チョコレートで想いが伝わるってモノローグで、バレンタインっていいなぁ…という気持ちにさせられてしまった
あのねぇ、シンプルにモテる井浦がおもしろい
そして、前にイジメられてた描写からの、このバレンタインをきっかけにあの女の子と友だちになれた沢田ちゃんになんだか嬉しい気持ちになる
結局のところ、何も分からないまま始まって、何も分からないまま終わったような物語だった。それでも、分かりかけたような世界観が少し積み上げられたところで壊されて…というのを何度か繰り返すうちに、それ自体が意味を帯びてきたこともまた事実なのだと思う。
目の前の敵が本当の敵なのか分からない。人食いではなく、人こそが本当の人類の敵なのではないかということ。
人同士の争いの中でも、どちらかが正しいのかだけではなく、どちらが正しいのかという正義の基準がそもそも存在しない場合もある。不滅教団とそれに反対する白装束の勢力も、公平に見れば、互いに間違っているようには思えなかった。
そんな世界観の中で、ただ人に言われたように世界を見るのではなく、自らの意思という目で自分なりに基準を敷くということがこの物語の教訓的なものであるのかもしれない。そして、それが最後のキルコやマルに施設の子どもたちが辿り着いた境地なのかもしれないと映った。
学園を襲う原因不明の事故をきっかけに、外の外に飛び出した子どもたち。彼らは彼らにとって未知の世界に晒されて、何も整備も指示もない中を自らの意思で選択していく地平に放り出されていた。
そして、それは外に出ていった子どもたちだけではなくて、トキオもそうであるように見えていた。大人たちに自分の子どもを手渡され、しかし園長はそれを渡せと言う。そんな中で、発言したヒルコとしての異形の能力は、間違いなくトキオが自らの意思を示したという意味で、新たな世界だったように思う。
キルコやマルも同じだと思う。キルコは自分の求める全てだったロビンに裏切られて、それはまさしく信じていたものを全て失ったようで。そして、一度ゼロになったとこから新たに信じる世界へと彼女は進んでいくのだと思う。
マルだって、これまでの旅も踏まえて、改めて「お姉ちゃん」のことを『キルコでもハルキでもない「あんた」が好きだ!』と言い放った。そんな新たな認識の中で、再び彼も彼女と旅を続けていくのだと思う。
高原学園園長は天国を作り、広めるために、自分の脳を移植して永遠の命を完成させるという。そして、その天国という目的の先のビジョンを知らないながら付き従う学園スタッフの「超えちゃいけない一線を超えてきた」という言葉には、この世界の善悪は何なのかという真実がそもそもおぼつかないということを改めて感じさせるようだった。
そして、さらに、子どもたちが外の外へ到達することが役割のヒルコだという事実は、人の敵は人食いであり、また人であるということのようで、それこそ善悪の真実の不在を表すようにしか思えないものだった。
愛華さんの抱えるじれったさが滲み出るような様子がかわいすぎる………………
それに、笹木さんのちゃんと中学生なとこ…というか実は抜けてるキャラなとこも萌えポイント高すぎる
Liviumanの代表が投石であっけなく死亡。それを口実に不滅教団へ攻撃を始める展開は、戸惑いはありつつも正義のように見えていた。
一方で、宇佐美と共にその不滅教団の内部へ招かれたキルコとマルが目にしたのは、保護された人々と、そして死ねば人食いになる病のために生命維持装置に繋がれた少女。さらに、その少女を人のまま死なすために、マルの力を借りたいという宇佐美はLiviumanが言うような悪には到底思えなかった。
だから、そこにあるのは正義と正義の対立のような争いとも違う、真実が迷子になってしまったような光景に見えていた。マルが教団施設の地下で人食いを殺したことが保護下の人々を追い出すことになってしまったり、病の少女を死なせたことが宇佐美が自殺する理由になったりしたことも、そんな真実の迷子を表しているように映っていた。
地下で人食いを飼っているという不滅教団の建物に潜入するキルコとマル。やや久しい人食いとの戦いを前にした緊張感の中で、やはり人類の敵は人食いというこの世界観のルールを思い出されるような感覚があった。
だけど、マルがキルコに指摘したのは、これも以前のようにハメられたんじゃないか?という
こと。やはり人類の敵は何よりも人類なのかもしれないという最悪が上書きするようによぎるようだった。
しかし、キルコが人食いに襲われて、手足を食い千切られて……、というのも正気を取り戻したら幻覚だったという一幕はますます人こそが人の敵なのかもしれないという疑惑を加速させるような印象すらあった。
マルから「そんなに銃で正確に狙えるのは〜」と言われたことで、自分が役に立つと頼られたことで、熊に挑む勇気を得たキルコが印象的だった。男と男となったことで僅かだけど距離ができたような二人が再び近付いて、そして新たな関係に踏み出したような気すらするようだった。