ルディ・前世の男にとってはトラウマと言える引き籠もりの件。家族や友人に助けてと言えず、助けの手も取れなかった。だからこそ今の家族であるノルンの窮状は救ってやりたい
過去を悔いる彼のエゴが詰まった内容でありつつも、ノルンの成長譚としても機能しているEPだと感じられたよ
引き籠もりの話を前にルディは平静で居られない。八つ当たりのように敵意を振り撒き、ノルンを救う方法も思い付かない
今回の行動にはシルフィを始めとして幾つもの助けが有ったのだけど、ルディは感謝よりも心配の方が先立っていた印象を受ける
そのような形だからノルンの前に出ても語る言葉を持ちあわせていない
語れないから思い出すしかなくて。引き籠もる家族に対し何も出来ない兄の姿は今の自分そのもの
面白いのはここでノルンも他者と重ね合わせている点か
ノルンにとってルディは恐ろしい人間でしかない。でも彼を知る人間はその考えを否定する。父もルイジェルドも学生達も否定する
ならノルンの認識は間違っているという話になるが、彼女はその恐ろしさへ踏み込む勇気を待ち合わせていない。自分に引き籠もるしかない
変わるのはノルンがルディの姿を父に重ねた時だね
自分を前にしてルディは敬愛する父と同じ表情をしていた。そこには家族としての繋がりが見つかる
なら勇気を振り絞った父や兄と同じようにノルンも勇気を出して踏み込む必要が有って。勇気を行使する怖さを受け止めてくれたらルディは家族と言える
このEPは引き籠もりを止める方法とか部屋から出させる方法とかを描いたわけではないし、結局ルディが何かをしたというわけではない
けれど、ルディが苦しむノルンに家族として寄り添った事で彼女が自分の力で困難を乗り越え成長したのだと感じられたよ
と、良い感じの話となったのに次回予告が凄い不穏……
進路選択にオーディション、自分が居るべき場所を決める為の儀式。そのように捉えれば部長である久美子が決められず、誰よりも深く悩んでいるのは彼女の特性だけに留まらず立場故という点を感じてしまう
一方で周囲の大人も考えろとただ投げつけず、見守っているのは印象的。選択の儀式は容易でないと伝わってくる
大会に挑む為のメンバーオーディションだけでも充分に選択として機能しているのに久美子達は更に踏み込んでオーディションの遣り方も再考しているね
深く考えず選べば結果は最善とならないかもしれない。考えて遣り方を変えるのであれば、以前と異なる結果へ通じる過程は始まっていると言える
そのように捉えると真由には違和感を覚えるかも
選考前から自分が選ばれる認識で過程を丸ごと無視しているかのよう
ただ、それは彼女が北宇治に馴染む事に必死になっているからかもしれなくて。久美子を祭に誘った行動には祭の空気から弾かれたくないとの恐れを感じてしまった
だから当日も皆から必要とされる撮影役を買ったのかもしれないし
だとしたら、久美子が北宇治の皆でも秀一でもなく麗奈を選んだのはその時点で特別性が現れているのかも
麗奈は久美子と一緒に居たいから音大を選んで欲しい。久美子は進路で道を分かつと思わないから更なる選択を必要としない
久美子は進路を散々に悩んでいるけれど、今自分がこの場所にいる理由には全く迷っていないと判る
ただ、久美子は選ぶだけでなくオーディションでは選ばれる側でも有るわけで
3年であるとか部長だからなんてのは選ばれる理由にならない。残酷でも実力ある者が選ばれる。選ばれなかった時はそのような己の未来を選ぶ事になる
気になるのは真由の発言により積み上げられたフラグの数々。麗奈と久美子が並び奏でる光景は当然のように見られるものだと思っているのだけど、果たして……
ひまりとの関係を進めたい依にとってその想いはバンドを始める原動力となった。なのに、依との関係に現状維持を望んだひまりは依の為に費やす時間は少ない
それはひまりにばかり都合の良い状況に見えて
依への想いを持つ亜季が遂に動き出した事で物語も動き始めたように思えますよ
依がバンド活動を始めた事で時間が空いたひまりが始めるのは料理。そこには依に食べて貰いたいとの望みは確かに有るのだけど、主目的に時間活用が含まれる限り、依とのバランスが取れているとは言い難い
明るい表情で自分の為に時間を使っているひまりの姿を見て依が曇ってしまうのは仕方ないというもの
相手の為に時間を使っている者は何も依だけではなくて
亜季は依と一緒にバンドをやって、彼女に何か有れば喫茶店で話を聞き。それらの行動には依への想いが溢れている
だから依との時計を進めようとしないひまりを挑発する行為も究極的には依の為で。亜季の言葉によってひまりが気付きを得れば良いのだけれどね
つむぎとのえるの魅力が存分に詰まった回となったね
つむぎは森太郎へ密かに恋する少女として、のえるは初めての友達に喜ぶ少女として
森太郎との二人っきりの時間を大切に過ごす二人の姿は温かい微笑ましさに満ちているよ
つむぎの魅力は森太郎に近付く為に色々考えるのに実行力が低い点だね
本人はそれに悩み心の中が落ち着かないのだけど、だからこそ時折訪れる役得なシーンに感情高ぶらせる彼女の姿には恋する少女としての全てが詰まっている
居眠りする森太郎を見詰めるシーンは特に良かったよ
のえるはつむぎと違って恋愛感情はないけれど、それだけに森太郎との時間を純粋に楽しんでいると感じられる
初めて出来た友達との交流にテンションマックスとなってお喋りしたり買い食いしたりなんて青春っぽさに溢れている
その様子には恋愛を少しも感じさせないから、のえるが裏表なく森太郎との時間を過ごしているのだと感じられたよ
他の防衛隊志望者を圧倒するキコルの前に現れるのが試験用の怪獣を本物の脅威に作り変える怪獣という展開、このような構図は王道感が有る為に良い緊張感を持たせるね
だからこそキコルの前にカフカが現れる展開も王道感が有る
秀でた存在であるキコルの苦悩となってきたのは父から与えられない愛と代わりに押し付けられる重圧。それが彼女の強さの源泉となったのが判る
キコルが今持つ強さでは復活した怪獣に届かない。別種の強さを持つ者が戦場に立つ必要がある
キコルのピンチに自分のリスクを考えず颯爽と現れるカフカは主人公感が有るね
おまけにカフカは父が認めてくれなかった頑張りを認めてくれた。二人の関係が変わり始めるきっかけとなるだろうと予想してしまう
強大な力を征した凶悪な力。それだけにカフカと同種っぽい人型怪獣が清掃業者に紛れ込んでいると判るラストに寒気を覚えてしまうよ
これまで仁菜が感じてきた理不尽は何処か名状し難く世間そのものに敵意を向けていたような気さえする
けれど今回は他者の狡さが明確に顔を出したね
チケットノルマにダイヤモンドダスト名義の出演。そして旧友の裏切り。それらは仁菜の反抗心を刺激するに充分過ぎる要素
チケットノルマ制は珍しい話ではない筈だけど、バンドの知識が足りない仁菜にとっては晴天の霹靂、騙された気分になる
おまけに自分が只で譲った行為が相手を騙したかのようになってしまったのであれば自分にすら理不尽を覚える
仁菜が感じる理不尽の反抗対象は自身のバンドにすら向きかねないもの
極め付けがダイヤモンドダストの新たなボーカルに収まったのが自分を裏切った人間であった点か
そこには二重の理不尽があるね。仁菜への裏切り、桃香への裏切り
桃香はダイヤモンドダストの理不尽を受け容れてしまうが、理不尽に反抗してきた仁菜は桃香だろうと容赦はしない。それこそが彼女の真骨頂
どれだけ言葉を重ねても納得しない仁菜の叫びは鬱屈を抱える桃香にも伝播する
それは仁菜が持つ特異な力。ならそれをバンドの力とすれば彼女らの反抗はより輝きを増す
死んでも負けないと吠える彼女らの棘は誰にも真似できない領域へと達したように思えるよ
一人でキャンプ準備を始めるなでしこの姿はまるでソロキャンの延長線上のよう
侘しさを感じる時間にて後から来るリンや綾乃の事を考えながら準備をするからこそ、それらの時間が楽しくなる
というか、なでしこはお一人様時間を完璧に満喫しているね
毎度のこと、見ているとお腹が空くキャンプメシ時間。原作を読んだ時も生ハンバーグやらビーフシチューは美味しそうに見えたけど、それを一つのプレートにダムカレーとして纏めたなら、見た目の美味しさは天に達する訳で
いずれ自分もこういうビーフシチューを食べてみたいと思えるレベルですよ
そして粗方イベントが終わった静かな時間で行うは双方のキャンプ道中の共有だね
以前はリアルタイムで写真を送り合って、という手法も見られた本作だけど、なでしこと綾乃のようにひそひそ声で共有するのも乙なもの
幼馴染として前は一緒に居て、今は離れている2人だからこそ形成された空気感に思えたよ
前回の引きからは想像も出来なかった驚きの現象が畦目に起きてたけど、それはさておきの日常回ですか
2話と3話にてそれなりに絡んだけど、仲良くなったかと聞かれれば疑問符が浮かぶ乙と菫子。そんな2人を改めて交流させるEPとなったようで
突然の宿泊なんて普通は困るもの。けど菫子は驚きこそすれ、割合好意的に乙を受け容れているね
その中では化野兄妹への探りも入れているけど、それにも増して年上として乙に楽しい時間を過ごさせてやろうとの気遣いが感じられる
だからか、乙の側も菫子の傍で安心して寝れる程になったのかもね
サイクロプス隊はアルによって齎された危機がアルの機転によって回避された形。ここで彼らはピンチ以上のリターンを手にしているね
基地周辺を彷徨いても怪しまれない地元の子供
戦争に純粋な憧れを抱いていたアルが大人の思惑によって利用される構図は自業自得で済ませてはいけない戦争の業を感じさせるよ…
戦争に取り込まれていくアルを監視する役目をバーニィが任されるけれど、アルがあまりに無邪気な為に2人が本物の兄弟のように見えるのは可怪しな話
クリスを誤魔化す為に吐いた嘘が本人達にもそれが真実かのように効いてくる様子は戦争が近くに在る点を忘れさせるね
代わりに、ガンダムのテストパイロットであると明かされたクリスにより戦争の存在を意識させる構図になっている点は残酷な運命を感じさせるけれど
だからか、アルだけでなくバーニィの行動まで無邪気なものになっていくね。秘密基地を探して突発的な潜入行動だなんて。特に宇宙空間を経由して迂回するシーンなどはバディ物に似た雰囲気を感じたよ
バディは2人が同じ目的に沿って行動する事で冒険の醍醐味が生じる。するとバーニィと協力してガンダムを発見し撮影するアルの行動は紛れもなくスパイ活動でしかないのだけど、それを理解しないまま軍事利用されるアルの姿が無邪気を通り越しておぞましく感じる…
戦争を知らぬ事で得られる無邪気さとはとても尊い感性である筈なのに、戦争の一端に触れてもそれを一切察知しない様子まで無邪気と呼んで良いのか迷う内容となっている…
初めて目にするMSに興奮を隠せないアルはMSが本来は何をするものか理解していない。それを平和と呼ぶと納得はできても受け入れ難い……
アルの視点とそれ以外で見える物が一変している内容が素晴らしいね
MSが暴れた街中を駆け回るアルにはその被害は目に映らず、それを目にしたらしい救助関係者等は膝を抱えている
アルから見れば大人の軍人であるバーニィとて部隊では新兵の如く扱われる
特にバーニィが上官を見る際の視線が直後にアルが先生を見る際にも行われているのは印象的。2人とも属する世界では大人の機嫌を伺うひよっこであると判る
だからその後の描写も何処か重なる
バーニィは死体を利用してコロニーに入り込み戦争へと近付く。アルも壊れたMSという死体に入り込んだ事で戦争に近付いてしまった
死を介して近付く世界が明るいわけはない
自分が手を伸ばしてしまった先に何が在るか全く想像できていないアルの明るい笑顔には何とも言えなくなる……
少し前までは馬鹿な行動が目立つ方だったルディが年少者の世話を見る立場になった事で途端に大人の顔を見せ始めるのは面白い
けれど彼は本当の意味で誰かの親になった訳では無いから様々な苦労に直面する。そういった見守る者としての試練が描かれる一連のEPが始まる感じかな
聞き分けは良いけど自分は妾の子だと嘆くアイシャ、ルディを信用しないが故にそれ以外の庇護を求めるを求めるノルン
本来はまだ親元で育つべきお年頃。だから実の兄であるルディが彼女らに親代わりの愛情を与えられれば良いのだけど、ルディは彼女らが求める愛情にそのまま応えられる存在に成れやしない。何故ならルディとて未だ自身を育ててる最中なのだから
ルイジェルドとの会話に表れるようにルディとて愛したエリスの真意を理解できず、考えを止めている。その意味では彼はまだ完全に大人に成れていない
だからこそ今は妻であるシルフィの助けを借りて家族を形成する必要がある
でも親という立場は何も子との触れ合いの中で手に入るものばかりじゃなく。リニア達の始末を付けるのも親としての仕事の一種
一緒に居ないと親代わりなんて出来ないがノルンは寮暮らしを選んでしまった
そうして庇護者を得られない彼女が自室で膝を抱えてしまうのはある種当然の帰結で
ナナホシの在り様がルディに似た部分を持つように、ノルンが行き着いた場所もルディの写し身の如く
そう考えると、彼女に親として接する事が彼にどのような思いを抱かせる事になるのかな?
自分なりの部長の遣り方を「話す事」と定めた久美子。同様に他の3年組にも会話を重視する傾向が見られたね。特にサンフェス後に厳しくした子へのフォローをした麗奈の姿は印象的
けれど、今回の問題は会話を拒否する求。本人が話そうとしない事情に何処まで踏み込むか、これまた難しい問題だ
求は隠れ問題児タイプかな
目立った問題行動は無いけれどよくよく見ると問題の種がある。それが龍聖との関わりが増える中で芽を出した
なら、再び久美子が話せば良いかと言えば、ここで差配の問題が出るね。自分に持ち込まれた訳でもない問題まで久美子が解決するのが正しい筈がない。みどりとて先輩なのだから
ここで面白いのは求はみどり相手だから話したくないと久美子に話を持っていく点か
話をするのは問題を解決するため。だから樋口も見ず知らずの久美子達に事情を話した。滝も将来の問題を回避するため久美子に転校の件を話す
なら求が久美子に話を向けるのはみどりが自分を心配しているという問題を解決する為だね
久美子の良い点はここで口を通す声だけが会話でないと教える点
気持ちは演奏に出る。なら演奏を通して会話出来る
求が北宇治の為に演奏出来るなら、それは彼の気持ちを何より表していて。みどりと弾きたい曲があるならそれこそ伝えたい話で
縁ある相手と求むる音楽を奏でる彼の姿はとても良い表情をしていたよ
ひまりは良くも悪くも子供時代の純真を持ったままなのだろうな
時間を経れば自然と判る好きに悩む彼女の前には様々な『好き』が提示されるね
そもそも彼女の一目惚れから始まった関係。なら誰かの好きではなく、彼女の好きを突き詰めるしか無いわけだ
未希の好きは今は別れているという事実が好きにも破局はあるのだと教えてくる
母親が好きは今抱えている感情がすぐに正しさに繋がるとは限らないと教えてくれる
他にも様々な経験を踏まえ、ひまりが選び取るはやはり彼女にとって一番気持ちの良い『好き』となるのかな
告白してしまったから待つしか無い依は難しい立場。関係を進めたいから告白したのに、返事を待つなら停滞でしか無い
でも、ひまりの言葉に一喜一憂出来る彼女は充分に『好き』を楽しんでいるのだろうと思える
ただ、傍から見るとひまりに振り回されているようにしか見えない彼女を前に亜季は何を想うのか…
ひまりが選んだ『好き』は果たしてどうだったのだろうね…
答えではなく現状の継続。それでも依にとっては進展の可能性が得られた訳だから嬉しい話
依が笑顔に成れたなら良い結果と言える。でも、これが本当に2人にとって良い選択だったかと言うと…
この先でひまりが本当の『好き』を見つける事を願うばかりですよ
第一話時点でカフカの壁は年齢や才能だったけど、選別試験が始まりライバルが多数登場したりスーツの不適格等により彼が越えるべき壁が明確化された印象があるね
試験に受かる為にはどうするべきか。それを強く意識する彼の姿は応援したくなる
特に明確な壁となったのはカフカと色々反対なキコル
才能有る若者の姿でカフカに突っ掛かってくる姿はムカつくの一言だが、彼女個人が嫌な人物という話ではなく、才能も若さも無いカフカがあの場において異質というだけ
キコルはカフカが越えるべき壁の具象
才能も若さも無いからこそ、カフカが活きる場面が来るのは良いね
キコルのように飛び回る事は出来ない。でも怪獣の体質を誰より知ってる。前線に出れないならサポーターへと切り替える
壁を容易に越えられないからこそ、自分の活かし方を意識する彼の戦いには目が引き寄せられる
キコルも彼女なりに壁を超える事を意識しているような。脱落者を出さないなんて試験の戦い方ではない。それは強者の在り方
進むキコルを他所にカフカの歩みを止めるのは不運な攻撃。リタイアという諦めを前にして、それでも反発して無の可能性を有に変えた彼に何が出来るのか?次回が注目だね
役者が揃い、それぞれが顔見知りになった事で話が良い感じに回り始めた印象があるね
特に心の声が忙しいつむぎの存在はぽけぽけした面々に対し良いメリハリとなっているような。ポジション的に森太郎との恋が進展する事は難しくても、彼に片思いする彼女の存在はラブコメ部分を良く彩っている
天使とか雪女とか人に明かしてはいけない秘密の素性を森太郎は相手を思い遣る心で受け容れた。それだけに、置いてけぼりにされたくないと自ら秘密を明かし環に入ったつむぎの存在は面白い
彼女の遣り方は多少自分本意なのだけど、森太郎への好意無く距離を詰めるとわ達に対して、好意を意識しているからこそ無理してでも距離を詰めようとする彼女は本作を面白くしてくれる
その傾向はバイト先でも
のえるは友達とバイト仲間の区別が付いてないから暴走気味。とわはバイトそのものを知らないからこちらも暴走
対してつむぎは森太郎のバイト姿を見学するなんて不健全な思惑でそこにいて、のえるやとわの役得な立場を理解しているからとわを抑えつつのえるを羨むなんて行動に留まれる
でも、バイト先特定する行動力は怖いと思う
つむぎのように森太郎への好意が明らかな子が環に混じってくると気になるのはラブコメの行方。とわものえるも森太郎との距離は近くても恋愛的なものを意識するまでは至ってない
というより二人共普通の基準が未発達だから、一つずつを学んでいく必要がある。今回はとわと森太郎の出来る事の違いを理解したのは進展と言えるね
つまりは店長の言う通り、青春してるなぁ、なんて思ってしまうね
ロックを体現しバンドをやる気になった仁菜が次に向き合うのはバンドメンバーの問題
仁菜は自分の鬱屈を表現してバンドに至った。なら同じバンドに居る2人はどのような鬱屈を抱えているのか?そのような疑問に至った仁菜が少し成長したEPと言えるのかな?
鬱屈がまず表出したのがすばるか
バンド経験を持つ桃香はすばるの逃亡にバンドあるあるを予想する。けれど仁菜は自分が鬱屈としているからこそ、そこに納得できない何かを見出す。桃香相手でもそれは同じだね
だからすばるが祖母に対して何も反抗できない状況も当然のように納得しない
すばるはバンドと演技で板挟みの曖昧な立場。学業すっぽかしてバンドに入れ込み始めた仁菜は納得しない。判った振りする桃香にも従わない
そうして近付いたすばるから知れるのは演技や祖母を心から嫌っている訳では無い、離れたがっている訳では無いという鬱屈
なら、すばるが選ぶ答えが一つで良い筈がない
加えて祖母の想いも知ってしまえば、仁菜が自身の反抗を通せば良い状況でもなくなる。だからって掌クルクルする仁菜は本当に異質過ぎて面白いが
すばるが選ばされたのは何かを決めず隠れてバンドをやるという反抗。演技と言いつつドラムを叩いた彼女の姿には一皮剥けた印象を覚えたよ
前回真面目に肉弾戦していたトキ達が可哀想になるじゃないですかってくらいにパパさんの超絶存在すぎる……。あの瞬間だけギャグ空間になってたよ?
てか、彼らが初登場したEPって番外編だった筈なのに、本編への影響が大き過ぎる…
ひとまず急場は過ぎた。けれど、何の解決にも至っていない点が不穏
陳彬の死は理不尽である為に納得できる者は居ない。そこへ劉旻の死に納得しない者達と遭遇するのはやな偶然なのだけど、あちらとこちらでは死への印象が全く異なるね
特に陳彬の奥さんが遺影を前にした際の慟哭がその死にどれだけ納得していないかを表している。そのような死を繰り返してはいけないと関係者に思わせるものになっている
だからトキがするのも死への絶対的ではないささやかな抵抗。死そのものを回避するのではなく、不幸せの一部を回避する
死の過去は変えられなくても得られなかった温もりの過去は変えられる
だとすれば、敵と思わしき存在がヒカルに届けたのが死ではなく過去の一片だった点は何を意味するのだろう?
キャンプ場へ向かうリン・綾乃組となでしこ、両者の道のりは大違いな筈なのにリン達だけでなくなでしこすら地獄のような道を進む状況はちょっと笑えてくる
キャンプ場への道だってキャンプの一環、その意味では予想外の驚き体験はキャンプを楽しむ一要素になった…のかなぁ(笑)
ただ、それでもなでしこよりリン達の方が険しい道を進んでいるね
あの長距離と険道をバイクで行こうと思える2人の気が知れない
でもそのデスロードが2人の仲を深めている。辛い道のりを共に越えた体験が2人に掛け替えのない絆を生じさせているね
なのにデスロードよりキツイ吊り橋が待っているなんて凄い話。いや、凄い橋
もはやあのような体験をした二人は一蓮托生、魂まで同化したようなもの
そうして温泉で溶け合った2人が今度こそ向かうはキャンプ場。前座としてはインパクト有る体験をしたリン達が行うのはどんなキャンプになるのかな?
前回の話によりおバカアニメの印象が強まっていただけに、がっつりと虐め描写があって度肝を抜かれた…
自分が手酷い虐めを受けたから虐めのない学校を作りたい。でも、その為に他者を害するようになれば虐めをしていた側とさして変わらない。これはこれでしっぺ返しとなったのかな?
畦目の体験はかなりキツイね。自分だけが被害に遭うに留まらず、被害は祖母にまで及んでいる。それは虐めは連鎖すると実感するに充分過ぎる体験
だからこそ、虐める者を学校から排除する遣り方を選んだのだろうけど、そもそも生徒を学校から追い出すなんてまともじゃない
結局は畦目も危険人物として蓮に狙われる破目に陥ったわけだ
蓮の能力は面白いね
本作の呪いや怪異は使用した本人に返ってくる類が多いように思えるけど、蓮は直接的に相手の能力を反転させている?
そして返ってきた呪いは畦目を傷付けたが、同時に呪った生徒達も返ってこれたようで
めでたしめでたしと言える展開だけど、オチがどうにも不穏…
機会が有ったので今更視聴。前々から評価の高さは聞いていたのだけど、どうしてか食わず嫌いで避けていた作品
子供と戦争の関わりを宇宙世紀を舞台にして描いていく感じなのかな?
既に戦争に身を投じているサイクロプス隊と戦争を身近と思わないアルの対比が強烈な初回
戦争も連邦のMSも見た事がないアルや周囲の少年にとって戦争はむしろ格好良いものに類しているようで
だから忍び込んで本物のMSを見に行くのだってきっとスパイ遊びみたいな行為の延長
街中で射撃遊びに興じる様子が本物の戦争の後に描かれる事で生じる違和感は強烈
アルは幸福な少年として描かれているのではなく、世界の不条理と直面している。でも、それは戦争に関わるものではなく、家庭内の問題。それでも少年にとっては大きな問題だから近所に里帰りしてきたクリスに心開いたのかもしれない
今のアルにとって戦争より家庭の方が余程大きな問題。でも、それを解決する手段は持たないわけだ
驚きなのは少年達にとって街中でMSが戦闘を繰り広げる姿を見ても「珍しいものを見た」程度の反応になってしまう点か。あれは衝撃的
戦争を身近と思わないから、街中の被害を視界に入れず珍しいMSを追って落下地点へ向かう
そうしてアルに向けられたのは人を殺せる銃。あの出会いはアルと戦争の関わり方をどう変えるのか、興味深いね
ルディとナナホシは日本からやってきた同士だけど辿った道は驚くほど異なる
けれど、そうした違いをそのまま対比とするのでなく、最終的に同じ祝宴の場に同席させる過程で2人に似た要素を形作らせ、それを以ってナナホシの印象を変える手法に目を見張る回となったかな
今のルディには多くの繋がりがある
魔法大学で手にした繋がりだけでなく、パウロからの信頼も有り彼を頼ってやって来る妹達が居てシルフィという妻と暮らしている
それはやり直し人生でルディが手にしたとても沢山の繋がり
対してナナホシが持つ繋がりは何もない。だから研究室に籠もって帰還の為の魔術を研究し続ける
失敗と判れば容易く心が壊れてしまう程にナナホシに安らぎは無い。それは彼女がこの世界に居場所を見つけられていないから
元の世界では居場所が無く、今の世界で居場所を見つけたルディはナナホシと同じ境遇になる可能性があったからこそ、彼女の為に出来る事が見えてくる。自身がこの世界で手にした繋がりを活用できる
ザノバ達はナナホシやルディの事情なんて知らない。それでも困っていると知れば助力する。それは人と人の重層的な繋がりが有る為に起こす行動
独りでは思い付かなかったアイディアとて皆でやれば浮かんでくる。それは孤独に成るべきではないナナホシの力と成るね
成果は小さなもの。けれど幾つもの力を重ねて達成した過程は掛け替えないもの
このEPはルディがかつて手を差し伸べられなかった自分自身に手を差し伸べたかのよう印象すら受けるよ
そう思うと、これまで独りだったナナホシが祝宴の場で皆に囲まれ熱唱するエンディングは感慨深いものが有るね
今シーズンは久美子達3年組を部の上層として描く場面が多いせいか経営物を見ているような気分になってくる…
大集団を率いろうとすれば自然と軋轢は生まれるもの。だから上に立つ者は軋轢解消に動く。けれど、原因が幹部の遣り方に有ったとしたら?という点が容赦なく描かれていたかな
2・3年は前年から継続して全国を目指してるけど、1年はまだ入部したばかり。先輩と同じペースで全員が歩める訳じゃない
でも目覚ましい結果を残したいなら学年も経験も関係なく完璧が求められて
久美子達だって1年の時は有ったのだから無茶は判ってる。だから緩衝材になろうとして気苦労が増える
だから久美子は滝の気苦労も想像したのかな
就任初期、部員の反発を食らっていたが久美子のように分け合える相手も無く。それは大人ゆえの苦労
でも、それは滝が自身を顧問と定義した為に生じたもの。だから納得できる
そのように捉えれば、今回のEPで自分の立場に苦しみを覚えた者達の解決策も見えてくるね
結局は自分をどう扱いたいかの問題でしか無い
同級生のフォローに苦しんでいた沙里は現部長の在り方を見る事で2年後の部長へ通じる意識を持てる
部内の調停に苦労していた久美子は自分なりの部長の在り方を定める事で迷いを捨てる
何よりも北宇治は上手くなりたい、金を取りたいと目標を共有する事で団結出来る。そのように感じられたよ
ただ、そう思うと誰よりも冷めた発言をした真由は北宇治に全く混じれていないと受け取る事も出来るのだが……
わんこ属性のひまりが可愛すぎて可愛すぎて……
そんなんだから依がひまりにハマっていく様子に共感できるし、もっと2人に仲が深まって欲しいと願ってしまう
ただ、現状の2人は先輩と後輩又はシンガーとファンで。その壁を打ち破るか現状維持か。そんな悩みを抱えるからこそ依はひまりへの恋に真剣になっていくようで
本来の約束は放課後で会うだけだった。でも雨の日でも会う約束をして、イベントへ一緒に行く予定を入れて
2人の仲が深まっていく様子が手に取るように判る流れ。それは依が望む恋の関係ではないが、それでも好きな人と少しでも一緒に居られるのは嬉しいもの
百面相になる依もそれはそれで可愛らしいね
恋人のデートではないが、特別なデートは2人をより近づけるもの
甘々空間にはニヤニヤさせられるが、それは依が最も望む関係には届かない訳で
それがあの告白をさせたのだろうね
一目惚れから始まった2人。でもその意味は擦れ違っていて
自分に無かった『好き』を意識し始めたひまりはどのような関係を依に望む事になるのかな?
森太郎ととわの関係性がルールの作成等により一定の落ち着きを見せた段階で出てくるのは他の少女達ですか
衝撃的光景を目にし焦るつむぎ、初対面がラッキースケベなのえる。共通する問題は森太郎との距離感
既に同棲状態のとわが居る事で色々バグってしまっているが、異性と仲良くなるのって簡単な話ではない訳で
悪気が無かったとは言え、のえるとの第一印象は最悪。それでも互いに落ち度が有ると理解し合えており、勤労態度にも問題ないならそれ以上に印象を悪くする必要はない
ただ、のえるの場合は雪女としての性質が人付き合いを難しくしていたようで
だからこそ、彼女を平然と受け容れた森太郎に好印象を受ける
のえると仲良くなれる土台がとわとの同棲というのは本当にどうかと思うけど、その御蔭で独りになる可能性が有ったのえると友達に成れた
なら、土台のとわも彼女の友達に成れる可能性があるならば、OPやEDの仲良し風景に繋がるのかな
ただ、とわを土台に森太郎達と仲良くなるかもってつむぎ的にどうなんだろう?と思わなくもないが
防衛隊員を目指すカフカが怪獣になってしまう悲劇的展開なのにカフカもレノもギャグ空間リアクションを繰り返すものだから何もかもコメディになるのが面白すぎる(笑)
だというのに他の怪獣が現れた瞬間からカフカは心の揺らぎが止まり、ヒーローへと転身するのだから素晴らしい
コメディは兎も角、怪獣になってしまったカフカに防衛隊への道は閉ざされたように思える
けれど、この点は第一話と同じ構図。試験に合格したから防衛隊員なのではなく、怪獣に立ち向かうから防衛隊員
人ではなく怪獣に拳を振るうカフカは怪獣になったとしても危険存在などではなく人々を守る存在と判る
けれど、怪獣の見た目と力を持つカフカはやはり不安定な存在でもあって
その点をレノが程よくフォローしているね。最早ただの先輩後輩ではなく、カフカの嫁ではないかと思えてくるよ(笑)
ただ、そんな2人が揃っても容易でないのが選別試験。早速現れた若いライバルはカフカにとって厄介な相手となりそうだ
バンドをやる事になった仁菜に求められたのはバランスかな
本人は学業との並立を求めている。なのに音楽を求める本能は彼女に音作りばかりさせる
仁菜は丁度良いバランスを探す。けれど存在がロックな彼女には元々バランスを取るなんて無理だったようで
前回から苦手意識が抜けないすばるに対して仁菜は引き気味。彼女としてはあの距離感で交友を保とうとする訳だけど、そんなのすばるにすれば拒否以外の何者でもない
だからすばるが仁菜に見せるバランスはバンド脱退を選択肢に挙げさせる
ここで仁菜がバランスの擦れ違いを理解してちゃんと話し合いへ持ち込んだのは良かったな
自身に落ち度があると感じる仁菜にとってすばるは問題ない上位の存在だと思う
けど、すばるとて鬱屈を抱えており、今の在り方はバランスが取れているようでいて崩壊しているのは驚き。彼女がバンドに惹かれたのも反抗心を体現しているからだと判る
なら、そもそもロックにバランスを求める方が可怪しいかもしれなくて
失敗しても歌い上げるなら気持ちよくて、変な衣装でもステージに立つならロックに成れて
(仮)が抜けなくてもその身に不満と鬱屈を溜め込むアンバランスな仁菜はロックンロールとして成立したのだと感じられたよ