勢いあってよかったんじゃなかろうか。
色(赤と青)の使い分けが露骨すぎるのではと思わないでもない。
vivyが、ロボット型のAIをふつうに破壊するのに、この時代のシスターズ(AIはまだAIにすぎない、という設定のはず…だよね。)を人のように扱うことになんだか違和感を覚えた。
超展開が多くて、哲学的なテーマを内包したSF、というより、超能力バトルものになってきた。
監督がこの作品を通して描きたかったと思われるもの・テーマについては、びっくりするくらい明確だった。
人がわかり合える未来をめざす中で『今を生きる人が抱ける希望』であったり、『核兵器のおそろしさ(扱いの難しさ)』のメタ表現だと思うのだけど、ガンダムってこんなに分かりやすい作りだったっけ、と驚いた。(庵野監督に触発されたのだろうか)
それはそうと、澤村さんの音楽はあがるなぁ。何を聞いてもどこかで聞いたことあるような気分になるのだけど、それはそうと、ロボット作品との相性が最高すぎる。
特にガンダムを追いかけているわけではないので他作品とのつながりなどは気にならなかった(わからなかった)のだけど、他のガンダムの話と並べた時にバランスがとれているのか、は少し気になる。
最終回かと思うくらいの盛り上がりだった。これまだ4話か。
どうなっていくんだこれから。
ギター壊すパフォーマンス、ジミ・ヘンドリックス的なパフォーマンスかと思ったんだけど、幸太郎が妙にショック受けてることが違和感あった。(どちらかと言うと、純子が自分の殻を打ち破ったことを喜びそうなのに、喜ぶよりショックを受けていた理由がよくわからなかった。)
のだけど、EDパートでバラバラになったギターをボンドでくっつけ直しているところを見るに、なんか大事な思い出の一品なんだろうなと。そのうちエピソードが出てくるのかな。
人間失格というタイトルから人間の弱さを赤裸々に抉る感じや、SFというジャンルを期待してみていたので、中盤あたりから呆然とした。
君の名はで有名になったメソッドに倣ってハイスピードで細部を省略ぼかしながら話が進んで行く。何度も見返して色々解釈してほしいって意図かと思うのだけど、説明するところとしないところのバランスが悪いなと思った。
まぁ、あと、全然関係ないけど、エヴァンゲリオンって作品が後続作品に与えた影響は大きいなぁと思った。
AIだけからなる工場、という設定の場合、ロボットが作業効率の悪い人形の形をしているのは、おかしいと思わなかったのだろうか…。
姿かたち、挙動から故障時の演出まで、細部に渡ってニーアオートマタをリスペクトしたのかな、というのが露骨で萎えた。SF作品の細かな設定はちゃんと0から組み上げて欲しい…。
シナリオに関して、物語が当初の流れから変わってきたのは期待通りで、続きが気になる展開ではあるけど、
上記点他、SFの設定の作り込みがゆるいのが、ここに来て加速している気がする(気がするだけかもしれない)。
修正史が正史と大きく違ってしまったって話が出てきたのだけど、
1番に考えるべきは
『vivyを形作るAIが感情を理解できるほど進化している(vivyが同時代のAIに比べてかなり人に近い)』ことが原因じゃないのか
ってことだと思うのだけど、なぜマツモトはそれについて真剣に検討しないんだ…。
正史より進化したvivyをもとに、シスターズが作られているはずなので、シスターズもまた何かしら進化している可能性が考えられ、
『正史より進化したシスターズが、修正史を大きく変えてる』ってことなんじゃないの、っ思ってしまった。
EDのドミノは暗に、vivyがすべての発端であることを示しているように思った。
・・・
タイムリープもののSF作品だと、『自らがタイムリープして繰り返すこと自体も歴史には織り込み済み』とか『最終的に自分が消えて問題を解決する』ってケースがあるけど、この作品はどういう結末をとるのだろうか。
面白かった。
作品の骨がしっかりしていて、主人公やライバル、南部贋作の心理面の描写がぐっと来た。てか、南部贋作が最高だった。最高だよ。。。
作品のテーマは、ED曲の歌詞がまさにそれかなと思った。
この作品は、メガロボクスという架空の競技を通して、『正面からモノゴトに立ち向かおう』っていう現代人に向けてのメッセージが込められているのかなと感じた。
作品全体を通して、テーマやメッセージ性はかなり的確に表現されており、刺さった。
なお、SF的な要素(AIやメガロボクス)に関する設定はガバガバという印象。本筋には関係ないので仔細なことと言ってしまって構わないと思うのだけど、作品の骨子がバッチリよくできているだけに、微に入り細に入り仕上げた印象が「ない」のは、ちょっともったいなく感じる。
ラストの大団円は『パードゥン?』って感じ。最近の作品はきれいごとで終わらない傾向があるのでなおさら、そもそも作品の方向性的にも少年漫画みたいに丸く収める必要なくね、という印象。まぁ、しかしおかげで見終わった後は爽やかな気分になれたので、良し悪しと言ったところで、好みの問題かもしれない。