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良い

今回は不変を求める心に闇が関わると起きる光景を異なるアプローチで描いた回と言えるのかな
道錬自身は不変を求めているわけではないが、彼が纏う豪放磊落さは猩々との仲に不変の雰囲気を気持ちよく漂わせる
対して、人の望みから生まれたふこうが描いた不変は全く逆の雰囲気を漂わせるものとなっていたね
断怪衆が闇と交友を結ぶなんて本来は有り得ない現象。けれど、難敵を前に協力した経験が彼らに不変の友情を持たせた
でも迅火が断怪衆の敵である限り道錬と戦う日はやってくる。道錬が倒されるなんて変化を猩々は望まないのに
一方で迅火自身も断怪衆が敵から変化してしまう事を恐れ、不変を望んでいるかのよう

変化を恐れた人の心が生んだふこうは真の意味で変化を避ける事など出来ないと教えてくれるね
ふこうは望まれたままを実行した筈なのに、村人が陥ったのは変化を得られず擦り切れるだけの日々
だからふこうに変化を起こす為には変化の先に在る幸福を教える必要があったわけだ

たまが得たのは不幸の先に在った幸福。変化し続けなければ得られなかったもの
ふこうが言うように今在るものもいずれ失うかもしれないが、それでも今が楽しく幸福である点は不変なわけで
他にも、大きすぎる変化を体験しながら今を楽しめている灼岩の存在も変化を肯定するものになっているように思えたよ



良い


とても良い

第2話以降、主人公のメンタルケアがずっと行われていると考えると凄い話だけど、それだけイサミが陥った状況は過酷と言えるわけで
彼のフォローはまだまだ必要。でも彼にすべきケアを十全に理解できる者なんて居るわけがなくて
その点で人間臭いブレイバーンは良い脇役を務めているよ

東京の光景が示すように状況は絶望的な上に今のところ敵と戦えるのはブレイバーンとイサミだけ
戦う事は受け容れたとしても、彼が受け容れるべきは自分の領分だけであるべきで
一度はブレイバーンに乗ろうとしたから、今は彼と共に戦う仲間だから
イサミの気負いを気にするスミスは良い奴だね

突如始まるボクシングは無茶苦茶な展開。けれど、意味不明なブレイバーンから始まったイサミのもやもやは同じ程度の意味不明さじゃないと吐き出させられない
そこではルールも有るべきじゃないし、意味判らん音響設備で皆に共有されるのも当然
……当然かな?

吐き出されるはスミスの鬱憤とイサミの躊躇
情けない本音を皆に開陳する事で得られる新たな信頼と結束
状況が好転したわけではないけれど、これから向かう絶望的な戦場で彼らが諦めずに守るための戦いをする上で必要不可欠な土台が出来上がった気がするよ
それにブレイバーンが貢献している構図が本当に無茶苦茶なんだけどね(笑)



とても良い

今更言及する事でも無いけど、二人は用いる言葉が違う。でも、雪は口を読めるし逸臣は手話を覚え始めた。それでも完全に言葉の遣り取りが出来るわけじゃなくて
相手が何を伝えたいかは判る。でも、もっと確かな言葉で伝えて欲しいから問い掛ける。その淡い恋感情模様が視聴者までをもドキドキさせる良作ですよ!

本作はどうしても雪に感情移入して見てしまうから、彼女の恋心にこちらまで揺さぶられてしまう
雪の言葉がどれだけ逸臣に、逸臣の言葉をどれだけ雪が受け取れているだろうと見てしまう
それだけに雪が見ていない時に放たれた逸臣の偽りない言葉に目が離せない。雪だけでなく逸臣の想いにも注目してしまう

だから京弥を前に語られた彼の想いに魅了され、雪への告白は彼の想いが高ぶってのものだと実感できる。こちらまで雪のように目頭が熱くなってしまう
……だというのに、肝心の逸臣が超マイペース過ぎて(笑) 彼もテンション上がってるっぽいけど、もう少し雪と似たようなリアクションで告白とかしてくれなかったものか(笑)
まあ、あれが彼の魅力では有るんだけども

交際が始まった雪と逸臣。そうして本格的に混ざり始めた二人の世界はやはり手によって更に繋がりの深度を上げていくね
声を発するよりも手から伝えられる言葉によって。そこには言語化される言葉だけじゃなく、恋人達の言葉が含まれるようになったから別れの瞬間も特別になる
雪と逸臣の関係が変わる大切なEPにて描かれた尊さに胸一杯になってしまいましたよ…



とても良い

誘導されているかのように猫猫の正体に迫ってしまう壬氏と本作。勿論誘導しているのは羅漢であり、彼の正体も気に掛かる作りとなっていたが…
疑問の答えは推測や問答を重ねれば見えてくるもの。でも、答えに迫る行為そのものが猫猫の不快感を催してしまう構図は憎らしい

離れの妓女の正体は既に明白。けれど、猫猫はあの場面で答えとなる単語を口にせず、それを思わせる感情も表に出さず
まるで歴史を紐解くように妓女の来歴を語る猫猫はやはり答えを隠している。猫猫が唯一感情を見せたのは「馬鹿な…女…」と言った時だけか
きっと彼女にとってそれだけが他者に明かせる答えなのかもね

妓女と羅漢の関係にはきっと猫猫には判らない感情が潜んでいる。それはきっと梅梅にも。視点を変えれば壬氏も猫猫に持っている感情
猫猫の出生に係る答えは明らか。でも、他者に向ける様々な感情の答えにはついては推理に必要なピースが欠けているから猫猫は答えに辿り着けない

全ての答えに辿り着いているのは怪しい動きを見せる羅漢か
答えを持つ彼は同じ場所へと壬氏や猫猫を誘導しようとする。けれど、自ら推測したわけでもなく辿り着ける答えに碌なものが有るわけがなくて。制御不可能な感情を催させる羅漢は本当に不吉
他方で謎の言動を見せる翠苓も正体が見えない為に不吉さを覚えずに居られないね



良い

敵だった者達も味方だった者達も混ざり合い休息する今回
そこには次試験への恐れが薄いから、穏やかな日常が繰り広げられる。だからフェルンのご機嫌取りがちょっとしたスパイスある展開となるし、食事へ向かう風景も心通わせる描写として成立するわけだ
バトル描写もいいけれど、今回みたいな描写には本作らしさを感じてしまうね

二次試験からは敵なのに一緒に戦った経緯があるから自然とあのパーティでつるんでしまう。緊張も駆け引きもなく純粋な日常だからこちらも穏やかに見守れる
その傾向が最も現れるのが食事風景か。ユーベル・ラント組はちょい違うけど、これからへの不安を想起させず、美味しい食事を楽しんでいる
だから逆にフリーレンは過去を想ったのかな

過去にヒンメル達と食した思い出の味。でも、いずれは食事に居合わせた仲間も味も消えてしまう。失うと判っているからフリーレンはその時に精一杯楽しむ
そう思えば未来に味だけでも残るよう要求したヒンメルの優しさに気付ける
味は変わってしまったけど、味わう仲間は新たに得た。またこれから敵になる者達も一緒に味わっている。とても穏やかな風景ですよ

人助けの理由が明かされる後半、いつもフリーレンを意識したり勇者らしい振る舞いを見せるヒンメルが人助けについては「自分のため」と言っているのが面白い
でも、それが回り回って今のフリーレンが人助けをする理由に繋がり、カンネとラヴィーネを試験突破させる助けとなった。また、小さな点ではフェルンのご機嫌取りにも繋がっている
情けは人の為ならずと言わんばかりの交流には心温かくなるよ

あと、イイトコのお嬢さんな見た目のラヴィーネとその守り手のようなカンネがデートっぽくなっている様子にはついニヤニヤしてしまったよ……
だからこそ、照れを隠すように取っ組み合う様子にもニヤニヤしててしまうのだけど



良い

これまでが攻略法の存在する試験なら、今度のクラス内投票は完全勝利の存在しない理不尽な試験だね
ルールなら理不尽は仕方ないかもしれない。けど坂柳が言うにはこの理不尽は意図を伴い作られたもの。ならそれは理不尽ではなく悪意と呼ぶべき
遂に学校という子供達の空間にメスが入った恐ろしさを感じるよ

称賛票と批判票を操作して誰を退学にさせるかを決めるクラス内投票。助け合いを否定するかのような逃げ場のないルールは必然的に誰を退学にすべきかという悪の考えを持たせるもの。だから綾小路すら防衛手段を必要とする
逆に言えば、防衛手段を持ってなさそうな龍園が余裕の態度を崩さない点からは試験の攻略法が有るのではと感じさせるが…

悪意は試験を中心に広がるから、まずクラス内が不穏な空気になるし、普段は頼りになる平田もやっかみの目を向けられる。逆に軽井沢にとって平田と別れた事実が救いとなるのは意外な話
前回の暴露によって逆にクラスの信頼を得た一ノ瀬はクラスの悪意に晒される事はない。だというのに別種の悪意を突きつけられた彼女は自らをどう守るつもりなのかな?また、彼女を綾小路は助けてやれるのだろうか?



良い

前回にて日南が見せた異質さを引き摺る今回はそれもあってかどうにも日南に疑念の目を向けてしまうね
アタファミは彼女らしい振る舞いなのに、対紺野では全く異なる姿だった
それは友崎の知らない側面が日南にあると示唆するもの

同じく対紺野で動いていた友崎の非難を前にしても日南は悪びれず。それどころか信念に基づいた行動かのように主張する
それは友崎に理解できない日南の一面だけど、風香に言わせれば日南の根源に関連した動きかもと想像させる
友崎は日南の事をまだまだ知らないようで

日南への疑念が高まれば彼女が示す次の課題にも疑念が湧くね
フリーの風香等は良いとして彼氏持ちの優鈴を交際候補に上げるなんて。また二人以上と仲を深めるとか気が進む話ではない
友崎にとって初めて楽しめそうな文化祭、それと混在して迫る日南の指南は友崎に何を思わせるものになるのだろうね



良い

今回は幾つかの共生が見られた回だったね
真介は敵として登場した雷堂や丸太の闇とも親しくなり始めている。また、雷堂も力を失った事で迅火達の味方かのように振る舞っている
見方が変わった事で異なる立場の者と共生できるようになった。それは本作の主題に通じる点かもしれないね

氷岩の出現によって判明するのは灼岩が共生の存在という点
芍薬の意識も火岩の意識も残る人と闇の融合体。芍薬は無理やり闇を植え付けられた人間ではなく、闇と生きるを選んだ人間と判る。対して氷乃は共生を選ばず喰らっていた
見えてくるのは共生は不可能という話ではなく、意思によって選ぶ余地が有るという点

共生に意思の介在が可能なら、絶対強者である龍への向き合い方にも似た事は言えるのかな
逃げる他ない強敵、それが変わらぬ法則なのにたまが示したのは戦う選択肢。準備は必要だけれどそこに戦う意思を選ぶ余地が生まれた
不可能に向き合う意思と共生。それは人と闇の在り方を問う本作にて何を見せてくれるのだろうね



全体
良い
映像
良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
良い
音楽
良い

デスティニーの後に続く対立や戦争を描いた作品を見に行ったつもりでいたら見せられたのは恋愛映画だった。そんな心境
いや、詰まらないとかそういう感想なのではなく、世界のどうしようも無さを描く映画を見に行く心構えで居たら、展開されたのはお祭り映画に近かったというか
考えてみれば、コードギアスの映画と同じく久方ぶりにファンの前に姿を表す作品となるのだから、ナチュラルとコーディネーターの対立を新たに描き直すよりもあの頃のファンを楽しませる作品にした方が良いのは当たり前か

SEED作品20年振りの新作映像作品で有りながら時間軸はデスティニーの2年後。視聴者にすれば当時のキャラが少し成長した姿で動き回ってくれるという嬉しい現象だけど、作中人物にすればデスティニープランが提示され世界が揺れ動いてから2年しか経っていないという意味でもあり
多くの者に選択肢は提示されたまま、運命に従う世の中か運命に抗う世の中か。以前のナチュラルとコーディネーターという対立構造よりも大局的な対立軸
その対立軸は思想信条的なものであり、また新しい対立軸だからどちらを選ぶまいと世界は容易に変わり得る

それに向き合う責任を一手に引き受けてしまったのがキラとラクスとなるわけか
これが清濁併せ呑む程の長い人生を経た者であれば異なる受け止め方も有ったかもしれないけど、生憎と二人はまだ年若い。自分がどうにかしなければと頑なになるキラは精神をボロボロにしていくし、政治に長けているわけでもないラクスでは他勢力を納得させる力もない
世界の異変と向き合う中で生じてしまう二人の亀裂を利用する者が現れたとしても、難しい立ち場になってしまった二人が抗えるわけもなく。一方でそんな二人が自分達の関係を語る上では世界がどうのというよりも、愛こそ語るべき言葉として上がってくるというのが本作の構図なのかな
この点を理解するのに結構時間が掛かった為にキラとラクスの関係に間男が入り込む展開にどう反応したものやらと大分困惑させられたよ……

ただ、そのように捉えれば本作で描かれる全てが愛に関連していると言えるわけで
キラにもラクスにも作りたい世界がある。でもこれまで力に頼って対立構造を打破してきた二人はより大きな力を提示されれば世界の作り方が間違っているように思えてしまう。同時に自分達の愛まで間違っているように思えてしまう
そこをオルフェに分け入られてしまった

ラクスにとってキラが自由恋愛によって選んだ相手なら、オルフェは運命によって選ばされた相手
ラクスは世界の選択と共にどちらも受け容れられる立場だが、ラクスを自由恋愛によって選ぶしかないキラには承服し難い話
だからキラはオルフェも世界も取り戻せそうにないと諦めかけた時に激昂し情けない姿を見せたと言えるのかもしれない
キラは今までも運命的な境遇に拠って戦いに身を置くしか無かった。その中でどうにかラクスを選べたのだから、ここに来て運命に拠ってラクスを遠ざけられるとなったら全てを呪うしか無い
でもその感情発露は戦場や世界の責任者ではなく、情けない青年としての己をずっと心に持ち続けていたから発してしまった事かもしれなくて
親友のアスランが乱暴に、そしてより強い力を伴って考え直させて正しい道へと戻してくれた点はキラを普通の青年に立ち返らせつつ、改めて自由恋愛に拠ってラクスを選ぶ原動力になったように思えるよ

戦場の将ではなく青年としての己を取り戻せたならキラや彼を中心とする一派がする事は単純化する
デスティニープランを完遂させようとする思想と対峙するのではなく、愛する女を奪った憎き男を誅滅する為の物語へと集約される
運命がどうのという話ではなく、愛とは何かを語る場へと変貌するわけだ

構図が単純化すれば後はスーパーロボット的に暴れ回って邪魔する男をぶっ飛ばすし、ついでにレクイエムもぶっ壊す
序盤にもガンダムが華麗に飛び回る描写は有ったけど、それにも増して終盤にてフリーダムやジャスティス、デスティニーが暴れ回る様には惚れ惚れとした気持ちよさが有ったね
特に『SEED DESTINY』に幾らか納得できない部分が有った自分としてはシンが明るい表情でデスティニーを駆る様子を見れて割りと満足できてしまったよ

全体としてはズゴックの正体含め「そうはならないだろ」と突っ込みたくなる要素は確かに有るのだけど、ストーリーが進むに連れて難しく考える事が馬鹿馬鹿しくなりつつも、ストレートに視聴者を満足させる展開へと変化していき、最終的に大火力を容赦なく振るうフリーダムという図で終わる本作には強制的な納得感を得てしまった気がしなくもない
TVシリーズでは消化不良気味だった要素を拾い、キラ・アスラン・シンの新たな関係性を描き、そして20年来のファンへ向けた映画としては申し分ない作品となったのではなかろうか



とても良い

突然のお宅訪問、二人っきりだしドキドキせざるを得ない空間なのに逸臣はめっちゃ自然体…。しかもそれは触れる事に躊躇が無いという意味の自然体だから雪がド緊張するのは当然というもの
心も体も近い場所にて行われる多様な交流。相手に触れて、触れるを許して。そうして見えない何かを重ねていく二人の様子は本当に美しい

雪と逸臣は全く異なる世界に属していた筈の人間だった
なのに今は一緒の部屋に居て何種類もの言葉を交わしている。それは肌を重ねるよりも何かを重ねられる時間
なら、それをしてくれる逸臣が雪に向ける感情の暖かさが見えてくるし、それを許す雪の逸臣に対する感情も見えてくる

雪は逸臣の前での口話は空気を重くするからと許さなかった。だから思わず声を発してしまった時にビクッとなる。でも逸臣は許してくれて
相手を知りたいというのは相手の世界に踏み込む、許しが必要になる行為。雪はこれまでの言動から判るように逸臣に様々を許している。でも、それは伝えないと完全な許しにならなくて

鍵の受け渡しはパーソナルスペースに入る許しの証
雪にすればエマは逸臣の世界に入る事を許された人間に見える。だからショックを受ける
でも実際は鍵以外にも相手への許しの証なんて幾らでもあって。りんから、逸臣から教えられた真実の許し、それを踏まえて改めて返す雪の許しと逸臣の反応にこちらまで感情が高ぶってしまいそうですよ



良い

通常、化粧とは見た目を良くするものだというのに壬氏が望むは逆効果のもの。これは猫猫がしている行為と重なるね
そして猫猫は真っ当な化粧と衣装で変身
普段と逆作用を齎す化粧を施した二人が街デート。普段と異なる光景だからこそ心躍るものになったように思えるよ

自分にしているからって、見た目を悪くする化粧術にも通じているなんてこの薬師は多方面に優秀だね。もはや特殊メイクの領域である
見た目が変われば心持ちも変わる。普段は壬氏が猫猫を振り回すのに、街では猫猫が壬氏を連れ回す
ギャップ有る光景が双方の心を楽しくさせる

このまま終われば良い思い出に終止したろうに、異なる顔と関係になった壬氏が踏み込んでしまったのは妓女の闇であり猫猫の闇
不愉快な質問に答えながらも実感的な不快さを隠そうとしない猫猫からは普段は幾つもの化粧で隠している素顔が見えたかのようだったよ…



とても良い

デンケン、お爺ちゃんキャラだしこの試験編のキーパーソンというわけでもないののに、魔法使いの在り方を熟知しているから登場する度に株を上げるね
現代魔法使いの戦い方とはどのようなものか。試験を通して描かれるそれぞれの戦法は自身の信条を反映したもの。それだけに魅力が沢山詰まった者の魔法も魅力的

望む魔法を与えてくれるゼーリエの誘いは垂涎の的の筈
だというのにフリーレンは全く靡かないし、デンケンも同様。魔法そのものの魅力よりも魔法を求める己に魅力が生まれている
だからフリーレンは魔王を倒す者となるし、デンケンも負けても小鳥を手にする
なら、似た話として最高の魔法を持つ者よりも最高の魔法を想像する者の方が魅力的と言えるのかもしれない

カンネとラヴィーネは強大な力を振るうリヒターに追い詰められ、勝てるイメージも湧かない
でも想像を続ければ別の光景が見えてくる。リヒターは水への恐怖が有るから、カンネ達に想像させないよう追い詰める。フリーレンは最悪の事態を想像させラオフェンを釣りだす
自由な想像の先にこそ最高の魔法が在る

誰も想像しなかった結界破りをフリーレンは成し、想像したくなかった水場での戦いでカンネはリヒターを圧倒した
大魔法使いであるフリーレンが勝てるイメージが湧かない程の才を持つカンネ、その魅力が正しく発揮されたね
それはそれとして、想像の限界を超えた状況で殴り合いをしてでも小鳥を奪おうとする宮廷魔法使いとか魅力が有り過ぎてクラクラしそうだ(笑)



とても良い

破天荒な設定や台詞回しで視聴者やイサミを翻弄してみせた本作とて永遠にぶっ飛んでいたら何処にも着地出来ないわけで
そろそろ必要な落ち着ける場所。まさかその導き手すらブレイバーンになると思わなかったけど
彼はロボなのに誰よりも人間らしい。その違和感がやっぱり笑えてしまうよ

スミスとルルの事は基地ではもう殆ど受け容れられているのに、自分が見た光景や体験に意固地になっているイサミはスミスを受け容れられない。コクピットから外に出ても彼の心は閉じ籠もるばかり
求められるは閉じた扉を開くきっかけ。だからってその役目がブレイバーンになると思いもしなかったが…

他者を見れなくなっていたイサミが温かい感謝の環によって自分が何を成したかを実感出来た。それは判りやすく彼の功績を伝えてくれる
心を開けば見えていなかった様々が見えてくる。スミスとて自分と変わらぬ兵士と理解できる
そうして心の準備が整った段階で見せられた光景が絶望的過ぎて…
これ、ここから逆転できるのだろうか……



とても良い

クラスという『空気』から排斥された花火に友崎が施したのは空気を敵とせず抗うキャラ変。それこそが女王であるエリカに対峙する方法と思われた
けれど、日南はそれ以上の攻略法を見せたね。空気に抗うのではなく空気そのものを武器とする、魔王の如き彼女の恐ろしさが垣間見えたよ……

日南がした事はどれもさりげない言動ばかり。表面上は彼女とてクラスという『空気』の一員に見える。でも彼女の遣り方を知る友崎には日南のさりげない仕草から彼女こそが『空気』を操る支配者だという点が見える
それは攻撃対象のエリカにすら察知させずに進行するからこそ誰にも止められない

魔王が操る『空気』はエリカの敵となって排斥しようとした。それはエリカが本当の意味でボスであれば正しい攻撃かもしれない
でも、クラスの中に本物のボスなんて居るわけがなくて。キャラ変しても虐めを許さない花火が掲げた武器は『空気』を敵に変えない遣り方
花火のした事こそ最も尊い行いであるように感じられるね

騒動後、花火がクラスに馴染めた様子は良かったな。ストレートな物言いはそのままに面白キャラとしてクラスに溶け込んだ。以前は対立していた中村とも和解できたし
花火が良い変化を見せた他方で日南が見せた魔王の力はとても恐ろしいもの
パーフェクトヒロインと呼ばれる日南の真髄は何処にあるのか?それを探る新たな冒険が始まったという印象かな



とても良い

蔓延る噂や坂柳の圧力に屈せず過去を詳らかにして、その上でこれからを戦うと誓った一之瀬の姿は美しいね
一方でその背後には泥のような号泣や強者達の思惑が潜んでいたという構図が別の意味の美しさを見せ、かなり興奮させてくれる内容と感じられたよ

一之瀬が語る罪は本当の意味での悪行からは程遠い。でもそれまで優等生だったろう彼女のアイデンティティが崩壊してしまうには充分過ぎる罪
それが有るからこそ、彼女は悪にならないままにの罪を抱え続ける事でクラスの為に身を砕くリーダーへと逆転するのは納得できる話
でもそれは他者からどう動くか想像しやすいという面もあって

一之瀬の罪は決定的ではないから破滅は起きないが騒動とはなる。その騒動に狙った人物を巻き込む暗躍は坂柳にとって容易。同様に綾小路も坂柳の思惑に自身の暗躍を滑り込ませられる
一ノ瀬の復活劇が表舞台としたら、強者達の暗躍が潜む裏舞台こそ今回の全てが詰まっているね

そして他の強者よりも綾小路が得たものは最も大きい。軽井沢との噂を矮小化し、櫛田の情報と一之瀬からの信頼を得ている
自身を操ろうとした坂柳も、頼りになる人物と認識してくれた一ノ瀬も。全てを駒として操るバレンタインチョコよりも真っ黒な彼の正体には毎度のこと惚れ惚れとするよ



とても良い

一つ一つなら取るに足らないものであっても積み重なれば大きな何かを変えるものとなる
たまが考える親切作戦はそういう類。迅火はそれを戯言と受け取るけれど、迅火とて一つ一つの中に居るし、迅火がした行為が大きな何かを変える事もある。そう感じられる回だったかな

今回の闇退治は結局トドメを奪われてしまうし、親切が広まったかも判らない
でも少年の母親は助かり、恨み言を吐いていた少年含め礼まで言われた
迅火が人質を見捨てなかったという一つがまるで親切のように人の心に作用した例と言えるね

灼岩は改造され多くの人を殺してしまったが、それで全てが悪い人生になったと思わず、たまや迅火達に出会える人生に変わったと思っている
一つの思い込みが灼岩の人生そのものを変えようとしている
だとすれば雷堂と迅火の果たし合いも違った見方が出来るのかな

雷堂が持つ人間の強さは迅火を圧倒する。それに合わせようとすれば半端者の迅火では敵う筈もなく
人間ではなく闇として力を振るえば勝ちを拾える、命を拾える
雷堂への敗戦という一つが、雷堂に見逃されたという一つが迅火に大きな成長を齎したように思えたよ



良い


とても良い

順調に逸臣との触れ合いを重ね彼への恋を確かにしていく雪の様子にはほっこりした気持ちになってしまうね。また、りんやエマの純情な片思いがこれからどうなって行くかも気になる構図になっている
それだけに雪の為だけに手話を覚えた桜志が想いの行き場を無くしていく様が可哀想で可哀想で……

桜志の気持ちは雪に全く伝わっていないが、見る人が見れば彼の努力だけでなくその背景に有る想いまで気付けるわけで
だから超マイペースな逸臣でも桜志を前に緊張感を宿らせる
いわば桜志はこれまで雪を見守ってきた男と言える。なら逸臣が彼から雪を奪い取るのは必要な工程で
それを雪が察しないよう配慮する逸臣はやはりイイ男

買い出しメンバーの中で交際が始まっている者は居ない筈なのに逸臣が雪に向ける目線は既に恋人へのそれ
心配する京弥やりんを他所に二人は二人の世界を交流させている。勿論、二人だけで全てが満たされるわけではないから、京弥達の助けで雪が逸臣の世界を更に知る事も有る
雪は聞けない逸臣の声。それを気にする雪の様子はいじらしい

そうなれば、雪や逸臣が持つ楽しさやをりんにお裾分けする事も出来て
逸臣の協力(?)によって進展を見せそうなりんと京弥はどうなるのかな?
ただ、その二人以上に展開が早い逸臣と雪がどうなるかも気になるけど。「帰る」からの「俺ん家」は超展開すぎて雪の幸福感がオーバーヒートしてしまいそうだ(笑)



とても良い

シンプルながらも知識と発想を要するミステリは良いものだね。猫猫の特徴がよく活きる
けど、この解決は誘導された類。羅漢の依頼で始まった調査は困り事を回されたと云うよりそもそも猫猫なら真相に到れるという認識が前提に有ったような
見えない意図が気になる回だったね

細工師の件も似た構図を持つけど色合いは別物
父親の遺言や形見が示す意図は見えない。けど、技術継承の為には意図を明らかにしなければならない
猫猫は鍵のトリックを解き明かしつつ、細工師の想いの鍵も見つけなければならない
でも、細工師の意図そのものを見出す役割を持つのは三兄弟自身

猫猫が見つけた鍵さえ有れば適切な者が想いの鍵を開ける
鍵の誘導に拠る真実への到達。猫猫は無事に仲介できたと言える
ただ、そうなると気になるのは真実へ誘導した羅漢の意図。細工師の鍵を猫猫が見つける事で猫猫がどのような心境に辿り着くと想像していたのか、彼の想いは読めないね



とても良い


とても良い


とても良い

小鳥の狩猟から人の狩り合いへ発展した一次試験。魔族との単純な力のぶつけ合いとは異なる、知恵や能力を活用する人間の戦いが繰り広げられているね
人間の魔法には様々な傾向や得意ジャンルがあるのか、戦い方にはそれぞれの性格が反映されているね。それ故に人間同士の戦いは魔族とは別種の面白さが早くも見えてきたよ

ヴィアベルは人間の魔法使いとして最も特徴的
魔族だけでなく人間とも長らく戦い地獄を見てきたという彼は殺しを厭わない。だというのに彼の魔法は拘束であり対峙したユーベルに言わせれば自身の心に猶予を求める為の魔法。残忍さだけでない彼の性質がよく表れている
だからフェルンがエーレを殺したと言った時に彼は引くわけだ

結局小鳥の奪い合いであり殺し合いではないからこそ相手を単純に殺すよりも相手を騙す技量の方が時に有用となる。屈服させて小鳥を渡させるのも、パーティが欠けたと嘘吐いて引かせるのも実力
その意味では対人戦と関係のない処で小鳥を手に入るというのは面白い話。これはこれで運も実力の内と言えそうだ

フリーレンサイドではそもそも試験に何を求めるかという点が語られたね
リヒターが語るのは魔法使いとしての欲求。望みが手に入るという垂涎の報酬だから人殺しも許されるという人倫を踏み外す論理
これを長く生きるフリーレンやデンケンが否定するのは印象的。魔法使いとして大成した二人だけど、その言葉は多くを見てきた人間・エルフならではの含蓄があるように思えたよ



とても良い

異常な演出に慣れてきたのか、1・2話程には抱腹絶倒にはならなかったような…。いや。それでも充分に可怪しい事態ばかりなんだけど
一向に慣れを見せないのがイサミか。当初のクールさは何処へやら、ずっとイジケている。いい大人が本気でイジケるとどれだけ面倒かという事が判る回でしたよ(笑)

動かないイサミに変わって動いたのがスミス。彼は彼で難儀な状態になっていたね
あの状況で敵かもしれない少女を匿うのはかなりの心労。だというのに周囲から「こんな時にお盛ん」なんて勘違いされているのは笑えてしまう
今回は報われなかったが、次回以降に助けた意味が生まれるのかな?

今回は水中戦、折角鍛えた仲間の活躍が無いのは残念だけど、つまり事態はイサミとブレイバーンに委ねられたという事で
イジケていても寝ていても彼らが戦うしかなくて。なんだかんだ勝利を重ねられた事はいい加減にイサミを前向きにしないだろうか?それとも次回もイジケるのかな(笑)



良い

花火はいつかの友崎よりも数段速いペースで成長しているね。それもこれも彼女の素質や協力者の多さが関係しているのかな?
前回の面々だけじゃなく風香までこの計画に賛同してくれている
友崎が始めたこの協力の環は教室の勢力図がひっくり返る予兆かのよう

印象的な場面となった風香と花火の会話シーン
これまで接点がなく、性格もあまり似通った点の無い2人だと得られるものは少ないように思えてしまうが、風香はこれまで見えなかった面を教えてくれるね
集まりから見れば紺野は花火を虐める嫌な奴。けど風香に言わせれば彼女やその周囲にも背景があって、逆に虐められる花火の方が強く見えるというのは面白い話

あれだけ教室を支配していた花火を非難する空気が彼女のキャラが確立された事で反転した
彼女を支える為に友崎達がした事は無駄では無かったと判るね
でもそれがボスを打倒した事にはならなくて
残された最後の試練、次回がどのように描かれるのか本当に楽しみですよ



普通

3期に入ってから急速に目立ち始めた山内のフラグ建設っぷりが凄まじい……
さておき、一応はバレンタインデーだった為か恋愛を意識させる要素が多かったような
特に仄かな恋心をアピールする軽井沢は可愛かったね

チョコの受け渡しが想いの遣り取りに直結するように思えるから誰が貰えるか誰が渡すのかと多くの生徒が浮き足立つ
それに興味を示さない堀北はマイペースだけど、彼女が別種の想いを向ける櫛田とはどうにも通じ合っていないような
やはり物が介在する方が想いは証明されるもの

だとすれば綾小路が全く意識して無くてもチョコを用意していた軽井沢の想いは確かに存在するとのだ判るし、言い訳を二重に用意して余計な負担を掛けまいという想いの深さも感じられる
綾小路も少しずつ軽井沢に応え始めるかのような素振りを見せているし、色々と期待してしまうね

その反面、他にチョコを貰っていたり、一ノ瀬と二人きりになっていたり…
チョコが軽井沢の想いを証明しているなら、綾小路のお粥は何の証明だったのやら
そして始まるのは人の想いを利用するかのような誹謗中傷の嵐。一ノ瀬への個人攻撃から始まった噂の遣り取りは思わぬ方向へ進んでいるね



良い

迅火と真介の過去や慟哭が描かれる事で二人の人となりが更に深掘りされたような
どちらも共通するのは力を欲したという点。でも無力な自分を知って起こした行動が違ったね。真介は無力だから涙を流し、迅火は無力なまま他者に向けた
それでも作品そのものを通して有るのは力の虚しさかな

精霊転化で化け物みたいな力を手にした迅火を泰山があっさり打ち砕く。灼岩とて力を求めたが結果は同郷の者を殺しただけだった。幼い迅火を守ろうとした闇すら人に容易く殺されてしまう
力が有ったとしても、それが他者の横暴を防ぐ源にすらならない。こうなると力無き者が示すものの方にこそ価値が見えてくるのかも

力を欲しながら叶わず。それでも灼岩が味わった理不尽の為に涙を流せた真介はとても特異な存在だと感じられるね。その涙が彼女を止めたのだから
なら更なる力を欲するばかりの迅火も真介に学ぶ必要がある。それはきっとこの作品において人とは何か、闇とは何かを教えてくれるものになっていくのかもしれないね



とても良い


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