珍しくキャンプでのトラブル回。いつもとは違ったスリリングな展開にドキドキして新鮮でした。普段のまったりキャンプを観てるとつい忘れてしまいますが、ある種文明から切り離されて厳しい冬の自然の中で過ごすわけですから危険も当然あるわけなんですよね。
今回は3人だったのでまだ良かったですが、ソロキャンともなればいざという時の危険度は更に増すわけで、そういった意味でこれからキャンプ初級者のなでしこが挑戦するのを描く前にこのお話をしておくことは、視聴者への啓蒙という意味でもタイミング的に大きいのかなと思ったりしました。
一方で、今回の3人のキャンプを通して千明はノクルに欠かせない存在だなと思いました。おっとりマイペースなメンバーが多い中、少々ノリがうるさいけどw、行動力があり意外に周りもよく見ていて皆を引っ張れる彼女がいなければ、おそらくノクルはまわらないだろうなと思ったり。
何かを教える時って、効率的だし楽だからこれは駄目これが正解とすぐに言いがちですけど、それは教わる側を萎縮させるだけでなく教える側もその考え方に縛り付け、伝えるという立場で試行錯誤したり新たな発見をする楽しみを奪ってしまうのかもしれませんね。
しかし毎話思うことではありますが、一つのテーマを情感を伴って物語を語っていく上手さが本当に素晴らしい。大抵の作品が何かイベントや行動を起こす事で視聴者を惹きつけようとする中、登場人物の心情を丹念に描くことで視聴者に寄り添うように作られている稀有な作品だと思います。
戦士の休息回。
なんかもうね、4人がイチャイチャしているの見るだけで幸せですね…。それぞれの個性と自然な表情。ずっとクールだったねいるが破顔する姿なんかこっちまで嬉しくなっちゃいます。一方で、その中でも一人変わらず闘い続けるねいる。実際リカが言うように、友達が出来たという安息の中、無理に辛いことに向き合う必要もないのかもしれない。しかしねいるの話を聞いて、目を背けたままでは自分たちにもある心の傷跡が疼き続けるだろうと直感したのかもしれません、皆がまたエッグを買いにと戻ってゆくのが印象に残りました。
私を死に誘惑したのね。ねいるもあくまで自分のためと言いつつも、アイと同様に真相を知って自分で妹さんとケリをつけたいと思っているのかなと。
それから、ねいるの戦闘シーン、スナイパー仕様でShoot&Runする姿がめちゃかっちょ良い。私があなたの度肝を抜いてあげる、決め台詞もキマってますね。
あと、小糸ちゃんの回想シーンで夕焼け空をバックに電線が映るシーン最高ですね。電線フェチとしてはたまらない…(lainとか好きな人!)
今までで一番怖い回…。これまでのような未知の怪異だけでなく、人間の狂気の恐ろしさも織り交ぜてきたのが新鮮でした。見た目からして異物である怪異とは違い同じ人なのですが、理解出来ない相手への恐怖という意味では狂気に陥っている人間でも同じことなのかもしれません。
そして、これまで裏世界探検にプロットが感じられずやや物足りなく思っていたのですが、合理的・感情的に理解できる筋立ては、この訳の分からない・理解出来ないことへの恐怖と相反してしまうのかもしれません。その意味で裏世界はあくまで恐怖を演出する舞台装置としているのかも。
そういえば最近、小桜さんの「ふざけんな!」がツボになりつつありますw 来週も聴きたい😝
香取隊の制服、葉子隊長はバッチリ似合ってるけど、男の子二人は全く似合ってなくて少し可哀想w 完全に隊長のゴリ押しで決めたんだろうな、なんて想像できて微笑ましいです。そして今ランク戦における香取隊の命運は冷静で頭の冴えてるオペレーター華さんにかかっていそう。
そして玉狛第二は修の戦法がいやらしくてイイですね。相手からしたらかなり嫌だろうなと思います。しかし実際の勝負事では派手な技・大技ばかりで上手くいく人などほとんどいないわけで、こういう創意工夫の地道な積み重ねをきちんと描くところがワートリの魅力の一つだと思います。建物跡の多い警戒区域で相手を待ち構えて戦うことの多い防衛任務でも、スパイダーはかなり効果を発揮しそうですね。
エレドア、お調子者の性格が今回はとんだ惨事を招いてしまったけど、ホント憎めないヤツです。登場人物に人間くさい温かみと親しみ易さを感じるのが本作の良いところ。コックピットめちゃくちゃ嫌がってたけど閉所恐怖症なのかしら。そして、あんな冷血女と憎まれ口を叩きながらも、護送される中カレンの姿から目を離せないでいる姿が、そうか忘れられない女になったんだな、というのが伝わってきて印象深かったです。彼の作った曲「未来の二人に」がBGMとして流れましたが、大好きな曲なので次はメイン聴きたいですね。
そういえば、今話は登場人物の髪色がいつもと違ってやたらと濃く、アンナもキキも最初本人と認識出来ないほどでした。ジャングルという環境もあり昼夜で光量・明るさが大きく異なるってことなんだろうとは思うものの、流石に色が違いすぎて違和感があったので配色ミスかとも思ったり。
新キャラ桃恵ちゃん登場。周囲に期待される「僕」と素の「私」の狭間で感情が揺れ動く様がとてもリアル。期待に応えてはどっと疲れ、次は恐る恐る「私」を出しみるけど怖くなってすぐ引っ込めてしまったり。それだけにアイちゃんに女の子として、みてもらえた時の救われたような笑顔はホントに良かったなと。
本作品は登場人物の感情表現の描写が豊かで現実感があるのがとっても魅力的。感情を笑う泣くとか画一的に割り切れるモノとしてでなく、もっと曖昧で複雑に揺れ動く、生々しいモノとして描こうとしていると言いますか。
それから、ラストで4人揃ってみんなで笑い合ってるシーンがとても好きです。4人ともそれぞれ重いモノを抱えて独り生きてきたのだけど、自然に笑え合えたあの瞬間にそれぞれが自分の居場所を見つけたような、そんな感じがしてなんだかジーンとしてしまいました。
助けに行こうとするダイを止め目的を完遂しようとするマァム。腕っぷしの強さがモノを言う世界の中で、バルジの塔でのレオナ姫といい今話のマァムといい、苦しい時にも希望や冷静さ、そして他者への思いやりを失わない、女性陣のしなやかな強さが印象的に残ります。
クロコダインやヒュンケルの一本気な心意気も沁みました。一方で強靭な肉体を誇りながら現実を直視する意思も勇気も持てないハドラー(相手を舐めてかかるアニメにありがちな敵の態度ではありますが)。強いって何なのか考えさせられる回でした。