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とても良い

コナンや金田一っぽい要素をふんだんに盛り込んでいたけど、本作はコメディなのだから何も起きないだろうと思っていたら意外や意外にちゃんと裏じゃ事件らしい謀り事が起こっていたようで
それでも全体的には館に閉じ込められたミステリあるあるが徹底されているものだからコメディとして楽しめるし、あるある崩し的な要素も盛り込んでいるのは良いね
特に真白が橋を自ら崩壊させてしまう様は大笑ものでしたよ
ただ、惨殺された筈の両親が実は生きていてピンピンしているってどういう状況なの…

アスナロの助手をしているマキちゃんはどうにも正体が掴み難いタイプだった。アスナロを何故マスターと呼ぶのかとか、アスナロの助手をする事になった経緯とか素性もよく判らない
いわば謎多き女性。そんな彼女がまるでイマドキの若者は~と管を巻いて酒を飲み干す姿には意外性が有ったな
その見た目から高校生組の仲間かと思いきや、名雲と同じくそれなりのご年齢な感じの人だったのかな。そのくせ、自分はそこまで年じゃないと誤魔化そうとする姿には結構キュートだったよ(笑)



良い

飲酒に関する倫理感は既にぶっ壊れてるのに伊織と千紗の血縁を気にしてあたふたする愛菜はちょっとおかしいけど笑える感じの可愛さだね
また奈々華が伊織からそういう目で見られているかもしれないと気にする姿は何とも珍しいもの。彼女って千紗が好きという一面が強調されているからか、男性をどう思っているかという点があまり見えないタイプだっただけに、伊織の態度を気にして慌てる様には可愛らしさがあったよ
そして結果的に家族のような親愛を確認し、落ち着く様には彼女の母性的な面も表れていたね



とても良い

真唯から幾度もキスされた事でれな子の恋心はかなり揺らいでいるね。彼女は真唯に友情を求めていた筈だった。けれど、何度もドキドキさせられ心乱れれば別の感情が顔を覗かせてしまうのは仕方ない話かも知れず
けれどこの状況は真唯が我慢出来ずれな子に猛アタックしている点に問題が有る。恋のキャパオーバーは心を乱すもの。そう考えれば、れな子への想いがオーバーした真唯が理性を失ったように、真唯の攻勢にオーバーしたれな子が別の感情を抱くのは当然の成り行きだったのかも知れない

厄介なのはれな子は別に真唯を嫌っている訳じゃない点
恋人を求める真唯を跳ね除けたい気持ちはあるけれど、彼女には元気で居て欲しいから悩んでいれば励まし理解を示す言葉を放つ。これに真唯は益々魅せられていくね
けど、れな子が求めているのは友情だから、真唯にしているような行為は他の子にも向けてしまう。今回、その対象は紫陽花となったね
てか、紫陽花の態度は危険過ぎるよ…。彼女は人を堕落させる天使か何か?

紫陽花と遊ぶれな子はとても楽しそう。けど、まるで誘っているかのような紫陽花の姿勢には恋の欠片を抱いてしまう
それはれな子に明確な恋を抱く真唯はもっと激しくなるもので
想いが溢れた彼女がれな子を押し倒すのは恋人間なら自然な流れ。けれど相手から向けられる感情にも流される立場にもキャパオーバーとなったれな子が真唯に同調できなくなるのも自然な流れかもしれず
かつてのれな子は自称友達が求める交友を受け容れられず独りになった。そして今、自称恋人が求める愛を受け止められなかった彼女は真唯との関係をどうしてしまうのだろうね?



良い

少し忘れていたけれど、そういえば甚夜って疾うの昔に刀を持つ理由を無くしている者と言えるのか
最初は巫女守として白夜を守る為に刀を振るっていた。けれど、彼女を喪い仇の鈴音を殺すつもりかも決められていない。そんな彼は刀を何の為に持つのか、その理由すら曖昧なままに鬼を斬り続けている
そう思うと幕末の動乱の中で己が刀を何に捧げるかを定める武士達の姿が広がりを見せれば見せるほど、甚夜の在り方は浮いてしまうものとなるね

甚夜の刀は畠山が陰謀を巡らせた上で雇おうとする程に注目を集めている
けれど彼が主眼を置くのは鬼や妖刀を滅する事のみ。その在り方は純粋なようでいて、時代の移り変わりに応じて刀や己の在り方を見定めていく者達と乖離しているね
出逢った当初はのんびりした風すら有った直次ですら公儀と己の関係に苦慮している。その姿と並べば世を論じない甚夜は時代に馴染めていない

甚夜や幕末のざわつきを見た後にあの回想を見た為か、意外な想いを感じ取ってしまったような
兼臣と夜刀は刀によって己の在り方を表すのではなく、刀を通して人と鬼が共生する世を表そうとした
だというのに、その刀で又六が妻を斬り殺してしまい、刀で己を惑わした気になっていたのは刀に籠められた想いが踏みにじられているね
己の為に刀の振るい方を定めるか、刀の為に己の在り方を定めるか。時代の移り変わりに添い遂げられない甚夜は刀に振り回される武士達を見てどう感じるのだろうね?



普通

まだ言葉は完全に通じては居ないけど、ある程度の異文化交流が出来るようになってきたリリー達。それもあってか今回は文化が異なる事による壁がコミカルに描かれるよりも、リリーという少女の面白さや魅力が存分に描かれていたように感じられるよ
寝坊しないよう寝る前にエナドリを飲んでしまったり、漢気コアラに夢中になってしまったり。また英語は当然として日本語で答える他の教科も点数が高かったのは意外な姿か
文化の壁がある程度取り払われた彼女の表情がより豊かに映るようになってきたね

他方で蓮司もゲーセンの店員という立場ではない形でリリーと交流する事で彼自身もこれまでより見えるようになったような
予想外に発生したリリー相手のデートでも彼女を楽しませようとしているし、彼女が自宅に来た際も葵衣との時間を満喫できるよう配慮している
そして時には妹に頼られるほどゲームの腕前はあるけれど、リリーを気に掛けた為に上手く発揮されない時もあるようで。ゲームが好きだろう彼がゲームよりリリーに気を取られてしまう現象からは彼の中で少しずつ彼女への印象が強まっているのだと感じられたよ



とても良い

片や追試でスポ大への出場が危ぶまれる凛太郎、片や特待生として成績1位を保つ薫子。千鳥と桔梗という枠から少しずつ脱し始めている二人だけど、学校という枠を除いたからこそ個々人がどのような姿形をしているかを意識してしまったような
でも、そこで凛太郎が自分は薫子と並び立てないと諦めるのではなく、彼女に教えを請う形で彼女に近づこうとする様は良かったな
ただ、近付いたからこそ、他の生徒達も近付いてしまったのだろうけど

男子を嫌悪する昴は桔梗のイメージに則った人物か。おまけにそこには薫子という個人に対する執着も見える
なら凛太郎を親友と思う翔平や朔がいきり立つのも当然で
生じかけた両者の対立、そこへ割って入った凛太郎、そして率先して謝った薫子は対立感情を和らげようとしたと言えるのかも
だからか、ちょっと険悪な雰囲気もあった翔平も凛太郎の影響を受けて自分の落ち度を認められる。ただ、そうした流れを受けても謝られなかった昴や朔はまだ頑なであると言えるのかな……

千鳥と桔梗の対立は簡単に崩せない。そして千鳥と桔梗の対立が凛太郎と薫子の関係にも陰を差す
そう捉えるなら、まずは凛太郎と薫子が学校など関係ない場所で仲を深める必要があるのかな?図書館での遣り取りは良かったわけだし
でも、個として向き合えば敬語だったりケーキ屋だったりといった枠や壁も見えてしまう
それだけに凛太郎が薫子に踏み込むように敬語は止めていいと言えたのは良かったな。二人はこうして一歩ずつ仲を深めていくのだろうと感じられる
また、結果的にあの電話で二人とも恥ずかしさやら何やらに悶えていたと、お揃い感が知れたシーンも良いものでしたよ!



とても良い

コスの先輩と言えるあまねが教えてくれるコス世界の諸々はまさしく知らない世界を覗き見るような心地にさせられる……。オレンジコンシーラーの用途とか女装ならではの使い道だよね
ただ、あまねを通じてコスプレや女装について教えを請う流れは必然的にあまねがどのような経緯でコスプレするように成ったのかという点をも教える流れとなるのか
彼の話はこれまで海夢や若菜が通って来なかった世界の話となったような

かつてのあまねは自分を好きでは無かったようで
それが自分だけど自分ではない姿に成るコスプレを通じて、自分を好きになるきっかけとなっていくのは印象的
それだけに彼の一部を成していたコスを否定する彼女さんの言葉は彼自身の否定に繋がってしまうわけだ。そこで彼が衣装ではなく彼女さんを捨てる道を選んだのは彼にとって大切なものは何か、誰に否定されても揺るがない大切さは何かが定まっていたからだろうね
でも、もう少し別の見方をすればあまねの話は好きを否定された者のお話とも言えて

思えば海夢は自分の好きも若菜の好きも肯定する形でコス活動を始めた人物だった
そうなれば、守れはしたけど否定されたあまねの話は彼女にとって怒り心頭な話になるわけか。あまねのような経験を海夢や若菜は通らなかったけど、それは海夢の強さがそうさせたのかもと思えたな
だとしたら、自分の話を聞いて怒り涙してくれた海夢の姿は女装をしていると話す事に少しの恐れを抱いているあまねを勇気付けるものと成ったような
別れる際の清々しい表情は彼があの道を選んで何も後悔していないと知れるものだったよ

あまねとの会話が示すように、そしてこれまでのエピソードで数多く示されたように海夢は自分の好きに正直だし好きへの努力も怠らないし好きを大事にするタイプだね。それでもあのカオスな誕生日会は本当にカオスだったと思うけども…(笑)
そうした極振りした海夢を見た事も在ってか、この作品は好きを正直に表現する人が多いような気がしたよ
海夢は言わずもがな、若菜がコスアイテムを見た際の興奮もそうだし、あまねを推せるって激震してたレイヤーもそう。そうした様々な好きや好きへの気持ちが描かれた本作は見ていて気持ちの良いものだと改めて感じられましたよ



良い

空気を読めるように成った卯月の特性。ただ、これは卯月が誰の空気を読もうとしてしまったのかという点が今回は響いた形かな
卯月は大学の空気や人間関係に溶け込む為に空気を読めるように成った。すると空気に逆らって無謀な夢へ進むスイートパレットに溶け込めなくなるのか。「武道館に行けると思う?」との質問は多数が同調する空気に寄せる発言
これまでは卯月が空気を掻き乱してきた。その彼女が空気を在り来りのものに変えようとしてしまった。その時、スイートパレットはどうするのかという点が描かれたね

空気を読めるように成り空気に呑まれてしまった卯月は己自身の力だけでは歌えない。他方で卯月の空気に呑まれていたのどか達は卯月無しでも空気を切り裂くが如く歌い上げる様は格好いいね。おまけに卯月の不在までネタにしてしまうなんて
それでも彼女らだけでは大局的な空気に抗う事は難しい。あの荒れた天候は彼女らに夢など叶わないのだと押し付ける空気が具現化したかのよう
それもあって、卯月は雨の下で目立たないよう隠れ続けていたわけだ

パレットの4人がかつての卯月をなぞるようにアカペラで歌い出すシーンは凄いんだけど、本当のセンターが居ない状況は寂しいもの
ステージへ上がる直前、卯月が呼んだ空気とは何だったのか?そして卯月が歌い出した事で変わった空気とは何だったのか?
空気は彼女らの形を押し固めるものかもしれないけれど、足掻き続ければ空気など関係なく戦う事だってきっと出来る筈で
空気を読みつつ空気など知らないと再び歌い出した卯月をパレットの4人がステージに引き上げる瞬間には感動を覚えてしったよ
そして卯月が再び空気を読まない道へと歩み出した様に拍手を送りたく成り、同時に現れたサンタの姿には困惑させられたのでした



良い

離れて暮らす兄への寂しさから付き纏う妹に見せかけて、実態は兄を家に連れ戻そうとする若干腹黒タイプな栞は伊織と全く似ていないね
そんな裏表がある栞を伊織は理解していない。けれど、栞の方こそ伊織を理解しきれていなかったと言うか、むしろ兄に対する己すら理解していなかったというのは面白い
そうして終わってみれば、栞はブラコンを演じているつもりでブラコンそのものだったというのは何とも可愛い話ですよ



良い

彼こそ最近の探偵だと言いたくなるキャラクターが登場したね
アスナロはボケた所がかなり多いけど若々しい高校生探偵。そして彼の対比として名雲の存在が有るわけだ
若さ溢れるアスナロが哀れむ程に今の名雲は落ちぶれているし歳も取っている
いわば名雲にとってアスナロは過去の姿であり、アスナロにとって名雲は未来の姿。アスナロの全てが昔の名雲に似ているわけではないけれど、名雲が言及するように彼の才能的な面は似ているし、探偵をサポートする助手が居る点も似ている

けれど似ているが故に違いも見えるね。今は二人とも助手がいるけど、昔の名雲に助手はいなかった。もしかしたらそれが落ちぶれるきっかけと推測すると若い時点で助手が居るアスナロは名雲とは別の道を歩めるのだと想像させる
他方で名雲に今更助手が付いた事は遅いのかというとそうではなく、アスナロの境遇同様に真白が助手として居る事が名雲の助けとなっているとも感じられたよ
ただ、似て非なる要素が描かれた中で最大の違いだったのは間違いなくアスナロのストーキング要素なのだろうけど。流石に付け回すのは駄目でしょうに(笑)



とても良い

今回の真唯は多くのシーンで髪を結んでいた。ならば、真唯はれな子が教えようとする友達の良さに気付いたのかと言えばそうではなさそうで…
二人の勝負って互いが信じる関係の良さを教え合うものである為に当然のように接触時間は増えてしまう。そうである為に友達の良さを教えたいれな子と、恋人の良さを刻み込みたい真唯の違いが如実に現れている印象
というか、どう見ても真唯が主導権を握っているかられな子が押しに押される状況がコミカルで楽しめね

真唯を2回に亘り家に招き入れたシーンに見える違いから、友達と恋人の違いも見えるような
1回目では普通にゲームを楽しんでいる為に二人の様子は普通の友達としか見えない
けれど2回目では「お付き合い」という言葉から始まるように、好意を抱く相手を無防備に家へと上げると何が起きるかが判りやすく描かれていた。特に真唯はれな子を手に入れる為に下準備を欠かさないタイプであると見え、それだけに真唯に友達を教えたいれな子の準備不足も見えてしまうね

だからBパートでのお出掛けもれな子の考え不足がモロに出てしまったような
突然の雨は不幸だけれど、それへの対処に出遅れたから真唯に主導権を取られてしまうし、口車に乗せられて混浴までしてしまう
その果てに明示されたのが友達と恋人の類似か。何も全てが同じというわけではないだろうけど、友達と恋人の良い点の幾つかは共通すると言われてしまった。その後のキス等含めこれは友達の良さ、恋人の良さについての考え不足が招いた事態
れな子と真唯、二人の関係は友達か恋人、どちらかに収束すると思われていた。けれど、今回の話に拠って少しだけ別で少しだけ同じな道が有り得るかもと思えたよ



良い

過ぎ去った時を紐解き直すかのようなエピソード
第一話では限られた時間に物語を押し込んだ為に甚太達が過ごす葛野での時も早く過ぎ去ってしまっていた。それだけに改めて葛野時代を描き直す事で、甚太がどのようにして白雪への想いを閉じ込め、護衛役としての人生を受け容れたのかが見えてくるようだったよ。他にも清正についての解像度はかなり上がったのも良かったな
ただ、それら全てが既に過ぎ去った時であるというのは少し悲しくあるけど…

無理に護衛役の立場についた背景や軽薄な態度により、清正にはどうも好意的な印象を抱き難いと思っていたのだけど、この話で彼の印象が変わる瞬間が確かに存在したね
家に取り残された鈴音を気にかける様子、閉じ込められた立場の白夜に本を送る行為、それらは彼が見た目以上に繊細な人間だと判る
けれど彼の想いは誰にも伝わらず。きっとこの点は第一話時点で描かれても視聴者にすら伝わりきらなかった部分だろうね
既に過ぎた時だからこそ染み入る表現となっている

過ぎたという意味では新オープニング等で描かれた諸々の要素も気になってくるところ
甚夜と関係が破綻した奈津の行く末、老いが目立つようになった定長、そして甚夜に抱き着く幼い女の子。時は流れ風景は変わっていく。その中で変わらぬ甚夜は過ぎ去り続ける時に何を思うのだろうと改めて思うエピソードだったよ



良い

ゲーセンではない場所でも異文化交流が始まったようで
その代表格がリリーが過ごす中学での異文化交流か。蛍やクラスメイトの行動に表れるように言葉が通じないリリーとどう話せば良いのかと悩めば悩むほど交流出来なくなる。それだけに蓮司を思わせるような怪しい英語力で積極的に話しかけた葵衣は正しいと言えるね
そうして始まった二人の異文化交流がリリーの恋を応援する行動へと繋がっていくと考えれば、万全の状態でなくとも行動を起こす事こそ正しいのだと感じられるね

他方で蓮司自身は交流が難しくなった形か
リリーと交流したいけれど、それを葵衣に見られたら葵衣から嫌われてしまうと恐れてしまった。結果、リリーとの異文化交流は中途半端になってしまうと
この時、リリー以外の葵衣や他のお客とは普通に交流できているだけに余計にリリーはいじけてしまうね
蓮司とリリーだけでは交流が難しいならそれを仲介してくれる人物が必要となる。リリーの母親・シェリルはその役割を上手く果たしてくれたね

彼女が促した交流は言葉を介さない、けれど想いを伝えられるもの
一生懸命作ったお菓子にはリリーの真心が籠められている。それを味わえば誤解する余地なんて無い
でも、確かな想いを伝えたいならやはり間違いの無い交流が必要で。蓮司がリリーの誤解を解く為に丁寧で間違いのない文章で伝えた行動を模すように、リリーも丁寧な手紙で伝えたシーンは良かったな
二人の異文化交流の中心に有るのは文通的な部分なのだと感じられたよ
……その割に交流の結論に擦れ違いが発生したのにはちょっと笑ってしまったけどね



とても良い

突如、実家のケーキ屋に現れ己を信じてくれた薫子は異なる校舎、壁の向こう側の少女だった
その衝撃は尚更に凛太郎に千鳥と桔梗の違いを意識させてしまったようで。おまけに凛太郎の周囲でも桔梗の生徒を毛嫌いする発言が連発されるし、校門で待つ薫子がどれだけ異常な行動をしているかも言及されてしまう
これらの状況は凛太郎に薫子と触れ合う上での壁を覚悟させるから、同時に彼女と自分の違い、立場の違いを強調させてしまうと…

凛太郎は友人達との間にも壁を作っている点がもう本当にね……
凛太郎が翔平達に胸襟を開くタイプだったらあのようにモヤモヤを抱え込んだりしない。朔が差し伸べた手を掴む事だって有り得ただろう
ここで判るのは彼と薫子の間にそびえ立つ壁は何かを押し付けてくる世間が作り出したものではなく、凛太郎自身が生み出したもの
そこを理解せずに薫子を勝手に桔梗の生徒だなんて型に嵌めてしまうから不必要に彼女を傷付けてしまうと

凛太郎自身では気付けぬ落ち度、それを最も近くに居る杏子が考え直させてくれるのは良いね
千鳥の凛太郎ではなく唯の紬凛太郎として向き合えば、薫子に何を謝るべきか何を伝えるべきかは明確に成る。そのような姿勢を改めて薫子が「優しすぎます」と言ってくれるのは良いな
千鳥とか桔梗とかではなく、凛太郎と薫子として向き合う二人の間には何も壁はなく。校舎に入って離れた場所に居るのに、開け放ったカーテンの先で笑顔の遣り取りが出来る二人の姿は本当に尊いものだと思えたよ



とても良い

自分は多数派の集団に混ざれないと捉えていた若菜にとって、多数派の中心に居るような海夢と付き合うだなんて烏滸がましく思え…
でも、誰と誰が付き合うなんて個と個の話なんだから、多数も少数もなくて。海夢が不満に思うのも当然
反面、言葉には出せない若菜の想いは行動に表れていたね。ナンパを防ぐ為にあそこまで言えるのは守ろうとする相手を特別に想っているからこそ
でも、その遣り方じゃ伝わりきらないから、二人の恋は装飾が慎ましいまま進行するわけだ

若菜が抱く海夢への想いは続くシーンでも描かれているね
彼としては勇気が居る授業中のスマホ操作、学校を相対してのお見舞い。レールから外れた彼の行動は海夢をどれだけ特別扱いしているかを示している
それはきっと隠し味のような愛情。だからか、彼が作った雑炊を海夢は体調不良の中でも美味しく食せたのだろうね
ただ、やっぱりこの関係は個と個に終止するから、海夢の家に多数派を象徴するような友人達がやって来ると若菜は隠れてしまうと
二人が付き合う為にはまず若菜が学校内での立ち位置を確保する必要がありそうだ

Bパートではこれまた多数派から外れていそうな人物が
あまねは海夢から可愛さSSRと言われる程ながら実態は男性。まあ、男性が可愛いのは可怪しいなんてのは昔の常識だけれど、彼の在り様が多数派に属していないのは事実か。だから若菜も海夢も彼の性別に驚いたわけだし
ただ、多数・少数にこだわらず、個と個の話で言えば、あまねは海夢達から見てコスプレの先輩。二人が知らない事を教えてくれる
それだけにあまねが発したサブタイトルにもなっている台詞は衝撃的過ぎた…。本作は本当に常識観を容易に壊してくれるね!



良い

大学生編の導入を行った前回は卯月の変化が突然起こってしまった印象だったけど、双葉や咲太の視点を通して大学生とはどのようなものかが描かれた事で、卯月の変化はゆっくりと、でも確実に起きていたと判るね
平均化された集団に平均化を全く理解しない異物が混ざり込んだらどうなるか?卯月に起きた変化は彼女らしさを奪うものだけれど、一方で他人の空気が読めるようになった変化そのものを卯月は否定していない点が今回の思春期症候群と向き合う上で厄介となってくるね

卯月の変化は彼女らしさを奪うものであり、まどかが心配するもの。なら現状の卯月が異常なのかというとそうではない。むしろ今の卯月は大多数と同じく普通、だから集団に溶け込める
でも、元の卯月は多くの人が見上げるアイドルだったわけで
人と混ざれる己に成るべきか、混ざらない己を優先するか。そのように捉えると、卯月の思春期症候群は何かが問題となっているわけじゃなく、卯月が自分をどうしたいかが課題となってくるのかな
それだけに、次回のライブがどのように描かれるか期待が増したかも



良い

好きな人に近づく為、探偵に依頼をしたりお化けに変装したりなんてあの少年がやる事は恐ろしく大袈裟だね。それが報われれば彼の苦労には意味があったと言えるだろうに、実際は南雲の同情を引けた程度だったという
大袈裟にやったからって良い結果が得られるとは限らない。そう示すかのように想い人である真白が本物のお化けを連れて来るのは度肝を抜くけど、間が抜けているとも思えるコメディ劇と思えましたよ

探偵が偽りの罪で逮捕されるという幾らでも面白く出来る展開を唯のそっくりさんでしたオチで終わらせる本作は凄いね
このように大袈裟にしない方が面白くなる場合もある
だからか続くCパートも爆弾解体という王道展開というかコナン映画を彷彿とさせるストーリーなのに、解体せず蹴り飛ばすオチへと至るのは何と言うか話を大袈裟にしないという意味では正しいのだけれど、展開としてはすっごい勿体無いんだけど、逆にそれが笑えるという奇妙な感覚に
また、その場に何故か根津が居た事もお笑いポイントを高めていたよ(笑)



普通

テーマを明確にして描き直すことで気付ける要素って有るんだなと思えましたよ



とても良い

コミカライズ既読
れな子っていわゆる高校デビュー組であり、真唯達に合わせる為にかなり無理をしている、いわば相手に合わせて演じていたタイプ
そんな彼女が陽キャグループの中で心安らぐ居場所を得るなんて難しい…と思われた構図が、打ち明け話を経て圧倒的陽の者である真唯とて相手が望む自分を演じているのではないかと不安を抱くタイプであると知れる
純正の真唯と急造のれな子。真逆と思われた二人に見つかる共通項。それが友人関係の構築に役立たず恋愛へと至ってしまうのは難儀な展開だ(笑)

自分を陽キャだと演じるれな子はそれ故に演技を必要としない、いわば真実を打ち明けられた真唯をこそ本当の友達として欲した
だというのに真唯は同じ理由でれな子相手に恋心を抱いてしまうなんてね
厄介な点は真唯が同性でも惚れてしまいそうなスパダリタイプである点か。彼女の威風堂々とした言動にれな子は翻弄され魅了されてしまいそうになる。いわばれな子は真唯を恋愛的な意味で好きになりそうな心を偽りつつ、真唯に友達関係を求めている
それは初めから破綻した即興劇を見ているかのよう

恋人や友達の素晴らしさを互いに教え合う日々。それは対等な勝負であるようでいて、友達と恋人の切り替えスイッチを真唯が握っている時点でれな子は圧倒的に不利なのだけど、そこに気付かない純真さをこそ真唯は好いているような
互いに求めているのは偽りが差し込まれない本物として向き合える関係。過程はほぼ同じなのに最終的な結果は相容れない。果たして二人が辿り着くのは友達か恋人か。両立しない関係を巡る二人の鍔迫り合いは一風変わった百合モノとして存分に楽しめそうですよ



良い

番組が飲酒等に関する諸注意から始まるって本当に凄いよ、この作品は……
海中に潜っている時は真っ当なダイビング作品なのに、それ以外の時が酒と裸に占められているのもヤバいし凄い
本編、伊織は栞への言い訳に苦慮していた筈なのに、それが通り過ぎればお色気写真を如何にして見るかに脳が締められてしまうなんて随分と享楽的
そんな彼が天罰を受けるように奈々華に落とされる、このようなお馬鹿ギャグには今期も愉しませて貰えそうで嬉しい限りですよ



良い

原作既読
賑やかなゲームセンターを舞台に描かれるのは異なる言語を用いる蓮司とリリーによる恋愛物語
アニメにおいて異なる世界・常識に居る2人を主軸とした物語なんて数多く存在するけれど、本作で描かれるのは言語障壁という身近な問題だからか最初の擦れ違いも意味の取り間違いという有り触れたお題
リリーは蓮司が自分にどのような感情を向けていたかについて完全に勘違いしていた。それだけに、彼女の勘違いをどう収束させるかという点に本作の良さが滲み出ていたよ

蓮司は店員だからリリーがクレーンゲームで苦戦していても過度に手伝えない。せいぜいが取り易い位置に変える程度か
だから蓮司が客と店員の障壁から抜けてリリーと接するには業務時間外である必要があって
それでも蓮司がリリーと向き合った際の言葉には擦れ違いがあった。勘違いで生まれた恋心を放置せず、丁寧に相手の言葉へと翻訳して想いを伝えた彼は相手の世界へ踏み込んで交流したと言える。だからリリーは真実を知っても彼に裏切られたと思わず、むしろ好きにさせると再チャレンジを誓えたわけだ
ゲーセンという舞台で行われる異文化交流、2人のこれからに期待が持てる初回と思えましたよ



とても良い

原作既読
これは傑作になれる作品だと思いながらアニメ化を待っていたけど、いざお出しされた作品が想定以上だったものだから嬉し泣きしそうですよ
千鳥の凛太郎と桔梗の薫子、街中では普通に会話できる二人も学校に所属する生徒としては校舎の間にそびえ立つ見えない壁によって安易に話しかけられない間柄となる
凛太郎にとって薫子は別の意味で高嶺の花。そして凛太郎は同じ校舎の友人にさえも壁を作っている。だからこそ、壁を飛び越えて信じてくれた薫子に凛太郎が魅了されるのはとても良いボーイ・ミーツ・ガールものとして成立するわけだ

桔梗の生徒と擦れ違ったシーンに表れるように、桔梗と千鳥の間には見えない壁がある。それを理不尽だと翔平達が考えないのは向こうとこちらでは住む世界が違うと理解しているから
この諦観に近い感覚を凛太郎は同じ校舎の友人にすら抱いているのは特質すべき点か
不良からも怖がられる見た目なのに、実家はケーキ屋。それも壁と感じてしまうから、ケーキ屋ではない友人達にはそれを明かせないと
そう考えると、可愛らしい女の子なのに沢山のケーキを口いっぱいに頬張る姿で登場した薫子は壁を打ち砕く存在か

薫子の特質すべき点は一度は逃げてしまったのに、再び会いに来てくれた点だね
彼女は壁を越える事を恐れていない。壁の向こうに何が有るかをしっかり見定めようとしてくれる
でも、彼女の誠実さに直面した凛太郎はすぐに薫子を受け容れるなんて出来やしない。なんてったって凛太郎って壁の中に閉じ籠もっているような状況だから

だから凛太郎が真の意味で薫子の隣へ行くには彼自身も壁を越える必要があったわけだ
か弱い薫子は不良に絡まれても凛太郎は怖い人ではないと信じる心を止めず立ち向かった。ならば凛太郎だって壁を越える為に行動する必要があって
薫子を抱きしめた瞬間、二人の間に壁はなかった。だから薫子の「有難う」が痛い程に響いてくるのだろうね
少年と少女は出会ってしまった。そして少年は少女が壁の向こう側で学んでいるのだと知ってしまった
これから二人が数多くの壁をどのように打ち砕いていくのか、そしてその最中に交わされる優しい物語がどう描かれるのか期待大ですよ!



とても良い

本作って「オタクに優しいギャル」みたいな構図の作品なのだけど、その実態はマジョリティの側にいる海夢がマイノリティな生き方をする若菜の傍に寄り添い、彼の力を借りた上でコスプレというマジョリティとは言い切れない趣味を楽しむ様子を描いた作品なのだと思っていたり
だから、屋上近くの階段踊り場にてアニメを語らう若菜と海夢の姿はまるで多数派から隠れて趣味を楽しむ少数派かのように見えてしまう
その要素は若菜の失敗やラストのカラオケシーンへと繋がっていくのがまた本作の面白さだと思えるのです

第二期初回のコステーマはバニースーツ。海夢が主張するようにバニースーツは多くの作品やファンアートで用いられてきた人気ある衣装。そして布地が多いわけでもないから難しい衣装ではないように思える
そこに若菜が嵌まった罠が有ったようで。若菜は見た儘から材質・内面を想像してしまった。でも見た後に一旦立ち止まって考えてみれば種や正しい姿は見えてくるもので
そんな間違いを驕りではなく、楽しめば良いと教えてくれた宇佐美は若菜や海夢の多様性すら認めているかのよう
…まあ、理解が有りすぎて若菜がバニー衣装を着ると勘違いしてしまうのは良いんだけど今回は流石にね(笑)

若菜や海夢が普段しているコスに比べれば断然ライトなコスで集まったハロウィン。正体を隠した集団はそこに混じった者がマジョリティかマイノリティか判らなくさせるもの
でも、見た目なんて他者が見て感じ取るもので。だから若菜は浮いた集団の中でも浮いた衣装のまま自分は混じれているかなんて気にするわけだ
それだけに男で化粧が出来るのは普通と受け容れて貰えた上で雛人形師である点も凄いと褒め称えられた事は、自分は多数派に受け容れられない人間なのだと思い詰めてきた若菜の認識に罅を入れるものとなったようで温かい気持ちになれるね
でも、若菜があの集団に受け容れられる為の本当の疑問は別にあったわけで。これに若菜と海夢はどう返すのやら



とても良い

TVシリーズやって劇場作品を3作やって再びTVシリーズに戻ってくるという風変わりな構成の本作、まさか大学生編を映像化してくれるとは思っていませんでしたよ。しかもタイトル的に大学生編のクライマックスは再び劇場で流してくれそうな予感…!
原作は完結してしまったけれど、本作にはまだまだ楽しませて貰えそうですよ
さておき、大学生に成り咲太や周辺の年齢層が上がった事で思春期から脱したと思いきや、再び巻き起こる思春期症候群、咲太は未だ思春期から脱せられていないようで

冒頭で翔子による不可思議な報告が在りつつも、現在の咲太は大学生活を満喫していると判るのは良いね
変わらずスマホは持っていないし、友達関係も限られている。けれど、麻衣との関係は維持されているし、花楓を始めとして周囲の人間もそれぞれの生活が上手く進展していると察せられる。咲太的には余計な不安を背負い込まず、彼らしく青春を押下していると察せれられる
それだけにかつて麻衣が扮していたバニーガールを想起させるサンタクロースと擦れ違った瞬間から日常がズレ始める流れは本作ならでは

前作TVシリーズでは出番が少ないながらも、アレな発言で抜群のインパクトを残した卯月は変わらず空気を読まない言動で周囲を賑やかにしているね。その点は咲太に思わせ振りな対応をする美東とは少し異なるタイプながら卯月の魅力であると判る
彼女は周囲よりも煌めいている。だから彼女が何のきっかけも見えない形で没個性的で人の気持ちに配慮するタイプへと切り替わってしまった姿は変じゃないけど凄く変。まるで日常が何かの拍子に豹変してしまったかのような…
のどかの「これでいいの?」という台詞に集約される卯月の変異の本質。高校から大学へと舞台が変わった本作にて卯月という少女から女性へと変わっていく彼女がどう描かれるのか楽しみですよ



とても良い

死体安置所で眠る猫猫の姿はまるで墓守かのよう。死に接した場所に居る彼女に近づく壬氏とて楼蘭の死だけでなく多くの死に接してきたばかり
だからか二人が話すのは喪失に係る話ばかり。互いの傷を見て残りやしないかと気にするのも喪失を増やさないためか
それだけに傷に関わりなく壬氏という人間の本質に美しさ以上の価値を見出した猫猫の発言、これは壬氏が隠してきた正体すら関わりないと言ってくれるものだから後ろめたさが有った壬氏は感激してしまったのだろうな
……だからってあの場で致そうとするのは本当に良くないと思う(笑)

Bパートは喪失を乗り越えた先の始まりが描かれたね
猫猫は後宮を去った。それは厄介事からの解放を示すけど、同時に友との別れも示していて。楼蘭との関係は「わからない」で終わってしまった彼女が小蘭の手紙で涙したのは、あれを読んだ事で改めて3人での関係が尊いものだったと気付けたからだろうね
また、子の子供達が生き返ったのも喪失の中で得られたせめてもの慰めといった印象
それだけにラストに彼女が登場した事は色々な意味で驚いてしまったけども。玉藻と名を変えた彼女も喪失を乗り越え新たな始まりへと旅立ったようで

そして良くも悪くも変わらないのが壬氏と猫猫だなぁ(笑)
猫猫が後宮から出た事で二人は上司と部下の関係ではなくなった。おまけに壬氏の正体も直接に明言した訳では無い。その意味で二人はこれまでの関係を取り消して新たな関係を始められるだろうに色気も何も無い普段通りの問答
何も変わらなすぎて呆れてしまうけれど、そこに壬氏が掛け替えのない安寧を見出し、猫猫がそれを許しているのは見て判る
変わったようで変わって無くて、失ったようで失って無くて、始まったようで続いている。そんな曖昧なラストに穏やかさを覚えつつ、それでも続編制作決定を嬉しく思えてしまうのでした



良い

中年男性あるあるでゴリ押しする作品かと思いきや、ボケ・ツッコミ変幻自在な真白により、話がテンポよく展開していたのは良い驚き
南雲が体現する探偵像が古いものだと示されているわけだから、真白が近年の探偵像を体現した存在になるかと思いきや、彼女は彼女で探偵像からも助手像からも乖離しているってどういう事なの…(笑)
彼女が示すのはイマドキの若い子がどう生きているか。だから不倫の決定的証拠は直接撮るのではなく自撮り越しに撮るし、害虫と言われても虫じゃないものを駆除してしまうという…(笑)
その意味で真白は補ってくれる存在ではなく、南雲が不足する現代知識を素頓狂な方面へと引き摺り込んでしまう存在と言えるのかもしれないね
いや、それにしてもテンポ良いギャグに楽しませて貰えそうな作品ですよ



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