「嫌いな自分を認め、受け入れて前へ進んでいくか、嫌いな自分を否定して消し去るか」という作品のテーマが見えてきた回。
「由紀姫」が打ち込んだ「さびしかった」という文字を都がなでる演出、「由紀姫」と都が画面越しに触れ合う演出が秀逸。
変身ヒロインモノのフォーマットを取りながら、そのフォーマットを破る決着を見せた脚本の妙に関心。1〜3話は微妙だと思って見ていたが、今後が楽しみになってきた。
「今の私はディーヴァではありません。私の名前は、ヴィヴィ。ヴィヴィは滅びの未来を変えるための、AIを滅ぼすAIです」
「歌でみんなを幸せにする」というディーヴァとしての使命の延長線上でシンギュラリティ計画に協力してきたヴィヴィが、ディーヴァとしての使命とは別の考えで動くことを6話にして初めて宣言した。
しかし、その結果として、今まで大切にしてきた「歌でみんなを幸せにする」という使命とは矛盾する結果をもたらした。与えられた使命に生きるAIとしては重大な自己矛盾である。しかも、「グレイスの使命は、人の命を助けることなのでしょう」と、グレイスに第二の使命よりも第一の使命を優先させたヴィヴィにとっては、このことはダブルスタンダードであり、二重の意味で自己矛盾である。
6話にしてこのような山場を持ってきた構成に脱帽。ヴィヴィが今後この自己矛盾にどのような形で決着をつけるのか、最後まで見届けたい。