簡単感想。
今回も大人達の描き方が実に素晴らしかったです。
教え子を見殺しにするところだったと、親友の前で泣き後悔する教官(おまけに部隊が全滅して自分だけ生き残った過去あり)。
大会社の令嬢に生まれながら、自ら整備士の道に進み、その夢を叶えたお姉さんキャラなど、『ああ、人生だなぁ』と思わせるキャラが続々出てきます。
それでいて大人の汚さ(責任を取らない上官)もしっかり描いているバランス感覚の良さも感心します。
この回だったかあやふやですが、『赤ちゃんの頃に背中をトントンとしてもらって〜』のエピソードには涙。
キャラの設定とも噛み合った見事な描写でした。
簡単感想。
一部のシーンが規制のせいとは言え、わかりづらくなっていたのが残念。
ヒロインの体に絵が描かれているシーンを、初見の人がちゃんと理解できたのか不安。
氷漬けの父親が次のシーンでは即解凍されてたり、悪役の最後がやっぱり規制でわかりづらかったりと、とにかく見せ方に不満が。
あの色彩都市の話を一話でまとめきった良脚本なのに、絵の見せ方でとにかく損をしていますね。
雰囲気アニメと言わせないよう、原作の持つ魅力をより磨いて欲しいところ。
簡単感想。
作られた英雄達の休日。
それぞれのキャラがより立つようになり、見ていて飽きません。
これだけノーテンキな彼らだからこそ、今後待ち受けるであろう運命を思うと、辛い気持ちに。
上官の無能ぶりと作戦ミスも、ゴーグルの人の想定内で思惑の一つに思えますね。
主人公が要再検査になるシーンは、さらなるハードな展開を想像させますね。
人当たりのいい看護師達が裏で見せた大人の顔には、驚きと共に感心しました。
大人は本当に大変――特に相手が複雑な事情を抱えた子どもたちだけに。
最後はタマキが大変なことになりましたが、どう逆転するのか期待。
簡単感想。
今回もキザなセリフのオンパレード。
ザコ敵ですらいちいち決まったセリフを言うところが、徹底していていい。
時計の悪魔はせっかくのボスキャラだったので、もう少しバトルを見せて欲しかったところ。
今回は特に声優さんの演技に気合が入っていました。
マスターギアの発狂など迫真の演技。
各キャラのデザインも素敵で、今見ても古くない。
簡単感想。
現代の英雄としての扱いが実にそれっぽくていい。
ニコニコのコメントネタはギャグだけで終わらず、今後も演出に役立てて欲しいところ。
デザイナーズベビーだったり、組織に裏があったり、きな臭い話が結構出てくるので後半はかなり厳しい展開になるのかも。
敵との対話、出生の因縁の解決、ヒーローとしての答え。
課題がたくさんあるので、主人公達がどう解決させていくか期待。
進路が決められず悩め唯を描いた8話目。
冒頭から亀が登場し、歩みは鈍いが確実に先へたどり着く亀=進路がなかなか決められないが少しずつ先へ進みつつある唯のメタファーになっていて、実に見事な作りだと感心してしまいました。
また各キャラの過去エピソードもおもしろいですね。
今まであまり過去話が表立って出てきたことがないので、紬と一緒に興味深く聞いてしまいました。
またさわちゃんのキャラがいいですよね。担任の教師として進路希望を急かすけど、一人のお姉さんとしてはしっかり唯を応援している。
そのあたりのギャップが上手く聞いてました。
最後に和ちゃんが亀に手を触れ、階段を降りて行くシーンがありましたが、あれも解釈がいくつかありそうですね。
自分の中では「先には行くけど、亀(唯)のことを大切に思っている」和の心を比喩したものかと思ったのですが、また考える時間が増えたら他の見方もできそうですね。
日常ほのぼのアニメ(の殻をかぶった傑作青春アニメ)なのに、考察のしようがいくらでもあるのですから、けいおんは本当にいいアニメです。
相変わらずキザなセリフとキャラクターのデザインが光る第3話。
今回もキレキレなセリフがたくさん出てきましたが、中でもお気に入りは「お入んなさい」と「それは時計を壊す意味だって思ってたぜ」の二つ。
「マスターギアとそっくりだぜ」も鋭い指摘でドキッとしましたね。
また話が進むごとに、キールロワイヤルがかっこよく見えてきましたね。
声優さんの演技もあって、違和感なく見れるようになってきました。
前回までは一話完結ということで、多少話が駆け足になっていました。
その点今回は前後編なので、しっかり物語を描けていたかと。
気になるシーンもありましたが、基本安心して見ることができました。
次回ではマスターギアとどう決着をつけるのか、楽しみです。
出来そこないと思われた5人組、しかし彼らには秘められた力が……?
そんな感じの一話目。
まずチームラビッツのキャラがわかりやすくていいですね。
一話目からそれぞれのキャラクターが掴める、素晴らしいスタートだったと思います。
チームラビッツは各々のポテンシャルがピーキー過ぎて、一般機では実力を発揮できずにいた――という設定だと思うのですが、こう中二心をくすぐるいい設定ですね。
また主人公はヒーローになることを目指しているのですが、周りの反応がすごい現代的。
ヒーローなんて暑苦しい、バカの言うことだ。
そんな周りの意見を気にせず、ヒーローになろうとする主人公に好感が持てました。
それだけにヒーローになるからにはさまざまな呪いや試練を受けることになると思うのですが、この作品ではどう描くのか期待ですね。
残念な5人組のキャラクターを視聴者にしっかり掴ませた上で、終盤に彼らを活躍させた、作戦以上の活躍を与えて英雄にしてしまう。
これをわずか一話で描ききったのですから、今後にも期待してしまいます。
吉田玲子さんの脚本に期待です!
ストーカー騒動から始まり、澪のファンクラブという今まで設定だけが語られた存在に切り込んだ回。
後半で澪のファンが集まるのですが、その人数が予想より多くて驚き!
さらに澪のポンコツなところも含めて好きなあたり、このファンクラブなかなか手ごわいです。
そんなファンクラブでも、澪の詩を上手いこと理解できないあたりが、またリアルですね。
即座に空気を読んで動ける律もさすが。
さらに並行して初代ファンクラブ会長である先輩の話も語られるのですが、これがまたいい塩梅ですね。
本当に先輩は大人として成長してしまったのか?――その答えは最後に見せた先輩の笑顔に現れていると思います。
原作が4コマ漫画で、巻数もそれほど多くない。
そんな厳しい状況で2クール分の話を作るのですから、大変ですよね。
その点、今回は過去の要素を上手くリサイクルした、お得な回に仕上がっていました。
手抜きがなく、面白さもいつも通り。
本当にけいおんは安定しておもしろいアニメですね!
今回は幽霊船カジノのお話。
相変わらずキザなセリフ回しが次々出てきて、制作側のノリノリさが伝わってきてほほえましくなります。
内容もバトルではしっかり頭を使っており、ただキールロワイヤルを使えばいいという展開になってないところが見事(あと声優さんの演技のおかげか、前よりキールロワイヤルがかっこよくなっていました)
ただ難点もあり、ジンガールの『終身刑よ』のシーンはもっと尺を稼いでしっかり魅せて欲しかったところ。
あと全体的にヒロインの性格が支離滅裂なのもマイナスポイント。
それに一部のシーンで視聴者側が設定を補完しないといけないのもいまいち。
設定の説明はされているのですが、見せ方があまりよくないので、わかりにくいんですよね。
と悪い点ばかり書きましたが、『あのボンボンに載っていた懐かしの作品・王ドロボウJING』のアニメ化としては、よくできていると思います。
原作の頃から優れていたデザインのキャラが、アニメで動くのは感動もの。
ぜひスタッフには上記の欠点を乗り越え、よりよい作品に仕上げてもらいたいです。
3話目にも期待です。
一話から最終話までイッキ見しました。
最近のショートアニメはていきゅうやあいまいみーみたいな、短時間にギャグを超圧縮して、勢いで見せるというスタイルが多いんですね。
その点この作品は変わっていて、ショートアニメなのにちゃんと各話に起承転結があって、物語として成立させています。
話を跨いだ伏線もあるなど、物語としてとても真っ当に仕上がっている――さすが吉田玲子脚本の作品です。
驚いたのは最終話の展開。この作品だからこそできる最終回の形になっていて、こうオチをつけるのかと、思わず納得してしまいました。
さらに細かいところを箇条書きで語ると
・いわゆる美少女日常アニメ系の体裁なのに、ヒロインたちが全員社会人!(見た目は中学生にしかみえないけど)
・スター宮そっくりな見た目で名前はりんご(スター宮のお母さんと同じ名前)な上、声が大橋彩香(あの蘭さん!)というどう考えてもも「アイカツ」なキャラが、実は「アイカツ」稼働前に生まれたキャラだという謎の奇跡。
・最初は暴走しがちだったのに、少しずつ常識人的な立場に収まっていく主人公はな。
・逆に常識人的な立場から次第に暴走し始めるあき
など、ツッコミどころもしっかり用意され、楽しく見ることができました。
これでお仕事アニメとしても、ちゃんと視聴者の知らない漫画編集者の世界を教えてくれるのですから、本当によくできた作品です。
この内容で5分間のショートアニメとして成立させ、さらに1クールの連続アニメとしてもまとめあげる。
職人技が見られるアニメでした。
「吉田玲子が描く日常ものアニメってどんな感じなの?」と気になる方、とりあえずこのまんがーるから観るのも決して間違いではないので、オススメですよ。
それで気に入ったら、次はけいおんを見ましょう。
少年時代、原作マンガを何度も読み返した作品。
いい具合に内容を忘れていたので、新鮮な気持ちで観ることができました。
まずジンとキールのキザなやり取りがいいですよね。
この作品に出てくるのはどれもキザなものばかり!
そんな中二な世界観が、ボンボン世代としてら堪らないわけですよ。
でもマンガで読んだ時はかっこいいと思ったキールロワイヤルが、アニメだと少しダサかったのが残念……これも味ではありますが。
わずか三十分なのに、内容の濃い物語も見事。よく見ると各所に伏線が張られていて、なるほどとなります。
さすがは吉田玲子作品。
『王ドロボウ』という中二でかっこいい響きに魅力を感じた人には、間違いなくオススメできる一話でした。
声優陣も豪華だし、二話目以降にも期待!
和製BTFと言える、児童向け映画。
BTFへのリスペクトは中々のもので、ストーリーの大筋から、ゾロリアンの名前と役割、クライマックスでゾロリが乗るのがエアーボードなど、様々な要素が引用されています。
それでいてただBTFそのままにするのではなく、昭和の日本らしき光景や、特撮チックなワンダバ警備隊、さらには怪獣まで出てくるという、デパートのお子様ランチレベルの豪華さでオリジナリティを発揮しています。
ヒロインであるゾロリーヌが実にかわいいのもこの映画のいいところ。
終盤の「私振られたばかりなのよ」のシーンには児童向け映画とは思えない色気がありました。
ゾロリを救うために手を離すシーンも、暗転した時はどうなるかとドキドキしました。
これだけいい演技をしている声優さんが、あのももクロのメンバーだとわかった時は、正直ビックリです。
子ども向けらしいくだらないギャグもよかったですね。
おならで空を飛ぶシーンをここまでかっこよく描いた作品はなかなか他にないと思います。
ラストでドーナツをもらうシーンも、ギャグオチで食べ損ねるのではなく、三人で分け合うというのがいい。
ちゃんと良いことをしたのですから、報酬は必要ですよね。
そして何より、映画の副題になっているZZの意味!
ゾロリとゾロリーヌの頭文字というのはすぐわかりましたが、その後さらにあんな仕掛けがあったとは!
あのシーン、耐えきれず泣いてしまいました。
児童向け映画って大人を泣かす作品が時々あるんですよね。
クレヨンしんちゃんのオトナ帝国の逆襲とか、最近だと若おかみは小学生とか。
この映画にはそんな名作に並ぶポテンシャルがあると思います。
さすがは吉田玲子脚本の作品。
あまり世間での知名度は高くないようですが、子ども心を忘れない大人にもオススメできる作品です!
傑作ですよ!
2クール目あたりまでは間違いなく神ギャグアニメだったメダロット。
しかしメダフォースが出てきたあたりから、シリアスな回が足を引っ張るようになりました。
最初の2クールは本当に外れ無し、どの回もお腹を抱えて笑えます。
1クールラストであるイッキとメタビーのケンカもよかった。
メダロットを語る上で欠かせないキャラは、個人的にロクショウですね。
虫が好きで、ロボトルを嫌う心優しくもクールなメダロット。
自分の中で試練を抱え流離う男=マントなのは、子どもの頃見たこのロクショウの影響がとてもデカイと思います。
色々と不満もあったけれど、弾けた最終回も含めとても好きなアニメでした。
特に吉田玲子の面白さを教えてくれたアニメとして、この作品は忘れられません。
それらを総合して『良い』と評価致しました。
やりたい放題な最終回。
とにかくスタッフの趣味が見え隠れする展開がまぁ多いこと!
『ロボットものをやるなら最後にこれを!』と言わん勢いで巨大メタビーを出したかと思いきや、ロケットパンチまでさせて、最後は自爆特攻する。
『これが俺達の好きなロボットアニメだ!』というスタッフの声がビンビン聞こえてきました。
他にもオチで2回ほど出たイケメンにまさかのドンデン返しがあったり、フシハラ博士を意外な形で登場させヘベレケを救済するなど、驚きの展開が盛り沢山。
しかも最後にはサケカースとあの人にまさかの展開が!……女は覚悟を決めたら強いってことですね。
その後もエンディングで普通にヴィクトルに負けたり、ヒカルが町を去ったり、ラストカットがまさかの親父二人で〆だったりと、もうやりたい放題なラストには、思わずスタッフに『よく52話完走してくれた!』と声援を贈りたくなりました。
真面目に見ると不満のある終わりかも知れませんが、自分の中でメダロットはギャグアニメに入ります。
ギャグアニメとして、まさに最高のラストを飾ってくれ、いち視聴者として大満足でした。
前作が子ども向けアニメのフリをして大人(それも玄人)向けアニメをブツケたのが不評だったのか、今作は普通に子ども向けアニメです。
しかし完成度でいうと、まだ前作の方が見れる内容だったような。
一番不満なのはディアボロモンの進化体があまりかっこよくなかったこと。
クリーチャーでありながら人型をギリギリ維持したディアボロモンのデザインは、子どもだった当時すごくかっこよく見えました。
しかし本作に出てくる進化体は、ただのクリーチャーでしかなく、そこにかっこよさが足りなかったかと。
携帯で光を集めるシーンや、子どもたちが道を開けるシーン、主人公デジモンが旧世代であるオメガモンの力でパワーアップするシーンなど、見どころがないわけではありません。
ただ作中出てくる困難が、どれもただの尺の稼ぎにしかなっていないんですよね。
自分としてはもっとハラハラドキドキする、スリルに満ちた困難が見たかったという思いがあります。
あと困難を解決するために旧世代のキャラが駆けつけてくれたのに、それをギャグにしてしまうのも不満。
そこは素直にカタルシスのある展開にして欲しかった。
過去作のリスペクトらしき演出(ボレロや初代映画の笛など)もあるものの、どれもただ使ってるだけに過ぎず、リスペクトというよりはただの借り物に過ぎなかった印象。
……と、とにかく不満点が多く、子どもだましで終わってしまった、残念な作品でした。
唯たちの修学旅行をメインにしたギャグ回。
気に入っているのは新幹線での富士山に対する行動。
最初はお菓子をこぼした唯を澪はしかるわけですが、帰りに今度は澪がお菓子をこぼすと、唯は「同じだねー」とほほ笑み、決して澪を責めたりしない。
こういうところに唯のかわいさと人間的な魅力が詰まっていて、とても好きです。
あとこの話をあらわすなら『女四人で超かしましい』なんて言葉もありですね。
最高の仲間四人で体験する修学旅行だから、いつも以上にはしゃいじゃうし、何より楽しい。
この青春の空気感が実によく出ていたと思います。
次回は修学旅行の裏であった、梓たちのエピソードらしいので、これまた期待です!
メダロットの真実が明かされる超重要回。
古くからある、実は人間の生まれる前に先住民族がいたという展開(知ってる限りだと、子ども向けではウルトラセブンが初めて?)。
さらにメダロットは先住民族でありながら、人間に扱われるグラディエーターでもあったわけですが、今回この二つのテーマにメダロットはこう答えました。
『俺達は友達だ! 今の生活が気に入っている。もっとこいつと一緒にいたい!』
つまりメダロットと子ども達は公平な関係であり、彼らはグラディエーターからの革命なんて望んでいないし、むしろ今の関係を気にいっている……という答えをスタッフはメタビーたちに与えたわけです。
またヴィクトルとウォーバニットの『対等ではなく、主従関係にあっても、そこに友情はめばえる』というドラマを描くことで、この解答を自己批評しつつ、そこへさらなる反論を提示しているわえです。
本当に旨い話作りですよね。
またかつて相棒であったメタビーのメダルを破壊してしまったヒカルと、夢の中まで追いかけ殴り合った末にメタビーを連れ返したイッキの構図も実にいいです。
旧世代の残した罪を、新世代が解決する――イッキは続編物の主人公として、見事な活躍を見せたわけです。(原作の初代主人公はヒカル)
泣いても笑っても次が本当の最終話。
結論が出た以上、あとはどう物語を着地させるか期待です。
ウォーゲームの後だから生まれた、作家性の強すぎる作品。
初めて見たとき、まず『幼い頃テレビで見た、外国の気だるい映画みたいだ』と思いました。
確かにその感想は外れておらず、Wikipediaにもプロデューサー曰く目指したのはフランス映画だと語られています。
物語として見ると、『不慮の事故で離れ離れになっていたチョコモンが主人である男の子と再会するが、男の子は既に少年として成長しており、チョコモン自身も怪物と化していた』という筋になっております。
テーマもよく、ラストの一枚絵にはグッときました。
しかしこの作品の失敗点は子ども向け映画でありながら、子どもを無視しすぎた点でしょう。
感情を小道具で表現する演出は、大人が見ればなるほどと納得できます。
でも果たしてターゲット層の子どもが理解できるかというと、それは限りなく無理に近いでしょう。
前にネットで見た言葉ですが、子ども向けの作品で子どもだましを作るのは最悪の手です。
大人がおもしろいと思う作品を子どもがわかるように翻訳して作る、これが正しい子ども向け作品の作り方です。
しかしこの作品はその翻訳をおざなりにしたことで、子どもには分かりづらい作品になった――それがこの作品が失敗した最大の理由でしょう。
もう一つ言及すると、キャラの感情の運びがわかりづらいのも、この作品の欠点でしょう。
いきなりヒカリに『デジモンが泣いてる』なんて泣かれてもドン引きですし、主人公が泣くシーンもそれまでのキャラと違い過ぎてア然としました。
こういった感情の流れをもっと丁寧に描いてくれれば、より取っ付き安い映画になったと思います。
感情がわかりづらいせいで、終盤の展開に緊張感がないのも同じく問題。
ただ泣き叫べば緊張感が出るわけではない、ということです。
太一達の扱いをセリフだけで終わらせたり、主役デジモンの格好いいシーンがほとんどなかったり、BGMが感傷的過ぎてイマイチ盛り上がらなかったりと、不満点は他にもあります。
ただ作品のテーマ自体はとてもよかっただけに、とても惜しい作品でした。
トーナメント決勝戦の決着なるか? と思いきやおあずけをくらった回。
ロボロボ団の野望やヘベレケの再登場、試合会場に仕掛けられ秘密など、内容は盛り沢山。
でもやっぱり自分はメダロットだとシリアスよりギャグ回の方が好き。(さらに言えばロクショウが主役の回はシリアスでも好き)
メダルを共振させてメダロットを操るという展開は、前回の第一部最終回の焼き回しのように感じてしまい、ちょっと不満も。
どうせなら別のアプローチによるロボロボ団の野望が見たかったです。
ただ前回では語られなかったメダロット達の過去(前世?)が語られるのは、設定の謎解きとして嬉しいところ。
残り2話でどう決着をつけるか、期待です。
細田守&吉田玲子による初期の大傑作。
テレビ版の後を描いているのですが、仲間が集結できないあたりの展開がおもしろい。(多分尺の都合でしょう)
集結はできないけれど、それぞれの仲間にそのキャラクターらしい場面が与えられているあたりに、クリエイターの良心を感じます。
物語のワクワク感もなかなかのもので、冒頭であの前作と同じボレロが流れた時は、一気にテンションが上がりました。
それでいてスケール感は前作から大幅にアップ!
前作が団地の子ども達を描いたのに対し、今作では世界中の子どもたちによるウォーゲームが描かれます。
お茶の飲み過ぎや過剰に届いたメール、オープニングの演出などが伏線として回収される終盤はまさに神展開!
太一とヤマト、そして世界中の子どもたちの想いが集まったからこそ生まれた『それ』には音楽も合わさり、とても感動しました。
後々シナリオは細田監督の代表作『サマーウォーズ』に流用されています。
サマーウォーズもキャラクターの多さやスケール感など魅力はありますが、やはり40分という尺を使いきって完全燃焼したこの作品の方が、私は好きです。
決勝戦開幕!
ほぼバトルだけの回ですが、見どころがたくさんあり、テンポもいいので楽しく見ることができました。
ついにメダフォースを撃ち合うことになった両者ですが、どう決着をつけるのか。
ナラヅケさんも本気になり、サケカースとの愛のドラマはクライマックスに。
一話限りのゲストのはずが、ここまで物語を引っ張る一つの要因になるとは。
大人らしい作戦もステキ。
次回ではメダロットが、ヴィクトルの叫びにどう答えを返すのか?
これまた期待です。
なぜこの作品がブームになったのか?
それを知りたくて鑑賞しました。
見ている中で気づいたポイントは三つ。
まず一つ目は、作画がべらぼうにいいこと。一度も乱れることなく、二クール走りきりました。
さまざまな映像演出を使った表現も見事。
ポイント二は、その設定の切なさ。
鬼になった妹を救おうとする炭治郎。
しかし妹を治すためには、他の鬼を殺さないといけない。
他の鬼は殺すのに、妹の禰豆子だけは救おうとする。
この歪みを持った設定もこの作品の魅力でしよう。
しかしこれは少年漫画、歪みは解決しなくてはなりません。
そこで作者が打った手は、敵である鬼に炭治郎が救いを与えることでした。
炭治郎はただ鬼を殺す兵器ではなく、鬼の心を救う優しさがある。
このあたりの塩梅が非常に上手でした。
ポイント三つ目は、技が格好いいこと。
『水の呼吸! ○○の型!』なんて叫ぶシーンを見たら、小学生なら技を真似したくなること間違いなし。
大人の自分でも、ついふざけて『夜食の呼吸、カップラーメンの型! 暴飲暴食!』なんてくだらないことを叫びながら夜食のラーメンを食べてます。
果たして全国の小学生で全集中の呼吸をマネした子は、どれくらいいるのだろう。
以上三つのポイントから、この作品が流行した理由の一端を感じることができました。
次は映画らしいですが、人気はどこまで続くのか。
期待です。
鬼舞辻無惨がやりたい放題な最終話。
第一部完といったところで、ここから映画版につながるのだとか。
鬼舞辻と十二鬼月のシーンはユーフォーテーブルの本気とも言える、すさまじい映像表現でした。
あそこまでグリグリ動くCGは、本当にすごい。
このCGは映画ではどのような動きを見せるのか、期待してしまいます。
カナヲに対する炭治郎のシーンもよかったです。
表が出るまで何度もコイントスする――実に少年漫画と主人公らしい選択でした。