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良い

今回は子供から見た大人、又は大人から見た子供という視点を意識させる内容だったような
真白は年齢的には高校生だけれど精神面は子供に近い。だから名雲は彼女に対して偉ぶれるのだけど、真白は名雲の探偵以外の面に対しても憧れを抱いていると言えるのかという点が描かれたね
あのバーでの遣り取りを見て憧れるかは兎も角として、真白にはまだ手が届かない会話劇であるのは確か
良いか悪いかはさておき、彼女には大人の世界に見えただろうね

クイズに答えなきゃ恥ずかしい写真が…!とはしょうもない話だけれど、そこでバラされるのはマキの過去
成人済で大人となった彼女にとって、子供時代の写真とは恥の対象なのかな
ならば、アズハは大人と子供の中間的存在かも。大学生とは真白から見れば大人に近いものだけれど、名雲から見ればあんな道具ではしゃぐ彼女は子供同然。真白には憧れの対象でも名雲は呆れる対象
だというのに、子供のような真白と接する名雲という大人を見て、彼の変化を理解する彼女は幾らか大人なのだろうと思えたよ



普通


とても良い

真唯の激しく一方的な想いはれな子を傷付けるものとなってしまった。他方で己を傷付けた真唯をれな子は憎み切れないし、仲の良い関係に戻りたいとまで思ってしまっている
れな子は真唯を嫌えない。同様に真唯を嫌っているんだか好いているんだか曖昧なのが紗月か
真唯に対する気持ちの持ち方に関し、れな子と紗月は似ている。ならば紗月が真唯に求めた関係の延長をれな子が担えば良いわけで。その上で一時的には恋人のように成りかけたれな子だから伝えられる事も見えてくるね

真唯に翻弄される同士である紗月との会話は己との対話、深めれば己の気持ちが見えてくる
対して、真唯との対話は己でない相手との会話。己が選ばなかったものは何であるかが見えてしまう
れな子に拒絶された事で臆病になった真唯が露わになったように、鬱陶しい自尊心が消え去った真唯と対面すればれな子も己の臆病さが見えてくる
そして、れな子の素晴らしい点はそうした面倒な己を認めた上で守りたいものの為に踏み出せた点だろうね
真唯が恋人であろうと親友であろうと彼女を失いたくないという点に迷いはない。ならそんな相手の為に身を投げ出すのは当然なわけだ
プールに飛び込むシーンはまるで第一話で真唯がれな子を救うため宙に身を躍らせたシーンと重なるかのよう

それを経た上で、何度もキスするなんて遂にデレ期が来たのかカップル成立かと思ったものだけど、れな子の回答はまさかの良い部分を摘み食いするかのような珍回答
いや、あれだけキスして「伝わったでしょ?」とした上で親友寄りな関係を望むとか凄いな…。おまけに真唯に会いに行く道中では紫陽花にトンデモ発言してるし……
果たして、れな子と真唯が至ったのは彼女らなりの新たな関係か、それとも己の恋心を認められていないだけか?互いに翻弄させ合う面倒な二人の独特な関係にこちらまで翻弄させられた気分になりましたよ
でも、こうした関係ってそれはそれで好きなんですよね…



とても良い

早々に鬼を倒してしまうなんて妙な展開だ…と思っていたら、それ以上に妙な展開に突入して仰天したよ!
流石に彼女の存在がまやかしとは判れども、夕凪の狙いが判らない。嘘偽りが跋扈する夢幻の世界。そこでは多くが嘘にまみれているから何を信じたら良いかも曖昧とさせる
でも嘘であるならば、嘘の奥には真実が在るとも言えて
嘘を操り甚夜を惑わす彼女が伝えたかった真実にほろりと来る話でしたよ

夕凪は甚夜との馴れ初めを嘘として話した。それはまるで甚太が白雪に伝えたかった言葉のように思えるけど、現実には伝えていない以上は嘘そのもの
嘘であるなら意味は無い筈が、彼女が言葉にした事で甚夜が思わずそういったシーンをイメージしてしまったように、彼が見ないフリをしていた想いを露わにしてしまうものだね
また、親密に接する彼女の姿は甚夜が大切に出来なかった奈津を想起させるもの。夕凪が嘘だから夕凪でない存在をそこに見てしまう

夕凪は嘘だから夕凪という女性を見る必要は求められてなかったのかもしれない
けれど、甚夜は夕凪という短い時間しか存在しない幻のような姿をしかと見た。その上で自分が守れていれば存在したかもしれない幻を認められた
甚夜は嘘を嘘とせず、真を己に見出した。だから彼女も最後の時間にほんの少しの真を混ぜられた
永い時を生きる甚夜に託された小さな命。人と家族的な繋がりなど持てないと思われていた甚夜が拾った掛け替えのない真実。甚夜の言葉に籠められた優しい嘘に胸が温かくなってしまったよ



良い

いつだって勝負は真剣そのもの。だからゲームにも恋にも一生懸命なリリーはいつだってそれらを楽しそうにプレイしているね。その姿はとても可愛らしいもの
特に今回の話で印象深かったけど、日本語が少し堪能になってきた点は彼女が蓮司や葵衣と仲良くなる為にどれだけ努力しているか見えるというもの
そんな所に現れた望月はゲームも恋においても強敵。恋のライバル出現にリリーの真価発現かと思いきや、そうはならないのが本作の面白さなんだろうなぁ(笑)

リリーが幼い可愛らしさで懸命に蓮司に近付いているのに対して、望月は大学の同期とショートカットでも使ったのかと思う程に急接近
ゲームも恋も今は勝てそうにない。けれど今回の勝ちは譲っても勝負は諦めないと言わんばかりに望月に景品だけ渡そうとしたリリーの姿勢は尊敬されるものだね
惜しむらくは望月がそもそも恋のライバルでは無かった点か…。恐らく望月の姿勢は裏で多数の男子を勘違いさせてるんだろうな…(笑)



とても良い

勉強会という名のデートっぽい逢瀬をする凛太郎と薫子の遣り取りが一々初々しくて悶えそうになる……!
敬語をするとかしないとか、めっちゃ美味しそうに食べる薫子とか、解らない部分を教える為に近付いて照れてしまったりとか何もかも最高か?
まだ特別な関係ではないけれど、互いを特別に想い合う心情が垣間見える遣り取り。だから凛太郎は彼女の想いを受けて赤点回避に燃えるし、そのまま特別な関係になれそうな凛太郎に対して警告する昴に納得感が生まれるわけだ

昴の警告は凛太郎と薫子が忘れかけていた千鳥と桔梗という壁を思い出させるもの
これまでの諍いは学校を背景とした個人間規模。けれど昴が言うのは学校の生徒である為の世間体だね。背負う属性は個人がどのような者であるかを朧気にさせ責め立てる
今の昴は凛太郎が悪い人ではないと理解しているけれど、それとは関係なしに世間から薫子がどう見られるかを気にして、彼女を守る為に自分の男性嫌いさえも他所において凛太郎に詰め寄ったわけだ
それを判った上で「出来ない」と返した凛太郎は既に薫子を特別と思っているようなもの

その判断は独り善がりなものに思えそうにもなる
けれど、電車のシーンで描かれたように、見た目で怖がられる凛太郎はそれで終わらず、困っている人の為に行動できる者でも在る。そして、彼の優しさは伝播するものだね。あの中学生達が勇気を出して凛太郎にお礼を言ったのは凛太郎の影響と言えるね
だから凛太郎の優しさに触れた昴が行動や判断を変えるきっかけと成れば良いのかもしれないけれど……
その前に訪れた凛太郎自身の危機。千鳥と桔梗、その壁を越えてしまった判断を彼はどう説明するのだろうね



とても良い

新たなコスプレは自分達が楽しむ為ではなく、文化祭でクラスを勝たせる為のものに
これまで陰日向で自分達の好きを確かめるようなコスプレをしていた海夢と若菜の活動は遂に日の目を見るね。そうすれば自然と若菜への注目も上がると
この文化祭編って原作で見た時に感動的な想いを抱く部分が幾つも有ったのでマジで楽しみだったり。あの内装手伝いのシーンを始めとして良い感じにアニメ化してくれそうで、期待感が抑えられませんよ!

原作よりもじっくりと描かれた『生ホス』シーンは麗様がどのような心情で海夢がコスプレしたい場面へと至ったかを丁寧に教えてくれるものとなったね
今回は単純にその格好をすれば良いだけでなく、多くの女子が感動したレベルの麗様を再現しなければならない。その為には海夢や若菜だけでなく視聴者含め麗様がどのような心境で居たかを知る必要がある
そして描かれた麗様の姿は単純な格好良さの再現だけでは足りなくて。若菜が言及したように華やかさだけでない雰囲気の再現も求められるわけだ

今回の衣装製作に関して若菜には多大なプレッシャーが伸し掛かる
だからこれまでのように若菜だけで頑張ろうとした処に海夢が手助けを申し出て、それでも負担の自覚が有った処にあの優しい理解ですよ…!
若菜の衣装製作なんて誰にも理解されないと思っていた。でも、クラスメイト達はこのコスプレが皆の為のものだと判っているし、むしろ自分達は衣装製作を手伝えないと判っているから、大事な部分を若菜に任せたいと思っている
今の若菜には多大なプレッシャーが伸し掛かる。でも、それは不安から来るものではなく、気持ちの良い期待から来るもの
「マジで頼んだぞ!」に対して「頑張る!」って遣り取りが本当に良き……



良い

前回まで描かれた卯月が無意識的な言動により空気に馴染めず思春期症候群に至ったケースであるならば、今回の赤城は意図的な言動によりそもそも空気に馴染む気が無いタイプか
でも、これって部分的には咲太に関しても言える要素であるのは面白い。咲太は大学生ながらスマホも持たないし友人関係も限られている。おまけに交際相手はあの桜島麻衣
いわば空気から弾かれているかのような二人が中学時代ぶりに絡む事でどのような問題が生じるかという展開になりそうだ

特に咲太の大学空間における馴染めてなさは凄まじいね。昼は同じくボッチ飯する美東に話しかけ、合コンに参加してもそこまで楽しそうではなく。だから大学生が当然のように知っている話題も全く知らない
高校時代は空気から弾かれた為に空気を外側から見るようなタイプだったけど、空気に迎合したがる者が高校時代よりも増えた大学において彼は空気の中で何が行われてるかを理解するのに苦戦しそうだ

冒頭に登場した霧島透子は格好からして空気に馴染みようがないけど、見えない存在である為に空気から弾かれない存在だね
その意味で彼女は集団に紛れ込んだ上で集団の空気を変えられる厄介者
ただ、そのように考えるとそもそも空気の中にいないだろう赤城にどのような思春期症候群が授けられたのかという話になってしまうね
空気の集合体のような「夢見る」と空気に迎合しない赤城。予知夢の具現化を望む空気と防ぐ赤城。両者の関係は独特なものになりそうだ



とても良い

コナンや金田一っぽい要素をふんだんに盛り込んでいたけど、本作はコメディなのだから何も起きないだろうと思っていたら意外や意外にちゃんと裏じゃ事件らしい謀り事が起こっていたようで
それでも全体的には館に閉じ込められたミステリあるあるが徹底されているものだからコメディとして楽しめるし、あるある崩し的な要素も盛り込んでいるのは良いね
特に真白が橋を自ら崩壊させてしまう様は大笑ものでしたよ
ただ、惨殺された筈の両親が実は生きていてピンピンしているってどういう状況なの…

アスナロの助手をしているマキちゃんはどうにも正体が掴み難いタイプだった。アスナロを何故マスターと呼ぶのかとか、アスナロの助手をする事になった経緯とか素性もよく判らない
いわば謎多き女性。そんな彼女がまるでイマドキの若者は~と管を巻いて酒を飲み干す姿には意外性が有ったな
その見た目から高校生組の仲間かと思いきや、名雲と同じくそれなりのご年齢な感じの人だったのかな。そのくせ、自分はそこまで年じゃないと誤魔化そうとする姿には結構キュートだったよ(笑)



良い

飲酒に関する倫理感は既にぶっ壊れてるのに伊織と千紗の血縁を気にしてあたふたする愛菜はちょっとおかしいけど笑える感じの可愛さだね
また奈々華が伊織からそういう目で見られているかもしれないと気にする姿は何とも珍しいもの。彼女って千紗が好きという一面が強調されているからか、男性をどう思っているかという点があまり見えないタイプだっただけに、伊織の態度を気にして慌てる様には可愛らしさがあったよ
そして結果的に家族のような親愛を確認し、落ち着く様には彼女の母性的な面も表れていたね



とても良い

真唯から幾度もキスされた事でれな子の恋心はかなり揺らいでいるね。彼女は真唯に友情を求めていた筈だった。けれど、何度もドキドキさせられ心乱れれば別の感情が顔を覗かせてしまうのは仕方ない話かも知れず
けれどこの状況は真唯が我慢出来ずれな子に猛アタックしている点に問題が有る。恋のキャパオーバーは心を乱すもの。そう考えれば、れな子への想いがオーバーした真唯が理性を失ったように、真唯の攻勢にオーバーしたれな子が別の感情を抱くのは当然の成り行きだったのかも知れない

厄介なのはれな子は別に真唯を嫌っている訳じゃない点
恋人を求める真唯を跳ね除けたい気持ちはあるけれど、彼女には元気で居て欲しいから悩んでいれば励まし理解を示す言葉を放つ。これに真唯は益々魅せられていくね
けど、れな子が求めているのは友情だから、真唯にしているような行為は他の子にも向けてしまう。今回、その対象は紫陽花となったね
てか、紫陽花の態度は危険過ぎるよ…。彼女は人を堕落させる天使か何か?

紫陽花と遊ぶれな子はとても楽しそう。けど、まるで誘っているかのような紫陽花の姿勢には恋の欠片を抱いてしまう
それはれな子に明確な恋を抱く真唯はもっと激しくなるもので
想いが溢れた彼女がれな子を押し倒すのは恋人間なら自然な流れ。けれど相手から向けられる感情にも流される立場にもキャパオーバーとなったれな子が真唯に同調できなくなるのも自然な流れかもしれず
かつてのれな子は自称友達が求める交友を受け容れられず独りになった。そして今、自称恋人が求める愛を受け止められなかった彼女は真唯との関係をどうしてしまうのだろうね?



良い

少し忘れていたけれど、そういえば甚夜って疾うの昔に刀を持つ理由を無くしている者と言えるのか
最初は巫女守として白夜を守る為に刀を振るっていた。けれど、彼女を喪い仇の鈴音を殺すつもりかも決められていない。そんな彼は刀を何の為に持つのか、その理由すら曖昧なままに鬼を斬り続けている
そう思うと幕末の動乱の中で己が刀を何に捧げるかを定める武士達の姿が広がりを見せれば見せるほど、甚夜の在り方は浮いてしまうものとなるね

甚夜の刀は畠山が陰謀を巡らせた上で雇おうとする程に注目を集めている
けれど彼が主眼を置くのは鬼や妖刀を滅する事のみ。その在り方は純粋なようでいて、時代の移り変わりに応じて刀や己の在り方を見定めていく者達と乖離しているね
出逢った当初はのんびりした風すら有った直次ですら公儀と己の関係に苦慮している。その姿と並べば世を論じない甚夜は時代に馴染めていない

甚夜や幕末のざわつきを見た後にあの回想を見た為か、意外な想いを感じ取ってしまったような
兼臣と夜刀は刀によって己の在り方を表すのではなく、刀を通して人と鬼が共生する世を表そうとした
だというのに、その刀で又六が妻を斬り殺してしまい、刀で己を惑わした気になっていたのは刀に籠められた想いが踏みにじられているね
己の為に刀の振るい方を定めるか、刀の為に己の在り方を定めるか。時代の移り変わりに添い遂げられない甚夜は刀に振り回される武士達を見てどう感じるのだろうね?



普通

まだ言葉は完全に通じては居ないけど、ある程度の異文化交流が出来るようになってきたリリー達。それもあってか今回は文化が異なる事による壁がコミカルに描かれるよりも、リリーという少女の面白さや魅力が存分に描かれていたように感じられるよ
寝坊しないよう寝る前にエナドリを飲んでしまったり、漢気コアラに夢中になってしまったり。また英語は当然として日本語で答える他の教科も点数が高かったのは意外な姿か
文化の壁がある程度取り払われた彼女の表情がより豊かに映るようになってきたね

他方で蓮司もゲーセンの店員という立場ではない形でリリーと交流する事で彼自身もこれまでより見えるようになったような
予想外に発生したリリー相手のデートでも彼女を楽しませようとしているし、彼女が自宅に来た際も葵衣との時間を満喫できるよう配慮している
そして時には妹に頼られるほどゲームの腕前はあるけれど、リリーを気に掛けた為に上手く発揮されない時もあるようで。ゲームが好きだろう彼がゲームよりリリーに気を取られてしまう現象からは彼の中で少しずつ彼女への印象が強まっているのだと感じられたよ



とても良い

片や追試でスポ大への出場が危ぶまれる凛太郎、片や特待生として成績1位を保つ薫子。千鳥と桔梗という枠から少しずつ脱し始めている二人だけど、学校という枠を除いたからこそ個々人がどのような姿形をしているかを意識してしまったような
でも、そこで凛太郎が自分は薫子と並び立てないと諦めるのではなく、彼女に教えを請う形で彼女に近づこうとする様は良かったな
ただ、近付いたからこそ、他の生徒達も近付いてしまったのだろうけど

男子を嫌悪する昴は桔梗のイメージに則った人物か。おまけにそこには薫子という個人に対する執着も見える
なら凛太郎を親友と思う翔平や朔がいきり立つのも当然で
生じかけた両者の対立、そこへ割って入った凛太郎、そして率先して謝った薫子は対立感情を和らげようとしたと言えるのかも
だからか、ちょっと険悪な雰囲気もあった翔平も凛太郎の影響を受けて自分の落ち度を認められる。ただ、そうした流れを受けても謝られなかった昴や朔はまだ頑なであると言えるのかな……

千鳥と桔梗の対立は簡単に崩せない。そして千鳥と桔梗の対立が凛太郎と薫子の関係にも陰を差す
そう捉えるなら、まずは凛太郎と薫子が学校など関係ない場所で仲を深める必要があるのかな?図書館での遣り取りは良かったわけだし
でも、個として向き合えば敬語だったりケーキ屋だったりといった枠や壁も見えてしまう
それだけに凛太郎が薫子に踏み込むように敬語は止めていいと言えたのは良かったな。二人はこうして一歩ずつ仲を深めていくのだろうと感じられる
また、結果的にあの電話で二人とも恥ずかしさやら何やらに悶えていたと、お揃い感が知れたシーンも良いものでしたよ!



とても良い

コスの先輩と言えるあまねが教えてくれるコス世界の諸々はまさしく知らない世界を覗き見るような心地にさせられる……。オレンジコンシーラーの用途とか女装ならではの使い道だよね
ただ、あまねを通じてコスプレや女装について教えを請う流れは必然的にあまねがどのような経緯でコスプレするように成ったのかという点をも教える流れとなるのか
彼の話はこれまで海夢や若菜が通って来なかった世界の話となったような

かつてのあまねは自分を好きでは無かったようで
それが自分だけど自分ではない姿に成るコスプレを通じて、自分を好きになるきっかけとなっていくのは印象的
それだけに彼の一部を成していたコスを否定する彼女さんの言葉は彼自身の否定に繋がってしまうわけだ。そこで彼が衣装ではなく彼女さんを捨てる道を選んだのは彼にとって大切なものは何か、誰に否定されても揺るがない大切さは何かが定まっていたからだろうね
でも、もう少し別の見方をすればあまねの話は好きを否定された者のお話とも言えて

思えば海夢は自分の好きも若菜の好きも肯定する形でコス活動を始めた人物だった
そうなれば、守れはしたけど否定されたあまねの話は彼女にとって怒り心頭な話になるわけか。あまねのような経験を海夢や若菜は通らなかったけど、それは海夢の強さがそうさせたのかもと思えたな
だとしたら、自分の話を聞いて怒り涙してくれた海夢の姿は女装をしていると話す事に少しの恐れを抱いているあまねを勇気付けるものと成ったような
別れる際の清々しい表情は彼があの道を選んで何も後悔していないと知れるものだったよ

あまねとの会話が示すように、そしてこれまでのエピソードで数多く示されたように海夢は自分の好きに正直だし好きへの努力も怠らないし好きを大事にするタイプだね。それでもあのカオスな誕生日会は本当にカオスだったと思うけども…(笑)
そうした極振りした海夢を見た事も在ってか、この作品は好きを正直に表現する人が多いような気がしたよ
海夢は言わずもがな、若菜がコスアイテムを見た際の興奮もそうだし、あまねを推せるって激震してたレイヤーもそう。そうした様々な好きや好きへの気持ちが描かれた本作は見ていて気持ちの良いものだと改めて感じられましたよ



良い

空気を読めるように成った卯月の特性。ただ、これは卯月が誰の空気を読もうとしてしまったのかという点が今回は響いた形かな
卯月は大学の空気や人間関係に溶け込む為に空気を読めるように成った。すると空気に逆らって無謀な夢へ進むスイートパレットに溶け込めなくなるのか。「武道館に行けると思う?」との質問は多数が同調する空気に寄せる発言
これまでは卯月が空気を掻き乱してきた。その彼女が空気を在り来りのものに変えようとしてしまった。その時、スイートパレットはどうするのかという点が描かれたね

空気を読めるように成り空気に呑まれてしまった卯月は己自身の力だけでは歌えない。他方で卯月の空気に呑まれていたのどか達は卯月無しでも空気を切り裂くが如く歌い上げる様は格好いいね。おまけに卯月の不在までネタにしてしまうなんて
それでも彼女らだけでは大局的な空気に抗う事は難しい。あの荒れた天候は彼女らに夢など叶わないのだと押し付ける空気が具現化したかのよう
それもあって、卯月は雨の下で目立たないよう隠れ続けていたわけだ

パレットの4人がかつての卯月をなぞるようにアカペラで歌い出すシーンは凄いんだけど、本当のセンターが居ない状況は寂しいもの
ステージへ上がる直前、卯月が呼んだ空気とは何だったのか?そして卯月が歌い出した事で変わった空気とは何だったのか?
空気は彼女らの形を押し固めるものかもしれないけれど、足掻き続ければ空気など関係なく戦う事だってきっと出来る筈で
空気を読みつつ空気など知らないと再び歌い出した卯月をパレットの4人がステージに引き上げる瞬間には感動を覚えてしったよ
そして卯月が再び空気を読まない道へと歩み出した様に拍手を送りたく成り、同時に現れたサンタの姿には困惑させられたのでした



良い

離れて暮らす兄への寂しさから付き纏う妹に見せかけて、実態は兄を家に連れ戻そうとする若干腹黒タイプな栞は伊織と全く似ていないね
そんな裏表がある栞を伊織は理解していない。けれど、栞の方こそ伊織を理解しきれていなかったと言うか、むしろ兄に対する己すら理解していなかったというのは面白い
そうして終わってみれば、栞はブラコンを演じているつもりでブラコンそのものだったというのは何とも可愛い話ですよ



良い

彼こそ最近の探偵だと言いたくなるキャラクターが登場したね
アスナロはボケた所がかなり多いけど若々しい高校生探偵。そして彼の対比として名雲の存在が有るわけだ
若さ溢れるアスナロが哀れむ程に今の名雲は落ちぶれているし歳も取っている
いわば名雲にとってアスナロは過去の姿であり、アスナロにとって名雲は未来の姿。アスナロの全てが昔の名雲に似ているわけではないけれど、名雲が言及するように彼の才能的な面は似ているし、探偵をサポートする助手が居る点も似ている

けれど似ているが故に違いも見えるね。今は二人とも助手がいるけど、昔の名雲に助手はいなかった。もしかしたらそれが落ちぶれるきっかけと推測すると若い時点で助手が居るアスナロは名雲とは別の道を歩めるのだと想像させる
他方で名雲に今更助手が付いた事は遅いのかというとそうではなく、アスナロの境遇同様に真白が助手として居る事が名雲の助けとなっているとも感じられたよ
ただ、似て非なる要素が描かれた中で最大の違いだったのは間違いなくアスナロのストーキング要素なのだろうけど。流石に付け回すのは駄目でしょうに(笑)



とても良い

今回の真唯は多くのシーンで髪を結んでいた。ならば、真唯はれな子が教えようとする友達の良さに気付いたのかと言えばそうではなさそうで…
二人の勝負って互いが信じる関係の良さを教え合うものである為に当然のように接触時間は増えてしまう。そうである為に友達の良さを教えたいれな子と、恋人の良さを刻み込みたい真唯の違いが如実に現れている印象
というか、どう見ても真唯が主導権を握っているかられな子が押しに押される状況がコミカルで楽しめね

真唯を2回に亘り家に招き入れたシーンに見える違いから、友達と恋人の違いも見えるような
1回目では普通にゲームを楽しんでいる為に二人の様子は普通の友達としか見えない
けれど2回目では「お付き合い」という言葉から始まるように、好意を抱く相手を無防備に家へと上げると何が起きるかが判りやすく描かれていた。特に真唯はれな子を手に入れる為に下準備を欠かさないタイプであると見え、それだけに真唯に友達を教えたいれな子の準備不足も見えてしまうね

だからBパートでのお出掛けもれな子の考え不足がモロに出てしまったような
突然の雨は不幸だけれど、それへの対処に出遅れたから真唯に主導権を取られてしまうし、口車に乗せられて混浴までしてしまう
その果てに明示されたのが友達と恋人の類似か。何も全てが同じというわけではないだろうけど、友達と恋人の良い点の幾つかは共通すると言われてしまった。その後のキス等含めこれは友達の良さ、恋人の良さについての考え不足が招いた事態
れな子と真唯、二人の関係は友達か恋人、どちらかに収束すると思われていた。けれど、今回の話に拠って少しだけ別で少しだけ同じな道が有り得るかもと思えたよ



良い

過ぎ去った時を紐解き直すかのようなエピソード
第一話では限られた時間に物語を押し込んだ為に甚太達が過ごす葛野での時も早く過ぎ去ってしまっていた。それだけに改めて葛野時代を描き直す事で、甚太がどのようにして白雪への想いを閉じ込め、護衛役としての人生を受け容れたのかが見えてくるようだったよ。他にも清正についての解像度はかなり上がったのも良かったな
ただ、それら全てが既に過ぎ去った時であるというのは少し悲しくあるけど…

無理に護衛役の立場についた背景や軽薄な態度により、清正にはどうも好意的な印象を抱き難いと思っていたのだけど、この話で彼の印象が変わる瞬間が確かに存在したね
家に取り残された鈴音を気にかける様子、閉じ込められた立場の白夜に本を送る行為、それらは彼が見た目以上に繊細な人間だと判る
けれど彼の想いは誰にも伝わらず。きっとこの点は第一話時点で描かれても視聴者にすら伝わりきらなかった部分だろうね
既に過ぎた時だからこそ染み入る表現となっている

過ぎたという意味では新オープニング等で描かれた諸々の要素も気になってくるところ
甚夜と関係が破綻した奈津の行く末、老いが目立つようになった定長、そして甚夜に抱き着く幼い女の子。時は流れ風景は変わっていく。その中で変わらぬ甚夜は過ぎ去り続ける時に何を思うのだろうと改めて思うエピソードだったよ



良い

ゲーセンではない場所でも異文化交流が始まったようで
その代表格がリリーが過ごす中学での異文化交流か。蛍やクラスメイトの行動に表れるように言葉が通じないリリーとどう話せば良いのかと悩めば悩むほど交流出来なくなる。それだけに蓮司を思わせるような怪しい英語力で積極的に話しかけた葵衣は正しいと言えるね
そうして始まった二人の異文化交流がリリーの恋を応援する行動へと繋がっていくと考えれば、万全の状態でなくとも行動を起こす事こそ正しいのだと感じられるね

他方で蓮司自身は交流が難しくなった形か
リリーと交流したいけれど、それを葵衣に見られたら葵衣から嫌われてしまうと恐れてしまった。結果、リリーとの異文化交流は中途半端になってしまうと
この時、リリー以外の葵衣や他のお客とは普通に交流できているだけに余計にリリーはいじけてしまうね
蓮司とリリーだけでは交流が難しいならそれを仲介してくれる人物が必要となる。リリーの母親・シェリルはその役割を上手く果たしてくれたね

彼女が促した交流は言葉を介さない、けれど想いを伝えられるもの
一生懸命作ったお菓子にはリリーの真心が籠められている。それを味わえば誤解する余地なんて無い
でも、確かな想いを伝えたいならやはり間違いの無い交流が必要で。蓮司がリリーの誤解を解く為に丁寧で間違いのない文章で伝えた行動を模すように、リリーも丁寧な手紙で伝えたシーンは良かったな
二人の異文化交流の中心に有るのは文通的な部分なのだと感じられたよ
……その割に交流の結論に擦れ違いが発生したのにはちょっと笑ってしまったけどね



とても良い

突如、実家のケーキ屋に現れ己を信じてくれた薫子は異なる校舎、壁の向こう側の少女だった
その衝撃は尚更に凛太郎に千鳥と桔梗の違いを意識させてしまったようで。おまけに凛太郎の周囲でも桔梗の生徒を毛嫌いする発言が連発されるし、校門で待つ薫子がどれだけ異常な行動をしているかも言及されてしまう
これらの状況は凛太郎に薫子と触れ合う上での壁を覚悟させるから、同時に彼女と自分の違い、立場の違いを強調させてしまうと…

凛太郎は友人達との間にも壁を作っている点がもう本当にね……
凛太郎が翔平達に胸襟を開くタイプだったらあのようにモヤモヤを抱え込んだりしない。朔が差し伸べた手を掴む事だって有り得ただろう
ここで判るのは彼と薫子の間にそびえ立つ壁は何かを押し付けてくる世間が作り出したものではなく、凛太郎自身が生み出したもの
そこを理解せずに薫子を勝手に桔梗の生徒だなんて型に嵌めてしまうから不必要に彼女を傷付けてしまうと

凛太郎自身では気付けぬ落ち度、それを最も近くに居る杏子が考え直させてくれるのは良いね
千鳥の凛太郎ではなく唯の紬凛太郎として向き合えば、薫子に何を謝るべきか何を伝えるべきかは明確に成る。そのような姿勢を改めて薫子が「優しすぎます」と言ってくれるのは良いな
千鳥とか桔梗とかではなく、凛太郎と薫子として向き合う二人の間には何も壁はなく。校舎に入って離れた場所に居るのに、開け放ったカーテンの先で笑顔の遣り取りが出来る二人の姿は本当に尊いものだと思えたよ



とても良い

自分は多数派の集団に混ざれないと捉えていた若菜にとって、多数派の中心に居るような海夢と付き合うだなんて烏滸がましく思え…
でも、誰と誰が付き合うなんて個と個の話なんだから、多数も少数もなくて。海夢が不満に思うのも当然
反面、言葉には出せない若菜の想いは行動に表れていたね。ナンパを防ぐ為にあそこまで言えるのは守ろうとする相手を特別に想っているからこそ
でも、その遣り方じゃ伝わりきらないから、二人の恋は装飾が慎ましいまま進行するわけだ

若菜が抱く海夢への想いは続くシーンでも描かれているね
彼としては勇気が居る授業中のスマホ操作、学校を相対してのお見舞い。レールから外れた彼の行動は海夢をどれだけ特別扱いしているかを示している
それはきっと隠し味のような愛情。だからか、彼が作った雑炊を海夢は体調不良の中でも美味しく食せたのだろうね
ただ、やっぱりこの関係は個と個に終止するから、海夢の家に多数派を象徴するような友人達がやって来ると若菜は隠れてしまうと
二人が付き合う為にはまず若菜が学校内での立ち位置を確保する必要がありそうだ

Bパートではこれまた多数派から外れていそうな人物が
あまねは海夢から可愛さSSRと言われる程ながら実態は男性。まあ、男性が可愛いのは可怪しいなんてのは昔の常識だけれど、彼の在り様が多数派に属していないのは事実か。だから若菜も海夢も彼の性別に驚いたわけだし
ただ、多数・少数にこだわらず、個と個の話で言えば、あまねは海夢達から見てコスプレの先輩。二人が知らない事を教えてくれる
それだけにあまねが発したサブタイトルにもなっている台詞は衝撃的過ぎた…。本作は本当に常識観を容易に壊してくれるね!



良い

大学生編の導入を行った前回は卯月の変化が突然起こってしまった印象だったけど、双葉や咲太の視点を通して大学生とはどのようなものかが描かれた事で、卯月の変化はゆっくりと、でも確実に起きていたと判るね
平均化された集団に平均化を全く理解しない異物が混ざり込んだらどうなるか?卯月に起きた変化は彼女らしさを奪うものだけれど、一方で他人の空気が読めるようになった変化そのものを卯月は否定していない点が今回の思春期症候群と向き合う上で厄介となってくるね

卯月の変化は彼女らしさを奪うものであり、まどかが心配するもの。なら現状の卯月が異常なのかというとそうではない。むしろ今の卯月は大多数と同じく普通、だから集団に溶け込める
でも、元の卯月は多くの人が見上げるアイドルだったわけで
人と混ざれる己に成るべきか、混ざらない己を優先するか。そのように捉えると、卯月の思春期症候群は何かが問題となっているわけじゃなく、卯月が自分をどうしたいかが課題となってくるのかな
それだけに、次回のライブがどのように描かれるか期待が増したかも



良い

好きな人に近づく為、探偵に依頼をしたりお化けに変装したりなんてあの少年がやる事は恐ろしく大袈裟だね。それが報われれば彼の苦労には意味があったと言えるだろうに、実際は南雲の同情を引けた程度だったという
大袈裟にやったからって良い結果が得られるとは限らない。そう示すかのように想い人である真白が本物のお化けを連れて来るのは度肝を抜くけど、間が抜けているとも思えるコメディ劇と思えましたよ

探偵が偽りの罪で逮捕されるという幾らでも面白く出来る展開を唯のそっくりさんでしたオチで終わらせる本作は凄いね
このように大袈裟にしない方が面白くなる場合もある
だからか続くCパートも爆弾解体という王道展開というかコナン映画を彷彿とさせるストーリーなのに、解体せず蹴り飛ばすオチへと至るのは何と言うか話を大袈裟にしないという意味では正しいのだけれど、展開としてはすっごい勿体無いんだけど、逆にそれが笑えるという奇妙な感覚に
また、その場に何故か根津が居た事もお笑いポイントを高めていたよ(笑)



普通

テーマを明確にして描き直すことで気付ける要素って有るんだなと思えましたよ



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