サービス開始日: 2016-04-05 (3609日目)
くくるの夢が終わると共に「今度は私が風花の夢を応援する」と、これまでの二人の立場の交代が一旦は示唆されますが、結局のところ最後は風花がくくるを支え、くくるは希望へ向かうという元々の関係に戻っていく事で二人が元気を取り戻していくのが印象に残ります。
風花は結局アイドルに復帰しませんでしたが、沖縄でくくるを支える事で自分が元気になっていくという経験を通して、自分の夢を追いかけ誰かに夢を見せる表舞台の仕事より、誰かを支える事に生き甲斐を見出すようになったのかなと感じました。
そういう視点からすると、新しいキービジュアルやPVからはティンガーラで奮闘するくくるの様子が想像される一方、全く姿が見えない風花がくくるを支える”姉”として、どういう立ち位置で描かれるのか楽しみなところです。(まさかの途中退場はあるまいと思いますが一抹の不安…)
詩「おわりのない海」の言葉に触れ、くくると風花共に夢破れても未来は続いてゆく姿を重ね、人は人生悲喜交々何が起ころうと結局はそれを心の奥の静けさの中に溶かし込んでゆける心の海を持っているのかなと、だから生きている事そのものが希望たりえるのかも、そう感じました。雄大な海や景色を見ると自分の存在や悩みがちっぽけなものに思えて気が晴れる、というようなことがありますが、近視眼的になっている自意識が心の海を思い出すからなのかもしれません。
骨折さん健気で可愛い。朝風のことを本気で心配して希を連れてくるあたりとてもいじらしい。朝風の希に対する恋は憧れも多分に含まれていたよう。性格悪い所もあるけどちゃんと振られてもう追いかけない自分の道を行くと心に決めた姿には男気を感じ一歩成長したようにみえました。
そう思った矢先、魔が刺したように突然の出来事。能力遺物となったピストルを握って深層心理にあった攻撃性が具現してしまったとか?? 心の奥底は自分でもわからない。骨折さんが聞いていたのも心の表層意識部分だけだったということかな。
それにしても今話はよくわからないシーンが多かった。特に謎なのが突然ウインナー?が映されたシーン。これは一体なんだろ。ニワトリを絞めるシーンもよく分からなかった。次回への布石なのかもしれませんが。
水族館に籠城するまでに追い詰められたくくる。彼女に風花がいて良かった。突然やってきて出会った風花が”過去”を必死に守ろうとするくくるに寄り添い、ここぞの所で支えていた姿を見ると、彼女はくくるに”未来”をもたらすための使者だったでは、とそんな気がしました。
今回最も印象的だったのが、決して自分の都合を押し付けずくくるを見守り続けたおじいの海のように大きな優しさです。これまでずっと何故おじいはくくるを説得にかからないのか疑問でした。既に決断しているなら希望がないのに足掻くくくるの姿を観るのはおじいも辛いのではと。しかし、おじいはこう考えていたのかもしれません。仮にくくるが説得されて閉館を受け入れたとして、両親を亡くした喪失のトラウマは彼女の中に残り続けてしまうと。彼女はここでトラウマに対峙し自ら閉館を受け入れる必要があった。今回初めてその事がわかった気がします。
それから、台風の襲来から一過の晴れ渡った青空までの描写とくくるの心情の重ね合わせは、ベタであるかもしれませんが心情の移り変わりとドラマにメリハリが効いて良かったです。現実の季節と丁度重なって、一層リアリティを感じられたのもまた効果的だったかもしれません。
今回は解釈が難しいお話でしたけど、様々な登場人物のあり様を描きながら子供と大人の違いについて示唆しているように感じました。
猫のさくらが言うようになにも出来ないのが子供だとしたら大人はその反対なのだろうか。朝風は優れた超能力を持っていて様々な事を実現でき、多くの人を助ける事が出来ます。しかし彼は誰かに持ち上げてもらう事で自分を支えようとしており、周りに甘えています。他に依存するという点で更に進んでしまったのがソウで、彼は自分自身との闘いの中で神様に縋って身を任せてしまった結果、完全に自分を見失ってしまいました。
一方で、希は自分の能力では直接何かを達成したり他者を助けることが出来ない非力さに悩んでいます。しかし長良の言葉にあるように、常に自分の道を切り開こうという意志と希望を失わなかった彼女の姿勢は、長良を勇気付け彼の心を支えていたんですね。
大人になるというのは何もあらゆる事を一人で出来る事じゃない、自分のあり方は自らで切り開くという意思が実はキーになるのでは。その意思を忘れないならば、足りない部分があっても、決して一方的な依存ではなく他の人と心身を支え合う互恵関係を築けるのでは、そんな事を感じました。
登場人物それぞれのノリを活かしたコミカルさとテンポの良さでストーリーを牽引していく、ラブライブらしいスタイルが魅力的な回でした。
2話の時も思ったのですけど、生徒会の選挙にしろ、恋の家の訪問にしろ、可可は目の前に目標や障害を認めたら、物おじせず当然のようにいかに解決するかを考え努力出来るバイタリティの持ち主で、昨今なかなかいないタイプの人物像な気がして新鮮な魅力を感じます。
いよいよ閉館日が迫り、占いや幻に頼り始めるくくるの焦りと必死さが痛々しくて。なぜそこまで必死なのか。両親の喪失が尾を引いてるのだと、水族館の閉館は彼女にとって二度目の喪失を意味するのだと、家に帰ると泣きじゃくる幼い彼女の姿を見て初めて合点がいきました。
そんなくくるの背中を見守り続ける櫂。幻を見たはずの彼がくくるの問い掛けに首を横に振る姿には、もうこれ以上偽りの希望に縋らせるわけにはいかないと、自分が彼女を悲しみから守るのだという決意表明に思え胸を打ちました。そしてくくるも拳を受け止める彼の姿をみて、水族館は無くなるのだという事を終に受け入れたように思います。