『君の名は。』と同じようなのを期待すべきではないのはわかっていたけど、そのへんを差し引いて考えても自分の好みにはあまり合わない作品だった。
第一に登場人物たちの会話が面白くない。十代の子どもの他愛なく無意味なやりとりを表現したつもりなのかもしれないけど見ていて退屈に感じてしまった。
第二にうじうじした話し方の台詞が多くてすっきりしない。登場人物の性格や場面の問題もあるけど役者の演技の問題もあるのでは。
第三に主人公にもヒロインにも魅力が感じられない。高校生かと思っていたけど中学生だったんだな。そのせいか、どちらも(悪い意味で)子どもだなあ……という印象だった。ちなみに原作ドラマでは小学生だったそうで、道理で。なずなを引っぱる母親の場面とか、このぐらいの年齢にしては無理があるのではと思ったわ。
良かった点は映像のきれいさと主題歌ぐらいか。
調べてみると原作のドラマは子どものころのノスタルジーを刺激される作品のようだけど、このアニメ映画版では全然そんなの感じられなかった。正直あまり上手く現代のアニメ劇場版という形に落とし込めなかったのではないかと。もったいない。
フラン脱落残念。カウレスとのやりとりとか良かったのに。赤黒どちらのセイバーも宝具がビームってのは芸がないよなあ。そりゃビームで合わせた方が正面からのぶつかり合いってのを描きやすかったのだろうけどさ。
エリカの問題は解決になっていないよなあと思うが、まだ中学生なのに今すぐ東京行って暮らしたいなんてゴネられても解決しようがないか。今すぐ東京とまではいかないまでも中学生ならとりあえず高校進学を機に家を出られるようにもうちょっと都会の寮のある学校をさがして、親に負担をかけないように特待生で入学できるぐらい勉強を頑張っておけばってぐらいかね。
「もっと欲しくなる」の組み合わせはやはり女の子の方が肉食系だよなあ。「シュート」はあんな人目のある店内でなにやっとんだ。「おっぱい」は胸を揉む揉まないで言い合っていたけど、人目が問題なだけでとっくにそれ以上の関係になっていそうな気が。「傷だらけの天使」香取先輩エピソードのカオスっぷりは最後のオチにするのに向いているなあ。他のカップルがラストエピソード担当でもそれはそれで好きだけどね。
今度こそドロシー回。後味の悪い、苦みの強い回……というべきなのだろうけど、そりゃこんな世界に関わってればこういうふうにもなるわなぐらいにしか感じなかったな。むしろドロシーの手で親父を始末しなければならなくなる展開とかもありえそうだと予想していたぐらいだったからよっぽどましなオチだった。
ドロシー回かと思ったがそれほど深い掘り下げがある回ではなかった。でも最後のやりとりがいいね。こうして見るとドロシーはあまりスパイに向かないタイプに見えるな。
しおり当番回かな。商店街の皆さんが特に街の活性化に意欲を示さないのは初期から変わりませんな。このへんはどうするのだろう。しかしあんな閑古鳥状態で特に暮らしに問題がなく将来に不安を抱くこともないなんて逆にうらやましいぐらいなんだが。シャッターを下ろしている店の店主はさすがにもう高齢なんだろうけど、本屋の店主とかなんてまだまだこれから稼いでいかなければならない身だろうに。
「罠」はあのあと家族内でどんな騒ぎになったのだろう(笑) 「聞かせてよ」は言わされたような形になるにしても不器用でも素直に自分の気持ちを告げるところがカッコいいね。「アドバイス」はこのアドバイスでリカバリーできるのかな。「全部熱のせい」は女の子が熱があるって言っているのだから帰り送っていくのかと思ったらそうでもないのか。
水着回かと思ったら水着が無かったんだが。代わりに風呂はあったけどさ。美甘は司会のお姉さんも兼任か。たしかにあの電車の一幕を見れば司会が適任に見えるよな。しかしそのぶん御前さまの出番が減る気が……。裏方として忙しいから負担が減っていいってことなんだろうか。
やはりこちらの方が『∀ガンダム』とくらべてより宇宙世紀ものらしい感じ。まあ時代の違いがあるから当然なんだろうけど。『∀ガンダム』は世界名作劇場+ガンダムという印象なんだよな。嫌いじゃないけどさ。ウッソってもっと落ち着いた少年というイメージだったんだけど、こうして今見直してみるとけっこうベルリと似たところがあるな。
長かったがなんだかんだできれいにまとまった。このシリーズもこれで終わりかと思うと感慨深い……と言いたいところだけど実際はまだまだ続いているんだよなあ、この作品。ほんと、どこまで続けるんだろう。いくらなんでもそろそろピリオドを打ってもいいと思うのだけど。