他人の夢や活動の応援は得意だけど、自分の夢となるとからっきしな未来が出会うのはアイドルですか
ここで視聴者が知らない存在ではなく、あの765プロアイドルだという点は納得感が有るね
夢が無かった少女が自分の夢を掴みつつ他人に夢を与えられるアイドルになる、充分過ぎる初回だったね
一人では進めなかったかもしれない夢への道。同じ席に巡り合った静香と一緒に輝きの奔流を目にする事で自分の夢も形に出来るし彼女が口に出来なかった夢も確かなものとなる
探したけれど見つからなかった夢が偶然と空間の共有によって未来と静香の手に降りてくるわけだ
アイマスシリーズのアニメは幾つか見てきたけど、ミリマスは全く知らずの状態。それだけにOP映像に居るアイドルの人数に驚いてしまったり
でも、基本は今回登場した未来、静香、翼の三人を追っていけば良いのかな?
夢を一緒に叶える約束をした未来と静香、別の場所でそれに近づく翼。三人はどのようなアイドルを魅せてくれるのだろうね
フリーレンがヒンメル達と居たのはたった10年、彼女の体感的に短い期間。でも短かったとして、人生には永い影響を齎す場合もあると判るのが幽霊騒ぎだね
以前の幻影が偽ったのは永きを共に過ごしたフランメ。でも今回は短き交友のヒンメル。その違いと彼を撃てる事実がフリーレンに遺した影響を何よりも物語っていたよ
フェルンの方はハイター。彼女とて彼と過ごした時間は10年に満たない筈。それでも出てくるという事は彼女にはとても大切な存在というわけで
時間や体感だけではない繋がりの価値が有るから撃てる幻影。それでも生じる躊躇と後悔
それを察し「本物に会いに行こう」と慰められるフリーレンは少し師匠らしくなってきたね
紅鏡竜を前に逃げたり震えるのは間違いではない。強者に立ち向かう勇気なんて誰もが持ち合わせている訳では無い
シュタルクは竜から逃げなかったという事実を以て村民から慕われている
でもその実態は臆病者、戦闘経験すらゼロ。既に戦闘経験が有るフェルンが軽蔑するのも仕方ないというもの
今のシュタルクには実力に見合わぬ期待が一身に寄せられている
村民だけでなく、アイゼンは彼を「良い戦士」と評するし、フリーレンも何かを期待している。その答えの一端が削り取られた崖かな。次回は臆病者が示す勇気が見られるのかも
それはそれとして、幻影だったとしても自分を「撃て」と言えるヒンメルは勇気と正義の塊と再確認できたよ
学び舎であるカレッジが封鎖されるという決して明るくない事態。でも生徒に緊張感は薄かったね。敵のように現れたアルキュオネが留まる事への警戒も薄ければ、見るからに怪しいザッケローニへの警戒も薄い
若い青少年達はカレッジが封鎖された程度では事態の深刻さが飲み込めない。だから痛みの感触に接する必須科目が必要だったのかも
チサ達がカレッジの敵と繋がり有るフィロメラを囲んで普通に話し合えるのは以前にも似たような会話をしたからかな。あの時の感触でフィロメラが危険でないと判っている。その流れでアルキュオネも受け容れたのかな?
相手を危険かそうでないか判断するには実際に接するのが一番。だから武器を使う実技、口だけ達者な生徒への制裁が必要になる。そうすれば痛みは避けるべきと判る
その点ではエリアスとシメオンの交流もその類
友達の定義が判らないなら友達らしい行動を。その経験がエリアスに他の知人との関係も友達と言い表せるようになるのは良い成長と変化だね
一方で使い魔との戦闘で呪いのような戦闘能力と接してしまったチセは自分の体をどう考えているのか……
新たな主役を冠す物語がいきなりの敗北続きとは…。でもその構図がテイオーに憧れるキタサンブラックの挑戦を面白く彩っていくのだろうなとも感じられたよ
また、これまでの物語で見かけたウマ娘達が脇を固めているという点も愛されるシリーズならではの現象といった印象を受けるね
キタサンは人助けに留まらず商店街の人に囲まれていたりと、周りはとても賑やかで笑顔に満ちている
でも彼女はまだ成長途中だからレースにおける助言も欲している。その点では憧れのテイオー等に囲まれ精進できるスピカは彼女にとって良い環境と言える
キタサンの前に立ち塞がるドゥラメンテはキタサンと対極の人物だね
言葉少なで表情も静か。それはダービーを自分の知るお祭りに重ねたキタサンにすれば全く知らない次元
彼女の猛攻を前にキタサンが失速したのは知らない世界により自分すら失った為かな…
なら、ここからキタサンが挽回するにはお祭り以外の力も必要となるのかな
それにしても親友と同室になっているというだけでも色々想像してしまうのに、その上で親友のぬいぐるみと一緒に寝ているとかどういう事……!
それもうダブルベッドとか持ち込んで一緒に寝れば良いんじゃないかな…
命を失っても可怪しくないH城址での恐怖を詠子との会話を通して飲み下しているのに、「とっても楽しめたんだね」と別の意味で消化させる詠子は恐ろしい…
だからこそ否定できない螢多朗が「恐怖を愛している」という点も見えてくるのだけど
あれだけの目に遭いながら辞められない螢多朗は立派な恐怖ジャンキーだよ…
旧Fトンネルへ行く前の卒業生回収、前回の大僧正がヤバかったように本作は武器回収も命掛け
でも、そうなるのは卒業生が地獄に通じる存在だからかも
今回の卒業生は背景からして生地獄を味わった者。それが成仏できず現世に留まり続けるならその周囲はどう取り繕っても地獄。だから回収も命掛けになる
それでも夜宵が居るならまだ危険性は低く思えるね
いわば制御された恐怖。だから螢多朗は今回の行動を後悔しないし、詠子も恐怖に惹かれていく
けどこれから向かうは危険な卒業生が必要な悪霊が棲まう場所なわけで
その意味では次回こそ本物の恐怖が振り撒かれるのだろうな…
最終回はAIやヒューマノイドがどうのという話ではなく、単純に人と人の繋がりを問う話になったような
須藤が探し求めるのは母のコピー。それは前回のリサとトゥー・フィーで示されたように母とは別人、須藤とは他人
それでも須藤が探すと言うならそれは最早感情論ではないのだろうね
出逢ったばかりの頃の須藤とリサは他人だった。けど、似た境遇という要素が他人で片付けられない関係性を築かせた
血や家族以外にも人は誰かと他人じゃなくなる瞬間が有る。逆に言えば、あっさり他人になれたりもする
須藤がリサや瀬戸にしたのは他人になる為の儀式
須藤はそれで良かったとしても、他人にされた側は堪らない。だから須藤はきちんとリサと話し合う必要があって。
最初は他人で、他人じゃない時間を挟んで改めて他人になってしまった須藤とリサ。それでも繋がりを求めるならば、一緒に居たという時間の存在が二人に他人ではないという人格を与える事になったと言えるのだろうか
これまではAIやヒューマノイドが存在する社会を上手く描いていたように思えただけに、色々と中途半端に終わってしまった最終回は少し残念だったり
かといって須藤が旅立ってしまった以上はこれまでのような話も展開出来ないだろうしなぁ…
結局MICHIは須藤に何を求めていたのだろうか?
ティアの話とリリィの話の温度差が有り過ぎて…
でも辛いティアの過去を受け止めているのがリリィがリーダーを務める『灯』なのだと思えば、別の意味で組み合わせが良かったと言えるのかな(笑)
リリィは疑惑を誇る、ティアは疑惑に悩む。そのズレが『灯』をより良い空間にしている
勘違いから『灯』をラブコメの嵐に巻き込んだリリィはズレの先導者。リーダー・リリィが率先して間違うからエルナ達も各々で勘違いしていく
リリィが『灯』の中心として雰囲気を作っているが、他の面々もスパイチームらしからぬ雰囲気醸成の一助となっている
一方でそれに流されない者も居るというズレも同時に存在しているわけだ
打って変わってティアはスパイの闇、自身の闇と向き合う。だからこそ紅炉が遺した自らへの光にも気付けたのかな
それでも心が負ったダメージは大きいから彼女を癒やす者が必要となって…
ティアと完全にズレた雰囲気でラブコメしてる『灯』が傷付いたティアを受け止める居場所となるわけだね
『灯』は『焰』という家族を失ったクラウスにとっても居場所となったようで
『焰』では異なる立場だった彼は『灯』での立場を認められなかった。でも卒業したリリィ達により認められたなら彼は教師でありボスであり…
変則的なスパイの教室が誰にとっても良い空間となっていると判る最終回だったよ
恋愛が判らないあまり家族すら判らなくなるローレンには苦笑してしまうけど、そもそも彼は親しい者との関係にどのような名を付けるかという点を悩み続けた人間だったのかもしれないと思えたよ
だからこそ、恋愛を求めながらも家族だと受け容れてくれたセシリアの想いに応える事が出来たのかな?
身近な愛する人を形容する言葉としては恋人とか彼氏・彼女とか色々あるけれど、ローレンはそれ以前にセシリアとの関係をどう名付けるかを決められていなかった。だから常に聖女呼びだし、聖女以外の彼女が何か判らない
その意味では一緒に暮らすという点から「家族」と形容できたのは彼にとって大きな前進なのかも
…随分回りくどいけど(笑)
家族を言い訳にハグしてしまったのはこれまでを考えれば大き過ぎる変化。でも、セシリアが最終的に目指すのは家族であったとしても、その前段階があるわけで
セシリアは女の子からローレンを譲られた。なら関係を変える時間はまだ有る筈で。そういった意味ではセシリアとローレンの関係は始まったばかりとも言える最終回となったのかな
夜宵生存は予告でネタバレされたのは仕方ないとして、本格攻勢を仕掛けるH城址の霊に対して、夜宵も卒業生を繰り出す流れは大バトル感が有って良いね
また、その中で無力に過ぎない螢多朗にも見せ場があったのは好印象
夜宵を模した悪霊を前にしながら、又は逃げ去るH城址の霊を追う際も。螢多朗は状況を冷静に見て起こすべき行動を実行しているね
そもそも夜宵がああして卒業生を顕現できたのも螢多朗が夜宵の名を呼び続けたから
夜宵の方が強いのは事実だけど、螢多朗は立派に夜宵の相棒を出来ているように思えるよ
H城址の霊は恐ろしかったけど、それ以上に卒業生である大僧正はヤバい存在だったね
毒を以て毒を制すと言わんばかりの脅威。関わる事すら間違いと感じる卒業生だけど、最終的にはこれらを束ねて神様に挑もうというのだから本作の目指す境地がどれだけ人知を超えたものであるかを察せられる回となったね
ヒューマノイド故に調整した誕生が可能だし、生誕後も調整可能という事か。子の調整の主体が大人である以上、子は大人の勝手に拠り人生が様変わりする
リサとトゥー・フィーという同じ脳紋を持つ二人の人生が全く異なるものになったように、須藤が母のコピーを探し続けるように
大事故に遭っていたり、髪を書き換えた母を身勝手と思いつつも、リサはそれなりの人生を過ごせているね
というより不可抗力により母を喪った事で、自分の人生は自分で選ぶ感覚を強く持ったように感じられる
対してトゥー・フィーは父により人生を定義付けられ、己をそもそも持てなかったヒューマノイドか
リサの代用品として作られたトゥー・フィーは最初から己が無かった
彼女が人生を手にしたのは自分の意志で父を喪ってから。でも罪過により人生は積んでしまうから、リサに成り済まし別の人生を手にするしか無いがそれも選べなかった
同じ脳紋を持つのに、同じ父を持つのに。全く異なる生を辿った二人の在り方は悲哀が満ちているね
リサもトゥー・フィーも親が居なくなってから人生を得たけど、須藤は母と離れても母の人生の面倒を見続けている感じなのか
きっと須藤がすべき事ではないし、母のコピーを見つけた処で何をするかも決めていない
その点では彼は自分の意志で大人に合わせて己の人生を選んでいる。だから彼がリサと離れてでも母を見つけようとするならそれは相当の覚悟の上なんだろうなと伝わってくるよ…
働き蟻にとって王と言えるティアと紫蟻は対立する存在。けど、どちらも直接的な戦闘力は無いから、互いには言葉で、そして働き蟻に対しては支配力で勝負する事になる
けど、王は他にも居たわけだ。紅炉も働き蟻に噂という支配を残した。それは紅炉に勝利は齎さなくても時を超えた勝利を『灯』に与えたわけだ
紅炉がティアに残した僅かな希望、『灯』がティアに投げ掛けた温もり
どちらが欠けても自信喪失状態だったティアを王の器に変えはしない。そしてティアが王になったからには働き蟻は彼女を助けるし、クラウスもティアを助けに現れる
また、クラウス自身も王と呼ばれていた事で、王に別の意味も見えてくるね
クラウスは王であっても『灯』を支配していたとは言い難い
でも彼女らとの交流がクラウスに成長を齎したなら、クラウスは支配せずとも王として彼女らを自らの力としていた事になる
他者を力とするのが王の別の在り方なら、ローランドにより英雄として覚醒し彼を力としたティアも同様と言えるのかな
結局、紫蟻は働き蟻や将軍蟻を支配できてもそれ以上は出来なかった
王としてはクラウスにもティアにも劣るから勝てる道理は無かった訳だ
無事に紅炉の復讐は成功し、ティアは彼女の遺産を受け取った
このミータリオ編はティアという王を中心に『灯』そのものを大きく成長させるエピソードとなったように思えるね
遂に明かされたレオ出生の秘密、歪な経緯があったとしてもレオが間違って生まれてきた訳では無く、レオが正しく人と魔族の血を引いているとも判るもの
人と魔族が混ざったレオの姿に間違いがないと言えるなら、生まれで身分を分けようとするセトの遣り方は間違いと言える
姿に基づく個を変える真実はそのまま反逆の構図も変えるもの
セトが目指すのは秩序による支配。けど、サーブルが拒絶したようにその秩序は全てが望む世の中ではない。対するレオが目指すのはより多くの者がそれぞれ望んだ姿で生きられる世界
回想で明かされたようにセトもレオのように生まれ持った姿により苦悩したタイプ。でも見出した答えは全く異なるもの
レオは他者への寛容を懐き、セトは王者への否定を懐いた
アヌビスがサリフィに問うのは姿というアイデンティティの問題
前回、アヌビスはレオの姿が思っていたものと違う為に立場を変えた。対するサリフィは姿が変わるからとアイデンティティまで変わるのではなく、異なる姿を持つというレオの個を見ている
個を見るという点ではアヌビスにも通じるもの。だから彼は仕えるべき王への忠誠を変えずに済む
サリフィがこれまで関わった者達が救援に現れる流れは良いね
ガロアを始めとして彼らは魔族と姿の異なるサリフィを介して友好を結んだ。そういった者達がセトの秩序を否定し、レオとサリフィという異なる個を持つ者の助けになる構図は本作が目指した終着点を明確にしているね
それ故に、魔族王の姿を取り戻したレオの帰還は皆が望んだものであると同時にオズマルゴの王に相応しい個なのだと感じられたよ
牧師と聖女ではない時間を旅行先で得て、久々に二人の時間を過ごしても変わらない二人の距離
その理由は出逢った時からローレンは牧師でセシリアは聖女だったという点も関係しているのだろうなと思えるEPだったよ。それだけに屋根裏部屋での会話はその関係を距離を可能性が有ったと言えるのかな
聖女呼びを変えないのはセシリアとの間に壁を作りたい訳じゃなく気恥ずかしさが先立ってしまうだけ
誰も取り合わない大雨の件を必死に訴える彼女はあの時点で特別な存在だった。また今は居ない祖父の教えもローレンを縛る一因なのかもしれない
彼は聖女を大切にし過ぎている
でも、星空を見上げて綺麗だと言い、一緒の時間を過ごしてくれる少女が触れる事すら許されない相手の筈がなくて
ローレンが認めるべき感情は色々とあるけれど、結局の処はセシリアとどうしていきたいかという点を自分の中で明確化することなのだろうね
エピローグ部分で示されたように彼の望みそのものは既に明らかなのだし
心霊スポット巡りでもオカルトに巻き込まれたわけでもなく、自ら悪霊の居城へ乗り込む今回
いわば自分達は攻城側で相手は籠城側。だから生半可な覚悟や準備では太刀打ちできないのは当然
何も出来ぬ内に追い込まれる様子はホラー感たっぷりだが、だからこそ逆転するだろう夜宵の活躍も待ち遠しいね
ルディとしては不能治療の手掛かりを得た段階。けどフィッツとしてはいよいよ正体を明かさねばと追い込まれた段階
フィッツ視点で進行する事で淡い恋物語の様相を守れているね
子供時代から続きながら一旦途切れてしまった二人の関係。それがようやく有るべき形に戻れたように思えたよ
自ら踏み出せないシルフィの背を押すアリエルが良いね。友人を幸せにしてあげたい、友人だから助言を信じられる。そういった尊い関係性
それでも結局はシルフィの努力次第。……けど、まあアリエル達をドン引きさせたように彼女はきちんと望むべき未来を思い描いているから一歩踏み出せば大丈夫だったのだろうけど(笑)
作戦はさておき、関係復活の要は途切れた繋がりを思い出すこと
だから子供時代から持つ杖、子供時代の経験が鍵となる。でも思い出さなきゃならないのはルディの側だからシルフィは待つしかない
震えは寒さによるものであり緊張によるものであり。同時に途切れた過去と現在を繋げる代償だったとも言えるのかな
少年期を繰り返すかのような脱衣。行為は同じでも、あの時はシルフィが女性とは知らなかったが今はフィッツを女性と知っている違いが有る
脱がされる際の反応は既知のものである為にその意味が現在と繋がる。自然とフィッツとシルフィは繋がった存在となる
ようやく名前を明かす事が出来て想いが報われた彼女の様子は本当に喜ばしいものだったね
おお、堀両親の学生時代だ
欠片達の物語だから描ける過去の掌編。あれだけだと短すぎるが、現代の堀家を繋げ描く事であの掌編が活きているように思えるね
京介と百合子の出会いが根底にある堀家は今も変わらず愛が満ちている
堀や宮村、学校の話が主体になるとどうしても脇役になる創太、でも彼こそが堀と宮村を結びつけた張本人なわけで
また、京介と百合子の物語、そして堀と宮村の物語、それらの先にいる彼は賑やかな堀家を最も味わっている存在と言えるのかもしれない
かといって手厚く育てられているというわけではなくて
時には遊ばれて時には怒られて、そういう環境で育てられた彼の健全さは堀家の良さを誰よりも体現しているね
…なのに、彼が最も懐いているのは宮村でしかも彼をお兄ちゃん扱いしているのは、未来を先取りしているという事で収められないだろうか(笑)
事前の想定と異なる展開だったけど、その相違が今回のサブタイトルに深い意味を持たせているような
EXODUSでは絶望的な戦場に降り立ち全てを一変させた一騎と総士を『英雄』と呼んだ。今回は犠牲を受け容れた一騎と犠牲を否定する総士という新旧を指して『英雄』と言ったかのよう
一方で美羽だって一騎側の英雄として犠牲を許容した。それを代えたのは総士の思うが儘の言葉。マリスが救えなかった彼女を救ったのはある意味で総士が二人の英雄となったとも言える
そうなると、一騎という英雄と別の道を選ぶ総士と美羽の二人を新たな英雄と指しているようでもある
英雄を超えた総士と美羽が導く可能性、それは『蒼穹のファフナー』という作品が新たな地平線に辿り着いた事そのものを表しているかのよう
長い長い物語の果てに示される若い世代の祝福がどのようなものか見届けたいね
分断されても連携により働き蟻を撃破する『灯』に襲いかかる新たな働き蟻。守るより攻めが得意な彼女らを攻め尽くす無限の敵
終わらない敵の嵐は一方で働き蟻にとっても無限の苦痛の嵐に居るのだと判る
だからこそ倒すべき敵は働き蟻ではないとも見えてくる
無限の嵐の中で己が遣るべき事に突き進む『灯』の中で唯一迷い続けるのはティア
指揮者として皆を導く筈が己の弱さに負け俯く彼女を励ますのがアネットなんてね。チームの中で異物と言えるアネットが伝える英雄の物語とリーダー・リリィが示すティアの出来る事
それは弱さを自覚させた敵との対話
けれど、ティアは弱さを完全に克服できたわけではないからローランドにより更なる闇へ落とされる
そして繋がる過去の英雄とこれからの英雄
働き蟻を統べる紫蟻、『灯』を統べる夢語。両者の対話は嵐渦巻くミータリオにどのような英雄を顕現させるのだろうね
王の正体が国民に分かってしまった事で生じる国の分断は人々すら分けてしまうもの。
魔族と人間の血を引くレオが推し進めた人との融和が全く異なる意味に変わった状況。それは人々に何を信じ、何を受け容れるかを問い掛けるものになったようで。誰にとっても大きな試練
正体が人であった為に主を代えたアヌビスのように、相手が自分と分かたれた存在と判れば共に居るのは難しい。同じ側に居る者としか結べない
種族差別に拠る秩序、同種族のみで固まる者は理想を得るが、異種族で暮らす者は非道を味わう
かといってそれを助けたサリフィ達に礼を言えない辺り、種族の分断は人の情では簡単に越えられない
一方で分断されない者も居るね
ヨルムンガンドにラント、そしてアミト。彼らは種族ではなく相手その人を見ているから相手との違いを重く見ない
でも民に仕えてきたレオは違う。自身の違いにより民が分断したならレオはオズマルゴに居られない
でもサリフィがレオという個を見て関わりを変えないように、正体がバレてもレオは変わりはしない
民から非難されてもレオがオズマルゴの王である事実は変わらない。そしてサリフィが自身を信じてくれるのも変わらない。そこへ分断に惑わされない者が集えば目指すべき場所は明確
国を追われた王が国に帰るが、そこは自身を歓迎しない。それでもレオが改めて王と認められれば国の分断は終わる
レオとサリフィ、最大の試練を迎えたね
ああまでセシリアに色々言われて気づかないローレンって、どうなんですかね……
アベル・ヘーゼリッタと別れて、久々に二人きりの空間。以前に戻った形だけど賑やかさを知ったから寂しさをより感じてしまう
それに乗じて急接近できた筈なのに…
旅行先で聖女の悲劇を知り、呼び方を一時的に変え、ネックレスもプレゼントし…
二人は関係を大きく変えられる筈。セシリアだって気合を入れてる。なのにローレンの鈍感さが全ての邪魔に……
そりゃ何も起きないままヘーゼリッタ帰還の時となるのも仕方ないというものですよ(笑)