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17年のガッカリ大賞①。
前半は「『異方』という未知の文明・技術に触れた時、人間はどう対処し、変化していくのか」というのを丁寧に描いた、ファーストコンタクトSFとして大いに期待していた。
だが、「異方」とヤハクィザシュニナの正体が明らかになった後の展開が興醒め。そこから、物語は「人類が異方と出会い、どのように社会が変わっていくか」というファーストコンタクトの物語ではなく、チンケなセカイ系とボーイズラブの悪魔合体へと堕してしまった。

「『異方』は三次元以上の高次元文明で、戯れに人間を作り出して、対話可能なレベルに成長するのを待っていた」という設定はまだ悪くない。問題は「ヒトよ、どうか正解されたい」という、人類全体の動向を問うようなキャッチコピーを掲げておきながら、結局最後は真道・ザシュニナ・沙羅花の3者で完結する関係の中の、閉じた物語に推移してしまったことだ。
「カド」は、自分で提示したテーマを自分から投げ捨ててしまったのだ。「ザシュニナは刺激に飢えてるから、人類が頑張って驚かせれば満足してくれるかも!(※意訳)」じゃねぇボケ!!
それで、ザシュニナを打倒するのが真道と沙羅花の娘・ユキカというのも興醒めダブルパンチ。「異方存在である沙羅花と真道の子供が、ザシュニナをも打倒する超存在になる」という理屈がそもそもわからないし、結局個人の力で、かつ武力でザシュニナを倒してしまっているのも、当初掲げていたテーマをガン無視している。
我々が期待していたのは、もっとSFらしい、理屈っぽくて道理の通ったシナリオと結末だ。セカイ系のなりそこない、ましてBLな展開など、微塵も求めていなかった!



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