記憶喪失により感情が薄かった思い遣り深い子が記憶を取り戻したら、煽りスキル爆上がりとか想像して無かったよ(笑)
でも、それは口が悪いのではなく強者の余裕。余裕を無くしていく玉壺が哀れになればなる程、無一郎の格好良さも上がっていたね
一方で無一郎の強さが急激な覚醒だけに支えられているのではなく、兄と死に別れた時の怒り、そこから始まる鍛錬の日々が強者無一郎を作り上げているというのは心に込み上げてくるものが有るね
又、そのような悲しい力で強くなってしまった彼を天国の家族が優しく認めてくれる情景に感動してしまう
無一郎は上弦の鬼との戦いで柱としての格を見せつけた。なら、次はもう一人の柱である甘露寺蜜璃の出番
…なのだけど、そのミニスカートで縦横無尽の空中武闘を披露するのは色々と大丈夫なの?とちょい心配してしまうが……
シャディクやミオリネが目覚めさせた2種の人間が対立する舞台は大枠としてそれぞれにスペーシアン・アーシアンという役柄を与えている。けど、役柄はきっと役者自身が変えられる
自分に付与された役柄から脱しようとするエラン5号とノレアの生き様が美しかっただけに……
グエルに怒りをぶつけるシャディクは自己中心的。けど、その根源にはアーシアンとしての怒りが有るから、アーシアン上層に居るグエルへの怒りは正当化される
グエルは地球に降りてアーシアンに寄り添った。だからシャディクの怒りを受け返せたのだろうな。でも怒るアーシアンはシャディクだけじゃない
テロを越える戦争じみた光景。戦うべきは軍人のドミニコスのみの筈。でも力があるなら学生でも戦場に出る事になる。その瞬間に学生は兵士という役も得てしまうわけだ
それは悲しい事だけど、それによって本来は対立するチュチュとフェルシーが共闘できるし、ニカが帰ってくる余地も生まれる
怒りから死に急ぐノレアはエラン5号とも対立する。そこにはアーシアン・スペーシアンという役が有るから当然
でも5号は別の役を見出すわけだ。道具として使い潰される側の悲哀、5号の願いはノレアの願いと重なる。だから二人は対立を越えられる筈だったのに……
学園で生じた戦場は見たくないものをまざまざと学生達に見せつけるものになったね…
対立が争いを呼ぶ事実であり、対立を越えられず死ぬ無惨さであり
戦場に身を投じず、助かる命を求め手を酷使したスレッタは果たして戦場の希望になれるのだろうか……
お正月に旅行に温泉に。前回のクリスマスと同じく一郎としおりの二人だけだったら恋人達のイベントとなりそうなものがまちとふみおの存在によって、家族のイベントと描かれている点は本作への印象を大きく上げるね
まあ、中心となる一郎としおりがとてもほわほわした性格である点も有るのだろうけど
久我一家だけで旅行に来たなら、入浴中のまちは誰が見るのかという話になる。でも今回はしおりが居るから、まちを任せられる。更に公衆浴場に不慣れなしおりはまちのレクチャーを受けられる
限られた関係だけで事を進めないから彼らのイベントは穏やかさが増すように思えるね
一方で恋仲の一郎としおりだけの時間も大切
…そこで景色より手元のタブレットに夢中になってしまう辺り二人の「好き」は重なっているんだろうなぁ(笑)
だからきっとしおりの悩みを分け合う形も何の違和感もなくて。だからこそ、恋人達のそういった当たり前の遣り取りを契約が邪魔をする違和感も目立つ
でも契約による邪魔が有ってもほわほわした遣り取りを続けられる二人は素敵だね。本当にお似合いに見える
それでもしおりに一郎や島外の暮らしは似合わないと断言する人物はやって来た
まだ若いカップルはしきたりや親子関係にどこまで抗えるのか。そしてここにまちと文雄の存在がどう活きてくるのか見ものだね
イリヤの過去がベリーハード……
魔族への印象を固定するには充分過ぎる出来事をサリフィは知らなかったから、イリヤでもレオ達の優しさを訴えれば変わると思えた
でも、イリヤだってサリフィを助けた魔族の存在を知らなかった。互いの「知らない」の差が信じるものを分けたのかな
悲惨なイリヤの過去、それでも彼が歪んだ心のままに成長しなかったのは特にサリフィの存在が大きいのだろうな
妹を思わせる女の子。実は生贄の運命だったが、イリヤは知らなかった。それはイリヤに後悔を抱かせただろうけど、それによってサリフィは穏やかに過ごせたし、イリヤの方も明るい日々を過ごせた
知っているかどうかによって心の持ちようや信じるものは変わる
レオはサリフィが人間への執着を未だ持つかを知らないからサリフィを信じきれなかった。変わるのは悲しむサリフィの心情を知ってからか
レオはサリフィを信じた。そしてサリフィを悲しませないよう尽くしたレオの姿を知ったからイリヤも魔族を信じるきっかけを得られる
イリヤという人間を知ったレオ、レオという魔族を知ったイリヤ。二人が大切な少女の為に誓いを交わす様は信頼を越えた何かを感じさせたよ
イリヤの認識を変えるだけでもこれだけ大変だった。魔族と人間の融和を目指すサリフィの前途は厳しいまま。それでも互いを知る為に同じテーブルに着く者達が少しずつでも増えれば彼女の未来も変わるのかな
ルーシーが襲われ、更にカレッジから禁書が紛失するという変事。何かが起こってるけど、何が起こっているかは判らない。確実なのは状況が変化し続けているという点で、だから今までになかった景色が見えたりするのかな
ルーシーの意外な兄、エリアスを囲む教師陣などがそれか
けど、答えが出ないまま気になる変調と言えば、チセがトップクラスかな
真っ当に考えればドラゴンの呪いが関わっていると思える。けれどヨセフが言うようにチセの中から出た声であるのも事実
今は何も問題とならなくても、変調が表に出てしまった以上、チセは変化し続けるのだと確定してしまった
でも変化が悪を必ずしも指すわけではなくて
エリアスが禁書紛失事件に言及すれば、「ウェブスターの悲劇」という魔術師の問題を聞く事になる。そうすれば、話し手達はエリアスと交流する機会を得る
チセ以外の人間にあまり興味を持ってこなかったエリアスがカレッジに来てから、レンフレッドやアドルフに興味を持ち、更に興味を持たれる側になる構図は面白い
さておき、穏やかな学園モノとして機能してきたカレッジ編がここに来て緊迫感の有る内容になってきたね
あれは魔術師世界ではよくある話なのか、それともチセやエリアスがそこに混じった事で始まったのか
変事に伴う変化がこれからどのような光景を呼び寄せるのか改めて楽しみになるね
描かれるダキニの絶望と希望と絶望。そこにリシュという新たな希望が訪れる展開に本来はじ~んと来るものがあるだろうに、しょうもないギャグとエロが全力で襲いかかってくるものだから、どういう感情で見れば良いか判らなくなる(笑)
物を丁寧に扱ったり、裁縫をするのは好き。けど、他人の領域にまで踏み込むことには恐れを抱く。
千枝は丁寧で優しい子なのだと冒頭からすぐに判る。けど、それと同じくらい引っ込み思案な性格も見えてくるね
だからこそ、行動実現力が段違いなつかさとの相性が逆に良いのだろうけど
手が届きそうな対象にどう思うかは人それぞれ
例えばPが同期グループの躍進に焦るのは自分達も手が届く領域だと思うから
小春がつかさを「キラキラで王女様みたい」と喩えるのに対し、千枝は「大人のお姉さん」。相手との距離感の違いを示しているのかな
つかさが高校生ながら社長と知り、更に届かない存在と思ったようにも思える
他のシーンでもつかさには圧倒されつつ、同年代のみりあと小春に釣られて頑張る辺り、遠い存在より身近な存在の方が同調しやすいタイプなのだと感じられるね
でも、変わらずつかさの服には距離を感じていた
変わるのはつかさやPの緊張を知ってからかな?遠いように思える存在でも自分と同じく緊張しつつ、それでも困難に立ち向かっている。その同調が千枝が踏み出す力となったのかな
逆に千枝が頑張れば、その頑張りは同調する皆にも通じる。手直しされたドレスは千枝の努力の証だけど、結果のステージは皆で作り上げたもの
届かないと思われた憧れと一緒に仕事をして、ドレスにも自ら手を伸ばした
踏み出した先で届いた輝きは千枝達に素晴らしい輝きと自信を手にさせるものになったね
動かない体でも眼の前の小鉄を救わなければならない。究極の情けを求められる局面だからこそ、かつて自分が包まれていた情けを思い出せたのかな
記憶も人情も無であるように思われた無一郎。そんな彼が何も無いの「無」ではないと知れるEPにほろり…
手厳しい有一郎の言動、でも環境を考えれば彼が一杯一杯になるのは当たり前
同日に両親を亡くし幼い双子だけで生きていく。心の余裕、豊かさを持ち続ける方が難しい日常。むしろその環境でも他人への情けを捨てず、夢すら抱ける無一郎の方が特殊だったのかも知れない
その後、無一郎は一人で鬼を倒すという別の特殊性も見せた。でも、だからって有一郎が凡夫だったかと言えば、それも違う気がする
咄嗟に鬼から無一郎を庇い、命を失う間際には弟の無事を願っていた
それは誰にでも出来るわけではない情け
無一郎は無限の情けに包まれていた。それは無一郎が与えたものも有るし、与えられたものも有る。全ての情けは無一郎へと返ってくる
そうして覚醒し情けを取り戻した彼が見せた一閃は痺れるような美しさでしたよ!
懺悔室からペディキュア塗りとマルタンの境遇は情けなさ過ぎて最早ギャグ。けど、そこまで落ちて己の不出来を認められなければ選べない進み方も有るのかもしれない
ベストな道はベストな自分で進むしか無い。ベターな道なら弱い自分でも進める
今回のミオリネは終始緊張してる。それは総裁を目指す中で少しでも弱い所を見せたら負けに繋がるから。だからベストな自分でベストコースしか進めない
でも一度自分の弱さを認めたグエルは別だね。ベストな交渉よりも自分に出来るベターへと進み格別の答えを得られた
ミオリネに弱い所があるとすれば、スペーシアン代表と見られてしまう点。でも、そこにこそ打開策が有った訳か
スペーシアンだけどアーシアンと協働した医療装具は交渉を決定付けられなくても、先方から信頼を得る契機となる。いわばベターな答え
先方としてもベストではなくベターな回答である点は面白い
弱い自分でも強がる自分でも別け隔てなく受け容れてくれる相手が居るのは良いね。そんな地球寮を前にしたからスレッタは進む事が出来たし、マルタンもそこへ弱い自分として進む事が出来た
二人のした事は地球寮にとってベストでは無いけれど、ベターながら笑顔を取り戻せる遣り方
弱いままに少しだけ進んだスレッタだから、エリクトやミオリネを強いまま進める存在ではないかもしれないと思い直せたのだろうね
強くなってベストを選べる自分ではなく、弱くてもベターを選べる自分へ
新たな進み方を得たスレッタは己の不出来に直面したミオリネを助けられるのだろうか?
いつからか恋人達のイベントとして扱われがちなクリスマスを本作はきちんと家族のイベントと扱った上で一郎としおりのデートを描くから、二人の結論は家族になる未来を前提としたものになる
そんな温かさを感じられる回だったな
恋人になって時間の短い二人がいきなり二人の時間を想像するのはハードルが高い。けど、皆で集うパーティーなら容易に参加できる
でもそこに新人カップルが混ざっていれば話の中心になるのはまあ必然。その流れは一度で終わらないからお泊まり会へ継続すると
しおりが家族以外の者との交流を深める機会
だからちひろ達に秘密を明かしていない点を後ろめたく感じたのだろうね
まち達は良い事を言うね。全部話していないからって友達になれないわけじゃない。大切な恋人が理解しているなら問題ない
あのお泊まり会はしおりに友達を作る機会となり、同時に一郎の特別性を再確認する機会となったようで
クリスマスデートは遠くの特別ではなく近くの日常を見る時間に
しおりは自分達に横たわる契約に痛みを感じる。一郎は問題をしおりに押し付ける事を辞める
そうして関係を一歩も二歩も進めた二人の様子はニヤニヤと出来るものでしたよ!
…後、キス時間に妙なテンションになるしおりには笑ってしまったよ
隣人が多い環境、だからこそ求められるのは相手のルールに則って動くこと。でなければ大怪我や事故に繋がる
エリアスが実習である点を尊重し無力な分身で付いてきたのも相手のルールに合わせたからと言えるのかな
なら、チセもエリアスや隣人のルールに合わせなければならない
隣人相手なら明確なルールが有っても人間同士だとそうも行かないのは難しい話
まだチセはルーシーの事情もフィロメラの事情も知らない。だから彼女らの領域に立ち入れない。まあ、それはチセの側も同じだから奇妙な関係性がルーシーとの間に生まれるのだろうけど(笑)
エッヘ・ウーシュカもナックラビーもルールを持つ隣人。逃げるにも立ち向かうにも相手を知らなければならない
そこでチセがエリアスのルールを上手く広げ、頼るのではなく相談する形を取ったのは良い機転。そうした柔軟性が有るから、エッヘ・ウーシュカのルールを利用する手も思いつくのだろうね
一方でルールを破壊する者はいつだって居るもので。その役目がチセに回ってくるとは意外だけれど
ナックラビーは倒し、被害も最小限に収められた。けれどルールから外れた行動を取った点を気持ちよく受け止めるなんて出来なくて
少しずつ進むチセの変貌にこちらまで不安になってしまうね
前回のEPにて命を懸けて聖獣を召喚する儀式が描かれ、オズマルゴ等の環境がサリフィに不似合いという印象が強い状態
だからこそ、彼女を連れ出そうとするイリヤの叫びが響く。また普段は魔族の姿で居るしか無いレオの対の存在としても人間の彼は注目に値する存在に思える
というか、レオにとって恋敵に映るイリヤの登場が少女漫画的に美味しい展開というのも有るけど
臣下には威圧的でもサリフィには優しい存在でありたい。だからイリヤにも寛大な姿勢を見せねばならず…
それを察しきれないサリフィとレオのズレが色々と美味しいです
魔族を憎むイリヤにすれば、サリフィが魔族と生きると宣言するのは信じられない
サリフィが魔族に受け容れられる為に味わった今までの苦難を思えば無茶ではない当然の考え
サリフィはそもそも帰る所がないからとレオの妃になった。それを思えばイリヤが住む場所を用意出来るなら当初の理由を今も通すのは無理筋
レオもイリヤもサリフィの為に自分を削っている。勿論、イリヤの方に魔族への偏見が含まれているのは事実だけど、極端に間違っているわけでもない
サリフィはどちらを信じるべきかという問題に対し彼女は迷わず答えを出した
イリヤは信じられず誘拐し、レオは信じたが為に追い掛けた
次回、二人の男がサリフィの為にぶつかる様が描かれるかと思うとワクワクしてしまうね
喜怒哀楽鬼を越えて本体に迫っても別の鬼が現れるとか、半天狗攻略は無理ゲー感が強いね
でも半天狗に迫っているのは確か。そう感じさせるのは憎珀天の性質が半天狗に近づいている為だろうか。そして、それにより炭治郎の性質も光り始めるね
己の振る舞いを無視して弱い者虐めと炭治郎を責める。それは酷い責任転嫁。戦う役目を他の鬼に押し付け泣き喚く半天狗そのもの
人に情けを掛けられる炭治郎だから、情けを都合の良い使い方をする憎珀天を許さない
炭治郎の情けは連鎖を生むもの。無一郎に影響し、更には小鉄にも影響した
誰よりも弱く無一郎が諦めた状況でも決して諦めなかった小鉄は自分に出来る情けを求め続けた
それが結実して無一郎が檻から解き放たれる様は彼らの情けが鬼とは全くの別物であると感じられたよ
お墓参りという陰の気が多いイベント。どうしたって暗い気分になる。だからこそピクニック要素を混ぜて陽の気を醸し出しす久我一家の遣り方には温かい気持ちになるね
又、そこにしおりが入り込む事で後ろ向きに終わらない一日にもなっている
お墓前の報告は簡素に。むしろメインは面白ご飯
かといって故人の存在が無視されるわけではなく、ふとした拍子に故人が顔を出し、釣られて悲しさもやってくる
けど、陽の気が有るから嘆きの時間とならない。温かい家族の繋がりを感じられるシーンだったよ
本当の嘆きは家族の目がない瞬間に
だとすれば、その瞬間に隣りに居たしおりは一郎と悲しい事も楽しい事も分かち合いたいと考えているのだと判るね
それはつまり、ただの恋人からもっと深い関係になるという事であり…
結婚報告みたいになってしまった墓前報告。あれは本番に向けての予行演習だったのかも
最後はしおりの過去に存在した陰を陽に変える遣り取り
風邪を引いたら広い部屋で静かに一人。しおりにとって体調を崩した時間は寂しい時間で
だとすればそこに一郎が寄り添ってくれた事実は彼女にとって、体調不良の時間をちょっぴり幸福な時間に変えるものになったのかな
今回は年少者を見守る年長者の視線を幾つも感じる回だったな
その最たる例がアドルフか。既に長い時を生きているのにそれと感じさせない振る舞いをしつつ、時には年少者を導く発言をする
年少者達はそういった年長者の言葉を頼りに道を歩んでいくのだろうと感じられたよ
生きた年月的にはエリアスの方が遥かに上なんだろうけど、感情や感性に鈍い彼は人間に学ばなければならない事ばかり
普段はチセ相手の問答も、より人を知っているアドルフ相手に行われたりする事も有るわけか。アドルフもそれを理解しているから、自分の出生なんて踏み込んだ話を敢えてしたのだろうね
それはエリアスにとってまた一つ学びとなる
アドルフの姿勢の特殊性はレンフレッドを前にすると尚目立つね
アリスへの過ぎた言葉で弱る彼の愚痴相手になる姿勢は年長者そのもの。けどアドルフはレンフレッドの後輩として振る舞いたがる
それは重ね行く年月を認めたがらないようにも見えるし、もしくはわざとらしく年少っぽく振る舞う事で幼さを自分の中に留めようとしているかのよう
温かみのある関係性が幾つも描かれていただけに、フィロメラの実家環境は驚き
本人を前に堂々とした陰口、孫娘と相対していると到底思えない祖母の振る舞い
どれもがフィロメラに安寧を齎す場所とは感じられないものであり、同時にフィロメラはあの場所で子供として扱われていないのだと察せられるね…
自らが慕う者の為に出来る事を重ねる面々の姿が目立った印象
邪魔役となるアヌビスだって王や国の為を想ってサリフィにキツく当たる。けど、サリフィだってレオを想って挑戦している
自分の為ではなく他人の為だから譲れない、衝突する。でもそれによってレオを悲しませたら本末転倒なわけで
サリフィが挑戦した聖獣召喚はサリフィが挫けそうになるくらい厳しいもの。なら見守る側にとっては更に辛いものになる
そこでサリフィが立ち返って自分を慕うレオの想いに気付けた流れは良かったね
だから難儀な筈の召喚が成功する展開に納得感が生まれる
ベンヌの件も同じかな
慕われる存在であると証明する為の飛翔。最初の羽ばたきをするにはまず自分がサリフィに慕われていると、想われていると知る事から始まる
それでも抜け殻である彼には難しかった筈の飛翔がサリフィの飛翔で成功した事実、それはベンヌもまた彼女を慕い始めたのだと伝わってきたよ
童話めいた話にクラクラしてしまう面はあれど、小春という女の子が何に憧れ、何を大事にしているかが見えたような
親から愛され人をにこやかにし、ヒョウ君からもきっと大事に想われている。その時点で彼女は特別でお姫様のような少女。でも今の小春はそれを否定するんだね
彼女が頻繁に迷子になるのは惹かれるものが多いからかな。だからふわふわと歩き回ってしまう
蝶を追って歩き彷徨うだけに留まらず、小動物達にアイドル仲間の面影を見る。彼女を普通の少女の枠で捉えるのは難しい
なんてったって夢はお姫様だし
だとしたら、そんな小春を助けるナイト役が必要で、それがヒョウ君になるのか
小動物達が小春を慰める間にヒョウ君がPを誘導するとか童話感が強すぎて本当にクラクラするんだけど、だからこそ小春がどのようなお姫様になりたいか、そして目指すシンデレラ像がはっきり見えてくる描写だったとも言えるのかな?
四人同時に首を切っても死なない喜怒哀楽鬼、鬼化している玄弥と絶望度合いは高い筈なのに、一瞬にしてコメディに変えられる炭治郎は強いなぁ(笑)
暴走して可怪しくない状態になりつつ有る玄弥が、だからこそ炭治郎の言葉に耳を傾けられるし、それが後に彼の行動を変えるきっかけになる
敵の方もコメディ入っているのはどういう偶然か
強力無比な喜怒哀楽鬼の本体は小人鬼。笑えるような事態でも打開策が無いという意味では積みも同じ。笑いは転瞬の間に絶望へ
この構図は玄弥の過去も同様か。兄と支え合い希望有る家族を守っていけると約束した矢先に絶望に叩き落された
玄弥は無力で気付かないままだったから絶望に負けた
対して炭治郎は彼の気質により絶望をコメディに変えた。状況を変えられるなら諦めてはいけない。変えちゃいけない望みの為に変えなければならない
鬼に勝つ為に炭治郎に譲った玄弥の姿は雄々しいね
誰にとっても難しさは有るコミュニケーションの齟齬を恋人関係のものとせず、一旦仕事上の躓きとして扱った上でその後に家族や恋人の温もりによってそれを丁寧に解かしていく流れにはほっこりとするね
本作は話に派手さは無いからこそ、落ち着いた話運びに安堵感を得られるよ
絵柄の違いで仕事が取れないというのは経験の浅いしおりには対処の難しい話。おまけに姫だった過去も邪魔となっているかもしれない
その意味では焼肉屋が初めてというのも新たな齟齬を生むかもしれない土壌
けど、まち達が初めてだらけの彼女を優しく受け容れているからしおりの齟齬は苦いものではなく美味しいものになる
一郎がしおりへの言葉に迷った挙げ句、手紙すら掛けず最終的に80ページの漫画を書いてしまうのも実はディスコミュニケーションなのだけど、少しズレている者同士だから逆に温かな交流となるわけだ
又、仕事の件は佐野の方に齟齬があったと判るラストは良いね。齟齬が解消された後には幸福が待っている。そう思えたよ
サリフィもレオも互いに魅せられて結びついた二人だけど、レオは王の立場。恋愛感情だけで全てを決められる訳では無いし、レオに近づく女性も恋愛感情からではない
だからこそ、レオは自分の意志で見初めたサリフィだけを望むし、そのサリフィが側室を勧めるを良しと出来なかったのだろうね
いわば朝食の席は政治劇の現場。それを理解しないサリフィはアミト姫の面倒を見る程
でもアミトもアミトで政治を意識しつつヨルムンガンドへの慕情も併せ持つ
姫君達の政治は理解できないサリフィでも誰かを思うアミトの気持ちは理解できる
それを基に踏み出せる
それこそがレオに最も届く行動原理でありビビアンを恐慌させるもの
そしてビビアンの自分本意な感情は、他人を想うレオを想うサリフィの心を呼び覚ます
まだ明確に己の感情を定義付け出来ていないようだけど、それでもサリフィはレオの隣りに居ると決めた
それはとても大きな一歩だろうね
それにしてもアミト姫の顔がインパクト有りすぎて……。サリフィとも親しくしてくれるし、本当に良い子なんですけどね(笑)
でもマンドラゴラのスコーンとかちょっと怖すぎて口にできる気が起きないな。悲鳴を上げるスコーンって何だ(笑)
アイドルを志す梨沙とサッカーを好む晴の対比で見るから梨沙を女性的、晴を男性的と見そうになるけど、本質はもっと深い部分の個性や人格に関する差が二人には有ったのかな
けど、それは決して対立するものではないから、それぞれの言語を介する事で最終的にステージに並び立てたのだろうね
性差による違いではなく個性による言語の違いが判り易く生じたのはバックダンサーを語る晴とPのシーンかな
サッカーとアイドルに喩える二人は通じ合っていると思えるけど、異なる言語で話しているならどうしたって擦れ違いは起きる
だから晴とPは衣装に関する懸念が抜け落ちていた
男子に混ざりサッカーをしスカートを受け付けない晴。それは男っぽいからではなく、結城晴という少女のアイデンティティが受け付けないという話。また自分の意志でアイドルになった訳では無いという納得不足も関わっていたのかな
異なる言語の為に梨沙と衝突し、サッカーなら語れる晴が納得出来る環境作り、それが観戦よりもプレーという話だったのかな
又、Pも晴に近づく為に敢えてスカートを履いて踊るという奇行にも出てる
スカートが本当に似合わない人が履いたらどうなるかを見た晴が着たのはスパッツという折衷案。梨沙とは違うけど、限りなく近い姿
そして異なる人格を持っていた晴と梨沙は「キックオフ」という言語で結び付いた
そのような二人が後ろから練り上げたステージはLiPPSの実力も有れど、素晴らしいものだったよ