SAOは視聴済で、こちらの原作は未読。
仮想世界のゲームを1本に絞って主人公一新して純粋な競技ゲームとしての側面を強めたおかげで設定面の雑音がなく、凄く見やすかった。
警察の特殊部隊か自衛隊のプロ相手と見抜き、勝ちより演習目的であるということの推測と、そのために勝ちにこだわらないから籠城は無いという認識をしっかり導き出せた男が超有能。
さらに凄いと思ったのは対戦相手の自衛隊の司令官がトラップを通信のみで悟れたということをしっかり描写したおかげで、ただの噛ませにしないでプロなりの水準をしっかり見せたことがとても感心した。
テレサがどうみても外国人に見えない(日本語もペラペラ)
ので、感覚的には時代劇好きな田舎から出てきた観光客の美人の女の子を助けてあげたら不思議と波長が合ったくらいの感覚でみた。
やたら押しの強い親友(しかもけっこういいやつ)もいるし、ノリ的にはだがしかしに近い作品だろうか。
喫茶店の雰囲気もすごくいいし、観光に自分もいってみたくなった。物語の楽しさというよりそういうロケーションを楽しむアニメ。
後半、アリスとテレサが学校に転入してきて主人公の青春が始まった感じもして凄く初々しい。
設定がくどくもなく、主人公も自然体で癒しアニメとして良いなと感じた。
フジリュー版コミック既読済、OVA版を途中まで視聴中からの感想を書く。
始まる前から物議を醸しだしたキャラデザはOP見る限りそこまで気にならない。
OVA版より艦隊戦が作り直されて当然の如く綺麗だった。
ナレーションも旧作より気持ちゆっくり目なテンポで聴きやすい。
声の印象はラインハルトはこれでもいいが、キルヒアイスが旧作ではもっと優しそうな声色だったので、新約はちょっと声が冷たく感じる。
アニメスタート位置はOVA版1話と同じく、旧作劇場版1作目で描かれたあとの話か。
戦闘でバリアが前方にしか張れてないというのが視覚的に分かりやすい。
(これは旧作でも言及のあった明確な弱点で改善できない理由がある)
01話は自由同盟側が一方的にやられる役にされてるな。
4時なのか16時なのかという冗談が演出面で非常に良い。
ヤンの親友ラップの存在感が旧作01話よりしっかり出てる。
ヤン本人の声は一発でこれはこれで合ってるなぁと感じた。
旧作はもっと飄々としていて爪を隠しまくってた有能で結構おっさん臭いのも魅力だったが、新約はもう爪隠してない若々しい感じ。
次回ヤンをもっと丁寧に掘り下げてくれるのか。
全体的な印象をいうと、旧作OVA01話より新規の人が入っていけるように作ってあった。
思ったより騒がしくもなく、艦隊戦が粛々と進む。
ラインハルトも表情多彩で冷たい印象を残さないように作ってある。
次回にも期待が持てる。
流星雨で魔法銃を拾っていたというご都合は若干の萎えポイント。
自分が活躍したら経験値が入らないので同行者にとどめを刺させて育成に苦労する点はゲームをプレイしてる感じで良い。
スタミナがゲージで見れるので、現実の指導者より細かい気配りができていいよね。
途中の食料調達や戦闘もよく出来てて面白くなってきた。
首トントントン3連発で気絶は笑うところ?
正体隠して聖剣もってボス戦は時間かけすぎて結構ダレたように思う。
なぜならどうせサトゥーが無敵なのはわかっているので、結果が一ミリも気にならないせい。
奴隷の3人がサトゥーさんに捨てられたって一瞬思わせた場面は演出が良い。
称号の文字小さすぎて見えないって!一応重要な伏線かもしれないが見せる気のない飾りだと思っているから、話題にするなら称号の名前とか全部読み上げろ!と思った。
すでに味噌がある世界らしい。
この時点ですでに日本食恋しいという展開にはならないのは確定した。
ゼナさんとデート中にも情報収集は欠かさない。
この回は動かない止め絵と口パクだけなのが目立つ…。
勇者関連の話はこの回かなり掘り下げがある。
自分は召喚されたのか?という情報の小出しであり覚えておく必要がある。
奴隷のリザに投擲する民衆をみてサトゥーは行動を起こすが、その思考プロセスが実に機械的で抑揚がなかった。
デスマーチのプログラマーという性質を遺憾なく発揮してるように思う。
ポチタマリザの名前の付け方は省略した…?
反応がどことなくNPCっぽい挙動はわざとつけてるのかもしれない。
これからサトゥーがリザたちを鍛えて強くしていくところは面白いので期待したい。
サトゥーのぼやきが視聴者に向けてちゃんとツッコミを入れてるので、それがある限り置いてきぼりのようにはならないだろうと思う。
女の子に自然に笑いかけるところとか、人間らしい躊躇もなく完璧人間を目指して描写されてるっぽい空気。
高橋李依の普通の演技を楽しむ回っぽい。
サトゥーが会話中に裏でスキル振りをして会話を遮らないようにするとかテンポは非常に良いと思う。
見た目より老成してるため心の声は余裕がありレベルの詐称も余裕なのか。
滞在期限切れで奴隷落ちになる制度をすんなり受け入れているし、イベントは完全自動で自ら何もせずに次から次へ発生してることを当然のように受け止めている。
そういうところがインスタントゲームっぽくてデスマ次郎たる所以だと思う。
女の子の見た目のレベルが高いので、そういう娘に常に接待される観光作品というデスマの基本スタイルはこの2話でしっかり確立されていて疲れたときにみると楽しい。
この世界はゲームっぽいけど、MMOはクリアって概念はないという考察を案外ちゃんとしていたのは凄く良い。
見てて思ったのは、プリキュアみたいにもっと主人公の年齢を下げて朝アニメの健全なやつに作り替えれば見やすくなってポンポン自動的に起こるイベントにも説得力でたんじゃないかなと感じた。
原作小説はWEB版を既読済。
OPの曲の素人臭さがこの作品の制作実態を表してるような、ある意味ぴったり。
鈴木さんのPCのフォルダがデフォルトではない右側にあるのが、ソシャゲ会社をそこそこ取材して作ってる感じがする。
アニメ版の冒頭シーン、異世界飛ばされる前の鈴木さんの掘り下げが原作より丁寧で好感が持てる。
鈴木さんチーフとして責任をしっかり果たしている。
異世界に飛ばされ、見た目は高1になってると本人談だが、思考は30歳のままのエンジニアの癖を怒涛の独り言で表現されてる(心の声ではなく、丁寧にちゃんと口パクも)
流星雨一発でレベルが130以上も上がってるわけだけど、そんなに敵密集させるマップはMMOやソシャゲの調整でもメモリの限界で論理的にはともかく物理的に配置できないよなとかつっこみどころは結構ある。質より量っぽく表現されてるから尚更…。
チートぶりは惜しみなく表現されてた。
ストレージ容量無限に装備品も食料もある。
仕事で3日寝てないとか序盤に丁寧にやってたのでそこから解放される気持ちの良さはうまく描けていたのではないだろうか。
とりあえずネタ盛りだくさんだし、竹書房さんキングレコードさんの自虐ネタやったし、ノルマ達成したおめでとう。
蒼井翔太くんが最終回一人でこの全てのヘイトを請け負いして気の毒に思ったくらいの最終回。
まぁ見返すことは絶対ないけど一度は後ろ向きに観とけって作品になったのかな…
これから二枚三枚と似たような自虐作品が出てくるかもしれないとなると震えます。
星色ガールドロップの方やれっていう声が大きく出るだろうという反応を織り込み済みで、その反応を捨ててまで初週4000枚をとったということがこのアニメの全てで真理といったところか
ラインハルトは同盟の作戦を読んでる。
それが密告などというゲスなところで察知したのではなく、知略として見抜いているのが凄い。
兵糧攻めという領民を苦しめる作戦をオーベルシュタインが進言してくる。それを飲むわけだが、ラインハルトの指揮官としての格の違いともいうべき信頼感を発揮して部下が納得するという描写も面白い。
池田秀一の声の人がやたらモブ顔でキャラデザが浮いてる気がするのは気のせい?
とにかくこのアニメは人の良心の苦しみがよく描かれている。
シリアスなシーンの美術面だが、でかいベットとアラームの数字とかで笑わせにくるのはずるい。
会話の中の辺境地の領主さまの尊い犠牲の行為に思わず涙がでた。
この回も神回としか云い様がない。
今回特に会話を深く聴いて考えてほしい。そんな回。
30代から40代のベテラン技術者がいないとか、自由同盟の政治情勢がまた現代と通じていて面白い。
この回はセリフが結構皮肉が効いている。
政権の維持のための方策として戦争の拡大を女性政治家が主張するというのも時代の先取りしすぎじゃないかと感じた。
あの悪役トリューニヒトが出兵反対の立場をとるというのも一枚岩ではない。
ここ物凄く面白い。
フォーク准将の出兵案だけでは不安だと、上官がヤンを投入するという判断も面白い。
ヤンは上官に問いかける。
帝国も自由同盟もどちらも悪政を強いているならどっちがマシかと。
中立のフェザーンという国もあり、また双方の国の窓口があり武器商人国家が暗躍してるという部分も今回の話をみると面白い方向に転がっている。
ヤンはこの無茶苦茶な作戦の尻ぬぐいをしなきゃいけない。上官がガチでそれをやれとオブラートに包む以上に直接いってるところが深いな…
偉い立場になったとして、成功可否に関係なく辞任しなきゃいけない立場になったとき、後進に席を譲るための無償の根回しが私にできるか…無理だな。
だから凄いと思える。
ラインハルトとキルヒアイス、そしてアンネローゼの3人は本当に心が清い。
与えられた運命の中で3人は足掻いているだけなのに、敵が多すぎる。
人柄、性格、気持ちの有りようは育ちの差だけとは言い切れない何かを感じる。
アンネローゼがとにかく貴族の悪癖に染まらない。そこが彼女の魅力で天性のものか。
キルヒアイスも部下に愛されていて、すぐに危険があれば部下が自主的に連絡をとってくるところも素晴らしい。
オーベルシュタインもまた信頼できる男になったか。
とにかくキルヒアイスの魅力が本当に出ていて、胸が熱くなる。
事を企てた元伯爵夫人は哀れ…同情の余地はあったような、なかったような…。
ラインハルトは無礼な仕打ちに耐え、アンネローゼは許せという。
女優退場…そのタイトルがなんとも深い。
ヤンのターンがきた。
着実に英雄の階段を踏んでいって本人はともかく周りのはやし立てが凄い。
自由同盟だからこそ思想の自由があり、帝国に弓を引けるというが、それ自体がプロパガンダで自由はなく戦死者の遺族の少女の表情が沈んでいるというのも凄く皮肉が効いている。
左の人に襲われたり、右の人に襲われたり、ヤンは気が休まらないのね。
巻き込まれただけなのにそれ自体で政治が右往左往する。
ジェシカが助けてくれたけど、彼女は本当はどっちなのだと。
ユリアンだけがヤンの心の拠り所で癒される。
プライベートの食事なのにレストランで国歌がかかるとかもうね…。
反戦を掲げる団体に男を助けたことでかかわることになってしまったヤン。
ジェシカは反戦グループに身を寄せているが、中立の視点は持っているようだ。
ヤンの士官学校時代の話も唐突の爆発音で現実に戻るのは演出が面白い。
あれほど嫌がっていた式典に出たヤンの表情は暗い。
反戦主義者も平気で爆発物を使うという矛盾にヤンは蝕まれてる。
ジェシカは政治家に当選したらしい。(それも対立候補の自爆で)
派手さはない回だが、政治的にすごく動いた回で面白かった。
高校に薬が蔓延してるのがやたら怖い。
今回の主人公は親の抑圧とか、クラスの疎外感でコンピュータのギャルゲーにはまりすぎた少年。
すごくレトロ感があってボイスとか当然無いが、かえってそれが妄想を駆り立てる材料にされてる感じがある。
アロマテラピーの薬はマンティコアの残滓であろうか。
彼はバイトして自立してるようで、実は家庭内で親に認められず放逐されていて病んでる。
バイト面接に来た女子高校生とギャルゲーのヒロインをヤバイ薬で混同させていく。
ボイスが無いギャルゲーに現実の女の子の声がリフレインする。
現実の彼女の弱みを握って操ろうとする様子とかこの回は異色だ。
彼に薬を売りつけてくる女が段々狂ってくる。
野菜スティックしか食べちゃダメだという男の束縛が現実の彼女に向かっていく。
暗躍する早乙女くんに薬の売人の彼女は喰われる。
それの様子を見ても、もはや彼は逃れられない。
新しい薬をもらった彼はさらにギャルゲーにハマっていく…。
タイプSの原料は原作にあったが、それを見るとさらにエグいだろう。
どんどんヤバい描写が続いて、まだ続くのかと心を折りにくる。
PCが壊れて発狂する主人公。
街でも暴れて、警官に取り押さえられている描写は3話にザッピングする。
この短い描写にすごい負の情報量があって、とにかく異色としか言いようがない終わり方だった。
末間と霧間の原作であった会話の中に、虹の話が入る。
2話の城之内が失踪したという話からの続きでわかりやすい。
美鈴という女の子はすごく話しやすいらしい。
彼女はパヌルーと呼ばれていて、そのニックネームの由来について語られる。
「この世界を愛している」という思春期らしい全能感が微笑ましい。
早乙女君の姿をしたものが彼女に接触してくる。
女子高生のパヌルーの世界愛に付け込んで何かをするらしい。
早乙女にキスされた同級生の女生徒が早速死んで、霧間凪登場。
原作でもキーパーソンの霧間凪が調査に乗り出してきて、やっと物語の主軸がつかめてきたように思う。
早乙女正美が生きていたと知ったら、霧間凪は絶対に動くという安心感。
やっぱり彼女の行動がブギーポップという作品の肝だ。
原作読者には本当のパヌルーを広めた彼女は、来生真希子ことフィア・グールに殺されたというのがわかるのが面白い。
美鈴はブギーポップファントムには連れて行ってもらえなかった。
彼女はいつも友達にも置いていかれて孤独だったようだ。
孤独な少女に限らず、孤独すぎると孤独は病んで思想を生む。
逃げた先に助けをもとめたのが悪い警察官で、その彼に殺されてしまう。
霧間凪はまた一歩遅かったという後悔の念を抱いて3話目が終った。
作風が暗いが不思議な魅力がある。
オープニングのスガシカオの歌を聞きながらキャラクター紹介が入るが、背景にノイズが入って少し荒い。もちろん本編は荒くないので、そういう雰囲気付けなのだろう。
何者かに追われる少年、城之内。
そばには白い芋蟲みたいなもの。
それを一心不乱に食べる不気味さ。
回想でフィアグールの病院に通っていたことがわかる。
霧間凪と黒田との会話を城之内が聞いていたという部分だが、完全に原作読者向けの描写のため原作ファンにはたまらない。
(夜明けのブギーポップ参照)
骨肉腫ができた城之内も、きっと来生先生に実験されて完治したということだろうか。
恐怖について語る来生先生の描写にはゾクゾクする。
一週間高熱が続いて能力に目覚めるシーンはジョジョ4部のスタンドの目覚める描写のオマージュである。
城之内は蟲が見える能力に目覚めた。
こういう不気味な能力に目覚める描写も当時としては凄く新しかったな。
少年少女は必ずしも綺麗な能力に目覚めるとは限らないという厳しさがある。
城之内は自分しか見えない蟲の味に魅せられていく。
1話の少女の蟲も城之内が食べたのか。
蟲を食べることで人を救っている気になった城之内。
そのしっぺ返しも淡々としてて静かな後悔が彼を蝕む。
城之内の母が殺人鬼に殺されたというのも原作とザッピングしている。
謎の少女の蝶で、「笑わない」の早乙女君の回想…これもファンサービスか。
段々と蟲を食べる欲望に憑りつかれた城之内はブギーポップファントムに狙われた。
霧間凪が登場して城之内を助ける。やっときたかーって感じだけどすぐフェードアウト。城之内は失踪したことがわかりこの回は終わる。
独特の闇というか、ミステリアスなものがそこら中に張り巡らされていて好きな人にはたまらない回だろう。
サスペンスホラー長編は面白かった。
飲みサーの不穏な空気にあっさい仲のコミュニティもドロドロ感、惨劇に至る経緯も良い。
お菓子がいっぱいあるテーブルにスイカがなぜあると思ったらそう来たかと意表を突かれた。
他の小ネタは普通。
今回は能登麻美子さんのウィスパーボイスが凄くわかりやすかった。
水樹奈々は個性薄めでわざわざ起用した意味が薄い。完全に冒頭のエイサーハラマスコイのコブシの効かせ方オンリーの水樹奈々。
今回は特に星色ガールドロップのウソ予告がウソなのが悔やまれる出来。
後半は1話の再来のような野太いボイスで期待が持てた。
稲川淳二さんのコメンタリーも面白い。
画面に飽きたのか違う話し出すところとか良い。
郷田ほずみさんと銀河万丈さんなら…ボトムズコンビか
それならやっぱりウドのコーヒーは苦いとか有名な台詞あったら良かった…遊びが足りない
ボブネミミのファミレスのネタにクスってきた。
あとは普通すぎてコメントに困る。
日暮警部太らせろよ…
声優はミルキィコンビとすぐわかったが、火サスのノリのEDも真面目すぎてネタになり切れてない。
過去ワーストかもしれない回
後半はアドリブ増せば面白くなるというわけでもないのにちょっと煩かった。
小山力也さん正直アドリブはあんまり合わない…むしろアドリブしない方が輝く声優なのに逆のことをしてるのが気になった。
高木渉さんの方は少々慣れを感じたのでそこは良い。
ただ、キャストとして面白かったかといわれるとそうは思えない…EDの歌だけはお酒でも飲みながらカラオケ打ち上げしたら本人たちは楽しく歌えるだろう的なノリでコメントにとても困る
あまりに面白い話だったので魅入ってしまった。
久しぶりに、キルヒアイスとラインハルトのめちゃめちゃカッコイイ姿がたくさん見れて、ファン必見の回になったと思う。
貴族の爺さんの個人的な復讐に巻き込まれた形になったが、それがちゃんと面白い話になっているのが凄い。
キルヒアイスが恐ろしく有能すぎるくらい有能だ。
この回で感じたのは、後作品となるが「コードギアス 叛逆のルルーシュ」でルルとスザクが組んだら物凄い面白くなったという絵面に似ているということ。
あの二人のモデルがラインハルトとキルヒアイスで、二人を戦わせたらという方向性となったコードギアスが見ててモヤモヤするのはこういう偉大な前例があるためかと納得した次第だ。
ともあれ、銀河英雄伝説は友情が凄く面白い。
この回の事件の背景の爺さんとか、霞むくらいで二人の濃密な話が面白かった。
オーベルシュタインという将校、こいつが曲者だった。
状況の審美眼は一級だが、何を考えているかは読めない。
数話ぶりにラインハルトとキルヒアイスのターンに戻ってきた。
ラインハルトが「下がって良い」といったとき、キルヒアイスだけは別待遇というのもなかなかそそるシチュエーションだ。
この二人が組んだときの頼りになる安定感が半端ない。
そんな二人の間にオーベルシュタインは必要か否か、というより入り込めるかどうかが凄い気になる。
キルヒアイスだけではラインハルトを支えられない。
その事実を一つ実際にラインハルトの前で見せたオーベルシュタインはまた魅力的な人物だ。
倒すべき帝国皇帝は皇帝でラインハルトの力を認めていて、かなりの好待遇をしている。
ラインハルトは皇帝を倒したいが、その皇帝自身も観る目があって、ラインハルトを認めてるというのがまた復讐劇に深みを出してるように思う。
キルヒアイスはオーベルシュタインに対しては複雑で、ラインハルトとの友情には絶対に壊れないというのが分かり切ってる上でどこか心配になっている様子がまた先が見えず面白い。
難攻不落と名高い要塞をどうヤンが攻略するか。
割と泥臭い作戦で、いとも容易くやってのけた。
それも帝国が貴族主義で長年のぬるま湯に漬かり切っていたから成功したように見える
敵にイゼルローン要塞を乗っ取られて、アラームが出てるのに演習と言い切る腐敗した帝国。
ヤンは策士であり、実に弱い部分を突くのがうまい。
一部の帝国の将校だけが慢心していないという絶妙なバランスで物語は成り立っている。白兵戦を要塞内でやっているが、獲物は斧という凄い時代を感じるものでやってるのは実にシュール。
これもきっとスイッチ一つでやる戦争の戦いのアンチテーゼに見える。
要塞が占拠されても、まだそれを認められないで攻めてくる敵艦隊にさすがのヤンもこれには焦る。
ヤンの価値観はやっぱりフラットで、帝国の愚かにも時代錯誤なバカバカしい忠誠心に呆れる姿が心に残った。
同盟に帰ったあとに軍に辞表を出すまで消耗するが、ヤンは部下のために軍に残ることを選ぶ。銀河英雄伝説はヤンの人物像が凄く面白い。
ヤンが演説に嫌々ながらも出てくる。
みんなのヤンに対する期待と不安が入り混じるところが良い。
イゼルローン要塞攻略の難しさがこれでもかという説明が入り期待感が半端ない!
自由同盟側のエースの顔見世もあり、ヤンが実際に一目みてそれを活かす策を思いつくというのも丁寧に描写されている。
ヤンは部下に試されるが、それをのらりくらりと交わしてしまうのが凄い。
緩急の付け方がうまいのかな。
成功したら退役をちらつかせて(ヤンは嘘偽りなく本気で思ってるところが凄いのだが)この状況で功を放棄して退役をするという軍人はいないわけだから、そこに部下が付け入ろうと頑張ってしまう構図が本当に面白い。
フレデリカの活躍は劇場版1で観たが、それがそのまま伏線に出てきて、やはり劇場版1は最初に見ておいてよかったと思った。