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とても良い

事前の想定と異なる展開だったけど、その相違が今回のサブタイトルに深い意味を持たせているような
EXODUSでは絶望的な戦場に降り立ち全てを一変させた一騎と総士を『英雄』と呼んだ。今回は犠牲を受け容れた一騎と犠牲を否定する総士という新旧を指して『英雄』と言ったかのよう

一方で美羽だって一騎側の英雄として犠牲を許容した。それを代えたのは総士の思うが儘の言葉。マリスが救えなかった彼女を救ったのはある意味で総士が二人の英雄となったとも言える
そうなると、一騎という英雄と別の道を選ぶ総士と美羽の二人を新たな英雄と指しているようでもある

英雄を超えた総士と美羽が導く可能性、それは『蒼穹のファフナー』という作品が新たな地平線に辿り着いた事そのものを表しているかのよう
長い長い物語の果てに示される若い世代の祝福がどのようなものか見届けたいね



良い

分断されても連携により働き蟻を撃破する『灯』に襲いかかる新たな働き蟻。守るより攻めが得意な彼女らを攻め尽くす無限の敵
終わらない敵の嵐は一方で働き蟻にとっても無限の苦痛の嵐に居るのだと判る
だからこそ倒すべき敵は働き蟻ではないとも見えてくる

無限の嵐の中で己が遣るべき事に突き進む『灯』の中で唯一迷い続けるのはティア
指揮者として皆を導く筈が己の弱さに負け俯く彼女を励ますのがアネットなんてね。チームの中で異物と言えるアネットが伝える英雄の物語とリーダー・リリィが示すティアの出来る事
それは弱さを自覚させた敵との対話

けれど、ティアは弱さを完全に克服できたわけではないからローランドにより更なる闇へ落とされる
そして繋がる過去の英雄とこれからの英雄
働き蟻を統べる紫蟻、『灯』を統べる夢語。両者の対話は嵐渦巻くミータリオにどのような英雄を顕現させるのだろうね



良い

王の正体が国民に分かってしまった事で生じる国の分断は人々すら分けてしまうもの。
魔族と人間の血を引くレオが推し進めた人との融和が全く異なる意味に変わった状況。それは人々に何を信じ、何を受け容れるかを問い掛けるものになったようで。誰にとっても大きな試練

正体が人であった為に主を代えたアヌビスのように、相手が自分と分かたれた存在と判れば共に居るのは難しい。同じ側に居る者としか結べない
種族差別に拠る秩序、同種族のみで固まる者は理想を得るが、異種族で暮らす者は非道を味わう
かといってそれを助けたサリフィ達に礼を言えない辺り、種族の分断は人の情では簡単に越えられない

一方で分断されない者も居るね
ヨルムンガンドにラント、そしてアミト。彼らは種族ではなく相手その人を見ているから相手との違いを重く見ない
でも民に仕えてきたレオは違う。自身の違いにより民が分断したならレオはオズマルゴに居られない
でもサリフィがレオという個を見て関わりを変えないように、正体がバレてもレオは変わりはしない

民から非難されてもレオがオズマルゴの王である事実は変わらない。そしてサリフィが自身を信じてくれるのも変わらない。そこへ分断に惑わされない者が集えば目指すべき場所は明確
国を追われた王が国に帰るが、そこは自身を歓迎しない。それでもレオが改めて王と認められれば国の分断は終わる
レオとサリフィ、最大の試練を迎えたね



良い

ああまでセシリアに色々言われて気づかないローレンって、どうなんですかね……
アベル・ヘーゼリッタと別れて、久々に二人きりの空間。以前に戻った形だけど賑やかさを知ったから寂しさをより感じてしまう
それに乗じて急接近できた筈なのに…

旅行先で聖女の悲劇を知り、呼び方を一時的に変え、ネックレスもプレゼントし…
二人は関係を大きく変えられる筈。セシリアだって気合を入れてる。なのにローレンの鈍感さが全ての邪魔に……
そりゃ何も起きないままヘーゼリッタ帰還の時となるのも仕方ないというものですよ(笑)



良い

学園での地位に魔法陣研究、クリフの恋模様、人形制作、ゾルダートとの交流等々…
どれもまずまずの成果を出している。でもルディが学園に来たのは全く別の理由から
本願を示すべき矢印は大人しいままでルディの行動が方向性を見失いつつ有るように思えた処で待ってましたな展開となったね

当初、転移事件調査が中心だった頃はフィッツとの交流は多かった。それが減ってしまったのはルディのタスクが増えた背景に留まらずナナホシにより転移事件の鍵を得てしまったから
ルディの矢印が他へ向いてしまえば当然関わりも減る
だから転移事件を理由とせずフィッツとの交流を再開させるには直接フィッツ向かう矢印が必要だったわけだ

フィッツに無視されたという疑惑はルディの心を刺激するものに
当然導き出される結論、望む可能性。そこで偶然得た真実
示すべき対象を示さなかったルディの矢印が遂に反応した展開。これでフィッツの正体を知った時にはルディがどのような反応を示すのか俄然楽しみになってきたよ



良い

あの夜宵が神様に喧嘩売った件を反省していたのは意外。彼女にも一応の自制心は有ったのか。その後、既に神殺しを達成している事で更に驚かされたけど
心霊スポット巡りの意味が変わった今回、それは同時に夜宵と螢多朗の関係変化の意味も併せ持っていたようで

愛依を救う為の神殺しに必要な準備は果てしない。命を失う恐れはこれまで以上
それでも螢多朗は引かずに同行すると腹を括った。それは夜宵と関わり始めた頃の彼には見られなかった傾向
ヤバさは跳ね上がっても彼はもう逃げない。夜宵と一蓮托生のつもりでいる

だから夜宵は彼を相棒と感じられたわけだね
元々多くの無茶をしてきた夜宵。今は螢多朗がその無茶を支えつつも彼女を守る相棒となっている。だから夜宵は無謀な神殺しへ向かえるのだろうね
…その勢いで最恐心霊スポットに連れ込まれてしまった螢多朗は可哀想としか言い様がないけど(笑)



とても良い

気になる人にチョコを渡すイベントにてどう行動するかで相手へ向ける感情が見えてくる
沢田は堀が喜ぶ物を渡したがるし、堀は宮村に渡すハードルの高さに悩む
他にも特別なイベントへ向けて様々な葛藤を見せる面々が描かれたね

チョコを渡したら相手が喜ぶなら渡したくなる
堀のチョコは人を選ぶビターなものになり自信は持てず。ていうか、友達に配れる宮村に勝てるチョコなんて初めから作れないわけで
なら、結局は相手に渡すという行為が肝心要、むしろ籠める意味や緊張が特別な味になる

綺麗で美味しいケーキを作った宮村だってちょっと失敗していて、堀の反応に安心していた
だから似た意味が籠められた堀のチョコだって宮村は喜ぶわけだ。二人がチョコに籠めた味は同じ。だから二人の遣り取りはいつだって微笑ましいし、ニヤニヤしてしまう

桜のは少し悲しいチョコだったなぁ…
透だけには渡せないけど、渡したくないわけじゃない。だから由紀を介して、彼女にも渡す事でチョコの意味を友達へのものにした
というより、由紀に渡す事で彼女へのメッセージにもなっているように感じられて…
とても未来志向の有るチョコだったのかも

沢田は井浦を優良物件と思わないが、それでも渡したい野上を応援する。「誰かに話を聞いて欲しかった」なんてまるで自分かのよう
結局野上は渡せなかった。でも気持ちを渡したい別の人には渡せたわけで
沢田と野上の間で遣り取りされる「友チョコ」は尊いものだったよ



とても良い

ディストピア的なエピソードを重ね描いた回だったね
AIの進歩で様々を容易に調整可能な世界だから、都合の悪い又は我慢のならない物を許容できない
かといって思いの儘に規制するのも間違いではないかと問い掛ける内容と感じられたよ

親にとって許容し難い不健全アニメ。子供の視聴を制限すれば無理解な親と思われるから健全な番組だけ流れるよう規制したくなる。それが良い社会に繋がると思い込む
小山田の主張は別物。健全を突き詰めると人間の居場所すら無くなると言う
これは不良の登場によって補足されているね

暴力を振りまく不良は不健全の極みに思える。しかし血を見て逃げたならそれは小物だし、不良に怯えた田口も小物、両者は同類
社会からそのような不健全な悪を排除するならどちらも排除される。不健全や悪を許容すべきとは思わないが、人が人で居られる社会の為には安易な排除は宜しく無いと言えるのかな

篠原が勤める学校はいわば田口が求めた不健全を完全に排除した世界かな
親が批判する要素を排除・否定した学校。その状況を維持する為に決まりは多くなるし、決まりを破る者は不健全の烙印を捺される
親が喜ぶ学校社会、それは果たして子供を真に思い遣るものなのか?不健全を完璧に排除すれば健全を実現できるのか?

望む学校教育が行われていると感じる親は社会を肯定するだろうし、大人の押しつけに反発する子供は社会を否定する
結局、その意味では社会に集う全ての者のコミュニケーションによってしか健全なんて実現できないのかも
だからこそ、学校社会の軋轢を体感したパーマが児童ケアに当たっている様子に希望を感じてしまうよ



とても良い

敵のトリックを見破った事で見えた逆転への道。総士と美羽が作戦の要となるのは変わらずだけど、ここに来て気になる雰囲気も生まれた…?でも、あの総士だしなぁ……
一騎との会話シーンに代表されるように、今の総士は人として様々を学ぶ方が優先される気がする…

作戦を控えた壮行会の様子はとてもほのぼのとしたもの
「必勝」なんて掲げられていても、メインは誕生日祝いとなるし、食べるのが終われば子供達は雪遊びに夢中になる
とても平和な光景、これこそ島の皆がずっと大切にして来たものだと改めて感じられたよ

そして始まる蒼穹作戦は毎度の如く厳しいものに
一つの局面を有利にできても敵は常にこちらを上回り犠牲は嵩んできた。操もその一つに加わるかと思いきや…
いや、まさかあのタイミングで来てくれるとは!遂に辿り着いた竜宮島、再起した芹。あまりの感慨深さに感動してしまったよ!
これで次回タイトルがあれなのだから本当に堪らないね!



良い

ミータリオで『灯』に求められるはクラウスを頼らない形での諜報活動。実力は足りないのだから当然、敵に気付かれてはいけない。
個々に活動しているからクラウス襲撃のような連携は取れない
だからこそ足りない部分を補う必要があって。それが早くも見える回だったね

今回、メインとなったのはモニカか
『灯』の中では実力が頭一つ抜けている彼女を追い込む大学生
簡単に最高得点を採るモニカは凄いが、同じように最高得点を採り続けるミランダも凄い
突然訪れた極限の闘争はモニカを追い詰める。でも的に刺さった結果だけが全てとなるなら過程は問われない

その意味ではミランダが努力を振りかざし、モニカに勝とうとしたのが間違いと言えるのかな
モニカの悔しさなんて的には反映されない。同様にミランダの努力とて反映されない。だからモニカのイカサマやサラの反則がまかり通るわけだ

モニカだけでなく日常に紛れた相手がジビアを襲ってくる。誰がどのタイミングで襲ってくるか判らない敵。ラストシーン含め、これが紫蟻の力なのかと感服する
だからこそ、真っ当に働き蟻に追い詰められるスパイ少女達を他所に警察に捕まってしまうリリィが面白すぎるよ(笑)



良い

アナスタシアという人の手を介しサリフィによって届けられた魔族の親書、それはとても象徴的な出来事
また、サリフィが王の前で語った魔族の普遍性、そして人の王に見出したレオとの共通項
これらを踏まえれば、人と魔族は大きく変わらないから手を取り合えるのかもしれない。サリフィの功績によって人と魔族が結び合う未来が少し見えたような気がするよ

人から魔女と排斥されていたアナスタシアは原因であるルーツを探っていたのに、今では自分を受け止めるオセロットによって正体に悩む愚かさを知った
彼女を通してレオのルーツは知れなかったけど、他方でレオが目指すべき心構えを教えてくれるもの
かといって、レオだけに構えさせるものではないから、サリフィは彼の隣に立つ為に努力するわけだ
その決意を新たにしたタイミングであのような陰謀が起きるとは…

人との和平交渉、サリフィの王妃認定。人が魔族に、レオの本当の姿が魔族に受け容れられる余地が生まれそうな、様々が明るい方へ向かっていた裏で王の正体を暴こうとするセトの暗躍
レオが王として立つバルコニーがまるで処刑台かのように様変わりしたラスト、これまではサリフィに与えられてきた試練がレオに投げつけられた形となったね…



良い

セシリアとギーゼルベルトによって語られる「聖女とは何か」は聖女がどれだけ尊い存在であるかを補填するもの
踏まえるとセシリアを聖女呼びするローレンは正しいように思うけど、一方で彼は彼女個人を見ていると言う
特別な聖女と普通の少女、改めて彼女をどう扱うべきかが問われた回だね

ギーゼルベルト達が語る聖女や加護はセシリアが常人と異なる存在であると告げている
他方でカミラを前にして恋バナに花を咲かせる様子は普通の女の子といった処
そもそもあの街に居たフレデリカが聖女として扱われ過ぎ悲劇を迎えた件を思えば、セシリアを聖女として扱い過ぎない方が正しいのだろうね。まあ、その為にはローレンの鈍感さをどうにかしないといけないのだけど

セシリアを普通の女の子として扱うなら想い人のローレンだけが居れば良いという訳ではなくて
本来なら此処でお別れのヘーゼリッタが再びセシリアと共に過ごせるように手を回していたのは彼女が既にセシリアの友達だから
そう考えるとセシリアは本当に周囲から愛されていると感じられるね



良い

螢多朗達だけでなく、視聴者にも恐怖を振り撒く悪霊はヤバい存在という他ない。だからこそ圧倒できる夜宵という異常な少女の活躍に魅せられる
特に彼女の場合、悪霊の心理を読んだ上で行動しているという点が何よりも強みとなっているね

脳幹を弄って霊を従わせる悪霊なんて異常そのもの。でも観察すれば強くないと知れる。また、被害者から見える傾向は性格のヒントとなる
正しく考察すれば悪霊は恐ろしくない。夜宵はそれが出来たから悪霊を捕らえられたわけで、螢多朗も察したから協力できたわけだ

夜宵が仕掛けた罠は霊の性質を理解していないと仕掛けられないもの。この点からも彼女が普通の枠から大きく外れた人間と判るね
そんな夜宵の前に立ち塞がるは霊と全く異なる神様。愛依を守る為に異常な神様に異常な夜宵がどこまで立ち向かえるか見ものだよ



とても良い

今回は一挙に幾つもの境界線が登場したな…
ルディ以外に日本を知るナナホシが登場した事で物語は大きな転機を迎え境界を越えたと言える。でも、この事実は現世と前世の境界を意識させるもの
同時、そのルディを前にする事はフィッツに彼との境界も感じさせてしまうわけか…

ナナホシ登場時の境界線を踏み越えたと感じさせる激しい切り替えは凄まじいが、それだけに静かに切り替わる気絶後の遣り取りもインパクト充分
あの世界では目にする筈がない文字、聞く筈のない言語。境界を越えて別世界からやって来たナナホシの存在は逆にルディ自身が境界を越えて来た異物と突き付ける

ナナホシが語る転移者の物語、元の世界に戻ろうとする渇望。それらはルディの知らないものばかり
ルディが現世における事件を調べる上で前進する手掛かりとなるけど、一方で彼女が求める前世への後進は望まない
ルディとナナホシの間に境界線が有ると判るし、またルディ自身が前世に対して境界線を引いていると判る

物語としては大きく動いたが、接しながらフィッツは理解できなかった
転移事件について怒りを迸らせてもそれは無理解の証となりルディと協調できない
少し前まではルディと特別な関係に成れそうだったのにナナホシの登場で境界線が引かれた。彼女の遣り場のない気持ちはここからどうすれば良いのだろうね?



良い

宮村は柳と違う方向で人から好かれる人間となったけど、宮村を好む人間が堀に始まり渡部や堀父など厄介な人間ばかりというのはどういう巡り合わせやら
堀家は理解できるけど、渡部は宮村を好む理由が判然としない点が余計にキモさに拍車をかけているね(笑)

宮村に纏わりつく痕跡から浮気を疑う堀。宮村の男友達の匂いを把握しているのは厄介過ぎる癖だけど、つまりは好きな人なら実体だけでなく匂いまで好きとの感覚かな
その点では宮村が浮気対策に自分の男友達の匂いを覚えるのは意味が無いし、渡部が実物より写真や声を収集しているのは結局は触れられない間柄だから

宮村と堀のマジ喧嘩、原因は忘れる程に些細なのに意地になって仲直り出来ない
これはこれで恋人のイチャコラと捉えられるけど、下手に放置すれば破局に繋がるのも事実
堀が突如持ち出した「嫌いになったんでしょ」なんて暴論、宮村からの返しが少ないから思い込んでしまう罠

だから堀と和解する為には、宮村だって堀を厄介な程好きだと伝える事が必要
仲直り後には再び宮村に纏わりつく痕跡に舞い戻った堀だけど、そこに宮村が返したのは驚きの行為
色々有ったけど、やはりこの二人は互いをきちんと好き合っている厄介なカップルだと思えるよ



とても良い

バレンタインとホワイトデーという甘いイベントを描いた後に始まるのは苦々しい恋物語
チョコやケーキに関し美味しさを求めるなら既製品を買えば良い。でも美味しさ以外を伝えたいなら手作りの品となる
それは恋においても似たようなものだったと言えるのかな?

リサが須藤に渡したケーキは失敗したが一纏まりのストーリーとして評価された。それはロボが作ったものなら叶わないもの
でもそれは手作りと話していたから通じる話で。須藤のお返しは美味でも手作りと知られないから美味しさ以外は伝わらない
でも須藤はそれで良かったようで

リサに店のケーキを奢ったレオンは気持ちを伝える気が無かったのだろうね。けど気持ちが存在しないわけじゃないから、押し殺すしか無い
恋を向ける相手が「友達」を求めるなら、面倒さ等を楽しむ余地も無いなら、生の気持ちを消すしか無いか…
その発想は手作り感のないロボット的なもの

レオンの「手作り」に相当するのはきっと須藤新医院に来院した点かな
施術を行うなら他の医者でも出来る。リサとの接触を回避せず来院したのは施術以外に伝えたいものが有ったから
リサはレオンの気持ちに応えられはしない。それでもリサに伝わったレオンの生の気持ちがレオンの選択を変えたのかな……



とても良い

手札が相手に筒抜け且つ包囲された状況では普段守れる者も守るのが難しくなる
限界の状況でも守りたい者は何か、その為に何が出来るか?
何もかもが極限だからこそ、それらが際立ってくる印象を覚えるEPだったね

美羽に行われたセレノアの精神攻撃は彼女の安息を利用するもの。守りたい者、守られたかった人
それはまさしく卑怯な手段。総士が言うように怒るべき状況
そして怒りは奪おうとする敵への最大の抵抗手段に成り得る

限界を迎えようとしていた零央と美三香は二人で居られる自分達を守る為に生を諦めようとした。それを許さないのが総士だね。というより彼はずっと怒っていた
その怒りは零央達を取り戻し、更なるザルヴァートル化すら呼び起こすのか

守れたけど守れなかった者、対してこれから守れるだろう者。全てに納得できるわけでないからそれにも怒りは覚える
でも怒りなんていつまで続けて良いわけではないから、怒りを解いての赦し合いも必要になってくるわけで
絶望や犠牲は有っても次の段階へ進む面々。これがマリスへの逆襲になると良いのだけど…



良い

ミータリオ編開幕のEPはこれまで着実に培った努力や成長が表出した形に
クラウスから任務の一翼を任されるようになり、直前の襲撃でもクラウスを降参一歩手前まで追い込んだ。だからこそ目立つのはティアの不足か…

再びズレを強調するクラウス
チームのズレが個性として機能しているなら確かに問題ない。けど、それが特定個人の不調に拠るものなら別問題
ティアの認識は後者に近いのかな。ローランド、クラウス襲撃と自信喪失させる出来事が続いた事で彼女の火は消えかけている

そんな状態だから新天地での夢も展望も抱けない。他者の活躍ばかり目に入り、自分の停滞を意識してしまう
不調のティアが対峙する事に成った自分に敗北感を味合わせたローランドとの接触。ここに彼女の抱える甘さやヒーロー願望はどう活きるのかな?



良い

悲劇の聖女フレデリカと接していたギーゼルベルトの関係は想いのベクトルが似通っている点からセシリアとローレンの関係を想起してしまうもの
他の部分は大いに異なっている2組を比較する事でそれぞれが何を今でも大切に思っているかが見えてくるような…

セシリアとローレンは異なる土地でも平常運転に戻ったよう
名前呼びは一時的なものに限定され、代わりにアクセサリーの贈り物。少し近づいても決定的な一歩には成らず
でも、変化の薄い穏やかな関係が二人にとって大切な日々であり失われないものなのだと判る
それはギーゼルベルト達とは全く異なるもの

フレデリカとギーゼルベルトの交流は限定されたもの。恋を思わせる雰囲気はあっても、それ以上を望めるようなものでは無かったのかな
だから変化は二人に制御出来ない方向からやってきて仲を引き裂いたわけだ。それはギーゼルベルトやヘーゼリッタにとって喪失以外の何物でもなかったから今でも悔いとして残っていたと

後悔を変えるのは類似関係のセシリア達。ローレンはギーゼルベルトの、セシリアはフレデリカの想いの残滓を指摘出来る
今でも幸せの渦中に居るセシリア達がかつて幸せの中に居たフレデリカ達の想いの尊さを思い起こさせる
悲劇が残る街にセシリア達が訪れた価値が見えるEPとなったね



良い

これまで魔族の国にて異物として扱われてきたサリフィが今度は人の国にて異物として扱われる不可思議な構図
人の国でサリフィは魔族と繋がりある怪しい者として扱われる。それは理不尽故に同じように理不尽な扱いを受ける魔女と関わる土台となるわけだ

先祖の過ち、魔族文字の理解。それだけを以って魔女扱いされるアナスタシアは人の異物。かつてのサリフィと待遇は似ているものの、サリフィが彼女と関わろうとする動機そのものはレオに関する理由ともっと単純な理由が重なっている
それで居ながら、他者と関わる際に正しく相手を知った上で関わろうとするサリフィの姿勢は好印象を抱かせるもの

それはアナスタシアにとってかつての友人と重なるものだったのかな?
その時は開けなかった心を代わりに開くかのようにサリフィへの態度を変えたのは代償行為のようだけど、これによって二人は異物同士を理由として和解する訳じゃなくなる
サリフィは人の国で思わぬ繋がりを手にしたわけだ

思わぬ繋がりはレオに通じるもの。人の国で見つけたレオのルーツ、また魔族の国では法官セトが王の正体について疑念を呈す
レオとサリフィが別々の場所にいるタイミングで出現した魔族王レオの存在が揺らぎかねない事実。本作がクライマックスに近づいているのだと感じさせるよ



良い

魔法大学編に入ってから人と人との繋がりが広がる様を描いたEPが続いているね。今回の話はそれを深掘りするものになっているんだけど、「どうしてそうなった?」と突っ込みたくなる流ればかりだからどう解釈していいやら困るな…(笑)
その意味では未来はどうなるか判らないを如実に現しているよ

エリナリーゼの本性を知らないまま淡い恋心を抱くクリフという時点で突っ込み処しか無いんだけど、無謀に過ぎる告白が成功するなんて意味不明だ(笑)
いや、クリフは恋心が叶いエリナリーゼは愛しい人に出会えたのだから良い筈なのだけど、流れが滅茶苦茶過ぎて納得できない……

「どうしてそうなった?」PartⅡ、リニア達の代わりに決闘を受ける流れにどうして魔王が介在するの……?
意味不明にも程が有るけど、これまでも流れを無視した出会いを幾つも経てきたルディなら逆に日常茶飯かもと思えてしまう
ルディには他者に理解できない運命が有るのかも

こういった経緯や流れに沿わない出会いがルディを襲うなら、今の関係を続ければ未来は安泰だなんて言える筈がない
フィッツはルディと再会してから色々な表情を見せてくれるようになったけど、そろそろ正体を明かして進展させないと何処の誰とも知れない人にルディを奪われてしまうんじゃないかなぁ…



良い

新章突入を新キャラ神代愛依と共に景気良く描く今回のEP、愛依の明るい見た目や性格に反した暗い不幸体質や憑き物
ホラーの基本的な一旦視点をずらしてからの本命投入という流れが行われているからこそ、後半で正体を現す神様の脅威度が判る構成になっているね

霊媒体質の螢多朗とは一味違う愛依が得る神様の寵愛。神に見初められてるなんて普通は幸福を想像してしまうものだけど、彼女の場合は死を誘引するもの
なら、死後に愛依を殺そうとした兄の言葉は愛依の幸福を願った筈のもので。愛依の境遇の何が周囲にそこまでの凶行をさせるのか興味を引く起点の話だったね



全体
良い
映像
とても良い
キャラクター
良い
ストーリー
良い
音楽
とても良い


普通


全体
普通
映像
とても良い
キャラクター
良い
ストーリー
良くない
音楽
普通


とても良い

なんて濃密な人間ドラマ……

戦いを生き残れた者が単純に幸福と成れないのは戦時下の苦しみか…
大切な存在が喪われた現実が生きている者を苛む。また、敵の攻撃が読めないというあやふやさも島の者達を追い詰めているね

絶望的な状況で総士が示した希望は良いね
偽りの平和の中で彼が学んだ料理は現実に繋がる美味しさ。また、その美味しさが総士にとって遠見家と真の和解を得る機会ともなっている
喪われたものはあれど、得たものだってきっと在る

マリスが突き付けるのは喪失による恨み。だから彼を前にすれば島の者達も喪失の恨みに囚われてしまう
それはルヴィが言うように試練が形を持った代物
でも、史彦達は恨みに囚われないだけであって、犠牲の否定まで至ってない点は哀しい…

新たな犠牲を前提とした第二次L計画を踏まえ、征く者と残される者の対話が本当に辛い…
どちらの立場であろうと別の立場になった者と永久の分かれとなる可能性がある。それでもどちらかを生かす為に分かれなければならない
辛い決断、なのにマリスが齎すのは地獄だなんて…



良い

《忘我》編終盤でアネットの特異性は充分に示されているが、今回はアルバイトという普通の生活を人としてネジが外れているアネットが問題なく満足に出来る描写を挟んでからのラストだったため、《忘我》編とは違ったインパクトが有ったね

裏向きは潜入任務でも表向きは接客バイト、『灯』の少女達はアネットにバイトなんて出来る訳がないと心配する。なのに誰より素敵にこなしていたら、そりゃ心はアポーになる(笑)
アネットに出来る訳が無いという思い込み。それが余計にショックを与えるわけだ

下品なスラングに余計な意味を見出させず、思い込みの裏をつく大麻取引の仕組みと似ている
更に言えば、アネットが発信機を付けたのもそれが犯人だと思うのが普通で、「ムカついたから」なんて思い込みの裏をつく所業
下手な思い込みが相手の正体を判らなくさせる

アネットに関しては思い込む時点で既に間違っているのはオチを見れば明白
クラウスにプレゼントなんてそりゃ純な気持ちを期待する方が間違っている
だとしても、他者の成長を削り取ろうとするのはガチで人として間違っているんだけども(笑)



良い

凱旋の儀にレオはサリフィを妃候補として出したいけど、民衆はそれを望まない
異なる立場に居て折り合えない両岸を繋ぐ者こそサリフィになるというのは良いね
人間でありながら魔族の国に居て魔族の王に嫁ぐ。そんな特殊な立場のサリフィだからこそ出来る事がある

アヌビスやサリフィの意に反してサリフィを衆人の目に触れさせたいレオ
それは誰よりサリフィを優先してしまう「私」。これに対しサリフィが優先させたのは民衆という「公」。また王と王妃という「公」を意識させる事で自分達の目指す関係性も思い出させる
サリフィは対立するレオの心の落とし所を見つけている

レオは生贄を「私」として生かしてきた。が、「公」の王だから制度は無くせないし生贄の幸せまで保証出来ない
その対立する行為の源泉にあるのは自分の出生か…。愛に拠って生まれてきた確証を持てない相容れない血脈
これに対し出生ではなく現在を見て誰かに望まれていると言えるサリフィはレオに強さを与えてくれる

レオが考える制度改革、確執を知らない世代が増える時代を見越して、またサリフィが認められる為の土台作り
重臣が反対する人間との交渉。その手始めがアヌビスとサリフィの対話か
「公」の立場に居るアヌビスは人間だから通じないと主張するけど、サリフィはそこに「私」を見る。自分を嫌っているから対話しないと反論する

サリフィの行動原理となるのはレオの為になる行動がしたいとの「私」、それはアヌビスにも通じる懸橋
これにてサリフィは懸橋と成れると証明された。その補助を魔族でも人間でも無いベンヌが当たるのは象徴的
レオはサリフィへの懸念に「私」を見て「私」を返す。二人の信頼がいつか「公」に繋がれば良いなと願うEPだったよ



良い

教会を飛び出して話を展開という意味では5話と似ているけど、今回はセシリアが知らないローレンの一面を知る者達との交流がメインという点では、セシリアが聖女ではなく一人の少女として人々と触れる中で二人の仲を異なる角度で意識させるEPになったと言えるのかな?

外見を取り繕ってもエリックにはただの迷子として認識されたように、Aパートのセシリアは聖女らしくないから今回のセシリアとローレンは聖女と牧師としての印象が薄まる
ローレンがセシリアに隠し事をするとしても、それは聖女が理由と成らず恥ずかしさが理由となるように。また、嫌われたくないなんて個人的な理由を意識してしまうように

異なる街へ行けばセシリアはより聖女らしさを失う。特にローレンが同期や恩師に会って少し学生みたくなった事もあり尚更
恋人かと疑われるように普段なら詰められない距離を詰めるチャンス
だとしたらセシリアの名前をローレンが普通に呼べるかどうかが鍵になるのだろうけど、聖女の悲劇が残る街は普段とは異なる距離の二人にどのような影響を与えるのかな?



良い

サブタイに偽りなしとは恐れ入った。しかも攫うのはルディ側なのか…

治療は進まなくても、ジュリを加えた人間関係は穏やかで人形制作も上々な雰囲気。が、そこに存在した一つの瑕疵
アレを御神体とするルディにとって絶対的に許せないロキシーへの冒涜。逆鱗に触れたリニア達が哀れ…

魔法大学に入学したばかりのルディは侮られようと既に歴戦の勇士。眼力でザノバを怯えさせるし、リニア達を圧倒する
しかし、圧倒するのは何も力だけではない。その代表が信仰心。好意的解釈不可能な狂信はあらゆる良心を圧倒する
でも、それって人としてアウトな気が…

それをフィッツに普通に相談してる点はもうアウトの重ね塗りといった印象。けど彼女的に監禁はアウトでも報復はOKなんだ…
フィッツの報復案は実害はほぼ無い代わりに心理的に少々の恐怖心を与えるもの
狂信によりリニア達が受けた恐怖をイイ感じに中和するものになったような

フィッツは変わらず正体を明かさないがモノローグが示すように心の中はルディで一杯なわけで
アリエルとの約束を破って見せそうになった素顔。全てが変わっていたかもしれない瞬間
今は勇気がなくて見せられなくても、関係が変わった後の自分達を想像できるなら可能性は無ではない。そこに期待してしまうね



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