無いとも迷いを許さない感情を抱いているとも言える
だからこそその関係に他者が入り込もうとするとミラの感情はブラック気味な暴走をしてしまうのだろうけど(笑)
元々ぼけぼけな会話を繰り広げてきたミラと白夜、ここへぼけぼけしたフォーマルハウトが加わった為に会話の知能レベルが更に下がっているのが酷い(笑)
ただ、そんな会話でも白夜はミラを知る事が出来た、名前を知れた。彼女にとってとても温かな感情を齎す会話になったのだと感じられたよ
カオスが満ちるシカ部ではツッコミに終止する虎子もまともな生徒会なら常識人で居られる…と思いきやこちらはこちらで常識人の皮を被ったクセの強い方々が
ただ、根子は大人しめか。ボロ出しまくりな虎子の正体を全く把握せず貶めようとする姿は低身長も相まって非常に可愛らしいね
逆に千春は虎子に興味が無いのこ大好き人間か。どうしてのこばかり人気になるのか…
その意味では虎子が幾ら頑張っても暖簾に腕押し。千春はカオス空間に飛び込んでも別のクセを持っているが故にカオスに混じらない
むしろ特定シーンの表情だけ見れば少女漫画かのようなのだから面白い
絹は第一印象だけなら本作随一の常識枠に見えるのにテンパった際の言動がかなりヤバい
人の話を聞かず自身の妄想で追い詰められていく様はもうクセが強すぎて強すぎて(笑)
別の意味で放っておけないタイプなのだけど、あんまり関わるとこちらまで自滅させられるという独自のワールドを持った厄介さんですよ
逃若党の方針は定まったが、それで乱世の全てを渡っていける訳では無い。逃げ専の時行であっても多少の武は求められる
そこで弓矢に白羽の矢が立ち、師匠候補として敵方の人間が上がるなんてね
逃げる中で素質を示す時行にとって、味方よりも敵から教わる方が性に合っているのかもね
貞宗の弓技術や視力は凄まじいね。遠くを見通すだけでなく、小さな物すら見極めるとは。そりゃ千里眼を名乗るというもの
彼の前では隠し事など通用しない。時行をいつまでも隠せ通せるものではない
けど、対する時行も貞宗を見通している。人柄は否定しても弓は褒める。であるから頼重も道を見通す
千里眼相手に隠れ鬼とは言うけれど、結局見るモノが何かを知らなければ見つかった事にはならない。だからこそ、時行が彼の面前に現れる策も活きる。だとしても凄い度胸だけどさ
見つかっても見通されないなら、貞宗の近くで彼の技術を見通す未来が開かれる
弓の腕が立つとは言え、名人に敵うかというと別問題
小手先の策で貞宗を惑わせても、時行という武士は貞宗を上回る事はない。逃げの一手だけで勝ちは拾えない
そんな武を求められた局面で「楽しい」と思える時行はそれはそれで武士として戦に心惹かれる素質を持っているのだと感じさせたよ
赤猫は社員サービスも良いのか、賄いや休憩にも配慮しているようで
猫用のスープだからと文蔵は気にしたけど、あれは珠子が皆と同じ賄いを食べられた時間。休憩を同じ空間で取れたのも良かったな。彼女があの店の一員として溶け込んでいる様が見えてきたよ
寝過ごしまで一応見逃されるなんて人情味に溢れているよ
赤猫スペシャルがもっと売れて欲しいのは店側の事情。でも、押し付けたくないからポスターで主張するだけ。それでちゃんと売れるのだからお客の要求に応えられたと言える
また、食べきれない客側の事情に合わせて咄嗟にハーフサイズを提供できるのは思い遣りに満ちている
……それが結果的に利益率という経営側の事情にも適っているのは正しいんだけど、何とも言えないなぁ(笑)
サブには意外な趣味が。これを知れたのは猫達の居住空間に入るのを許された面が大きいね。同様にサブの趣味に珠子が理解を示せたのも
ただ、文蔵達は理解が足りないままに理解してしまったから、配慮が過ぎて余計な気遣いに(笑)
人情味有るのは良いけど、今回は妙に笑える方向へ進んでしまった感じ
後悔を抱かせる光景を同じように見た。けれど、千夜と月湖はそこから全く異なる覚悟を抱いたね
千夜は強さを恐れ戦わない道を選ぶ。月湖は弱さを恐れ戦う道を選ぶ
共通するのは道を決めても進み方を見出だせていない点。それをかつて強さと弱さに振り回された真介が見守る構図となっているね
千夜は記憶を失って、居着けた筈の村も失って
それでも彼が失わなかったのは今の己かな?。だから今の自分が何をすべきかを考えて人間になると決めた
でも彼の半身は闇で出来ているわけで。そう簡単に切り離せはしない
特に寄り添ってくれる月湖の理解を得られないのは道行きの厳しさを示唆してくる
父を目の前で喪っても自ら村を捨てる決断が出来た月湖は強いのだけど、彼女が求める強さはもっと高い場所にある
その目指す先はかつて真介が目指したものと似ているが、既にその道を歩んだ真介は逆に己の弱さを知った
真介の在り様は強さの先に弱さが有ると月湖に突きつけるようなもの
強さと弱さに迷う千夜と月湖の前に現れたのは両極端な2名だね。龍の強さを持つムドに他者の威を借りるタゴ
タゴは弱いから誰にも顧みられる事なく叩かれてばかり。ムドの強さは月湖や土地神の力を呼び起こした。強いだけでも弱いだけでもきっと間違い
兎に角、否定した筈の力を求められた千夜は月子を守る為に何を選ぶのだろうね
可愛いを好きと思う気持ちを諦めない境地に至ったまことの変化は大きいようで
見える姿は以前と同じ。でも心構えが変わった事で見える以上に彼の雰囲気は変わっている。だからか、以前は顔が見えなかった羽川をちゃんと見てやれるようになった
一方でそんな彼の変化に二人の気持ちが…
周囲に受け容れられ、周囲を受け容れ始めたまことは壁を少し無くしたと言える
他方で竜二は気持ちの壁が消えた事で己の感情を理解した。以前はまことの姿に関わらず受け容れてたのに今はまことの性別に悩んでいる
受け容れた事で受け容れられない気持ちに出会ってしまった
けれど、竜二は一応前向きに考えようとはしているのかな?
意外な反応を示したのが咲か…
彼女こそまことの好きを応援していたのに、咲とて好きの応援を欲しているとは思わなんだ
言葉は軽やかに飛び出るのに、言葉と気持ちの間に大きな壁がある。彼女に足りないのは特別か好きなのか。咲の助力で好きを守れたまことがその壁を無くしてやれれば良いのだろうけど……
この状況、澪は真珠からすると泥棒猫なのでは……?
まあ、陽の側にも落ち度が有るけども
今の陽にとって好きな人と気になる人は別人で、それぞれが自分に思わせ振りなアプローチを仕掛けてくる。相手ともっと深い関係に成りたいのに、何もかも思い通りにならない
人間関係がそれぞれの想いを難解なものにさせているね
付き合ってる訳でも無いのにキスした澪と陽は曖昧な関係に。友達と呼ぶのはもう難しいが、真珠の存在が有るから友達関係に留めておきたい
そんな陽は真珠ではなく澪にぐらついてしまったから、真珠の言動に過剰反応してしまった面もあるのかな?
澪と過ごす陽は真珠に対して誠実と言い切れない。一方で真珠とて誠実でない点が彼らの関係を難しくする
父に束縛される真琴は陽にある程度縋っているのに、家庭を理由にそれ以上近づけない
誠実と言えない彼女は陽が居たからかつては勇気ある行動が取れたのだろうけど、今はそうでないからもっと陽に踏み込んで欲しい。それはとても我儘だけれど、精一杯の感情
という局面で陽が他の女性に靡き始める状況は如何ともし難いが、それこそ本作の魅力となり始めているような
白夜に執心しているという言葉通り、ミラは白夜にどんどん溺れていく。その傾向が続いていけば緊張感の無い関係へと至るのだろうけど、二人は敵同士。敵として戦場に立つ理由がある
ニヤニヤ展開に潜む僅かな緊張感が表に出た回となったような
ミラがどれだけ白夜に貢いでも彼女が御使いの手元に居るなら彼女の危うさは続き不快な状況に陥る
それだけにミラがあっという間に御使いを塵としたのは良かったな
そうした展開の後だからこそ、二人で囲む食卓が辛さを越えて手にした尊い温もりだと感じられる
白夜がミラによって一時的にでも敵である理由から解放されたなら、ミラとて彼女の敵に成るしかない状況から解放されるべき。けれど…
フォーマルハウトのおせっかいな補佐は改めてミラの立場を思い出させ、関係を振り出しに戻しかねないもの
そこでミラが初期には持ち合わせていなかった執着が役に立てば良いのだけど
カオスまみれな本作で虎子はカオスに呑まれた人間だからか常識をちょっと忘れ掛けている
シカをのこと思い話しかけるなんて本当に可笑しな振る舞いなんだけど、カオスに居る彼女はそれを疑問と感じない
だからと言って、シカ相手に自作ポエムを歌い出す行為の方がカオスに満ちている気もするけどね(笑)
カオスに呑まれた彼女でもシカ関連でしか常識が破壊されていないから、めめのような別ベクトルのカオスと衝突すると理解できずツッコミオンリーに。のこに憧れるだとか田んぼ作りたいだとかはまあ普通に理解できないから仕方ないっちゃ仕方ないのだけど
というか、めめはあの空間にあっさり馴染んだ時点でヤバさしかない…
部員が揃い部活としての体裁が整ってきたが、そもそもシカを扱っている時点でまともではない
その意味では会議シーンはギャグが弱いように思えるが、あれを弱いと思ってしまう時点で視聴者もカオスに呑まれている
だとしたらシカ部を外から見る彼女らは新たなカオスを齎すのか、それとも常識を齎すのか。新キャラ投入によるカオスへの影響が気になる引きでしたよ
仇討ちへの南北朝鬼ごっこを始めたは良いけれど、時行はどこか自身の立場への実感を得られていなかったような
だから五大院に関しても「いつの間にか首が~」なんて言ってしまう。鬼ごっこを進めるに当たり時行が得なければならぬ物は幾つも有る。それが描かれた回となったかな
時行にとって逃げるなどいつもの振る舞い。なのに頼重はそれを続ければ勝てると言う
そんな認識では時行に進みようがない。何故、どのように、誰の為に。必要だったのはそれらを実感させる事
第一歩目は頼重を信頼する、その為に彼が見せたはったりは感動的なものだったよ
目的意識が澄み渡れば、次の歩みは狐次郎達への信頼を深める事
前回は急場にて信頼した。今回は落ち着いた環境での信頼。彼らとの関係は「郎党」という言葉に収められた。その時点である程度信頼し合っていると言えるけど、戦場で命を預け合う彼らとはもっと深い言葉で信頼し合う必要がある
牛鬼への対処はいわば五大院対策の反復。時行が逃げる間に、狐次郎達が勝ちを献ずる。この様は彼らの連携が既に成熟し始めている証
だから必要だったのは特別な名前、「逃若党」は彼らだけを示す彼らだけの名前。多くを喪った時行が尊い絆を得られた和やかな雰囲気でしたよ
美味しい料理なのにあまり売れない。職人気質だったり恥ずかしがり屋だったり、真っ当に料理だけに向き合うのは良いけど、ハナが言うようにまずは注文して貰える事が大事
珠子は赤猫において、手が届かなかった要素に対して良い補助をし続けているね。彼女が赤猫に加わった事でより増した人情味を感じてばかりですよ
赤猫の魅力が描かれたのはシェフの質問に答えるシーンにも
唯でさえ繁忙時間で余裕は限られる。けれど美味しいと思ってくれるお客の質問には応える。それは自分がスープを飲めなくてもお客の要望に応えようとする姿勢に基づくもの
猫だから出来ない事がある。でも、猫でも出来る事がある。それが示されたEPだったな
猫の味覚だけでなく、現実的な猫アレルギー問題
赤猫の良さに関わってくれる人だけど、アレルギーのせいで美味しさで以って返してやれない
文蔵達だけでは届けられないラーメンの美味しさを珠子が仲介するシーンには心が温かくなってしまったな
ただ、ラーメンの器って結構重くない?よく片手で持てたな……
真綾の来訪やら洗濯の問題から生じた会話が自分の想像とかなり違っていたと言うか、悠太と沙季の会話はひたすらに低空飛行を続けるなぁ
それもこれも全ては相手へ過度に踏み込まない、期待しない、勝手なイメージを抱かないという点を徹底しているからなのだろうけど
でも、同居していれば影響し合わないとか有り得ない。それがモロに出るEPだったかな
低空飛行でも悠太と沙季は会話を繰り返す。それは踏み込まないままに踏み込んで良い領域を見極めるため
その中で悠太は沙季が述懐するように、沙季よりも沙季を理解する人間として隣りに居てくれるね
でも、彼は完璧じゃない。沙季からするとしょうもない部分で弱みを見せる。だから安心してしまう
知らず知らずに頼る土台となる
その極みが出たのがあのシーンか
誰にでも聞ける訳では無い質問。それに悠太はどう返すか?
でも、実際に返されたのは憤り。沙季の軽はずみを責める真剣さ。真なる他人だったら見せない親身さ
あのシーンは沙季が思う以上に悠太は彼女を家族として扱っている、扱おうとしているのだと判る
あの瞬間は他人だった二人が他人のままに誰も望まない関係に成りかけた瞬間。なら、それを乗り越えられた悠太と沙季は少しだけ他人より家族に近づけたのかも知れなくて
兄と妹に成れると思った。なのに、沙季に芽生えてしまったとある感情。二人の関係が実ではなく義でしかない点が今後更なる揺動を齎してしまいそうな…
まことの母親を単純悪の加害者とせず、彼の在り方に苦しむ人との面が強調された事でまことが『好き』を諦める展開に納得感しか無いのが苦しかった……
咲との関わりで異性装が認められた。母との関わりで異性装は妨げられた
自分の『好き』なのに自分の好きに出来ない。まことの苦悩がありありと伝わってくる内容でしたよ…
女装をしていた時は白い目で見られてばかりだったのに、男装した途端に見る目が変わる世間は何か嫌だな…
それでも本人が納得しているならば、という点に真っ向から反論する咲が気持ちいい
本来は喜ばしい「付き合って」も嘘の満足心から出ているなら喜ばない。世間が喜ぶまことの在り様を彼女だけが認めない
前回は楽しみにしていたパーティに女装ではなく男装で参加するなら、それは自分の楽しみ全てを否定するようなもの。その否定に『わたし』の空間が含まれてしまうのは非常に辛い…
あのパーティシーンは良くも悪くも性別を分類するもの。男性なら女性なら求められる服装がある
でも、可愛い格好をこそまことは望んでいた筈で
一点だけ混じった男らしくないハンカチがまことの本心を引き出すシーンは本当に良かったし、咲が捨てられた靴を見つける流れも本当に良かった…
あの格好は世間からすると変かもしれない。でもとても『まことらしい』
取り返された『好き』が二人を優しく彩るラストは最高のワンシーンでしたよ……
仕切り直された物語の始まり。1クール目で敵として現れた千夜は記憶喪失により主人公へと成り代わった。新たな千夜が生まれたEPと言える
彼は完全な0から1になったのか?1000が一旦0になって1に戻ったのか?その曖昧さは彼がこれから向き合っていくであろう己という存在のの難しさを表しているように思えたよ
記憶が無い彼は異様。けれど子供と遊ぶ姿は普通の子供
それが変わるのは子供ならビビるしかない場面に遭遇してから。月子ですら覚悟しても力を振るえなかった。なのに千夜は覚悟も無しに力を振るった。それは彼が普通でない証
迫害に繋がりかねない異様に対して闇と暮らす村は寛大だったね。彼が普通でなくてもあの村でやり直せると思わせてくれる
でも、1クール目で示唆されたように千夜は異様を凌駕する混沌。ただの村に収まるわけがない
守る筈の力はむしろ壊すだけの力に。その在り方は0から1になったばかりの彼にどれだけの絶望を齎したか…
反面、それでも親しみを見せる子供達の姿に泣きそうになるよ…
千夜はこのEPで始まり直したけど、真介など他の者達は地続きの物語の中にいる
その意味では前期ラストで悲しい別れをした者達がどうなったか気になってしまうし、逆に悲しさを別れで終わらせなかった月子が罪に苛まされる千夜の傍に居る事で二人がどのような人生を歩んでいくのか気になるリスタートでしたよ
澪は一体何を考えているのか。それは陽をどこまでも翻弄し悩ませる最大の問題
合コンに行く際に最大限のおめかしをさせ送り出した様は友達として応援しているかに思える。でもその合間にちらりと出す顔は、まるで陽に勘違いを誘発させたいかのよう
それはきっと澪自身が感情の答えを持っていない為に生じる難しい状況
澪に翻弄される陽は心が定まらない為に他者を翻弄する側にもなっているね
紗羅は容姿を繕って来た陽の本性が見えない。誓いの盃を受け入れるかと思えば拒む姿勢。合コンに参加しておきながらとんでもなくピュア
なのに、一番油断していたタイミングでの接触。陽の翻弄は彼女を魅了するに充分だったようで
そのように誰が誰を翻弄しているか判らない状況。陽を翻弄した澪は最終的に陽に翻弄されてしまう構図に至るなんてね
口紅から察する悪い遊び、沸き起こる我慢ならない感情。でも、そもそも陽だって澪に翻弄されあの場に帰ってきた
そうして爆発してしまった2人の感情、あれは何を誓う口付けになるのか?この恋物語はここからどう展開するのかな?
ミラの過剰に過ぎるリアクションや百夜への入れ込み具合は彼女への愛の深さ、というよりミラは完全に参っているのだと伝えてくる
二人は敵ながら戦いを必要としない。何故なら既にミラは百夜に負けている。だからミラは勝者である百夜を丁愛を以って饗すわけだ
ミラの態度は慈しみと優しさに満ちているから、少しずつ白夜も彼と距離が近づいていく
最初は一緒にお茶会をしているだけ。でも、それを何度も繰り返し、助けたり助けられたりすれば、会う時間への楽しみも増えていく
二人なら敵ではない関係へと至る時も近そう…という段で邪悪に過ぎる御使いが何やら不穏…
唯でさえカオス度の強いのこが居たのに、別ベクトルでカオス度の強い娘が登場したね
姉への愛が溢れ過ぎて他人に危害を加えかねない餡子、その有り様は完全に危険人物。そんな餡子の前にのこが並び立つ事実が別の意味で状況の危険性を認識させてくれる
ヤバイ奴の見本市じゃん…
部室の荒れ具合は餡子が容易に一線を越える人物だと示している
でも、対するのことて人やシカの一線を越えちゃっているわけで。2人は別ベクトルながら、ヤバい奴という点で共通している。だからどちらが優れているとか競おうとしても無駄なわけで
最終的にどちらも虎子を深く理解していると共感し落ち着くのは何とも言えない(笑)
というか、一方的にプライベートを暴露された虎子が不憫(笑)
今回もカオス極まりない表現が幾つも見られたけど、中でもカオスだったのはパトラッシュパロのようなシーンかな
人間似ではない天使なんてフィクション世界には幾らでも登場するけど、シカ姿の天使なんて初めて見たよ!おまけにシカの神様とかぶっ飛んでいる(笑)
常識が迷子な光景に大笑してしまったよ!
鎌倉武士の無法っぷりなんてよく聞く話では有るけれど、それを過度に体現した五大院の鬼畜所業が冒頭からインパクト凄い……
伯父ですら容易に裏切る薄情で残酷な世の中に幼い時行が立ち向かうのは難しい。それだけにぺかーと光って場を笑わせる頼重の存在が有り難い意味で貴重(笑)
高氏や伯父の裏切りは信じる者が居ないと時行に思わせるに充分過ぎる話。そもそも怪しい頼重も信じられるか…
それでも彼が生きる事で仇討ちの手始めとするなら、彼は信じられる者を見つけなければならない。そう考えると、時行にとって年が近い家来筋の狐次郎と亜也子はまだ信頼し易い相手か
見方を変えれば、誰を信じて良いかは判らなくても、信じるべきでない敵は見定められる
兄の仇討ちとして、そして天下への一歩目として五大院は丁度良い怨敵。また、五大院との戦いは狐次郎と亜也子にとっても新たな主を見定める良い機会
今回の鬼ごっこは未来への出目を占う好機
五大院との戦いは時行達の戦いを暗喩しているかのよう
五大院の強さは高氏軍の強さを、抗する時行の回避は時行方の逃げ方を。だから次第に五大院が感じた「命を狙われ続けたら?」という懸念はいずれ高氏が感じるかも知れない恐怖
この仇討ちは予行演習且つ時行が信じるべきは何かを示す機会となったかのよう
ラスト、落ちる首は五大院のものとなり、鞠が正しく落ちてきた光景。過去のものながら、平和な夢のような空間
そんな場所・時間で、時行は果たして英雄になれるかという問答に、「頑張れ!」と背を押してくれた兄・邦時の言葉には少し涙してしまったよ……
時行の厳しい旅路への贈り言葉となったね…
早くも珠子が赤猫に入った利点が出た形に
そこには珠子という人柄によるものだけでなく人間である為の良さも見え、そこから人と猫の向き不向き、適性やらが見れたような
珠子が店内に現れたら猫でないから注目を集める。それが幾つかの意味で作用した回となったかな
珠子が人間である以上、店内に居たらどんな格好をしても目立ってしまう。でも、それは彼女が何をするか判らないからという面もある
恥ずかしさを軽減する為に皿洗いに集中、それは珠子をあの店に馴染ませる時間となったような
その上でハナが望んだブラッシングまで出来たら彼女が店員と認められるのも納得
迷惑な人間にどう対処するか、人情派な猫達では無理に追い出す事は難しい。そこでブラックな職場を知る珠子が黒子姿で形式的対応を採ったのは良かったな。打てど響かない珠子に迷惑人が取れる手段はない
でも、人情的解決策へ落ち着くのは更に良かった。強面だけど世話になってる弁護士。最後はラーメン食べて一件落着、ひとの温かみを感じてしまうね
相手にどこまで踏み込んで良いのか?沙季の意外な悪評を知ってしまった悠太は難しい舵取りを担う形に
期待しないされない関係を維持するなら踏み込まないのが当然。家族であれば気にするのも当然
でも、そんなの当事者にとっては曖昧な境界だから油断するとすぐ崩れる。それが早くも始まった印象
悠太には学校で沙季に話しかける気なんて本当は無かったろうに悪評を聞いた途端に話しかけたのは彼女との交流の糸口を掴む為かな?
でも、沙季は人との繋がりを極力抑えて自立すら目指している。そんな子と関わるのは難しい
その意味で、情報の対価としての味噌汁は意外と二人の関係を変えるものになりそうな。それによって二人に繋がりが生まれた
沙季の側も対価以上の食事を用意してみせ、目玉焼き等に掛ける物についても配慮を示した
その姿勢は彼女が思っている以上に彼女を変えるものではないかと思えるよ。それでも自覚的に誰かに頼るなんて彼女には難しい
けれど、その頑なさは栞の発言から考えるに頼るマインドが足りないからかもしれなくて
事故に遭いそうだった沙季を悠太が助けた件は二人にとってかなり踏み込んだものと成ったね。あれは悠太が言うようにスルーできない事象
あの時助けたのは目の前に居たからか、家族だからか?そして傘を渡しただけで去ったのは目の前に居たからか、家族だからか?
曖昧になる境界を前にして、家で過ごす二人を真綾が目撃する時間は二人のマインドにどう影響するのだろうね?
まことが対面する環境はあまりに厳しいものだね
本人は純粋に可愛いものが好きという話なのに、彼の母親を始めとして異性装をする彼に理解の目を向けない。親友の竜二ですら発言にちょっとアレな部分があるし
でも、そのような環境だからこそ、願い通りに彼が可愛い格好をする瞬間が輝いて見えるよ
また、彼に恋する咲も良いキャラしてるね
まことに勢いよく関わり続けるけど、必要以上にアタックしないし、竜二の力を借りず独力で行動している
何よりも環境から卑屈に成るまことを全肯定する咲が居るからこそ、まこともドレスへの挑戦が出来たのだろうしね
彼女との出会いがまことに与えた影響は良いものばかり
そう思っていただけに、咲から貰ったハンカチ一枚であれだけ雰囲気が急変するなんて……
まことの母親こそ、まことが異性装を純粋に楽しめない原因と現状は映っているだけに、ハンカチ一枚でも生じるだろう修羅場が恐ろしくて堪らない
ほんと、あの母親は誰か何とかして……