天文部と地質研究会が合併していたという衝撃的な展開から始まる本作。あまり関係性のない2つの集いが「KiRAKiRA」というキーワードから共通項を見つけられたように、どれだけ離れたものでもどこかで繋がっていると感じられる第一話だった
まず、みらとあおの描写が判りやすい
キャンプ場で出会い子供らしい約束をしただけの二人は、時間や距離が離れても約束を忘れなかった。
それが天文部での偶然の再会に繋がっていくわけだね
ただ、二人の交流経験は少なくみらのペースでLINEしようとすれば上手く行かない。みらは嫌われているかと思ってしまう
あおはあおで過去の失敗から言い間違いに気を付けすぎてしまって…
二人は折角再会できた相手から嫌われたくないと思うあまり踏み込めない
でも、二人は同じ夢によって結び付けられているから仲良く成れないなんて無い。星について話し始めればあっという間に仲良く成れてしまう
離れた場所で電話を使って会話するラストシーン。二人の距離はやはり離れているけど、同じ空を見上げ同じ約束を叶えたいと思っている二人の絆は既に確かなものになっているわけで
二人を中心として地学部がどのようなキラキラを見つけられるか気になる所
新編集版が出るということでこれを機に初視聴
お人好しすぎて損する性格なスバルとエミリアが出会い探しものをする物語が死に戻りを機にスバルが徽章を手に入れる物語になり、再びの死に戻りで全てがリセットされる構造は衝撃的
リセットされる世界の中でリセットされないスバル。彼の中には蓄積される出会いや経験が他の人の中には蓄積されない。それらの認識の差はスバルに何を齎すのか、そしてここからエミリアとどのような関係性を築いていくのか。
先の展開が読めない第一話だね
カオスすぎる状態が続いた文化祭の諸々の要素がそれぞれにとって良い形になって落ち着くべき所に導いていく構図は結構好き
だからこそ、ラストの流れが少しズレている気がしなくもないが
着ぐるみを利用してキスしなければならない状況を回避した文乃。それどころか感動的な文句を述べて無理やり劇を終わらせてしまう
文乃にとっては不本意なキスをカオスな事態を利用することで文乃が望む状況を作り出す
けれど、キスの相手が不明である為にもやもやが残った文乃はちょっと可哀相ではある
真冬のお硬い講義を少しでも賑やかにしようと奔走した同僚たち。
けれど、その講義はコスプレライブというカオスを経ることで満員の集客となる
でも、そこに集ったのは講義目当てではなく真冬目当てである点は真冬的にどうなのだろうね?
捌くのは無理筋だったうどんは成幸がカオスな舞台に撒いたチラシを呼び水にとんでもない集客となった。更に恋人関係のジンクスが絡まり、コスプレしたままのうるかやOBのあすみが宣伝することでカオスな状況ながらも売れる事態に
うどん販売が完売へ落ち着いてく様子は面白い
そして、花火を一緒に見るジンクス。これは何人もの意図が絡んだ結果、もみくちゃな状態に
花火は不発だし、打ち上げ寸前まで成幸は皆と触れ合っていたし、実際に手を取った者の顔は明かされない
成幸にとっても視聴者にとってもカオスな状況。
しかし、ラブコメ的にはここで手を取った相手が成幸と結ばれる訳で。成幸にとって落ち着くべき相手が示されるシーン
これでほぼ全ての話が落ち着くわけだが、本アニメは先に進む予想外な展開を見せる
皆が志望校に合格して卒業してしまう描写は驚きだが、成幸の手を取ったのがうるかであると示唆する描写には本当に驚き
原作者はラストの描写に含みを持たせているけど、視聴者を混乱させていることには変わらない
第三期を作らないならこういう終わり方も有りだろうなと思う反面、随分踏み込んだものだと思わずに居られない
この終わり方はスッキリした部分とそうでない部分が同居しているから、しばらくの間はザワザワした心境のままになりそうだ
兎にも角にも全体的に安定したクオリティで原作の要素を上手くアニメにしてキャラクターを動かし、視聴者に賑やかな日々を提供してくれたことについてはアニメスタッフの皆さんに感謝したいかな
増々カオスの度合いを色濃くしていく文化祭。学生が主役になるはずのライブでセンターに陣取るのは教師の真冬。更にライブなのに口パクすらしないとは凄まじい
前回の時点でカオスの度合いは強くトラブルが起きれば即カオスな状態に、という状態だったけど、今回は事態のカオスさが逆にトラブルを収めてしまう様相を見せる
真冬センターのライブはカオスそのものだけど、ダンスの完成度の高さや初登場したばかりのキャラの衣装まで織り交ぜられた事で観客から大好評となる
うるかも成幸自作の衣装を着れたり、成幸はラッキースケベに遭遇できたりと事態が順当に推移していれば起きなかった事象
理珠もまさか舞台上でうどんが宣伝されるなんて思わなかっただろうね
カオス状態が事態を思いも寄らぬ方向へ改善してくれる
その後は真冬が着る筈だった衣装を成幸が着てしまったことで再びカオスの色合いが濃くなる
しかし、そこで助けてくれる存在はやはり順当な状態であればそこに居る筈のないあすみ。彼女は学生時代に使っていたダクトを教え、OBとしての立場を利用して教師の目を逸らす
そしてカオスの極致というか意味不明な状態に居る文乃。王子不在の為、劇が進行できないというのはやはり意味不明過ぎて誰にも状態を好転させられない
かといって校長の示す策は解決を呼び込まず更なる別のカオスを呼んでしまうのは笑えてしまう
ただ、そうしたカオスさが極まったからこそ、文乃を助けるために成幸が舞台に降りる展開が生じ、文乃も事態を切り抜ける策として着ぐるみとキス出来る
しかし、一見上手いその策も気ぐるみの中身を知る視聴者からすれ解決策とはならず…
成幸を巡る恋愛レースに参加していないつもりが、折に触れて大接近エピソードをカマしてしまう文乃。
成幸は知っているけど文乃は知らないキス。ある意味、文化祭のカオス度合いが最も凝縮されたシーンであるように思えた
人よりほんの少し「楽しい」を見つけることが下手な少女が迷いと逃避の果てに友達と「楽しい」場所を見つける流れがとても素敵
前半では翠達3人と美姫の違いが強調して描かれる。
翠はジョージからのエールを通して渡米を考え始める
エミーは翠に触発されてゲーム制作の為にドイツへ行く決心
綾は父と同じように獣医師や写真家になりたいと南米も行き先に上げる
三人とも人との繋がりの中で「やりたいこと」を自分の中で新たな「楽しい」に昇華させている。それはとても眩しい姿
だからこそ、「やりたいこと」も明確になく「此処に居たい」と思っている美姫には三人が遠く感じられてしまう
擦れ違いのシーンは直接的すぎるけど、美姫の心情をよく表しているね
三人との違いから「此処に居たい」との想いを強くしてしまった美姫が自分の中に潜りカードの絵柄と話し始めるシーン、ここで注目したいのはやはり美姫が内気な自身と重ねたカードが「三人は美姫と同じように思ってる」と指摘した点かな
カードの声は美姫の想いであって、つまり美姫は誰に諭されるでもなく三人は何処にも行かないと実は知っている
なら、ここで美姫に必要なのは自分の想いを三人に伝えること。
三人が繋がりの中で「やりたいこと」の先に「楽しい」を手にしたように、美姫も翠達と一緒に居たいと「やりたいこと」を伝える先で三人との変わらぬ仲という「楽しい」に辿り着ける訳だね
ラスト、美姫は新しい部活の名を「放課後さいころ倶楽部」と名付ける。
皆と一緒に居たいと言っていた美姫が一緒に入られる場所を作る流れは良いね。
ゲームを用いて登場人物の心情や境遇を示す手法を通して様々なボードゲームを紹介してくれた本作はゲームに対する認識を広げてくれた作品だったね
今回、画面に映るのは無骨な戦車ばかりでみほ達可愛らしい少女が映るシーンなんて恐らく半分もない
それでも見ているこちらは不満を覚えるような隙もなく高レベルの戦車戦が展開される
これって本当に凄まじい事だと思う
市街戦に入るまでは出来るだけ犠牲を生まない形で試合を進めたみほ
しかし、マウス登場とまほ率いる本隊が到着した事でその戦略も変更を強いられる
みほの凄さは当初の戦略に拘らず状況に応じた戦い方を次々と採用する所だろうね。その意味ではみほの戦略を実現する大洗の面々も素晴らしいのだけど
みほが臨むまほとの一対一。そこに到達するまで大洗の仲間達は次々と落ちる
でも、それは犠牲ではないように思える。
大洗は数も実力も不利な戦いで一つの勝利を得る為にそれぞれが出来ることを積み上げている
ならそれは犠牲ではなく協力であり、最終的に得られた勝利もみほがまほを上回ったからではなく大洗の皆だから掴めた勝利となる。
華が「この一撃は皆の想いを込めた一撃」と呟いたのもそういう背景が有ったからだろうね
試合後、懸案事項だった大洗廃校に触れるのは杏だけ。他の皆は戦車絡みの事を思い思いに話している
廃校回避の為に皆が力を合わせたのは事実だけど、それ以上に戦車道が楽しいから此処まで来れた。それを感じられる一幕だった
仲間を助ける行動をした為に負けて黒森峰を出奔したみほ。そんな彼女が大洗で楽しい戦車道を見つけそれを大勢の前で示せた。まほも「みほらしい戦いだったな」と認めてくれるし、しほも最後には拍手を送った
あれだけの戦いの後に帰ったら何する?と聞かれて女子高生らしいあれこれを上げながらも最後は「戦車乗ろっか!」なんて台詞で締められる。本作の特徴とそれぞれに起きた変化を端的に表しているね
本作は多くの意外性を含みながらも王道ストーリーを突き進んできた。それは見ていてとても気持ち良いもので、このような作品に出会えたのは本当に良かったな
第二期の最終エピソード、文化祭編スタート。このエピソードって同時進行的に様々なトラブルが起こりつつも、最終的に全てが丸く収まる流れがかなり好きだったりする
ただし、様々な要素が入り乱れるエピソードの始まり部分だからどうしても、今回だけ見るとカオスとしか言い様が無いのは流石に仕方ない
文化祭のジンクスが提示されるに始まり、千食分のうどんとか文乃主演の劇とかコスプレライブとか要素が多すぎて今回の話をどの視点で見たら良いのか迷ってしまいそうになる
ただ、一貫しているのはやはり「文化祭を楽しもう」との想いかな?
冷静に考えれば種明かしは簡単なジンクスを広めてしまうのも、文乃の為に劇の裏準備をするのも、真冬の同僚が何か衣装を用意しようとしたのも、緒方父が千食分のうどんを打ってしまうのも
全ては文化祭を楽しみたい、楽しんで欲しいとの想いから
なら、そんな空気の中に居ていつも他人の為に頑張ってしまう成幸がその想いを引き継ぐのはある意味当たり前なのかもね
幟を着けて練り歩く成幸の姿は滑稽だけど、そうやって文化祭で賑わう校舎の中から衣装がなく困っているうるか達や屋上で困る真冬を見つけることが出来た。どちらも文化祭を楽しくする為の大切なピースの一つ
きっと、フルピュアの衣装を脱げなくて文化祭に悔いのある真冬の存在は、成幸にとって文化祭の楽しさを損なわないとっておきの存在だったのかもしれない
真冬センターのコスプレライブというカオス極まりないショーで閉じる今回の話。これから始まる文化祭のカオスをよく現している引きであるように思えた
初期衝動の大切さがよく判る。
最初は頭でっかちなゲームを作っていた翠がジョージからの挑発や友達の助けを経て皆が楽しめるゲームを作っていく工程があまりに素敵
コンペを前にして再び綾達の前に出された翠自作のゲーム
それはかなりの好評を得るが、店長にはコンペじゃ通用しないと言われてしまい、再び翠は悩む羽目に
そんな悩む翠に捧げられたエミーの助言がかなり良いね
ボードゲームは楽しめるようになっていることが最低限必要だけど、それにはポイント競争や発展性が必要。作る際にはどうしても複雑に考えなければ面白いゲームは作れない
でも、複雑に考えれば考えるほど余計な考えを抱いてしまう
思えば当初の翠は本人のペースでゆっくりとゲームを作っていたんだけど、ジョージの挑発に因って作り急ぐことになり、実際に遊んだら楽しくないものが出来てしまった
今回もコンペの話を前にした為か、内容が纏まりすぎたゲームになってしまう
でもエミーの言う通り、シンプルに考えれば見えてくるものはあって
そもそも翠がゲームを作ろうとしたのはジョージの鼻を明かすためでもコンペを勝ち抜くためでもなく、ちゃんとした初期衝動がある。
でも、余計な考えばかりが頭を占めてしまうと初期衝動は忘れてしまうし、自分の作りたいゲームの方向性まで失ってしまう
自分の好きなように家具を配置したいという初期衝動を思い出した翠が改めて作り直したゲームはとても好評で場の空気は明るくなる。それもそのはずで提供されたゲームは素晴らしいし、その場にはボードゲームを心から楽しむ人ばかり
でも、その場で美姫だけはちょっと違った
美姫はゲームそのものを楽しむよりもそこでそこで交わされる人間関係を楽しんでいたように思う。そういった意味ではあの場では少し仲間外れだったのかもしれない
嬉しいのに寂しいという複雑でありつつ余計な考えを抱いてしまった美姫の悩みはどの様に解決されるのだろうか?
細々とした御託が要らないくらい濃密な戦車戦が繰り広げられているね
それどころか、この回だけで決勝戦は終わらず最終回で決着というのは何とも豪華な仕様
従前の予想通り、決勝戦で行われるのは正統派なまほの戦車道と搦手多様なみほの戦車道の争い
モクモク作戦にパラリラ作戦、果てはおちょくり作戦など大洗が黒森峰と真正面から戦うシーンは少ない。
これは弱者の戦い方であると同時に犠牲を許容しない戦い方でも有る
冒頭の逃げは早期の陣地構築を目指したものだし、杏に命じた揺動だって無茶な動きのように見えて実は安全な戦い方だった。
更に杏の揺動でみほ達の逃げ道まで作れてしまう
川でうさぎさんチームが動かなくなった時も見捨てないで助けるのはみほにとっては当たり前の行動
だけど、今は決勝戦であって黒森峰から逃げる途中であって。時間は少しも無駄にできないからフラッグ車でもない味方を見捨てるのは間違った策ではない
でも、今の大洗にとってそれは間違った策になる
みほが望む行動を沙織を始めとする大洗の面々が後押ししたのは本当に熱いシーン
以前は敗北の理由となり、戦車道から離れるきっかけとなってしまった仲間の救助。それが今の大洗では仲間の士気を上げ、目指す勝利の形を明確にさせるきっかけとなる
戦車から戦車へ飛び移るみほの姿はまるであらゆるしがらみから開放されたかのよう
そんな明るい雰囲気で市街地へ入ったのだけど……
とんでもない戦車が出てきたね!空気を巻き込んで進む砲弾の光景が判りやすいヤバさを端的に表してるよ!
流石にこんなものが相手だと搦手で攻めるのは難しいように思えるけど……
文乃と零侍、不器用な親子を支えようとする周囲の優しい温もりが感じられる回
前回は険悪さから互いに父や娘としての責務を果たしていない文乃と零侍。家事の様子や娘への接し方から二人が家庭関係に置いて極度に不器用なタイプであることは察せられる。なら二人だけで仲の修復は難しい
そんな二人の為に周囲は様々なアシストをしているね
成幸は父との確執から目を逸らす文乃を星空の下に連れ出す
星こそ文乃にとって文系を志すきっかけであり、星について話す文乃は本当に楽しそう。星にこそ文乃の本心は詰まっている。ならそれを零侍に話せば文乃の真剣さは伝えられるが、文乃だけでそれはできない
だから成幸も星を知り文乃の心に近づく事で父と話せるように後押ししている
唯我母も見えない所でアシストしていたようだね
彼女は今回の問題の門外漢であるが、人の親である為に娘との距離感に悩む零侍の心を推し量ることが出来る。零侍も娘を預ける引け目からつい事情や本心を話してしまう
自分の心を誰かに話す行為は自分の心の理解であり、きっと零侍はここで唯我母に話したことで自分が文乃への接し方に悩んでいると自覚でき、それが和解に繋がったのかもしれないね
そして最後のアシストをしたのは今は亡き静流
想いを動画に託した彼女も器用なタイプではないのだろうけど、それだけに零侍への見栄を開けっ広げに語り、論文も才能も無いままにただ好きな人の為に好きなことをした彼女の言葉に嘘はない。
静流の言葉は才能に拘る零侍の心を解きほぐしてしまう
3つのアシストに寄って古橋父娘の仲はだいぶ修復されたようで。ラストでは成幸との仲を疑う零侍に慌てて講義する文乃と普通の父娘のよう
そういえば、文乃は家庭関係においては相当不器用なタイプであることが今回の話から判るのだけど、起きてるのに寄り掛かってしまったことを不器用さの現れと見ると色々と妄想が広がってしまうね
決勝を前にしてそれぞれの時間を過ごす大洗の面々。皆が思い思いの方法でカツを食す流れは好きだなぁ
プラウダに勝った大洗を見たしほとまほの発言が印象的。
しほは大洗の勝因をプラウダの油断とし、実力とは認めない
まほは逆に大洗に実力があると捉え、臨機応変さを評価する
この差は正道のみを実力と認めるか、邪道も実力と認めるかの差だろうね
そもそも大洗で行われる戦車道はどう見たって正道とは言い難い
経験者はみほだけであり、他は内申やら部活再興やらを考えていたり、ネットで知り合った同士が集ったり。使う戦車だってゴミの溜まり場に有ったようなものから学園艦の奥に閉まってあったものだったり
そりゃ、正道を知るみほからしたら事あるごとに苦笑いしてしまうというもの
でも、正道ではない形がそのまま悪いというわけではないのは華の活け花がよく現しているね
戦車に花を活けるなんて華道では有り得ない形。けれど、それが個性と新しさにかけていた華に大胆な力強さが備わったことを表す形となる
華が戦車道で培った邪道は華道における実力となる
邪道が実力であると評価される点はみほにも当てはまる
彼氏を作るよりも沙織達と一緒に居る方が楽しいと思う事も、過去の対戦相手と仲良くなってしまう事も、戦列を放棄して仲間を助けた事も全て正道から外れている。けれどそれがみほの実力、成果であると評価される
黒森峰の猛攻から始まった戦い。いきなりフラッグ車が落ちるかと思われた局面はねこにゃー達の運転ミスという邪道によって防がれる
戦車道の正道の頂点にいて西住流を継承するまほに対して、邪道だらけの大洗に居るみほがどれだけ戦えるのか、この決勝戦は見所の多いものになりそうだ
この話を原作で読んだ際は「もしかしてルート確定しちゃうのかな?」なんて思った事を思い出す。
古橋父娘が抱える葛藤や成幸と文乃の距離の縮まり具合はアニメになっても変わらず、強烈なインパクトを持って描かれているね
今回の話で成幸や文乃を中心として描かれるのは親との関係性
成幸は親に子供の学業成績を知らせる三者面談の中で学費を抑えるためにVIP推薦を狙っていることを知られてしまう
家計を慮ってVIP推薦を狙っているのだから、バレても親への遠慮からそれを認めるわけにはいかない。成幸は慌てて隠してしまう
成幸の母親はそういった成幸の心境を理解しているのか、必要以上に問い詰めるようなことはしない。それでいて、大切なことは履き違えるなとだけ釘を刺す。
成幸の想いを尊重しつつ親として見るべき部分は見ている
これは見習いたくなるくらい立派な親の姿勢だね
対して険悪な雰囲気の古橋父娘。特に零侍は父親としての責務を果たしているようには見えない
娘の前で理珠を数学の道に勧誘しながら、文乃が数学を志していることを「無理」「そんなことより」と吐き捨てる。三者面談に出るつもりすらなかった点には驚かされる
そりゃ文乃だって父親に対して頑なになるというもの
零侍が父としての責務を果たさないなら、文乃だって娘としての責務を果たす必要はない。家出を決意するのは当然の流れ
ただ、零が侍が突っ込んだように突然一人で暮らすなんて難しい話。事情を知った成幸母が文乃を保護するに至るのは一人の親として当然の責務なのかもしれない
静流が論文データを隠したというノートPCにはエグいロックが掛かっており中身が見れない状況
既に故人である文乃の母親が大切なデータの入ったPCを何故このような形で遺したのか、そこに隠された母親としての責務がどの様に描かれるのか。次回が楽しみだね
今回の話は翠がゲーム制作に勤しんだ6話の延長でありつつ、「どうしたらゲームは面白くなるのか」という点に着眼して構成されているように思えた
Aパートで遊ぶエルフェンランドはエミーリアが好むに相応しい本格的に作り込まれたゲーム。街を旅するという簡単なお題でありつつも、多様なカードが用意されコスト計算を用いての駆け引きが行われる
かなり奥深いゲーム
そんなゲームをドイツで嗜み、友達と「世界中の子供を笑顔にするゲームを作る」と誓いあった経験を持つエミーリアは翠からしたら眩しすぎる存在
今の翠にはエミーリアの姿はエルフェンランドのようにとても完成した姿に見えるのだろうね
対してBパートで紹介されるのはまさかのだるまさんが転んだ
美姫がルールを説明するけど、ローカルルールが混ざっていたり実際にプレイしたらルール上の問題が見つかったりと非常にあやふやで楽しみ方が徹底されていない遊び
これは6話で翠が制作したゲームに通ずるものがある
そんなあやふやなゲームにエミーリアはあっという間に改善案を見出して、テストプレイまで実行してしまう。
「全てのゲームは進化の途中」という言葉が示すようにゲームは遊べれば完成ではなく、必ず更に面白く改善できるポイントが有る事を如実に示しているね
なら、同じように未完成のゲームや自信を持てない自分を恥じる必要はない。
信頼できる友達の前にそれらを示せば改善案を見出してくれる。美姫が翠の様子を心配してエミーリアに相談したように
翠の更なる成長が楽しみになった回だったね
クーファが消えて子供達は次々に襲われる中でメリダはクーファの無実を示す為に真実を突き止めようとするわけだけど……
大人が何かを隠そうとする時にはそれなりの理由がある。そんな事を感じさせた回だった
プリケット卿は自分の街で実験をするに当たり、都合の悪い真実を隠すためにミステリースポットを利用する。最初から歪んだ家を作って人を遠ざけるなんてかなり手が込んでいる
それだけ彼にとって見つかったら不味いものがそこには隠されている
ここで止めておけばメリダが知るのはプリケット卿の不正行為だけで済む。けれど、メリダはエリーが襲われたことに憤り、皆から怪しまれるクーファを救うために更に隠し事を暴こうとする
その結果、メリダは変わり果てたロゼッティに出会い、更にはクーファの真の姿にも出会ってしまう
これではクーファの無実は判っても別の疑惑が浮かんでしまう。クーファが隠したかったヴァンパイアとしての姿。この姿を見てメリダは何を思うのだろうか?
娘があんこう踊りをしている絵面を見せられたしほの顔があまりに面白すぎて(笑)
時間切れまでにできる事を模索するエピソードだった第9話
冒頭で明かされるのは大洗女子が廃校になる秘密。学生にとって学校が無くなってしまうのは楽しい時間が終わってしまう一大事。転校すれば学生時代は続くけど大洗での日々は帰ってこない
そういった意味では来年度までに明確な成果を必要とされた杏は時間制限のかかった状況であり、時間切れまでに出来る事として戦車道を選んだ訳だね
それを知ってしまえば、大洗で戦車道の楽しさを知ったみほだって黙って負ける訳にはいかない。敵に囲まれた状況は変わらなくても降伏勧告の時間切れまでに出来る事を指示していく
イマイチ士気の上がらない皆を鼓舞すべく恥を捨ててあんこう踊りだってしてしまう
以前はギャグ描写として登場したあんこう踊り、学校が廃校になるかもという局面で登場することで郷土愛を意味する行動になるのは面白いね
皆であんこう踊りをすることで心が一つになったことを示しつつ、大洗という場所への愛着表明ともなっている
だから観衆や敵から見える位置であんこう踊りをしていたのは挑発行為ではない……筈、きっと…
みほの戦車道を見届ける為に来たしほは時間の無駄と帰ろうとするが、まほはまだ試合は終わっていないと母を止める。
時間切れを迎えるまでみほに出来る事はまだある。それを見ないとみほの戦車道を知ることはできない
……かといってあのあんこう踊りが母の目にどう映ったのか気になってしまうが
時間切れまでに使える時間を最大限使い、敵を偵察し、揺動を行い、フラッグ車を仕留めるために雪中に潜るまでした
同時着弾という時間切れはみほ達にどのような結果を突きつけることになるのかな?
恐怖などのネガティブな感情に迷う成幸やうるかに真冬や文乃が諭す回
上手く泳げない成幸に対して真冬は上手く泳ぐ方法ではなく、恐怖への向き合い方を指導する。その上で自分が手を握っているから失敗しないと安心させ成幸に成功体験をさせる
大会を前に緊張感を語るうるかに対しても無理に平常心になる事を下らないと切り捨て、むしろ緊張感やプレッシャーが高いパフォーマンスを出すのに役立つと教える
真冬は泳ぎをする上で邪魔となる感情を取り除くのではなく受け入れる事を提案する。きっと真冬もこのような恐怖や緊張を受け入れて舞台に立ってきたからこそ言える言葉だね
後半もそれを応用するような話が展開される
うるかは海外留学の話を前にして、才能を伸ばすために海外に行くことも好きな成幸と向き合うことも決断できない
一方の成幸も余所余所しいうるかの態度の理由を本人に聞くことも出来ないし
そこで間に立つのは毎度の文乃さんだね
文乃は二人の想いを聞いた上で、二人が抱える別の想いを引き出せる。成幸にはうるかに彼氏ができたら、遠くへ行ってしまったら寂しいという感情を受け入れさせる。うるかにはあんまり避けてると別の誰かに取られてしまうと送りかけた代わりに成幸にうるかの嘘をバラす。
今後のうるかと成幸が本心で向かい合うしかなくなる状況を作り出す
水泳の才能を伸ばす為に海外留学すると決め、成幸と過ごす日々を大切にする為にこれまで通り接すると決めたうるか
恐怖や緊張感、躊躇や怯え。そういった後ろ向きな感情を受け入れても先に進もうとする意志があれば良い結果を導き出せる。そんな事を感じさせた回だった
エミーリア初絡み回。以前からチラチラ登場していた彼女がどういう形で話に絡むことになるかと思いきや、既にボードゲームカフェの営業を手伝っているのね
ゲームの本場ドイツ出身でボードゲームカフェで働く。これは羨ましい環境だね
今回登場したゲームはケルトとドブル。前者がゲームに慣れ親しんだ者ほど楽しめるものであるのに対して、後者はゲーム初心者が複数人集まってやるにはうってつけのゲームな印象。2つのゲームの方向性は違っている
でも、その違いが四人だけでゲームを楽しむシーンからみんなでゲームを楽しむ文化祭のシーンへ上手く繋がっているように思える
ケルトでは案の定エミーリアと翠がゲームの要領を掴んだプレイングを披露し、最後には翠が勝ってしまう
負けたことがないと自信を持っていたエミーリアがそれでも翠に負けたことを喜んだのは楽しくゲームできたことを喜んでいるからだろうね。だから負けた綾にも丁寧にフォローできる
Aパートで自分達がボードゲームを通した楽しいを体験できているからこそ、Bパートでの不特定多数の人を楽しませようという感情に繋がっていく
人が来ない環境もSNSでのメイド服宣伝で切り開くし、人手が足らなければ田上だって頼るし、人見知りな美姫だって接客に回る
やってくるお客にボードゲームの楽しさを知って貰いたいからこその行動だね
美姫は慣れない接客の中でドブルの楽しさを伝えるだけに留まらず、シンボルの呼び名のあやふやさに悩む吉岡にもゲームの楽しさを伝えようと助言を重ねていく
にっこりウニなんて日常の中で耳にしたら変としか思えない呼び名もゲームの中では楽しさの発見に繋がる
美姫が「それでええんよ」と吉岡の呼び名を褒め認めるシーンは良いね
蓮が全体を取りまとめ、会長が足りない部分をフォローし、翠たちはボードゲームカフェを無事にやりきった
何人もの人々の努力の上に成り立ち、大勢に楽しさを提供する。ゲームの本質が見えたような回だったね
遺伝子工学、沢山の孤児、妻を亡くしているなどこういったワードが並べば普通に嫌な予感しかしないよ…?
そういった正体があやふやなものがちらつく回
視聴者はクーファが半分ヴァンパイアであることを知っているけど、作中人物は知らないまま。だから「クーファとはどのような人物なのか?」と疑問に思えば際限なくクーファは怪しく見えてしまう
プリケット卿には娘の彼氏が突如現れたと言うだけで怪しいのに、過去の事件の首謀者の影までちらついてしまう
また、クーファを先生と慕うメリダもクーファの正体に想いを馳せる。二人の立ち位置を思えばこの二人がいずれ対立してしまうのは避けようがない
でも、今回はまだメリダの中でクーファへの疑惑は形にならないまま。自分を女の子扱いしてくれないとむくれても、デートしてくれればそんな悩みもクーファの正体に関する疑念もすっきり消えてしまう
また、舞台となる街もどこか正体があやふや。
地底の楽園と例えられるような緑溢れる土地なのに、ミステリースポットが存在したり理性を失う奇病が存在したり
そこに少女が襲われる事件が続けば尚の事正体が見えないことへの恐ろしさは膨らんでいく
一方で皆から怪しいと疑われるクーファも自身の中の感情に戸惑っている点は印象的。皆がクーファとは何者かと訝しむ中で彼自身も自分を慕ってくれるメリダへの接し方を悩んでいる
これらのあやふやなものは次回の話である程度形を持つことはあるのだろうか?
戦車道って時間制限とか無いのだろうか?とか、相手に降伏勧告するってスポーツマンシップ的にどうなんだろう?とか妙な部分が気になってしまった
大洗で体験する戦車道を楽しいと感じ、仲間達と勝ち進んできたみほ
今回はその『楽しい』を支えたり、脅かすものが垣間見えた回だったように思う
この回で生徒会の杏達はみほを始め大洗の面々に廃校の事実を隠し続ける。「話がある」とみほを呼び出したのにあんこう鍋でもてなし、思い出話を広げるなど呼び出した意味を無くしている
廃校の話をしないのは大洗の『楽しい』雰囲気を壊さない為だね
一方でみほも『楽しい』を維持する為の努力をしている。家に帰ってからも対プラウダ戦術を見直している
だというのに、試合会場に着けば慎重策よりも勢いを重視する皆の意見を採用し作戦を変更している
けれど、その姿勢は母親のしほから見れば生き恥のようなものでしか無い。勝利の為なら犠牲すら許容するしほにとってみほのしている戦車道は甘っちょろいのだろうね
だからか、大洗はプラウダの仕掛けた罠にあっさり嵌ってしまう。普段のみほならもう少し警戒したかもだけど、『楽しい』を重視してしまった今の大洗は回避できない
対するプラウダ高校はしほの考えとみほの考えをハイブリッドしたような在り方。味方を犠牲にした囮作戦で大洗を追い詰めつつもプラウダの空気は明るい。
カチューシャは何度も大笑いしたり、肩車して相手を見下したり進軍の際には皆で歌ったりと楽しそう
優勝しなければ廃校という暗い話題に対して大洗の戦車道はどう対抗するのか次回が気になるね
珍しい理珠回。だというのに皆面白いように理珠の想いがスルーされる
受験生にとっては進路を考える上で大切なオープンキャンパス。けれど成幸と関城にとっては理珠とお出かけする機会である点の方が大きな意味を持つ。成幸は関城と理珠を二人きりにしようとするし、関城はその逆をする。どちらも相手を慮っての事であるが、肝心の理珠を慮ったものではない。
この状況を補強する存在として数学教授も理珠の志望を気にせず彼女を数学科に誘おうとする
三人での楽しいお出かけを期待していた理珠。酔って普段よりも強弁となった彼女を前にしてようやく成幸は自分の間違いに気づくことができるし、理珠もその状態にならないと自分の気持ちを開かせない
Bパート、奇跡的な確率で連敗を重ねる理珠。店の損害を回避するなら当初成幸がしたように理珠にゲームさせなければいい。けれどそれは理珠の気持ちを無視したもの
あすみのフォローは確実な方法で店の損害を回避しつつ、理珠にもゲームを楽しませようとする。場の中心にいる理珠が楽しめば客だって楽しくなる
失敗を回避するのではなく誰かに成功体験をさせることで場を盛り上げる最良の方法となるわけだね。これは理珠の気持ちも客の気持ちも考えた手法
最後に成幸は理珠の心理学に進む意志を再確認する。成幸は今回の話を通して少しずつ理珠の気持ちを理解していく流れだったわけだけど、それは理珠も同じ。
仮初とはいえ、ボードゲームで勝てたことで理珠はゲームで勝てるようになる以外の志望理由を自分が持っていることを知る。他人や自分の心をもっと知りたいと思っている今の理珠なら進路が揺らぐなんて事はないのだろうね
……成幸の呼び方がかな~り揺らいでいたのはちょっと笑ってしまったが
本作でゲームは人と人を繋ぎ、時には人の想いを代弁するものありつつもプレイする人々に「楽しい」を提供するアイテムとして描かれているけど、今回はその傾向がより強く出ている印象
一人で満喫していた美姫の前に現れた京子は美姫を遊びに誘う。
二人は数年前の出会いがあるとはいえ、それ程親しい間柄ではない。水遊びが一段落して服を乾かそうとなれば話で間を埋めるしかないが、今の二人には限界がある
そういった意味では美姫が取り出したもんじろうは時間的な間を埋めるものであると同時に二人の心理的な間を埋めるものとして機能するわけだね
悪口を言われて「うっ!」となってしまうのはそれを気にしているから。京子の悪口は美姫に刺さるのに、美姫の悪口が京子に刺さらないのはそれが理由だね
自身のキツい境遇から虐めを見ると動かずにはいられず、「狂犬の京子」と呼ばれた過去を話せる京子はそういった悪口は慣れたものなのかもしれない
だから、逆に相手を褒め合う場面では美姫の文字が次々と京子に刺さる。京子の強さに憧れ自分を変えたいと思う美姫は京子が良い人に見えるから京子が言われ慣れない褒め言葉を次々と思いつける
以前は勇気を示して京子を上回った美姫だけど、今回は別の方向から京子を上回ったね。これも美姫が少しずつ変わってきた証なのかな?
Bパートでは文化祭でのボードゲームカフェを認めさせるための駆け引きが行われる
何と言うか、複数人でボードゲームを楽しむならこれ!と言わんばかりのゲームが登場したね。戦略性が求められつつ運要素も絡む。
一歩を踏み出す度胸は必要だけど、無慈悲に噴火が起こる時もある
その中で巻き起こるワイワイは場を盛り上げるもので、会長が言及するようにまさしく祭と呼ばれるようなものだね
美姫と京子を近づけるもんじろう、ボードゲームの楽しさを判りやすく示すアイランド。本当にゲームは種々様々な物があるんだね
クーファならトマトソースで誤魔化さずとも、実際に胸に大穴開けても平気そうな気がしてしまう(笑)
大人達の目が届かない書庫で繰り広げられるパジャマパーティーにもお茶会にも見える裏後夜祭。それは背徳感溢れる秘密の行い
伝統行事として受け継いできたそれを子供達は制御できてると思ってる。だから内緒によるドキドキを楽しめる
そこでは恋バナも怪談も背徳感やドキドキを盛り上げるスパイスとなる
でも大人にとっては子供達が目の届かない場所で遊んでいるなんて状態は許し難い。世にも恐ろしい話でしかない
だからクーファやロゼッティがしたのは子供達が制御できてると思ってる裏後夜祭をぶち壊すと共に大人の制御下に戻す事
怪談になぞらえて脅かす行為はまるで昔話を用いて子供を躾ける親のようで面白い
怪談を用いることで大人は状況を制御する側に回る。だからロゼッティは脅かし役を楽しんでしまう
もう一方で子供達は危機的状況が続きすぎれば、恐怖が麻痺してしまう
エリーゼは内蔵もどきから逃れる為に服を脱ごうとしてしまうし、サラシャの谷間発言から他の3人は嫉妬してしまう
そして恐怖が麻痺してしまえば魔女にだって互いを庇いつつ立ち向かえる
ラスト、四人はお揃いのパジャマを着てクーファに抗議し、その後は一緒のベッドで仲良く眠った。今回の経験は四人にちょっとした薬になると共に、強い連帯感を手に入れるきっかけになったようだね
え?アンチョビの出番ってあれだけなの?え、どういう事なの……
何故戦車道を続けるのか、何故その道を選ぶのかという理由は何度か描かれてきた点だけど、今回はそれに加えて戦車道を進む中で何を得るのかという点についても描かれたように思う
冒頭でお婆ちゃんに滅茶滅茶に怒られる麻子。お婆ちゃんの口の悪さや麻子の不器用さからぱっと見では感じにくいけれど、別れ際のお婆ちゃんの台詞やお婆ちゃんを引き合いに出されると何も反論できなくなる麻子の様子から互いにどれだけ大事に想い合っているか伝わってくる
戦車道を続けることで単位を得て無事に卒業してお婆ちゃんの傍に居る時間を少しでも増やしたい。これが麻子の戦車道を選ぶ理由となるだね
続いて描かれるのはみほの過去と現在。決勝戦での選択ミスを責められて家を出ると同時に戦車道から離れようとしたみほ
彼女にとって犠牲を許容し、勝たないと意味が無い戦車道の在り方はそのまま戦車道を続けない理由となってしまう
その状態が沙織達との出会いを通して少しずつ変わっていったと思うと感慨深いものがあるね。
西住流などの家名を背負うのではなく、あくまで部活動として戦車道を続ける沙織達にとって戦車道は楽しいもの
そんな沙織達と接することでみほの戦車道に対する認識も変わっていく。戦車道を楽しいと思えるようになっていく。
更に秋山の言葉でみほにとって失敗の象徴でも有った戦列を放棄して仲間を助けに行った思い出も意味が変わっていく
大洗に来てみほがどれだけ救われたか、これでもかと伝わってくるような描写だった
また、変わっていくのはみほだけでないようで
大洗は戦車道の素人ばかりだから、どうしたってみほにばかり負担が集まっていた。それが沙織達あんこうチームが作業や役割を分担することを申し出た事で大洗で頼りになる存在がみほ以外にも生まれていく
沙織達によって齎されたみほへの良い変化。これが逆流するかのようにみほから沙織達に変化を齎すのは面白い
そのような状態だから、ヒントの少ない戦車探しも何だかんだ上手くいく。
戦力が増えた事で大会を勝ち抜く希望が見え、みほも大洗の中心人物として成長してきた。二回戦も突破できた
様々なことが上手く回り始めた大洗の快進撃を期待してしまう締め方だったね
真冬の圧迫面接に耐えかねて面白い姿を想像しようとするのは判るとして、そこからスク水やらメイド姿やら想像してしまうのはちょっと発想がぶっ飛びすぎやしませんか成幸さん?
AパートもBパートも真冬が強すぎる内容の今回。これが人気投票1位の実力か……
それはさておき、今回はプレッシャーが掛けられた状態で思考を保ち続けられるかという部分に焦点が当てられていた印象
銭湯の前で成幸達に遭遇した真冬。この時点では葉月から「いつ嫁に来ますか?」なんて質問が来ても論外と切り捨てられるくらいに落ち着いている
それがサウナに入った辺りから怪しくなる。成幸を家に上げている事をバラしそうになる。これはあすみも同じで偽恋人の件をバラしそうになる。
涙目の葉月を前にした際はきっぱり断れていた嫁問題を「いつか」なんて濁して回答してしまう
サウナの高温や女の子の涙は彼女らから正常な思考を奪ってしまう
この流れはBパートはもっと判りやすい
普段はしっかりと志望動機を持っていても圧迫面接の中で根掘り葉掘り聞かれると考えを纏められず上手く答えられなかったりする。
大人でもプレッシャーが掛かる状態では正常な思考を保てないのだから、文乃達だって抗いようがない
この流れの中で成幸は少しだけ異なる動きを見せる
真冬を前にして斜め上の想像を働かせてプレッシャーを回避。また、アピールすべき長所が無いのかと問われた際には正常な思考を保ったまま今は判らないと言って出直そうとする
これは真冬が褒めるように成幸の長所だね。これは成幸を持ち上げようとしているのではなく、真冬が嫌な質問だと認めるように大人でも答えることが難しい質問と状況。プレッシャーの中でしっかりと自分と向き合い答えようとした成幸の姿勢は素晴らしいもの
ラストは次の面接に向けて復習を始める文乃と理珠で締め。プレッシャーに負けて正常な思考が奪われたなら、プレッシャーに負けない準備をしてから挑めば結果は変えられる
大人でも勝つことが難しいプレッシャーに負けず、自分の長所を言えるようになろうとするそれぞれの奮闘を感じさせる回だった
正体を現したマディアがメリダたちを圧倒し、さあピンチかと思いきやクーファに一瞬で負けた上に女の子としての表情まで晒してしまう展開にはちょっと笑ってしまった
エリーゼの変容にショックを隠せないメリダ。遂には立場を弁えた方が良いのではないかなんて言ってしまう。
それに対するクーファのアドバイスが良いね。エリーゼのわざと試合で負けるという考えもメリダの立場を弁えて付き合い方を変えるというのも相手と真正面から向き合わない姿勢
本当に相手との和解を考えるなら、きちんと向き合って言葉を尽くさなければならない。そうでないと相手が何に不満を覚えているのか、自分が何をすべきかなんて見えてこない
相手と向き合っていないから見えなかったものがある。相手と向き合うことで見せられるものがある。エリーゼから散々弱いとか私には勝てないと舐められていたメリダがエリーゼをまさか上回るとは思わなかった!本当の本当に予想外だったよ
これはエリーゼが逃げ回り、メリダが諦めていたら起こり得なかった事態。仲違いに終わりかねなかった二人の友情を力技で繋ぎ直したメリダは本当に素晴らしいね
一方、圧倒的な力と追加の報告書でマディアを退けたクーファ。でも、彼の対処は問題の解決に動いたものではなく次善の策でしかない。だからマディアは講師として学園に戻ってきてしまう
メリダは自分のユニットにエリーゼを迎え、学園にはマディアが入り込んだ。他方ではミュールがマナの採取なんて事をしていた。メイド長を手引した存在も気になってしまう
そういった諸々の存在を思えば、次回は事態が大きく動くのかな?