友人達と過ごす楽しい時間の中で、ふとした瞬間に垣間見える「苦さ」がいい。影は光を際立たせる。この、ままならなくてもどかしい、苦い味わいがあってこその青春だ。
今回陽斗が「なぜ森川か」を語るシーン、第1話で彼女がトランペットを演奏しているところが印象に残っていたので、陽斗の言葉に自然と共感することができた。前フリを丁寧にやっていて好印象。
印象的な風景が多くて、見ていると作品の舞台を訪ねてみたくなる。新江ノ島水族館かあ。
OPとEDもとても好み。
情けない話だが、メインヒロインである夏目と森川が識別しづらくて、目元のほくろを頼りにしている状態。キャラに馴染んでくれば大丈夫になると思うのだが……。
第2話にして既に作画が結構アヤシイ感じなのが心配だが、頑張って欲しい。
遮蔽物を挟んでカットをつなげる手法をリヴィール・フレームというそうだが、遮蔽物にスカートを使っているのを見て衝撃を受けた。これはもう発明と言っていいのでは。
あ、ちゃんと過去作の内容を踏まえてるんだ。TV第一期とは別作品として仕切り直し、という線もあるかと思ってた。
視聴者が知らない競技を、どうやってわかってもらい、作品に引き込むか、という手際において、ガルパンは本当に上手かったなあ。つまり、ニーラーがどういうマシンかも、ニーラーレースの醍醐味も、よくわからなかった。
そもそも、頻繁に過去と現在が切り替わるので、単純にわかりにくいし、効果を上げているとも思えない。名有りキャラがいっぺんに多数登場するのも負担が大きい。レース展開も、主人公二人がいつの間にかトップに立っていて、どうやって勝ったのか全くわからない。レースシーンの見せ方も、真上からの俯瞰のアングルが多用されていて、迫力に乏しく、俯瞰だからと言って状況がわかりやすいということも特にない。
細かいところだと、ニーラーに乗って登校するとき、ヘルメットすら被っていないのは、作品のスタンスとしてOKなのか。
ユニークな題材なので期待したいのだが、面白くなってくれるかなあ……。
なんというか、波長が合う。
最初はバラバラに描かれていたメインキャラと思しき五人が、瑛太と陽人の再会をきっかけに徐々に繋がっていき、音楽もそれに合わせるように、最初はトランペットだけだったのが、次々と音が重なっていき、場外ホームランと音楽の盛り上がりとがぴたりと重なり合う快感。
説明くささを極力排しながらも必要な情報はきちんと伝わる脚本も上手いし、上述のような演出もいいし、美術も緻密でしっかりと作品を支えている。キャストは、自分は名前を存じ上げない方が多いが、キャラに合っており、芝居のテンションも好み。これであともう少しだけ作画がよければ。
次回以降も楽しみ。
自分が見た今期完結アニメの中で、最も脚本の完成度が高いと感じたのは本作だった。キャラが魅力的で、各話にきちんとヤマとオチがあり、シリーズ全体のバランスもいい。
「アクションヒロイン」というタイトルでありながら、アクションシーンなのにあまり動かないカットが多かったりもしたが、ここぞというところでは力の入った作画で、見応えのあるアクションを見せてくれた。
全体的な満足度が高かっただけに、最終話の「『持ってない』御前の葛藤」「御前はステージに立つのか」「アドリブで10分引き延ばす」といったプロットが第9話とカブっており、同じことの繰り返しっぽくて感動が減じてしまったことが、返す返すも残念。
終わってみれば、元さんが一番好きなキャラになっていた。カーテンコールで元さんもステージに上がっているのを見て、思わず涙しそうに。シーズン2ではまさかの悪役でびっくり。車椅子を使っている彼女に、変に思いドラマを背負わせずにさらっと描いたのも、よかったと思う。
とても楽しい1クールだった。スタッフのみなさんに感謝を。
ニュータイプ同士の交感みたいに会話するエルとオラシオとか、オーラバトラーのハイパー化みたいになるヴィーヴィルとか、逆シャアばりに「伊達ではありません!」と言いつつヴィーヴィル落下を阻止しようとするイカルガとか、キッドの「死ぬかよぉ!」とか、横溢するトミノ臭に笑った。
カットされたキャラやメカやエピソードも多く、原作通りの映像化とは行かず(諸々の事情や制約があったのであろう)、不満に思う原作ファンがいるのもわかる。それでも、原作のキモあるいはスピリットとでも言うべき「巨大ロボットのための世界」という部分は、このアニメ版も継承できていたと思う。
とにかく何よりもまず巨大ロボット。それを主人公であるエル自身が体現しており、いかなる時もそれがブレない。作品の柱が極太で揺るがないのが、この作品の魅力だ。
登場するメカの種類は1クール作品とは思えないほど多く、ロボットの登場シーン・戦闘シーンも多い。これだけの物量を、素晴らしいクオリティで作り切ってくれたスタッフに、原作ファンの一人として、心から感謝を。楽しい1クールだった。
現在日本の地方都市が直面している諸問題について、よく調べ、よく考え、真摯に向き合った作品だったと思う。作品のリアリティラインが現実に近いので、全ての問題をたちどころに解決するような策などなく、どうしてもカタルシスが弱くなってしまうところはあった。しかし、だからこそ「自分ならどうする?」と身近な問題として考えることができ、そのための材料はたくさん提示してくれていたと思う。
最終回の作中日時が、放映時点から見て未来の日時になっており、これをリアルタイムで見るのと作中日時を過ぎてから見るのとでは、結構印象が異なるだろうな。(録画だけど)リアルタイムで見ることができてよかった。
自分は、こういう作品も好きですよ。
イカルガの装備の中でも特に好きな執月之手(ラーフフィスト)がようやくきたあああ! '70年代のロボットアニメを浴びて育った者としては、ロケットパンチには別格の思い入れがあるんじゃよ。
主人公のライバルポジションのキャラが、パイロットではなくエンジニアというのが、この作品らしい。エルやオラシオだけでなく、今回のディーの勝ち方にしても、単純に火力を上げて勝とうとするのではなく、兵器の技術的特性を踏まえて対抗策を練っているのが、この作品らしいと思う。
エルがヴィーヴィル打倒に燃える理由が「ロボットが活躍する世界を守るため」というのも、ブレてなくていい。ほら、「世界を守るため」の部分だけ取り出せば、ロボット物の主人公らしいと言えなくもないし!