勝利の座を巡るライバルであり、見ている世界も異なる。道を違えたに思えたキタサンとダイヤがこのタイミングで行うのはぶらり旅ですか
何処へ行くと決めたわけでもなく、どちらの意見が優勢というわけでもなく。運任せ風任せで巡る旅。そこには何の思惑も含まれないからこそ、ごく自然な2人の姿が現れたのかもしれないね
電車に乗り各地へ向かう2人の様子は勝負を競いあった仲にはとてもじゃないが見えない。昔からずっと仲良しでずっと一緒だった、そのように見える
そもそも2人はライバルである以前に親友。最近は競うあまり失われかけていた関係を取り戻す旅となる
そう出来たからこそ、旅の終着点で改めて親友兼ライバルとして再戦へ向かえたのかな
季節が巡りやってきた天皇賞。キタサンとダイヤの他にもライバルが存在するし、そもそも2人共に勝ちも負けも味わった上であの場に立っている
生半可な気持ちでレースに挑めやしないからこそ、2人はライバルとして再び向き合う事になる。でも直前に親友としての間柄を取り戻したばかりだから、破滅的な対立へ向かわず、気持ちの良い勝負を目指す対立となる
結果は少し意外なものに。
勝利に燃えるタイヤを寄せ付けないキタサンの走りはこれまでのレースで見られた必死さや懸命さとまた違う観客の笑顔を目指す為の疾走へ。ライバル達を負かす為でなく、皆が楽しめるレースにする為の勝利
何となく楽しいを目指してきたお祭り娘が次元を一つ上げ新境地に至ったのだと感じられるレースと感じられたよ
前後の文脈を無視して一瞬を切り取るカメラマンが抱える天命と業をあの厄災を通してしっかりと描きつつも、最終的には孝哉自身が持つ優しさと彼が出会った現地の方の人柄によって優しさに辿り着ける構図には観ているこちらも感動してしまう
また、それが今という一瞬を頑張って走り続ける悠を孝哉が応援する理由付けとなるのだと納得できるラストもとても良かったよ…
スケッチブックを用いて距離を無視した呪いを仕掛けてくる少年霊は恐ろしい存在
形代があるとは云え、普通の人間に過ぎない夜宵達では太刀打ち出来ないもの
だからこそ卒業生の出番が求められて。でもそれは新たな脅威の出現を意味するという本作の特徴をこれでもかと示す回となったね
花魁は攻撃誘導しないと使い手にすら牙向く可能性ある恐怖
花魁は決して味方ではなく、自分を舐めた存在を焼き尽くす敵。でも人に扱いきれない存在だから少年霊の想定を超えた脅威を刻めつける
吸収能力には吸収能力をぶつけるんだと言わんばかりの戦闘模様。それは怨念の強い方が勝つと察せられる規模のもの
花魁の過去は怨嗟に満ちているね。理不尽な裏切りによって復讐鬼と化した彼女は存在そのものが毒
けれど本来の彼女は美しい姿。それを取り戻そうと周囲に毒を振り撒く彼女は別の意味で美しい
恐怖を想起させる彼女の美しさが、これまた別の恐怖体験を持つ少年霊をどう痛めつけてしまうのか。怖いけれど楽しみという何とも言えない感情に支配される作品だね
Pはアイドルを支えるのが仕事だけど、人手が足りない時はPも誰かを頼らざるを得ない。
そうした際に頼り甲斐ある人物に任せるのは常套だけど、その人だって常に他者を支えられるわけじゃない
Pが中心アイドルを支える事で他のアイドルも奮起する、そういう構図が見える回となったのかな
運命的な行き違いによりアイドルになったこのみは年齢を理由に頼れる人物として扱われる事が多いようで
それでもデビューライブがあの状況だと不安は隠せない。けど、桃子達だって不安なのだから彼女らに頼るわけにもいかない
引率者兼当事者のこのみは必然的に孤立する構図
その流れだからこそ、彼女をアイドルに導いたPが彼女の力に成りたいと言ったのはこのみにとって勇気を幾らでも得られる時間となったようで
Pに与えられた勇気を桃子達に分ける。そうすれば彼女らもアイドルとしての勇気や輝きを思い出せる。自然とチームは回り始めるわけか
そうして皆の力で作り上げたステージは色々とトンチキなものだったけど、デビューライブが盛況に終わるという意味では良かったのかな
ラスト、夕焼けを背景にPへの感謝を捧げるこのみの姿は最高にヒロインしていた気がするよ…
帰郷翌日に事件に巻き込まれるなんて、いよいよ探偵役っぽくなってきた猫猫
けど彼女は探偵ではなく薬師。真相解明より患者の救助が第一。それに関わらないなら、真相に手が届きそうでも霧の向こう側に留めておく必要がある
猫猫の立場の微妙さ、曖昧な事件の扱いが主となる事件だったね
見た目だけなら妓女と客による心中事件。けど、毒の混入方法を探ると別の側面が見えてくる。また禿の反応も奇妙
探偵であれば、少しの手掛かりから真相を見抜くもの
でも猫猫も羅門も薬師だから憶測で探る必要はない。たとえ殺人事件だろう人が死なず、闇が蠢く事件なら彼女らが深入りするべきではない
思惑が判らないからと疑い始めたら際限がない。そもそも猫猫は陰謀蔓延る宮中から一時的にでも逃れる為に帰郷した筈なのだから、花街で同じ振る舞いをしていたら本末転倒
その意味では、やり手婆が猫猫を普段通りに迎えたのは優しい配慮。見えない思惑としては事件の真相と同じでも、猫猫に無用を考えさせない優しさに満ちている
猫猫は探偵的でも全ての思惑を見抜けるわけではない。見抜くべきではない時もある
それでもいい加減に壬氏の胸の内は察してあげて欲しい(笑)
ヤキモチするあまり、素が出た上に壊れる壬氏は可哀想過ぎて…
猫猫は薬について勉強するも大事だけど、もう少し男心を理解してあげた方が良いんじゃないかなぁ(笑)
前回にてモノが人の想いを伝えてくれる描写をやったと思ったら、今回は物をも超える人の想いを描いてきた
本物の勇者の剣を手にし魔王を倒そうとしたヒンメルが掲げざるを得なかったのは偽物の剣。でも彼は本当に魔王を討滅した
彼は本物の剣を持っていなくても本物の勇者になった
マンガ版とは異なる解釈で描かれたヒンメルの剣と向かい合うシーン
彼は最初から本物・偽物に拘っていなかった訳ではない
剣を抜けないが為にヒンメルは本物でないと言われた。王様からも劣悪な待遇。それらは魔王を倒せないと言われているようなもの
なのに彼は物を持たぬままに想いを成し遂げた。彼の在り方こそが物に依らない本物と言える
シュトルツを本物の戦士たらしめる真白なマント。けどそれをシュタルクは汚してしまった。なら、それでシュトルツは戦士で無くなったかと言えばそうではなく
失敗作と呼ばれる弟にも分け隔てなく接し、彼を逃がした姿こそ本物の戦士
でも、本物を目前にすれば、条件に適さないモノを偽物と思ってしまうもの
シュタルクが自身を卑下していたのも本物のマントも想いも持つ兄を知っていたからか
シュタルクに不足していた本物の愛情
ハンバーグを通してようやく伝わる不器用な師匠や兄の愛。そしてトドメはフェルンの愛情かな
逃げてばかりと自身を蔑む彼にフェルンは「逃しません」と言った。これからの未来に対する想いであり彼を本物にする約束であり。更に贈られた本物のプレゼント
物よりも言葉よりも明朗なフェルンの想いに心温まるEPでしたよ
秘されていた諸々が明るみに出る回
フィロメラが憶えていないと言った両親を記録していたアルキュオネ。彼女の回想はフィロメラが確かに愛されて生まれ育てられた存在と教えてくれる。決して順風満帆とは言えない育児風景も、それだけ彼女への愛の深さを証明している
手探りで家族となっていった彼女らの光景はとても尊いもの
印象的だったのはアダムとイリスが追っ手から逃れる為に死を覚悟した迎撃を行った点かな
愛するフィロメラを生き延びさせる為に自らの命を盾にした。勿論、死にたかったわけでは無いのだろうけど
顧みると、親代わりを勧められたアルキュオネがそれを受け入れられなかったのはその辺りに原因がありそう。本物の両親はフィロメラの為に死んだ。なのに自分はまだ生き永らえている
チセが遭遇してしまったとんでもない神様。彼女が正体を現した際には鳥肌が立ってしまったよ
秘された名前を明らかにし用いる事ができる神の暴虐。チセ自身は手を汚していないけど、ああなると判っていたならそれは共犯のようなもの
ドラゴンの呪いにより人間らしさが濁りつつ有るチセにとって人間とは異なるモリガンの暴虐はどのように映ったのだろうか…
僅差でダイヤに敗れたキタサンはそれを完敗だと言う。実際の距離より大きな心理的な負け。それが彼女にとっての完敗
また、加えて今回においてもダイヤに完敗を喫しているね。目標の面でダイヤは世界を見ている。でもキタサンは意識していなかった
それは心理的に大き過ぎる敗北
ここでキツいのはダイヤがそれを理解せずキタサンと並んで世界へ行けると信じている点
ダイヤを頼れなくなったキタサンが頼るは以前完敗したデュラメンテか
ドゥラメンテはキタサンに完勝しながら同種の敗北に拠って勝ち負けの先にある友情を掴んだ。ダイヤと似た志しを持つ彼女であってもキタサンと向き合える
けど結局は彼女らと類似性を持たないキタサンにとって彼女は導きとならない
そこでキタサン憧れの存在であるテイオーが導き手となる展開は良いね
テイオーこそ勝ちも負けも喪失も栄光も何もかも味わったウマ娘、勝利の先も敗北の先も知っている
それでも以前と同じように夢を懐き走り続けている。紆余曲折があった彼女が今になって掲げているのは初期衝動であるシンボリルドルフのようなウマ娘になること
ならキタサンにとっての初期衝動とは、原風景とは何なのか?それは父のステージであり、テイオーへの憧れであり
もっと言ってしまえばキタサンにとっての原点とは笑顔が集まる場所、それが商店街になるのだろうね。勝っても負けても、明るく自分を支えてくれる商店街。それこそがキタサンにとっての原点、原動力
泥臭さや負けや悔しさ、様々を噛み締めたキタサンが遂に掴み取った目標への衝動。ギラギラしたものではなく、キラキラを目指す彼女の在り方
勝利欲を懐くダイヤに完敗した上で、皆を笑顔にするお祭り娘としてのアイデンティティの獲得
それを伴ってキタサンはどのようにキラキラした光景を描いていくのだろうね
前回にて成り代わりの恐ろしさを描いたと思ったら早速成り代わり霊を登場させたね
親しい間柄でも気付けず凄腕霊能力者の全てを我が物とするその所業
成り代わり霊の恐ろしさを伝えるには充分過ぎる遣り取り
だからこそ闍彌に何もさせず倒した水門霊の恐ろしさが強調される
ただ、少年とて被害者。彼を追い込んだのは肉団子を作った母親
なら、悪霊より人間が恐ろしいのかと言えば疑問符が残るわけで
本当に恐ろしいのは誰かを示すのが次回のEPとなりそうだ
今回の企画、考えた人も実行した人もヤバすぎでしょ……
まあ、そういった手加減無用さが有るから最終的に力を合わせてゴールできた光景が美しいものと感じられるのだろうけども
指紋まで発見出来るなんて猫猫は優秀だね
猫猫が使うは身近な物を利用したり自らの体験を活かす事で手に入る知恵
彼女は薬師として命を大切にした、己の感覚をしかと持ち合わせた強い女性と感じられる
だから後宮の女性を相手取る壬氏とズレてしまうのだろうけど(笑)
里樹妃の毒見役を脅しつける事はしても罪人として告発しなかった猫猫
そこにあるのは身分卑しい者への同情か。嫌がらせ行為は嫌悪しても、それをする者達に多少の理解はする
それは壬氏や高順、玉葉妃など身分高い者達に囲まれても変わらない猫猫の本質か
それが故に猫猫が後宮の習わしを理解してないのは果たしてどうなのか(笑)
義理の簪で相手にも義理を立てる。猫猫と李白には何も問題ない取引でも、他に簪を贈った者はどう思うか?
猫猫が他の男と簪を通して外出したと知った時の壬氏が余りにも哀れ(笑)
十ヶ月振りの帰郷先は猫猫を変わらない態度で迎えてくれるね
やり手婆も父も猫猫が後宮で妃や皇帝と関わりある人間と扱わない。普通の猫猫として接してくれる
これらの様子は花街と後宮は全く関わりない、猫猫に安らぎを与えてくれる土地と判る。それだけに父が口にした「因果」の意味が気になるが…
アウラの死後に残る大量の鎧。それは顔が無い故に誰かなんて本来は判らない。けど、首に掛けた紋章がその意味を知る者に正体を教えてくれる
人が死んでも、その人を覚えている人が現世に残らせてくれる
その意味では覚えてくれる人すら死に絶えてしまった者はどのように世に留まり続けるのだろうと考えてしまう回だったな
グラナト伯爵は紋章によって息子を判別できた。人が死んでも物は残るから出来る芸当
でもフリーレンにすれば物すらもあやふや。魔法使いを管理する団体は度々入れ替わり、フリーレンの実力を保証する証も骨董品扱い
人間にとっては物が人の生を伝える依代となってくれても人間より遥か永くを生きるフリーレンにとっては物すら役者が不足
これまではフリーレンが最も永く生きる者として一日の長があった。それだけに彼女より長命そうなクラフトは意外な存在。フリーレンの知らぬ概念を教えてくれる
シュタルクが感銘を受ける程の強さを持ち合わせても名が残らない程を生きるクラフトは見えないモノを信仰している。フリーレンに未だ無いそれは長命を生きる上でのよすがなのかもしれない
でもそれは短い生の人間だって持つもの
ハイターとて、孤児院を復興し魔法使いの子を残そうとした。死後への信仰が有るからせざるを得ない行為
女神を信仰しなくともフリーレンはハイターが報われ天国で再会出来ると信じている。そのような考えになるのは結局のところ、彼女は生きている人々の中で生きれている証左と言えるのかもしれないね
異形の姿となり人から外れてしまったフィロメラの望みは人間的ではない。襲撃者となってしまった彼女が行ったのは魔力の簒奪
それはカレッジと真っ向から対立するものだから学院長が救うべき生徒の枠からも外れる
本来ならチセにもどうにも出来ない事態。でもチセも生徒の理から外れる事でフィロメラを助ける道へと繋げられたようで
カレッジにおいて魔術師であれば学院長に逆らってフィロメラを助けるなど出来ない
でも魔法使いなら、彼女にポプリを作ると約束したチセなら、学院長に従う道理は無い。それは屁理屈めいたものだけど今チセがフィロメラを助ける理由としては充分
また、ルーシー達がフィロメラを追う理由になるのは教師への反抗というこれまた生徒の規範から外れるもの
と、ここまでは詭弁めいたものだっただけにチセが見せた本物の理から外れる変貌には驚かされる。人の身でありながら地脈に潜るなんて普通じゃない
更にチセの前に現れた存在も理から外れているとビシビシ伝わってくるね。終盤に近づいた物語は一気にたがを外し始めたのかもしれない
なら、その果てでチセはフィロメラをどのような理に戻すのだろう?
襲撃者であるフィロメラが求めたのは両親。けれども覚えていない以上、それがどこまで彼女の意志なのやら
察せられるのは彼女とてズラされた人間であり、祖母の操り人形という点
だからこそフィロメラを第一に想う筈のアルキュオネが何をするかが焦点になってくる。紡がれる回想は彼女に定められた理をどのようなものとして教えてくれるのかな?
強者として注目されるようになったキタサンとダイヤ。なら必然的に持っているのは二人の激突
結果はあのような有り様となったわけだけど、これまで多くを同じに過ごしてきた2人の勝敗を分けたのは勝負と勝利というとても些細な差による違いだったような
キタサンはいつもの如く商店街で人気。その際に彼女が返すのは勝っても負けても最高のレースにするとの事。お祭り娘の彼女が志すのは楽しい勝負。欲が無いわけじゃないが一番ではない
対してダイヤが今でも意識しているのはジンクス破り。友人の勝利にさえ冗談でもジンクス破りを口にする程
その意味でダイヤはショーとしての要素より勝利を見ている
2人に意識の違いが存在する為か、勝負前の会話もどこか異なる色に
キタサンは有馬の前夜を遠足前日と例える。でもダイヤはそれよりも意識しているものがある。静かにアイマスクを下ろした姿からは彼女が既にレースに集中し始めていたと判る
だからレース直前の会話でも彼女は親友との馴れ合いを拒み、ライバルとの会話を望んだ
結果は勝利を欲したダイヤへと
キタサンは彼女より先に才能を花開き勝負への情熱に燃えていた。でもレースである以上、誰の背も見ない光景をいつまでも独占できるわけじゃない
ちょっとの差によりダイヤの背を見詰める事になったキタサン、勝利を手中に収められるお祭り娘になる為には彼女は親友とどう向き合っていくべきなんだろうね?
廃墟は廃墟でもラブホテルという内側で行われる行為の意味を意識せず居られない場所を前に詠子が螢多朗に静かな要求をするのも当然というもの
でも意識していたからこそ、螢多朗は花魁の誘惑を跳ね除けられたと考えるとあの遣り取りは二人にとって大事な意味を持っていたのかも
花魁は螢多朗が大切にする人の姿に変わり誘惑してきた
螢多朗は詠子の事を何も意識してないわけではないから、一瞬はそれに呑まれかける
けど直前にそうした行為を意識していたからこそ詠子がそんな振る舞いをしないと理解できる。詠子は螢多朗を沼に引きずり込む存在ではなく引き上げてくれる存在
花魁が螢多朗にした事を考えれば、詠子に成り代わろうとしたとも言える
けれど、二人が交わした約束がそれを阻止した。ラブホテルという愛欲を試す場所で螢多朗は詠子への愛を証明したとも表現できるのかな
まあ、今回のって、その詠子が実は重度のストーカーという事実を螢多朗が知らないから出来た側面もあるような気がしてしまうけど(笑)
手作りステージでプレスタートとなったミリオン、次に描くのは所属アイドルの深掘りと横の連携といった感じかな
アイドルに憧れているのは皆同じでも、それぞれの事情は十人十色。父の反対、ポンコツ、成人済み。違う色を持っているからこそ彼女達はより輝くのかな
新加入の紬のポンコツっぷりは凄まじいもの。未来の助けがなければどうなっていた事やら…
その意味で彼女は早速仲間の尊さを理解するイベントに出会えたね
一人ならどうしようもなくても、仲間が居れば助け合える。励まし合える
父の威圧に怯える静香、一人のまま踊り続けていれば不調の闇に落ちても可怪しくなかった
志保は不器用ながら静香に良い助言と挑発をしたね。こちらも仲間という関係性の良さを感じられる描写
だとしたら、志保が抱えている悩みについても分かち合える者が現れば良いのだけど…
一足先にデビューとなったTeam1st。未来達が歌った手作りステージの勢いを受け広げていこうという意気込みで居るのは好印象。ライブもとても良いものだったし
シアターを我が家とするミリオン勢がこれからどのようなステージを作り上げていくのか楽しみに感じれるEPだったよ
園遊会は権力者が権威を示しながら楽しむ場。けれど猫猫は表に立たないから裏側描写がメインとなる
すると目立つのは女同士の諍い。桜花等は表情を険しくしていたが、前回にて女を控えていたと知れた猫猫にはどこ吹く風
彼女の舞台は他にあり、その時こそ最も猫猫が輝いた瞬間となったね
今回は妃たちが集うという事で玉葉妃や梨花妃以外の妃に関する情報も出てきたね
幼すぎる姑というのは思わず絶句する話だが、それが生じ得るのが宮廷という魔窟
その魔窟は他にも魔が住まう訳で。簪を巡る遣り取りなどまだ可愛い方。毒見役の猫猫が向かうべき魔は他にある
妃の前に食す事で器に隠された魔を探る毒見役
その役が毒を見過ごしてしまえば妃に渡る。だからこそ身を以て毒という魔を受け止める必要がある
けど、毒を好む猫猫にとって真の魔は悪意。誰かの命を害そうとする悪意こそ魔
その意味では里樹妃の毒見役が主への魔を通したのは許しがたい振る舞いだったのだろうね
猫猫は自分が毒で痺れを楽しむのは許しても、他が毒で命を楽しむのは許さない。そんな彼女の正義感が良く現れていたよ
けれど、猫猫の推理でも毒を盛った真の魔は見つけられず。未だ姿が見えない悪魔は一体何者なのだろうね?
魔族と人間の性質を描いてきて、最後は魔法使いの性質か
魔族や魔法使いは生涯を懸けて魔法を極める程に誇りを持っているからこそ、魔法を貶せばそこに隙が生まれる
結局は狩るか狩られるか。魔族の言葉が先天的なものでしか無いなら、生涯を懸けたフリーレンの罠がアウラを喰らう様は納得できるものであり、彼女の強者感を突きつけてくるものだったよ
フランメが解説する魔族の性質。以前に行われたフリーレンの解説が魔族に狩られない方法なら、今回は魔族を狩る方法
魔族が情を利用したように、フランメとフリーレンは魔力を利用する。喰らわれる側からしたら卑怯な手法だとしてもそれで憎き相手を狩れるならその手段を採る
魔族が人間を騙すのは食欲等が絡んでいるのだろうが、フリーレンの原点にあるのは憎しみか
それはフリーレンの感情を永い鍛錬を通し曖昧に変えてしまうもの。そうすれば魔王を倒す意志さえ薄れる
精錬されても使い道を無くしていたフリーレンという罠を拾い上げたのがヒンメルなわけか
そこでフリーレンの旅が復讐の旅にならず、面白くて下らない魔王討伐の旅になったのはヒンメル達のお陰。それが今のフリーレンに新たな感情を齎していると思うと感慨深い
見える魔力に絶対的な信頼を置いていたアウラを騙すフランメとフリーレンの罠
人間が積み重ねにより魔族を超えるなら、フリーレンは魔法を貶す生き方により魔族を喰らう
絶対的強者の貫禄が感じられると共に彼女がどのようにして魔王を喰らったのか、その片鱗が見えるかのようなエピソードだったよ