異世界転生ギャグアニメの傑作。
個性的すぎる仲間、アホばっかりの魔王軍幹部、反則級のギャグ、ノリノリのOP、ほっこりするEDのお約束は2期も健在。内容は本当にバカとしか言いようがない。ネタさえ尽きなければ永久に続けられる完成度の高さはもはや様式美。
作画のクオリティが1期より落ちてる(溶けてる?)のにちゃんと面白いのが地味にすごい。アニメの面白さに作画はあまり関係ないということがよくわかると思います。
下ネタ多めで好みは分かれますが、ここまで全力でバカやってるアニメはなかなかお目にかかれません。
いわゆるタイムリープもののミステリー作品。作画は劇場版クオリティ。
ヒューマンドラマとミステリー色が強いです。タイムリープの面白さよりも、他人と距離のある主人公が、他人を理解し信じるということの大切さを知っていくことを焦点にしている点が他と違うのだと感じます。
そのため、タイムリープものって偶然1回だけタイムリープするか、自分の意思で何回もタイムリープしてやり直すかのどちらかに分かれますが、そのどちらでもないのが地味に面白い点だと思いました。
主役の満島真之介の演技は悪くなかったと思います。ただ、もう1人の主役の土屋太鳳がうますぎるのと、脇役をみんな声優で固めてしまったため、浮いてる感じはあります。それでも声優側が演技を俳優に寄せてる感じがあるので、違和感はあまりないです。
タイトル通り「転生王女と天才令嬢の魔法革命」だったし、「王宮百合ファンタジー」の触れ込みも偽りなし。
綺麗な作画と美しいキャラクターで話題の2023冬アニメ。アニスの性格上、もっと明るい話を想像してましたが、物語が進むに従って話が不穏な方にばかり進んでいき、アニスの明るさが失われていく展開はなかなかハード。個人的には期待していた内容とはだいぶ違ってましたが、そういうものとして最後まで見れました。
「過去の古い慣習にとらわれず、自由をもたらす」という作品のテーマが、王族・貴族社会のあり方や、魔法が使えるかどうかで人生が決まってしまうような国に対してだけでなく、LGBTの話まで広がるとは驚き。なるほど王宮百合ファンタジーの名は伊達じゃない。
ただ、普通の百合を期待して見ると面食らうかも。百合は百合でもガチめなので、レズビアンと言った方がしっくりくる。(意味は同じなので、言葉の持つ雰囲気だけの問題ですが)
キャンプ「ごっこ」したり、道具を買いに行ったり、おいしいものを食べたり、温泉に入ったり、名所を巡ったりと、キャンプに興味がなくても楽しめる要素がいっぱい。
自分はキャンプやらないので分かりませんが、そんなガチな感じではなく、タイトル通りゆるめ。丁寧な解説があるのと、やってるのが女子高生ということもあって、なんか自分にもできそうな気がしてくるのが不思議。
また、キャンプって暖かい時期・大人数のイメージですが、冬・1人キャンプの魅力を描いてる点が大きな特徴。こんな楽しみ方もできるのか〜っていう新鮮な発見の連続で、興味なくてもやってみたくなる。
特に素晴らしいのが音楽で、カントリー調ののんびりした曲の数々が世界観にピッタリ。名曲揃いで他の色んなテレビ番組でも使われてますね。サントラ買いました。
正直、タイトルで敬遠してました。
でも評価高いので見てみたら、違った意味でタイトルに偽りなし!ラブコメなんだけど、こっちが赤面するようなベタベタのラブコメではなく、かなりギャグ寄り。
そのギャグのキレと話のテンポの良さが抜群。天才すぎて一周回ってバカみたいな主人公2人が、相手に告らせようと策を弄するものの、かえって自分が窮地に陥って必死になる様を側から見るのが面白すぎる。それでいて最終回はきっちりラブコメするんだからそのギャップにやられます。脚本良すぎ。
それらを盛り上げる演出もやりたい放題。声優もノリノリ。パロディだらけのBGMは遊び心満載。すべての要素がまさに、奇跡的相性。
ラブコメ苦手ですが、これは本当に観てよかった。文句なしの100点。参りました。
下手にレビューすると盛大なネタバレになってしまうので多くは語れませんが、何を期待して観るかで大きく評価の変わるアニメ。
ソシャゲは未プレイです。最初は観てなかったのですが、テレビを付けたらたまたま6話くらいが映ってたので、なんとなく観始めたらなかなか面白い。それで観始めました。
魔法学院の女の子たちの生活を描いた日常ものとして観ると、そこそこよくできた作品です。自分は、観れてなかった1〜5話も見逃し配信で観るくらいには楽しめました。
オープニングもエンディングも曲が世界観に合っていて、印象にも残りやすい良い曲です。ただ、オープニングアニメと本編の内容が合ってない。ソシャゲの内容とは合ってるのかもしれませんが、アニメ勢は完全に置き去り。
それと同じで、本編にも思わせぶりな演出があるのですが、これが全く謎。これなら、それを全部取っ払って、日常シーンにもっと尺をかけたほうが良かった。この点を低評価してる方は多いです。
とにかく制作側のミスリードがひどいので、低評価されても文句は言えない作品です。なんであんな演出を挟んだのかは、結局理解できず終わってしまいました。
それでも個人的には結構好きなアニメでした。
作画の良さはもちろん、とにかく演出が素晴らしい。モノローグを多用した脚本が説明的にならず、効果的に演出できているのもお見事。ピアノはやらないのでわかりませんが、演奏シーンは圧巻で引き込まれるものがありました。
ストーリーは割と王道で、わかりやすい伏線もあり展開が読めるところが多い印象。でもとにかく見せ方がうまいので飽きません。
最終的には主人公と同じ気持ちになれたので、共感性は高いと思います。泣きどころが多いですが、感動よりも悲しさや辛さで泣かせる部分が多い作品です。
第一クールのOPが爽やかで好きでした。それだけに後半の展開がより心に刺さったわけですが…
レビューの点数には入れてませんが、キャラが中学生にはとても見えないんですよね。特に女子の見た目は身長高くてスタイル良すぎで最低でも高校生、話してる内容や考え方は大学生顔負け。まぁ最近のアニメじゃ珍しくもないですが。
一言で言うと、「昔ハマったファミコンソフトを今やってみてもあんまり面白く感じなかった」という感想です。
原作未読ですが、登場人物はみんな知ってるし、声も記憶にあるので、旧アニメは観たと思います。映画のビューティフル・ドリーマーも観ました。
話題作なので頑張って観てましたが、12話で断念しました。理由は、最初に書いた通り面白く感じなかったからなんですが、こんなに人気のある作品なのになんで面白く感じないのか、レビューがてら考えてみました。
※以降はあくまでも面白く感じなかった理由の解釈で、作品のダメ出しではありません。
たぶん、80年代にはウケたけど、ウケた要因に当時の流行や価値観が大きかったんだと思います。逆に言うと、「ルパン3世」とか「スラムダンク」みたいな、どんな時代でも通用する「普遍的な面白さ」があまりない気がします。
例えばキャラクターについては、面堂の「ハンサムでキザな大金持ちの御曹司」ってバブル時代のギャグ漫画のお約束だったと思いますが、今はその価値観は通用しない。チェリーなんかも当時はマスコット的に通用したけど、今はウザくて気持ち悪い生き物でしかない。さすがにラムに関しては現代でも充分通用しますが。
ギャグに関してもそうで、例えば今の時代にM-1で「アイ〜ン」とかやっても多分ウケないのと同じで、「ズッコケ」とか「金持ちが私設軍隊を持ってる」とかは現代の価値観と合ってなくてもうあんまり面白くないんだと思います。擬音を声優に言わせるのも、昔のお笑い番組でずっこける時に芸人が「ズコー」って言うみたいな演出ですよね。
そんな当時でさえ、アニメ化は原作通りではなかった。そんな作品を、この令和にあえて原作に忠実にアニメ化して誰が喜ぶかといえは、やはり原作ファンなんだと思います。ドリフの再放送みたいに、原作ファンが当時を懐かしんで観るアニメ。でも原作ファンってもう50代とかでしょ?深夜アニメ見てますかね?歳とったプロデューサーが面白がって進めた企画にしか見えない。
現代向けにするなら、原作尊重じゃなくリブートにして時代に合わせた内容にした方が良かったように思います。オープニングであたるがスマホ持ってたりラムが今風の格好してるのは違和感がなかったので、「おそ松さん」みたいにストーリーやギャグを現代向けにアレンジすればウケたでしょう。まぁこれはターゲット層を原作ファンにした判断なので言ってもしょうがないことですが。
一言で言ってしまえば「古い」なんですが、古いからアニメとして出来が悪いということではなく、古さにも良いところはあって、それを面白いと感じる人が今のアニメファンに少ないから評価が低いんだと思います。
異世界のんびり農家というタイトルは一応ウソではないですが、異世界でのんびり農家をするというより、一見マジメそうに見えて実は絶倫男が異世界でハーレムを囲って農業ごっこするアニメです。
な…何を言っているかわからねーと思うが
なろう系だとか異世界転生だとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
「お前らこういうので喜ぶんだろ?」と言わんばかりの、作者の願望と偏見の塊のようなアニメ。主人公に罪はないのに、中の人も含めて気の毒でならない。
▼知識が小学生以下の農業描写
・耕しただけで肥料になる
・種がなくても想像だけで野菜ができる
・色んな野菜が同時期に育ち、旬も季節感もなし
・野菜がなぜか短期間で育つ
・世話しなくても豊作になる
・塩害バリバリの土地で野菜ができる
・農業の苦労も醍醐味もなくすべてが台無し
▼ご都合主義にも値しないあきれた展開
・明らかに農具以外にも化ける万能農具
・塩を摂取しないで一年以上生きてる主人公
・知識も経験もないのに1人で家を建築
・異世界人が見るだけで卒倒する魔物を容易に使役
・吸血鬼を捕まえにきた天使が意味不明に同居
▼工口目的の安っぽいハーレム
*ここは自重します*
ファンタジーにリアリティを求めてはいけないことはわかってます。でもこれはあまりにも度を越して宇宙の果てまで飛ぶレベル。
他にも突っ込んだら負けな部分はありますが、「突っ込んだら負け」という言葉を使うことが負けな気がするほどのトンチキアニメ。
農家より村づくりの方がメインになってるので、「異世界のんびり農家」というより「異世界ハーレム村長」の方がしっくりくる。
・主人公がチート
・一方的に惚れてくるご都合ヒロイン
・強い魔物をあっさり倒して褒められる
この辺の設定は、もうこの手の作品を見るなら今や覚悟しておくべきことなので、しょうがないかなと個人的には思います。
ただ、タイトルで期待値を上げておいて、実際の内容がそうでもないのはなんとも惜しい。このタイトルだと、「解雇された不幸な中年が、悠々自適なスローライフを手に入れる話」をイメージすると思いますが、なんかちょっと違うなぁと感じる部分が多いです。
解雇されてもあっさり新しい生活を手に入れてしまい、また魔王軍に対する未練もあまりないようなので、わざわざタイトルにまで入れた「解雇」に悲壮感がない。
「30代」というのも微妙で、仕事を失っても取り返しのつかない年齢では全くない。事実、30代が足枷になるわけでもなく普通に無双してるし、若い美少女にもモテてます。30代の設定が生きてないので、主人公が20代でも成立してしまう。視聴者の年齢層に合わせて共感を得ようとしているのでしょうけど…。
「スローなセカンドライフ」も、多くの人は悠々自適に農家やるようなのをイメージすると思いますが、実際は冒険者として危険な魔物と戦ってるので、そういう生活をスローライフと言っていいのかは疑問。
あとは、ヒロインのマリーカの巨乳推しとダリエル大好きがちょっと食傷気味ですね。それ自体はいいんですが、1話に1回はお約束みたいに必ず出てくる演出なので、お腹いっぱい。
そういうところを無視しても、特に面白いわけでもなく、かと言って観るのが苦痛なほどつまらないわけでもない、無味無臭のゆるファンタジーアニメ。毒にも薬にもならないので、そういうのが好きな方はぜひ。
以下4点のうち1つでも好きなら楽しめると思います。
①可愛い女の子たちの共同生活
②凄腕教官のチート無双
③能力バトル
④ 今をときめく声優陣
スパイアニメを期待して見るとガッカリします。実際には破壊工作・戦闘・暗殺・人質救出など、やってることは特殊部隊です。諜報活動は皆無です。
※スパイとは「秘密裏に敵や競争相手の情報を得る人」です。
スパイの女の子たちも、スパイ能力より「毒が効かない体質」とか「事故を起こして相手を無力化する」とかの異能が最大の武器なので、能力バトルものに近いです。衣装も機能性より可愛さ重視。ただ黒いだけで全然スパイらしくないです。
SPY×FAMILYの方がよっぽどスパイしてます。まぁ萌えアニメにリアリティを求めてもいませんが、それにしたってフィクション性が強すぎます。
教官は世界最強のスパイなのにまともに教えることができず、指導は全てOJT。それは方針なので仕方ないにしても、スパイ技術とかコツとかの描写はないし、女の子たちはどこが成長したのかさっぱりわかりませんので、「教室」というタイトルにしたのはミスリードだし、やっぱりスパイものとして面白くない。
さらにストーリーは特に盛り上がるところがないし、教官はチートすぎて萎えるので、自分は面白く感じられませんでした。目玉の「不可能任務」も成功率1割未満っていう数字だけで、どこが不可能なのかよくわからず、あまり驚きがありません。
クラウスではないですが、「このお遊びにはいつまで付き合えばいい?」となってしまい4話まで観て挫折しました。自分には合わなかったのでしょうね、残念です。
細かいことを気にしたら負けなタイプのアニメです。可愛い女の子と、彼女たちの能力、そしてスゴ腕教官のチートを楽しむのが正解。
恋愛×友情×ファンタジー
いわゆる「今の関係を壊したくないので恋愛に踏み出せない」系のストーリー。
作品に登場する大学教授の「まどろっこしい」という言葉通り、ずーっとじれったい。そういうのでときめく人にはたまらない。
恋愛ものとしてしっかり面白いだけでなく、海と陸で違う人種、封建的な地方文化、町に伝わる伝承、タイムリープなど色んな要素があって、ただの恋愛ドラマで終わってないところが最大の魅力。
主要キャラはみんな恋愛脳で、三角関係どころか六角関係くらいなので人間関係はだいぶ複雑。常に何かギスギスしていて、必ず誰かが浮かない顔をしているので、ストーリー自体はあんまり明るくない。でも、最終回で明かされるこの作品のメッセージを見ると、それまでの25話が全て伏線だったと納得しました。
ちさきの行動や美海のラストに批判が集まりがちだけど、個人的には紡が優遇されすぎなのだけが不満。光とまなかの勘違いの元凶であり、要をちさきと引き離したうえ、ちさきだけが陸に残る原因を作った張本人。そのうえ最後は全部自分の思惑通りで、おいしいところを全部持っていく。彼がいないと主人公の4人はいつまで経っても先へ進めず、物語が成立しなかったので、存在するだけで周りを引っ掻き回すようなキャラにした事情は理解できる。でも、最初は間違いなくいい奴だったのに、後半に全てを見透かしたような態度とぶっきらぼうな言動をあんなに強調する必要はなかったと思う。ああいうのが岡田麿里の好みなのかもしれないけど…。