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良い

球場とは多様な人間が集う場所である為か、時には嫌な相手に出会う事も有るのかな?仕事から逃れたのに後輩に出逢ってしまう村田、他選手の応援ライバルに出逢ってしまったユキとキサ
でも、多様な面を持つ人間だからこそ、第一印象は嫌な感じがしても別の面を知れば好印象に落ち着いたりする。野球に詳しい清水と親しくなれそうな村田とか、同じ穴の狢に陥るユキとキサとか
他方で別の面を知る過程がすんなりとは行かなかったのがルリコや恵となるのかな?

村田は清水の野球好きを知って好印象を抱くけど、デレデレしたとも受け止められる村田の面を知って不快感を催すのがルリコか
清水に勝てないと見るや村田に小さな嫌がらせをするのは彼女らしいし、そこにどんな感情が潜んでいるか気になってしまうね
けど、別の面だからこそ嫌悪感を抱いてしまったのが恵か。確かに雨の日の球場はキツそうだ
でも、彼女の父はそんな別の顔を持つ雨の球場にこそ良い面を見ているというのは面白いし、その流れで恵も雨の日ならではの面を見出す流れは良かったな
他者や場所に普段と異なる面を見る事で好印象を持つ事も嫌悪感を持つ事も有る。けれど、そうした多様な感情を齎してくれる球場こそ多様な人々が集いたくなる場所なのかもしれないね



良い

他の誰も存在を覚えていないか知らない兄を探しているなんて直次の悩みは捉え所が無いね
普通の失踪であれば人相書を配れば良い、誘拐なら犯人の痕跡を追えば良い。けれど、正体の見えない探し物は探し方も判らない。これに鬼退治が本領の甚夜が関わるが良いかも判らない
他方で他者も直次のようにはっきりしない悩みを抱えているのかもと見えてくる内容でしたよ

奈津との会話は思わず邪推したくなるはっきりしない何かが有ったような
甚夜は彼女の婚姻が近いのでは?と気にするが、奈津は近しい善二との祝言は否定するし自由な嫁入りが保障されている割に誰と目する相手も今は居ない模様
代わりに甚夜の所帯事情を気にしたり、年齢に驚いたりするのは…
ただ、確かなのは流浪の民として生きる甚夜を気にかけてくれる奈津はとても良いお嬢さんであると言えるのだろうね

奈津から生き方を気にされる甚夜は己で選んだ道ながら、はっきりした確信は持てず悩みながら生きている
そんな甚夜以上に悩みの中を生きる直次、自分すら信じられない彼だから助けとなってくれる甚夜の対応に過剰なまでに喜ぶし、彼の刀に過剰な興味を示してしまう
はっきりしない闇を藻掻く彼は、はっきりした助けが二つと無い喜びに思えるのだろうな…
今は真相の見えない事件。ここに水仙がどう関わってくるのかな……



とても良い

ベルノのデビューは悔しい結果に。けれど、彼女の貢献がオグリを支える構図は変わらないね。むしろこちら方面で彼女の才覚は明白になりつつ有る
オグリは様々な者と二人三脚を組んでレースに関する諸々を上達させているね。ベルノ然り、北原然り、ノルン然り…
そして、誰かの助けを借りて強くなるオグリという図が描かれただけに孤独の頂点へ至ろうとしていたマーチが知らず抱えていた寂しさも強調されたように思えましたよ

オグリが北原の教えを我が身とするのと対称的にマーチはトレーナーの教えに耳も貸さず。イメージの中では勝てると豪語する彼女だけど、端から見れば独りで瞑想しているようにしか見えない
そもそも彼女は回想で示されたように共に走る友さえ居なかった。助けが必要で無かったとも言えるし、助けを求められなかったとも言える
どちらにせよ、彼女にとって頂点とは独りで辿り着くものであり、誰かと競うものでは無くなってしまっていた

対してオグリにとって頂点とは誰かと辿り着くものか
北原が東海ダービーを目指しているといえば、自分もそこを目指すと明言。マーチが前回にて自分に負けないと言ったなら、自分も負けないと宣告
その傾向が最も出たのが2度目のスパートか。オグリも北原も知らない新たな力、それはマーチという友が居たから出せた力
今回の負けはマーチにとって嬉しくない筈。けれど共に東海ダービーを目指そうと差し伸べたオグリの手を取り「次は負けん」と告げる彼女は間違いなくもう独りでは無いのだと思えたよ



良い

遊ぶ為のお金を別置きするのは見上げた行動の筈なのに、それを暗号形式にした上で隠し場所を忘れ、果ては隠してすら居なかったってぶっ飛んだ精神しているなぁ、しのんは(笑)
少し前までまこに一緒に遊ぶ友達なんて居なかったから彼女の面白い素質も出てこなかった。一緒にお出掛けし、好きなものや美味しい食べ物を打ち明け合えるつつじ達と出会えた事で彼女も賑やかな存在に成っていく様子は微笑ましいね
そして、予想された結果へ当然の如く至るしのんは最早安定のオチ要因になりつつ有る気がするよ?



良い

洞察力に優れた猫猫は相手の腹の中を読み取る力に優れていると言える。だから羅門が手習い所を通して広めたい知識に気が付くし、その過程でヤブ医者や手習い所を自然に利用する羅門の才覚にも舌を巻く
ただ、これって猫猫ばりに知恵が回る人間とこれまで敵対する事が少なかったから猫猫の読みだけが光る状況が成立していたとも言えて
いわば猫猫の独擅場。それを崩す強敵の再出現にこれからの展開へのワクワクが増してきましたよ

張り紙の違和感という小さな手掛かりから診療所、特に深緑の悪意へと洞察を広げる猫猫は流石だね。その上で深緑には自分が気取った事を気取らせない
それは一方的な腹の読み合いであり、猫猫に選択肢がある状況である為にここは追求せず診療所をそのまま出る選択肢が取れる
それを崩し猫猫に逃げられない状況を一瞬にして構築した翠苓は恐ろしいね。あのタイミングで現れ、猫猫の抵抗を無力化させた彼女は猫猫と並び立つ洞察力の持ち主であると判る

他方で胃が痛くなるような腹の読み合いをしていたのが羅漢と子昌ですか
感情が幾つも飛び出して見える羅漢と感情が全く見えてこない子昌。対称的な二人はけれど腹の中に飼う思惑も対称的なようで
漫画版を読んだ時は「赤」の意味がよく飲み込めていなかったのだけど、アニメではっきりと色を見れた事で羅漢側の思惑、それによって推察できる子昌の思惑がはっきりしてくるね……
食えない羅漢が詳らかにした子昌の帝位を食いかねない陰謀。ここに猫猫の危機がどう関わってくるのかな?



良い

ご意見箱に投じられた感謝が今回の話の主体となったけど前半のなぎさの話も感謝する心がちらちら見えたような
イジりは対象への愛がなければ他者から楽しまれる事はない。その意味ではなぎさが鋸山をイジり続けられるのは彼の活躍を応援したい気持ちが有るからかもしれない。だからか、何も用意せず頭を空っぽにして放った言葉はむしろ彼の愛らしさを褒める言葉となるし、なぎさの心を受け取った鋸山とて明日も宜しくと、彼女に感謝しつつも彼女の感謝に応えようという返しをしたのかもしれないね

場所によっては取り敢えず置いているだけで存在すら認知されてない事もあるご意見箱。そこへルリコへの感謝が綴られていれば誰からの言葉か探りたくなるというもの
オチとしてはルリコが怪しんだ者全員が感謝の言葉を送っていたというものだったけど、それって裏を返せばルリコと関わった者は彼女に感謝したくなるくらい彼女の頑張りによって球場を楽しんでいたと言える訳で
ルリコは感謝を貰えた事で村田に感謝を返すけれど、それでは済まないくらい村田だってルリコに感謝している。また、選手達も応援してくれるファンや家族に感謝している
数多の心が交わされるとても気持ちの良い球場。だからこそ、村田が言及するように今年こそ優勝して欲しいという皆の想いも高まるのだろうね



普通


とても良い

己が何者かと定義する事で行動目的や行動様式に影響するわけだけれど、それで己という本質まで変わってしまう訳ではないという話だったのかな
奈津は親孝行を決めてから行動が変わり表情も変わった。そこには己の定義が関わっているね
同様に甚夜も己が鬼になったとの認識から生きる目的を狭めていたけど、おふうは異なる捉え方をしてくれたね。甚夜がどう変わろうと思い出はそこかしこに咲いている。甚夜の中に留まっている。鬼になったとて甚夜という人間性は変わらない

ならば復讐にひた走った茂助も同じだったのかな
辻斬り鬼を見掛け、彼はいつにない表情で斬り掛かった。けれど彼の本質は変わらない、力ある鬼には勝てやしない
でも彼の本質はもっと前に存在していたと判る回想は良かったな。戦うよりも安穏と暮らす事を選んだ彼は人助けをついやってしまう男で。はつは彼の本質を見て、茂助の正体に関係なく好きになり、二人は夫婦になったわけだ

だというのに、はつ自身があんな事になるなんてなぁ……
鬼になっても家に帰ろうとする彼女の想いは変わらない。けれど、人の悪意と暴力に晒された彼女の本質は歪められてしまった。それこそ愛する夫を感慨なく殺してしまう程に
もはや元には戻れない善き夫婦を知る者として葬りつつも、同時に餞も遺し、まるで二人が今も仲睦まじく会話しているかのように整えてくれたシーンにはほろりと来てしまったよ
また、鬼のような心を持った人間を正しく討滅した甚夜の行動には彼の変わらない本質が見えた気がしたね



とても良い

その勝負は誰と勝ち負けを競うものなのか?という点においてマーチははっきりしているね。彼女が目指すは東海ダービー、つまりはカサマツだけじゃなく東海一帯に居る者全てに勝つつもり。だからゴール直前で不調に陥ったオグリを許せなかった
対して走れる事が夢のゴール地点だったオグリにとって、レースの勝敗は副賞品のようなもの…だった筈がマーチへの惜敗によって彼女の中で新たな感情が目覚め始める様は良いね

マーチの次にオグリと勝敗を競う事になったのはノルンエース
けれど彼女は走る前から勝ちを諦めているタイプか。地元で有名だとしてもトップに立てるとは限らない、負けも有り得る。「頑張った状態での負け」に負けてしまった彼女はそもそも頑張る事を辞めてしまうと
そんな彼女がオグリの影すら踏めないのはある意味当然かも。オグリは勝ちにこだわっていなくても早い走りにこだわりはある。雑念に惑わされず一生懸命に走る彼女はそれこそノルンと次元が違う
ただ、そこでダンスの力量も別の意味で次元が違う為にノルンがオグリを助けたいとの想いを抱くようになる展開は良かったな

オグリを助けるという点ではベルノも挙げられるか
彼女とて競技者の筈だけれど、練習中の様子やオグリ程に練習に時間を費やす描写が無いように、彼女は既にレースに不向きな匂いがする
レースという勝負に出られないなら、負けしか得られないのかというとそうではなく、オグリを助ける事によって間接的に勝ちの側に回っているとの考え方は良いね
確かに今のオグリって北原の教えが有ったとしても、北原自身が完璧ではないせいで色々と足りない部分がある。そうしたオグリがレースで勝つ為に必要な要素を埋める存在としてベルノは誰よりも勝っていると言えるのかもしれない

ただし、ウマ娘である以上は観念的な意味合いでの勝ちではなく、実際のレースにおける勝ちが欲しくなるわけで
その意味では明確な目標を持ち、オグリを敵と認定するマーチとの対談はオグリにとって転機となるものだったようで
オグリはまだ明確に自分がレースで勝ちたい理由を掴めては居ない。けれど、勝ちによって得られる報酬、負けた時の悔しさは理解し始めた。それは今後を占う上で貴重な判断材料だね
また、今後という意味では最大のライバルである彼女の顔見せに思わずテンションが上がってしまいましたよ
……あと、オグリの盆踊りシーンも変な意味でテンション上がってしまったけども。あれは笑い転げてしまうって



良い


良い

一度見ただけのスイーツまで作れるなんて猫猫は本当に凄いね
本来は見様見真似や知識だけで出来る事に限りはある筈。それでも彼女がアイスを作り上げられたのは彼女の基礎能力が確立されているからか
勿論、アイスは完璧な作りに出来たわけではない。それでも間に合わせの代替品として提供するには問題ない。何よりもそれによって小蘭や子翠の笑顔を守れたのなら充分
ただし、見様見真似の代替品で間に合わなくなったのがBパートの話か

猫猫は薬屋と呼ばれ様々な難事を任される程に頼られている。でも、それは彼女が出来る範囲の対応に留めている点と後宮の医官がヤブなんて呼ばれる程に頼りないから
薬に関する知識と見様見真似しか持たない彼女では外科手術が絡む領域は如何ともし難い。そこで無理に自分を代役とせずに養父を頼る選択が出来た猫猫は己を弁えているね
ただ、玉葉妃側にすれば玉葉妃こそ替えの効かない人物。それ故に紅娘は反対したのだろうけど…
子を産む為に何をすべきか、何を信頼すべきか。それを冷静に見極めた玉葉妃は高潔な人物ですよ



良い

今回は出逢いにフォーカスした話となったような。そもそも球場が多くの人が集う場所といえるわけだし。その様はまさしく袖触れ合うも他生の縁といった処か
デニスの状況は判りやすいね。彼はメジャーへと自分を連れて行ってくれるスカウトとの出逢いを求めていた。けれど彼が出会ったのは思わず虜になる程の女神。一時的には集中不足となるけど、偶然の作用は彼に球場の大歓声との出逢いを齎す。また、その出逢いが彼にチーム愛精神とも邂逅させるものとなっていたね

サン四郎は色々な人と出逢ってくれるマスコットかな
バッティングに悩む者が居ればアドバイスし、英語を話す者が居れば英語で返し、不調を来すルリコを案ずる発言をした。球団を訪れる者達に楽しさと出逢わせる際に無くてはならない存在だと判る振る舞いばかり
でも最も多くと出逢っているのは売り子だったのかもしれない
良い客にも悪い客にも出逢いつつ、そして村田とも絡んだりしつつ売り上げたビール150杯はルリコがあの日球場で出逢った人の数を示していたと言えるのかもしれないと思えたよ



普通


良い

鬼と目される辻斬り退治を行う事になった今回。けれどその協力者こそ鬼であり、また追い詰める甚夜とて鬼である構造は少し面白いね
被害者は人間だけれど2人は人間を守る為に辻斬り退治をするわけではない。それぞれの目的・背景・歴史の為に討とうとしているから、そこでは人であるか鬼であるかは本質的な問題とならない
ただ人を害する辻斬りを許せないという想いがあるだけ

茂助という人物は面白いね
異能を持ちながら戦闘能力に秀でている訳ではないし、時の過ごし方とて平凡なもの。人と変わりなく妻を愛そうとして、何事もなく日々を生きようとしている。その生き方を鬼と呼ぶ者は誰もいないだろうね
それは彼が鬼だから人だからという括りは無く、彼の持つ歴史が茂助という存在を表している
それは甚夜にも言える話かな。妹を止める為に鬼を討つ彼は復讐者だが、妹を誅すべき悪と割り切れなず憎悪の背景を「意味もなく」と言ってしまう彼はまだ兄としての在り方を消しきれていないように思える

人か鬼か、兄か復讐者かの境界が曖昧になる状況は他のものも曖昧とさせたような
特に前回の描写から察せられる事では有ったけど、改めて甚夜の口から実父に対する印象が明かされたのは印象的。父を許せず家を飛び出た甚夜、今では父の気持ちを判りつつ完全に許せたとは言い難いようで
明確な区分が難しくどっちつかずな在り方。それだけにユキヤナギという曖昧な在り方でありながら、おふうに言わせれば「自分を嫌いではない」、つまりは曖昧な己を肯定している花はこのEPを象徴するものであり、どちらかに決められない者達を癒やす存在と思えたよ



良くない


良い

スターを育てたい北原はオグリを掴みたい。レースを走りたいオグリは出場権を掴みたい。いわば両者の利害が一致した事によるチーム結成
ここにベルノも混ざるわけだけど、オグリに走る理由を聞いた彼女とて明確に走る理由を持つわけではない。その意味では彼女は何かを掴めたわけではない
そのようなベルノがオグリとは何者かを見詰める事でオグリがこのエピソードで他に何を掴んでいるかが明白に成っているように思えたよ

北原は他トレーナーが狙っていたマーチではなくオグリの手を取った。彼は勝てれば良いという基準ではなく、カサマツのスターとなるウマ娘を育てたい目標が有る。彼の夢はオグリが東海ダービーを征した時に本当の意味で掴めるわけだ
一方で現状のオグリの夢は既に叶っているようなもの。走るだけで奇跡のような境遇だった彼女にとって、夢を今も掴み続けているに等しい
だからか、自分をそこまで育ててくれた母を大事に思っているのだろうね。いつになく可愛らしい表情にこちらまでニコニコしてしまいましたよ

対してマーチの夢はまだまだ先、何もその手に掴めては居ない。それだけに自分を他所に東海ダービーがどうのと言われていたオグリを警戒するし、彼女に必要以上の敵愾心を抱く
その構図はライバル誕生を思わせるけど、肝心のオグリが東海ダービーを理解していないのは肩透かし感が凄い……!
オグリは何かのレースが夢なのではなく、走る事こそが本懐。地面を強く掴み蹴り出す一歩一歩が夢そのもの
夢へとひた走ろうとするマーチに無垢なる走りで追い縋るオグリ。果たしてこの先のレース結果はどのような感情を両者に掴ませるものとなるのだろうね?



良い

幽霊を目撃した里樹妃の恐怖を解決する為に奔走する事になった今回の事件。一方で彼女を悩ませるのはそれだけではないね
己を尊重しない侍女達とて里樹妃を悩ませているだろうけど、彼女はそれを解決すべき問題として挙げない。それをプライドと単純に受け取る事は出来ず、むしろ助けを求められない孤独を抱えていると捉えるべきなのだろうな…
そう考えると、幽霊騒動を通して、それらを改善する道筋が付けられたなら良かったと言えるのかもね

事件を解決する猫猫も助けを求められない問題を抱えているが、彼女の場合は真摯に真実を明かそうとした壬氏を無茶な程に拒否った結果なので同情の余地は薄い
けれど、味方が少なく精神的にも未成熟な里樹妃は別。上級妃という立場を抜きにしても彼女は助けたくなる。反面、上級妃という立場が彼女に助けを求める声を上げさせ難くしているね
幽霊については助けてと言える。けど、意地悪な侍女に関しては言えない。壬氏が当初は踏み込めなかったように本来は里樹妃が解決すべき問題だから

でも、姿が明るみに出ればそれらは他者でも問題として提起できる。猫猫が幽霊解明の中で屋敷の腐敗を見つけたように、壬氏が簪から侍女の分不相応を責め立てたように
他にも過程で浮き出たのは里樹妃が抱える本当の孤独。幼くして家や母から引き離された彼女は形見の銅鏡を抱え込む程の寂しさを抱えている。でも、それについて誰にも助けを求められなかったし、さすがの猫猫もこの問題は解消できない。
けれど、泣き沈む彼女に寄り添う河南の献身からいずれこの問題は解決できるのではないかと思えたね
そして新たに始まる助けを求められない者に起きた問題。親友の難事を猫猫はどう関わってやれるのかな?



良い

今回は野球観戦以外の目的で球場に集まる人達の姿が描かれていたような
それは試合をしている選手達に対して不真面目な姿勢と言えてしまうかもしれないが、裏を返せば球場はそういった人々をも内包する心の広い空間であるとも表現できるかもしれなくて
だからこそ、野球観戦を純粋な目的としない者達にもそれぞれの楽しさを提供してくれるのかもしれないね

コジロー目的では有るけれど純粋に野球を見に来た訳では無いユキも、野球を見るよりナンパが目的のおじさん連中も本来は球場に来るべき人物ではない
けれど、それぞれの目的が他の観客や売り子等と交わると途端に球場の空気に染まってしまう。ユキは嫌っていた筈の野球観戦者や球場の雰囲気を良いものと捉えられるようになるし、ルリコをナンパしたおじさん達もルリコがバズるのに貢献してくれた
結果的にそれぞれが楽しめる空間に成っている

前回の滝本が一応は野球選手のサイン目的が有ったのに対して、弁当屋の山田は選手目当てですら無いね
売り子に憧れたのに理想とは異なる働き方。なら、彼女は球場を楽しめていないのかと言うと、そのような尺度では計れずむしろ球場に来る人に笑顔を齎す側となっているね。そして、自分が振る舞った弁当で球場に来た思い出を良いものと出来たお客の顔を見て彼女自身が充実感という球場の楽しみを抱いているのだとも判るよ
……ただ、幾ら血迷っていたからって村田にときめいてしまうのはどうかと思いますよ?



良い

先行上映鑑賞済み
鑑賞当時は『Beginning』を経た上でジオンが勝利した世界での物語を観ていた為に多少の納得感を得られたのだけど、アマテ達の物語からスタートした事で「赤いガンダム」に対する異物感を強く感じられるように成っていたような気がするよ
また、本来のガンダムとは異なるカラーリングのガンダムが登場し、それに主人公が搭乗するわけではない事から、余計に”本物”や”偽物”の定義について考えさせられる構図に成っていたよな

そもそも冒頭からシャリア・ブル達は本物や偽物に翻弄されている
追っている赤いガンダムが求める本物かは判っていないし、それを追うエグザベはコアックスに相応しい本物のニュータイプか判らない
そのような状態のまま出撃するから、赤いガンダムと対峙して相手を本物と認識したが為に、エグザベは同等の力を出せない己を余計に偽物のように扱う羽目になる
その意味では赤いガンダムに対して、エグザベもコアックスも偽物という話になる

アマテは己を取り巻く偽物の重力に鬱憤を溜めている。偽物の空に反逆する為に逆立ちするなんてかなりイカれてる
だからか彼女は偽物の世界を壊してくれるかもしれない非合法品やクランバトルに興味を持つ。でも、彼女が望むのは本物の自由、自分を拘束する偽物の破壊
だからってコアックスに飛び乗って勝手に動かして己の意志で戦いを選ぶなんて相当ぶっ飛んでいるけどね。けれど、それによって彼女は本物のガンダムパイロットになった訳だ
連邦とジオンに拠る戦争は終わったのに自由を勝ち取れなかった本物とは異なる歴史を歩んだ世界でガンダムに乗る事を選んだ少女は何を掴み取るのか興味深く見守りたくなる初回でしたよ



良い

第一話が人や鬼の浅ましさによって取り返しようのない後悔を抱く話だったなら、続く第二話は後悔を抱かぬようにと己に出来る事柄に懸命になろうとする話だったのかな…
第一話はあまりに展開が悲惨すぎて苦手意識を抱いたのだけど、このような話は好みかも
甚夜は再び鬼と出会う時の為に憎しみをその身に抱き続けるしかないと思いきや、彼が鬼を追う中で過ごす時が鬼や人との向き合い方に苦しむ者達の救いになっていくのではないかと思えたよ

奈津は恵まれた立場に居るとのだけど、それだけにやっかみも陰口も向けられる。より強固な保護を求める彼女の心が鬼を生み出したわけだ
奈津の悩みは家族の悩みだから、傍に侍る善二であっても立ち入れない。本来それは旅人である甚夜とて同じ筈だったのだけど…
彼が信じたのは実父・重蔵の善性。かつては妹を守る為に捨てた父だけれど、成長した今は父の事情を慮る事が出来るし、父が心から奈津を想っているのだとも信じられる
時を経た事で甚夜は人との向き合い方が変わったのだと判る

だから甚夜が奈津に投げかけるのも己や重蔵との向き合い方の変化だね。鬼を倒すのに必要だったのは刃ではなく、奈津の心だったわけだ
異変を経た奈津が積極的に重蔵を手伝おうとするのも、重蔵が口には出さなかっただけで甚夜に気付いていたというのも良かったな
すぐに人は変われないかもしれない。けれど、後悔を経験したから、または後悔してしまうかもしれないなら。そうして少しずつ時を掛けて人は変わっていくのかもしれない
そう感じられた第二話でしたよ



普通


とても良い

原作既読
これまでのアニメ・ウマ娘で描かれてきた物語が、集客力の高いレース場で頂点へと挑む強者達が描かれるレースだった事を思えば、閑散とし中央をレベルが違うと宣うカサマツは別世界感がある
いわば、それは夢を見るなぞ馬鹿げていると囁かれているかのような環境で
だからこそ皆して同質的な低飛行が暗黙のうちに望まれるからこそ、カサマツのウマ娘達から浮きまくっているオグリキャップが抜け出てくる構図と言えるわけか

北原が望む「自分と重ね合わせられるスター」というのは厄介な基準だね
スターというのが本来は他よりも抜け出た存在の筈なのに、抜け出せない自分と重ね合わせたいと思っている。だからか北原は中央のレースを観て興奮しても、彼女らを中央だけでなくカサマツを含めたスターとは思えない
北原が欲するのは自分と同じようにカサマツで燻る逸材。そう思えばこそ、オグリキャップという存在に彼が応援したくなるスター性を見出してしまうのは必然だったのかもしれない

北原はオグリをそのように見るけれど、カサマツのウマ娘達から見ればオグリは浮き過ぎているね
皆が制服の中で一人だけジャージ、食べ放題だからと食堂を潰し、物置に追い遣られても気にしない。それは暗黙的に明示的にも同質化を全く受け入れていない姿勢
これだけであれば、オグリを「空気の読めない変わり者」と受け取るしかないけれど、彼女の原点にこそむしろ同質化出来なかった事情が見える構成は良いね

回想やEDで示されるように幼い頃のオグリは満足に立って歩く行為すら難しかった。走る事を宿命とするウマ娘においてそれは異質な原点
そんな彼女を育てた母の教えは「沢山食べる事は悪い事じゃない」、つまりは皆に合わせて我慢しなくても良いとの教え。また目一杯走れとも促してくれている
だからオグリはトレセンやレースの常識を知らないままに走る本能だけを研ぎ澄ませてられたのだろうね。出遅れた筈なのにぶっちぎるレース模様は圧巻
カサマツという地方ですら誰も名前を知らなかったオグリキャップがどうやって天下を勝ち取るのか、その伝説を見守りたいものですよ



普通


良くない


良い

後宮や妓楼が舞台となりつつもお色気的表現については控えめにしてきた本作、まさかのお風呂回が来るとは
しかも推理要素はほぼ無いままに、ひたすら下女3人や赤羽の和気藹々をメインに据えるなんて贅沢なものですよ
ただし、その内容は猫猫達が楽しむ事を目的としたものではなく、そこに集う妃達を楽しませる事を目的としている。そして他者を楽しませた先に何を求めるのかという話でも有ったのかな

本来の猫猫は翡翠宮に勤める身だから、小蘭の為とはいえ他でバイトをするなんておかしな話。でも、子翠や小蘭がツテ目的だったりするように、相手を楽しませ口を軽くする事こそ彼女らの真の目的となる。玉葉妃がそうした環境だからこそ出来る情報収集を猫猫に命じたのも似たような理由
リラックス出来る湯殿や按摩ならではの暴き立て。事件は起きて無くても、事件が起きた際に有用となる情報はこうして集められる訳だ

赤羽の参加も別の目的を持ったものか
白羽三姉妹にすれば翡翠宮にて得体の知れない猫猫は壁を感じる相手。だから親しくなるイベントが必要で、それが湯殿への同行となるのか
妃達にすれば按摩師の下女が誰かなんてあまり気にしない。赤羽は下女に紛れる事で猫猫達と分け隔てない間柄と成れたと言えるね。…まあ、それ故に視聴者はあのシーンで下女が一人減った事に気付き難いのだけど
けれど、そうしたって浮き出てしまうのが上級妃の存在で、里樹妃の語る幽霊騒動か
果たしてそれは人間が起こす陰謀かもっと別の何かか?猫猫は次から次へと事件に遭遇するようになってきたね



良い

原作既読
球場を舞台にギャルが根暗をからかう話…と見せかけて、それは呼び水要素に過ぎず、野球の楽しみ方が控えめだけど球場に通う村田とそんな彼に野球の面白さを教えつつも自分も目覚めていくルリコを導入として球場そのものの楽しみにフォーカスしていく物語
初回はそれこそ本作の売りとは何かを象徴したものと成っていたような。村田とルリコの絡みにニヤニヤしていただけに、Cパートは良いギャップを感じられたよ

村田はマニア的な野球ファンでは在るけれど、応援席ではなく自由席でスーツ姿のまま観ているように応援の為に球場に来ている訳ではないね。ストレス発散や球場弁当等を楽しむ為に来ている
でも、それでは球場の全てを楽しんでいるとは言い難い。それこそ折角頼んだビールが泡だらけになっているような…
だからビールを入れ直してくれたルリコと絡む事で村田は知らなかった球場の良さを体感していく訳だ
まあ、イチャツイてないでちゃんと試合見なさいよ…と思わなくもないけども

楽しいとは気分を高揚させる現象だけに留まらず、物事の奥深さからも感じる事が有る。それを味わったのが滝本か
彼も当初は球場の良さを知っていたわけではない。そもそも警備の仕事もサイン目的だったし
けれど、彼は昔に味わった球場の良さに再び邂逅し、今は小さな女の子に楽しい思い出を提供する立場になれていた。それは彼が球場での仕事の意義を再認識するきっかけとなっただろう出来事
ルリコはこの事態を部外者として少し味わっただけ。それでも涙を流さずにいられない球場に集う人々の交錯。それを丁度よい味わいで調理していると判る初回でしたよ



とても良い

物語が始まる前のいのりの姿から始まった時はドキッとさせられたけど、つまりは自分を嫌っていた頃と自分を好きに成れた今のいのりを並び描いたわけか
前回に語られたように、いのりは以前の自分を嫌っていたとしても不要とまでは思っていない。でも、それはいのりの中だけの感覚。他者からは今も昔も変わっていないなんて言われてしまうかもしれない
けれど、最終回らしい数多の語らいは以前と現在のいのりを意外にも繋げ語りつつも成長を見出させてくれるものとなったと思えるよ

実叶は繊細な言葉選びによって今昔のいのりを語ってくれたね。以前は頑張りの要求、現在は頑張りの分与。それはいのりが明確に変わったと云うより、いのりを見る人の目が変わった点が大きいのかもしれない。でも、そうなったのはきっといのりが何かを変えたからで
それを更に言及してくれるのがのぞみの言葉かな。いのりは母が変わってくれたから自分は変われたと云う。けれど、のぞみが言うのはいのりが気付かせてくれた、つまりはいのりが自分を変えてくれたのだという
いのりだけが変わったのではなく、いのりを中心に皆が変われたのだと見えてくる

ならば、いのりを指導する司が彼女を変えたのかというときっとそうでもなく
若年の司とて様々な者に見守られて変化・成長してきた。加護一家は言うまでもなく、いのりを否定した夜鷹すら司を導く一人と言えるかもしれない
そして重要なもう一人がいのり当人か。司はいのりが以前のように紐いじりが必要ではないかと心配になり差し出したが、彼女が返したのは結んでくれた事への感謝。そこから見えるのは司がいのりを変えたのではなく、いのりに必要な気持ちを司が結び付けた点
その意味ではいのりは真の意味では以前となんら変わっていないかもしれない。司はいつもと変わらない力強さで彼女を送り出してやれる

最終回を飾るスケーティングは美しく、自由で、壮麗で、感動を覚えるもの
その様は俯いていた頃のいのりとは全く異なる姿。けれど別人に変化したわけではなく、以前を含めた積み重ねが実って見えたという話で。だから今のいのりが放つ輝きに目が惹き付けられる
いのりは一人前のスケート選手として認められるだけの存在に成れた。けど、そのようにいのりが成長する間にライバル達も成長していて
これから始まるだろうメダルを懸けた本格的な競争をまだ見届けられると知れた事が最終回におけるもう一つの感動なのかもしれないね



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