冒頭から強烈な始まり。花楓の帰還に喜ぶ父とかえでの喪失を嘆く咲太の対比。そして胸の傷の再発。そんな状況で咲太に手を差し伸べるのは麻衣ではなくやはり翔子なんだね
麻衣は咲太が救った相手だし、彼氏として格好つけたい部分もある。本当に辛い時に咲太は麻衣に甘えることは出来ない。だから以前も自分を助けてくれた人であり年上の翔子相手であれば咲太はみっともない姿を晒して泣き喚くことが出来る
翔子はまるで何でも知っているみたいに咲太の内面をえぐる。咲太が認められない咲太の頑張りを認めた上で、かえでの思いも詳らかにしていく。咲太の傍に居たい、立派な妹になりたい、笑顔になれるような記憶を遺したい。
それでも咲太は自分は泣いたら駄目だと返すが、それも翔子は受け止めて咲太がきちんと泣けるように誘導する。かえでの喪失は花楓の帰還と同時に行われたから、咲太はきちんと喪失を泣く瞬間を得られなかった。それがこのような形で果たされたのは良かったね
咲太を心配して急遽帰ってきた麻衣。しかし、肝心の咲太は初恋の相手に慰められたと知ってしまう。
一番辛い時に自分を支えてくれたのは咲太だから、同様に咲太が辛い時は自分が支えてあげたいと思う。そんな当たり前の感情は別の人物に取られてしまう。そんな辛さをあまりに色々有った咲太はすぐに見抜けない
だからこそ、のどかの「咲太はお姉ちゃんのことだけ考えてろ」という台詞が映えてくる。かえでの件で満足に頑張れなかったと咲太が思うなら、今付き合っている麻衣は幸せにしなければならない。今日が誕生日だったと知れば、金沢まで急行するのは当たり前の話
最後は二人で上着を羽織りながら互いに謝罪。相手の支えによって自分が幸せになれていると伝えあう
花楓は自分が居ない間かえでを支えてくれてありがとうと伝え、咲太もかえでに支えられていた事に感謝を伝える。
花楓はかえでの願いだった「学校に行きたい」と言う。虐めの記憶は消えて無くてもかえでの支えがあるから一人じゃない、大丈夫だと言う
支えに対する感謝を伝えあい、それを原動力とする姿は美しい
こうなってくると何故翔子は何度も咲太を支えてくれたのかという疑問が湧くけれど……
TVシリーズから続く話の完結編とも言える劇場版は来年夏までお預けですか。今から待ち遠しいな
前回が内側に秘められたものが表に出てくる話なら、今回は鏡の内側と外側を通じた遣り取りが多く見られたように2つの世界の境が曖昧になる話だったんだろうか?
フーゴ救出よりもキー確保を優先したアバッキオ。結果的にその行動がイルーゾォと遭遇する破目になった。キーを確保するためにはイルーゾォを撃破する必要があり、撃破できたなら自然とフーゴ救出にも繋がる。アバッキオの行動目的が曖昧になる
そしてアバッキオ自身もイルーゾォの能力によって現実と鏡の世界それぞれに身体を分断されてしまうが、それゆえにイルーゾォを出し抜く策を見いだせる
そして誰しもにとって予想外の行動をとったのはジョルノ。アバッキオが命懸けで届けたキー。それを持って逃げれば良いのに、彼はイルーゾォに立ち向かう。
表も内も無く普段から自分の望みを明らかにする彼は、割れた鏡から鏡の内側があると推測し、イルーゾォがやってくる前に撃破の準備を終わらせる。イルーゾォは鏡の内側の住人だが、ジョルノは表側に居ながらウィルスを自身の体に仕込みレンガを蛇に変えていた。
ジョルノにとって最も望む展開はイルーゾォを鏡の世界から外にだすことであり、イルーゾォは狙い通り動くことになった。そして鏡の内と外、2つの世界が解消された時、ジョルノを助ける力を持った蛇と出逢うことが出来る
鏡の中でしかまともな攻撃力を示せないイルーゾォと、鏡の内と外を思いのままに操ったジョルノ。イルーゾォがジョルノに敵う道理など最初から無かったのだろうね
最終回は劇的な描写はそれほど無かったが、その代わり手の描写や燈子と侑の距離感が存分に描かれていた印象
手が届かない表現と言えば、初期の侑が抱えていた悩みを思い出す。キラキラしたものに手が届かない、恋バナで談笑する友人たちに置いていかれるイメージ。最終回では侑以外の面々にそのイメージが現れる
まずは沙弥香。燈子に姉がどのような人だったかを聞き、燈子から見える断片的な姉も本物じゃないかと慰める中で描かれる。一度目は肩に手を伸ばそうとして結局は手へ。これはより強く燈子の内面に踏み込もうとした為か?二度目は去る燈子へ向けて瞳を通して描かれる。これは燈子の心に自分の言葉が届かなかった悲哀から来るものか
燈子が侑に対して頻繁に好きと言うのは何故かと説明する際、自分で自分の手を包んでいる。燈子の心が己に向いそして閉じこもっていることが感じられる描写
即興劇の中でも燈子は自分の心の有り様を説明する中で自分の手首を掴む。同じように侑も自分の腕を掴むがこちらは燈子の内面に踏み込む前準備として。その後、燈子の両肩を掴み今の「選ぶ必要があるのか」「今の貴方しか知らない」と燈子の心に直接響く言葉を伝える
けれど、燈子は「私には何もない」と侑が嫌う言葉を発する。だから侑は燈子の肩から手を離してしまう。侑が言い掛けた「でも」の続きは言葉にされることはなく、だからこそ自分を掬い上げてくれそうだった言葉を打ち切った侑に対して燈子は手を伸ばす
最終的に侑は暗い水槽の前に居た燈子の手を引っ張って明るい回廊に連れ出す。周囲の色鮮やかな光景に目を輝かせつつ、二人して光に手を伸ばす。
以前はキラキラしたものや恋心に手が届かなかった二人が、それに届くくらいに気持ちを成長させたのだと伝わってくる描写
ラストは肩を並べる燈子と侑。第8話の時は肩を並べても燈子が一方的により掛かるだけで侑は手を重ねることも出来なかった
それが最終回では燈子が一方的に肩を寄せているのは同じでも、侑が首の角度を変えたことで影の二人は肩を寄せ合っているように見え、そして侑は燈子を夢から覚ますために手を重ねられた
これから二人がどのような関係性を見出していくのか、劇の結果燈子はどうなってしまうのかを知りたくて仕方ないのだけど、それは第二期を期待するより原作を読んだ方が良いのだろうな……
フーゴの本性のように内に秘めたものが表に出てくるという点が非常に強調された内容になっていて楽しめる。更にそんな話がポンペイという特殊な背景を持つ舞台で展開されるというのも面白い
冒頭、フーゴはジョルノの指示出しの遅さに苛つくが本格的にブチギレる前にアバッキオに止められる。怒りは内側から出てこれない状態
敵が鏡越しに見え警戒を二人に呼びかけるが、敵はフーゴにしか見えず更にフーゴ自身も鏡の中にしか敵を見ることが出来ない。まさに敵は鏡の内側に潜んでいる状況
過去編に置いてもフーゴの怒りは親に向けられる直前で抑えられ、内に秘められたまま。それが爆発するのは教授による執拗な誘いがあってから。その瞬間になってフーゴの怒りは表出し教授を過剰なまでに滅多打ちにしてしまう
ブチャラティに出会った際、フーゴは不幸だと思っていないし自分は独りで生きていくつもりだと言う。それは周囲との関わりを諦め、本当の望みを内側に隠しているから出た言葉。結局、ブチャラティの誘いによりフーゴの内側の望みが勝ちフーゴはギャングの道を選ぶ
フーゴのスタンドも面白いね。能力は周囲にウィルスをばらまくというもの。それは目に見えること無く近づくことすら出来ない。内側に凶暴性を秘めたフーゴの本性をよく表しているスタンド能力
そしてそんなスタンドが出現しながらフーゴの制御下にないことから、ジョルノたちはフーゴがどこかに隠されながらも生きていると確信することが出来る
キーを優先するか救出を優先するかで別の道を選んだジョルノとアバッキオ。ここで印象的なのはアバッキオもフーゴを助けたいという気持ちは持っていること。けれど、状況と自分たちの使命からキーを優先する
そして普段から自分の望みを隠さず表明しこの場面でも迷いなくフーゴ救出を口に出したジョルノ。彼はどのようにして鏡の内側に隠されたフーゴを救出するのだろうか?
原作は既に読んでいて、この展開になると判っていたのに「嘘だろ…」と呟きそうになったラスト。唐突に訪れた変化があまりに残酷過ぎて……
妹が苛めの果てに記憶喪失になり、その影響で母が心の病、自分の身には誰も信じてくれない傷。そんなあまりにも辛い状況でありながら咲太がかえでと向き合えたのは本当に翔子の言葉のお陰なのだなと思える描写が良い。あの出会いがなければ咲太だってかえでから逃げてしまったかもしれない訳だし
翔子が伝えてくれた「人に理解されない苦しみを知った咲太くんならきっと誰より優しくなれます」という言葉が今の咲太を支え、かえでに向き合う原動力になっているのだろうな
目の前にいるのは花楓ではなくかえでだと認めた咲太。今のかえでを大事にすると決めたのは確かだが花楓に戻って欲しいとの想いもある。そうなると今のかえではどうなってしまうのかという恐れも生じる
それはまどかに打ち明けたように咲太が抱える咲太だけが向き合わなければならない恐怖なんだろうな。かえでの苦しみは取り除いてやりたいから、助けはするけど症状が改善すればするほどかえでは消えてしまうかもしれなくて
そんな恐怖をかえでの前ではおくびにも出さずかえでを応援し続けた咲太の姿勢は本当に素晴らしいね
登校しようとしても年の近い学生の笑い声が響けば動けなくなってしまう。それは不登校になってしまった者ならどうしようもない現象。それでも自分にはゆっくりしている時間は無いとかえでは走り出すがそれでも動けなくて。そこでかえでが語る覚悟はあまりにも悲愴だけど、それは却って自分を追い詰めてしまうものかもしれなくて
学校へ再び行くだけなら花楓が戻って来てからだって出来る。けれど、「学校へ行く」のはかえでが決めた目標。だから症状が改善し自分が消えてしまうかもしれないなら、どうしたって消えるまでに「かえで」が叶えなければならない目標
そんな覚悟を見た咲太が動物園へ連れて行った後に近道と称して学校へ導く流れは秀逸。本当に咲太は良いお兄ちゃんだよ
動物園の年間パスポート、全て叶えられた目標、明日が楽しみだとはしゃぐかえでの姿。それだけ明るい要素が揃い、全てはこれからだと思える展開の後だからこそ、花楓が唐突に戻ってくる展開はキツイ
咲太にとっては試練の時か……
本当にどの描写を見ても「とても良かった」なんて陳腐な感想が真っ先に浮かんでしまうくらいにスッキリとした気分になれる描写が続く
自身がグリッドマンであると自覚した響、これまでの響裕太が持ち合わせていた熱さを変わらず有していたのは良かった
又、怪獣化したアカネの咆哮がまるでアカネの悲鳴に聞こえるようだったのは印象的だし、怪獣を見てすぐにアンチが新条アカネであると見抜いたのも良かった
そしてアンチによる怪獣を倒すのではなく、アカネを救うことを目的とした戦い方。
グリッドマンが戦うには響と新世紀中学生が居れば充分なのにボラーは内海と六花が居ないと言う。以前は内海だけが突っ走ってグリッドマン同盟などと嘯いていたのに、今回はあの六花が自分たちはグリッドマン同盟だと内海を誘う。遂に内海も響が自分の友達であると声に出して再確認する
これらの描写だけでも、これまでの話の積み重ねを感じることが出来て感無量だというのに、そこから始まるのはオリジナルグリッドマンが現れ更にオリジナル版主題歌が流れるという豪華仕様。
この時点で考えるのを辞めて、ただ無心に作品を楽しみたくなってしまったよ
前回心配していた、果たしてグリッドマンは怪獣になってしまったアカネを倒さずに救えるのかという点。本来であればグリッドマンが持つ力は怪獣を倒すための力。それが新条アカネを救いこの世界を修復するための力に変わっていた点は素晴らしい
アカネを救うことは、アカネが怪獣を生み出していると知った時点から響たちが掲げていた目標でも有ったから、アカネが生み出す怪獣を倒す中でグリッドマンの力自体が変質していたのかな?
自分にとって都合の良い世界を創造し、それでもコントロール出来ない部分は怪獣を使って壊して。そうして閉じこもれる世界でも取り返しの付かないことを重ねすぎて更に閉じこもってしまったアカネに三人が呼びかけて扉を開けさせる描写。そしてどこへ行ってもあたしと一緒と言いつつも、アカネと一緒にいたいという願いが叶いませんようにと告げる六花の優しさが泣ける
だからこそラストの実写パートで目覚める女の子、その傍らにあるパスケースが感動的だと思える
あの世界に残ることになったアンチ。その瞳が怪獣を示す赤色と人間を示す青色の二色だった点は印象的。借りは返すと断言する彼があの世界を守る新しいグリッドマンになるのかな
諦めるのはまだ早いと川に飛び込んだ当麻。助けは来ないと言われ処刑を待つだけだったヴィリアンの下に駆けつけたアックア
それに対してこのままではイギリスは沈むと反乱を起こしたキャーリサと最も利益をもたらす陣営につくしか無いと反乱を主導した騎士団長
まだ諦められないと藻掻き続ける者ともうどうしようもないと考え戦乱を選ぶ者が対立する構図。それらを他所に呑気にヒッチハイクしようとするローラ達の描写が少し面白い
冒頭の本読みでは燈子だけが迫真の演技を見せる。それは現状の燈子の悩みが劇の内容そのものだから。人前で本音を見せたがらない燈子がこのような振る舞いに出てしまうのはそれだけ追い詰められている証拠だろうね
燈子の事では頼りになる沙弥香もそんな燈子を放置する方針。それは過信か信頼なのか
合宿も終わってしまい、軌道修正する時間は無くなっていく
立ち止まって考えるような時間なんて無くて、だからここから事態を挽回するのは難しかったはず。それが変わったのはこれまで二人の関係が変わる際に何度も描かれた踏切から
侑の部屋での燈子は侑に甘え、生徒会長選挙の時のように弱気になる。膝枕を所望し、キスをねだり、侑の胸に抱かれるようにして悩みを打ち明ける。それはまるで姉に甘える妹のような姿
そこで明らかになるのは燈子が本当の自分に価値を見出しておらず、それどころか嫌っているということ。現在の燈子を好きになった侑からすれば納得出来ない話
ここで燈子が侑に改めて「好きにならないでね」と釘を差したのは、既に侑が燈子を好きになってしまっていると気付きながら、それでも友達以上恋人未満の関係を侑に求めて自分が安心できる場所を確保したいからか?
燈子が本当の自分を嫌っていると知った侑。だからこそ、こよみに劇の結末を変更しようと持ちかける。侑が話したのは劇の主人公が三人の内の誰かが描く像を選ぶのではなく、現在進行系の状況の中から自分に相応しい自分を自分の意志で選ぶこと。
夜間にも関わらず侑はこよみの家に向かい、合宿が終わった段階なのに脚本を修正させる。その原動力は燈子に自分のことを嫌いじゃなくなって欲しいから。キラキラしたものに手が届かなかった侑が燈子によって少しずつ変われた。同様に燈子も変わり、少しでも自分を好きなってほしいと侑は願う。
それが傲慢であっても変えたいと願うのはある種の愛情なのかもしれないね
息つく暇もないような追い詰められた状況だけど、何も出来ないわけではない。侑の必死の疾走はまだその余地がまだあると示唆しているように思えた
今回は劇の練習のために合宿。場所が普段通う学校であっても合宿となると途端にいつもと違う空気感になる。沙弥香は燈子と一緒に入浴する事態に緊張してしまうし、燈子はいつもは隠された侑のバストを見て興奮してしまう。男子陣もちょっと浮ついた雰囲気
それでもいつもと違う空気であっても、ハプニングが起こらないのは互いに牽制しているから
就寝時、想い人が近くに居て燈子も沙弥香もそわそわしてしまうがそこに第三者が居ることで思い留まり行動には移されない。侑もその場所に沙弥香が居ることで燈子との距離感に悩むこと無く後輩の立場のままで居られる。
三角関係であるがために重心がどれかに偏ること無く、三人にとって安心するバランスが形成される
ただし、三角関係で偏りがないということは誰かに縋ることも難しくなってしまう
市ヶ谷が語る七海澪の一面は燈子の知らないもの。特別な存在だと思っていた姉に成り代わるために邁進してきた燈子だけど、実は自分の思い描いていた澪のイメージは実際の姿とはズレが有るのではないかと疑念が生じてしまう
自分が思い描く澪のイメージに成れば良いのか、それとも市ヶ谷が語る澪のイメージに成れば良いのか。このどうしたら良いか判らない悩みを解決するためには燈子の本性を知っている侑を頼るしか無い。しかし、合宿により偏りのない三角形が形成されている現状ではそれは出来ないし、侑も燈子に踏み込むことは出来ない。
唯一踏み込めたのは沙弥香だけ。沙弥香は侑が現れるまでは燈子の隣りにいてバランスの取れた関係と見られていた。だから普段と違う空気感であっても燈子の悩みを聞くことが出来るのだけど、第7話で明らかにされたように沙弥香は燈子が隠した内面に踏み込まないからバランスの良い関係を作れていたのだ
結局、沙弥香は悩みの深い部分を打ち明けられること無く会話は終わる
そして侑は沙弥香が隣りにいる状態では燈子に近寄ることは出来ないまま
考えてみれば当たり前の話ではあるんだけど、まさか燈子が思い描く澪のイメージにズレがあるかもしれないなんて思いもしなかったな
燈子に敢えて澪の意外な一面を語った市ヶ谷の思惑は気になるし、劇の行方も気になってしまう。本当にこの物語がどのような着地点に到達するのか全く予想できないな
これまでに戦った怪獣たちが再登場するだけでなく、グリッドマンとグリッドナイトが並び立つ展開は鳥肌モノ
今回の内容は隠されていたものが露わになる回であるように感じられた
前回の戦いの影響で空の都市が常時見えるようになるだけでなく、地面も電子配線のようになってしまう。それはこの世界が作り物であると示唆する何よりの証し
同時に記憶のリセットがされなくなったことで怪獣によって人々がどれだけの被害を受けて来たかが露わになってしまう。学校が避難所になり、友人にも怪獣の存在が知られてしまう。けれど、それによってグリッドマンが街を守ったことも知られるようになったのは小さな見返りか
アンチは病院に乗り込んでくるが、そこは怪我人だらけ。元怪獣であるアンチがこれまでにした罪が露わになる場所。しかし、戦場へ向かう意志を明確にしグリッドナイトという正義の名を与えられた為に彼がこれからする行為は破壊ではなく街を守る行為であると定められる
これまではグリッドマン同盟であると声高に叫び怪獣と戦う者という立ち位置に居た内海。けれども彼は元怪獣のアンチや怪我人を前にして正義の味方などではない一般人であることが明らかになる
それは一方でグリッドマンの味方ではなく響裕太の親友であると再定義するものであるのだけど、それゆえに自分はグリッドマンであると知ってしまった響を止める術を持たない
夢の中で自分が響裕太ではなくグリッドマンであると知った響。それは同時に彼が普通の人間ではないことを明らかにしてしまう。眼が金色になり親友のはずの内海に対してグリッドマンの言葉で話した彼はどう見ても響裕太などではない
怪獣を倒しアカネを助けるという「やるべき事」の前では頼りになる姿であっても、項垂れる内海の姿が描かれることでどこか物悲しさを感じさせる
自分がアカネの友達になることを設定だと言われ一度は離れた立花。けれど、その先で気付いたのはアカネを助けたいという想いとやっぱりアカネは自分の友達だという気持ち。
想いもやるべき事もシンプルになった立花の問いはアカネに鋭く届くが、アレクシスによってアカネは怪獣にされてしまう。
怪獣は倒すべきだが、アカネは助けなければならない。この二律背反を前にしてグリッドマンはどうするのだろうか?
少年のナランチャがギャングとして迎え入れられ、更にはフーゴが勉強の面倒を見ている状況がとても不思議だったのだけど、それなりの背景が有ったということか
ナランチャとホルマジオ、今回対決した二人は立場が異なる相容れない存在。視聴者からすれば味方であるナランチャを応援したくなる戦いだけど、ナランチャだけでなくホルマジオも相手の能力や戦法を推し量り必死に自分が勝利する道を探しながらあの手この手で戦う様子は平等に応援したくなるもの
けれど、見る内にホルマジオを応援する気持ちが無くなっていくのは、ホルマジオが蜘蛛を使うという視覚的嫌悪感を伴う戦法を用いた点の他に両者の信念の違いも関係しているのだろうな
ホルマジオの目的は麻薬によって得られる大金。判り易い金欲
それに対してナランチャはずっとまっすぐな想いを持っている。父親への反発、兄貴と慕っていた人物の裏切りによって他人を頼らなくなっていたナランチャ。そんな自分に対しフーゴは救いの手を差し伸べ、ブチャラティは真摯に怒ってくれた。それに感銘を受けたゆえにナランチャは仲間との約束を守ろうとするし、彼らの居場所を話すなんて裏切り行為はしない
その想いは彼の中でとても強く持っているものであり、ときに物事の優先順位さえ捻じ曲げてしまう
仲間の居場所を知ってしまったホルマジオを倒すために周囲の車を炎上させる手法はどう考えてもやりすぎだし、戦いが終わった後に彼が気にしていたのは暗殺チームに襲われたことではなくて買い物に失敗してしまったことだった
見ているこちらからすれば、ずれているとしか思えない判断だけど、彼の信念には一切反していない行動なのだろうな
ナランチャの信条がよく判るだけではなく、これからの暗殺チームとの戦闘模様がどのように描かれるのか楽しみになるような回だった
おるすばん妹編開幕。原作エピソードの中では1,2を争うくらい好きなエピソードなので、これがTVシリーズ終盤に描かれることは楽しみでもあり、怖くもあり
懸案のスキャンダル問題はあっさり解決。やはり麻衣の対応力は流石。そしてそんな彼女が心底惚れ込んでいる咲太もなかなかの人物
けれど咲太でもどうして良いか判らない問題はやっぱり有って、それが牧之原翔子と妹のかえでに関わる問題
咲太は翔子への気持ちにもうケリを付けているが、それを現在の彼女である麻衣にどう告げるかは迷いが生じてしまう。結果的には双葉のファインプレーと麻衣の許容によって事無きを得たけど、琴美の登場と翔子が現れなかったことで翔子との再会は叶わず
それぞれの咲太の判断は間違っていないけど、翔子に会うことへの迷いが反映されているような気もしてしまう
かえでの件も咲太にとっては難しい問題
これまでに描かれたかえでへの咲太の対応や今回の外出しようとするかえでを優しく応援する姿はとても素晴らしいものばかり。その分、親しい麻衣にかえでの記憶が無いという重要事項をこれまで伝えられなかった辺りに咲太が全てにおいて完璧な対応をしているわけではない事が見えてしまう
このままでは嫌だと辛さや苦しさを押し殺して必死に外に出ようとするかえでの姿には思わず感動してしまいそうになるし、咲太のかえでを想う気持ちが伝わってくるような一つ一つの仕草や言動には感嘆する
又、咲太が次々と少女を家に連れてくる状況が引きこもり状態のかえでにどのような影響を及ぼすのかと気がかりだったけど、結果としてかえでに良い刺激を与えることとなり今回のかえでの挑戦も手伝ってくれることに
電話に出たいというかえでに優しく接してくれる麻衣、ピクニックにも付いてきてくれるのどか。どちらもかえでにとって大切な繋がりになっていると感じられる
それだけに過去のかえでと親しかったはずの琴美との繋がりが消失している事実は衝撃的
結局の所、今回の話はまだまだ互いの距離感が掴めて無くて相手がどう思っているかも判らない姉妹による不器用な姉妹喧嘩だったのかなと思う
前回に続き、というか更に麻衣とのどかの力量差が描かれる今回。麻衣の過去作品を見ても演技の極意は掴めないし、結局CM撮影は12テイクもかかってしまう
そうして自分と麻衣の差を知ったつもりになって、まずはセンター曲を貰うことを目標に決めても、のどかになった麻衣はあっさりその目標を叶えてしまう。それどころかあんなに厳しかった母が喜ぶ顔さえ手に入れてしまう
だからこそのどかは母親は麻衣の方が良かったんだと思ってしまうけど、これって姉妹間ではよくある悩みなのかなとも思う。麻衣とのどかの家庭環境は特殊だけど、お姉ちゃんさえ居れば良いんだ、自分は要らないんだ、みたいな悩みはどこの家庭にもあるような気はしてしまう
ただ、麻衣とのどかの母親同士に因縁があり二人とも芸能界へ進んでしまったのが話をややこしくしているだけで
だからそういったややこしさを取っ払って普通の姉妹みたいになるには咲太による仲介が必要だったのだろうなと思う
麻衣の「嫌い」は嘘だと諭し、和室の奥に仕舞われていた麻衣の本心をのどかに見せる。いわゆる「押すなよ!絶対押すなよ」で麻衣が缶の存在を咲太に話したのは、本心を明かし素直になるのが麻衣も正しいと判っていても自分から踏み出すことは出来なかったからだろうね
ラストには恋人スキャンダルが発覚。これもある意味のどかの迂闊さが招いた結果ではあるんだけど、全校生徒を前にしての告白とか有ったし、よく今までスキャンダル扱いされなかったなという印象の方が強かったりしてしまう
アンチがグリッドナイトになる展開には驚かされたけど、ラストに響が刺される展開には更に驚かされた
こんな事が起こったら次回はどうなってしまうというのさ……
アカネがこの世界の神様であり、自分たちはアカネによって作られた存在であると明かされる。それにより、記憶まで作られたものだったなら、アカネが居なくなれば自分たちは消えてしまうのでは、と不安になってしまう内海。
けれど、その状態は長く続かなくて。彼を中心として今回は自分たちの有り様や根源を問い直すような話だったように思える
グリッドマンの由来や響の記憶喪失について考え直す面々。けれど、その悩みによって響やグリッドマンの「やるべきこと」がアカネを止めることから変わりはしない
内海はあれだけ怯えていたのにけろっと試験勉強を始める。何故なら学生にとって学ぶことこそ「やるべきこと」だから
グリッドマンを倒すために生み出されたアンチ。そんな彼はグリッドマンを倒した後を考えたことがなかった。産みの親であるアカネから怪獣として失敗作と言われた彼は本格的に怪獣ですらなくなってしまう。悩んだ果てに彼はグリッドマンを倒すために、グリッドマンを害する怪獣を倒すグリッドマンになることがアンチの「やるべきこと」となる。なんてややこしい
そしてグリッドマンに勝てないアカネは遂に限界を迎えてしまう。何故上手くいかないかも判らないし何故怪獣を作るかも判らなくなってしまった
更には雑に作った怪獣から別の怪獣が出現しアカネの世界を壊してしまう。怪獣とはアカネの悪意によって作られた存在と今回話されていたが、悪意の中から生まれ落ちたのはこれまで登場した、中に人間が入っているかのような動きの怪獣ではなく、異物と呼ぶに相応しいほど異様な動きをする怪獣
自分が判らなくなり、自分の世界を壊してしまったアカネの精神は既に崩壊寸前。その状況から抜けるにはグリッドマンを倒すしか無いが、そんな方法は見つからないまま響の変身シーンを見てしまう
アカネの「私もグリッドマンと話してみたかったな」という台詞は、グリッドマンと話すことで自分の「やるべきこと」を見つけ直したい、それだけでなく正義の味方であるグリッドマンに自分を救って欲しかったという意味でもあるように思えた
まさか舞台移動の話だけで一話使ってしまうとは
前回それぞれの立ち位置が見直された影響か、新しい立ち位置に戸惑う面々のあたふた具合が面白い
神裂と対等に戦った五和は別の方面でも神裂と対等に戦おうとするが、自分はこんなの着れないとメイド衣装を購入できない
神裂は当麻に感謝を伝えようとあられもない衣装を着たが、それが上司に知られるというハプニングに見舞われる
美琴は当麻に踏み込んだ発言をしすぎたと後悔し、けれどそれによって生じた関係が心地良いと混乱の局地へ。ここまでポンコツな美琴は初めて見たかもしれない
そんな中、立ち位置も関係性もそれほど変わらないのは当麻とインデックスか。
焼きそばを無駄にした当麻にインデックスが怒らないという驚きは有ったものの、インデックスに何かがあれば当麻は動き出す。機長が乗客の命がなどと言っても当麻にとってはインデックスに手を出されたという事実だけで他の何よりも優先する理由になる
どうやら次回からは舞台がイギリスとなることで新キャラが大量に登場しそうだ。キャラクター覚えられるかな……
こよみによって書き上げられた劇の脚本。こよみは燈子の本性も関係性も知らないはずなのに、恐ろしいほどそれぞれが隠した部分に突き刺さるようなもの
主人公の周囲の人間関係は燈子のそれを意識したものになっているが、こよみは燈子を劇の主人公に反映するにあたって誰からも好かれる燈子の裏を劇中人物に模索させる構成にした。
その為か、現実で燈子の周囲の人間が燈子へ向けるイメージとかなり合致している。燈子と沙弥香が恋仲であるイメージはこよみがしっくり来ているだけでなく、燈子を意識し始めた侑ですら「一番納得」するもの。
侑が看護師役なのは侑の元々の流されやすいが面倒見の良い性格が反映されてのものか
今回は脚本だけでなく、それぞれが相手や自分に抱くイメージ像が交錯するような展開が目立つね
侑は燈子の隣りに居ても彼女を好きにならない自分を演じるために少し距離を取る。それを見て燈子はやりすぎたのかとイメージと乖離した侑の反応に驚く
沙弥香は恋人役に選ばれ、それを燈子がどう思っているのかと気にし更にこよみがどこまで知っているのかと危惧してしまう。
侑は合宿で切るパジャマに迷う。それは燈子からどう見られるのかとイメージして、けれどどう見られたいかがはっきりしていないから
都は燈子の愚痴を言う侑から何かイメージするような表情をするがそれを口にすることはなく、優しい表情で下がる
菜月はソフトボール時代の侑へのイメージから、燈子に文句を垂れる侑が変わったと感じる。
燈子の父は燈子が劇をすることを無理をしていると考えるが、燈子はやりたくてやっているのだと考える
自分についてイメージするのは他人からどう見られたいか考えてしまうからで、他人についてイメージするのは相手を理解したいから
ラストの電話シーンで燈子が侑と話して安心するのは、侑が自分のイメージに合った反応を返し又自分も特別ではない自分のイメージで言葉を返せるからだ。対して侑がざわざわしてしまうのは燈子が自分に向けるイメージと侑自身が一致せず、又侑が燈子へ向けるイメージが形にならないままだから
作中何度か描かれた泡の表現。どちらも燈子に対して侑の心が揺れた瞬間に描かれたもの。もしかして燈子への恋心が形になろうとして、なれずに終わったイメージなのかな?
あれ、鳴海って記憶失ってるんじゃなかったっけ…?もしかして拳法関連だけ記憶を取り戻したんだろうか?
ただでさえ早い展開でありながら勝サイドと鳴海サイドに分かれて物語が進んでいく為に付いていくのが大変なのに、ここに来て過去編とは
それぞれの局面に共通する事項を一つ上げるならそれは出会いによる変貌なのかな?
しろがねはルシールに出会ったことで人形のようになってしまったが、一方で勝と出会い本当の鼓動を、鳴海から温もりを与えられた。鳴海を想って暖かな表情を浮かべるしろがねにはかつての人形のような硬さは感じられない
勝は鳴海を失った夢を見ることで自分の過去と向き合う必要性を痛感する。護衛役であるしろがねを置いて一人旅立つ彼からは、かつて助けを求めて鳴海に縋り付いた弱かった頃の勝の面影はもう感じられない
回想で登場した二人の兄弟はただ人形に命を吹き込むことを目的として長い旅をしてきた。それがフランシーヌと出会ったことでそれ以上の願いを見つけてしまう
兄の白銀はフランシーヌのように誰かのためを思う道にこそ意味があると考えを改め、学問に未練はないとまで言い切ってしまう
弟の白金もフランシーヌに魅せられ、あんなに兄弟仲が良かったのに兄に嫉妬した果てに二人が結ばれる場面を目撃してしまい顔を歪めて憎しみを募らせる
しろがねとフランシーヌ、鳴海と白銀。見た目が非常に似通っているそれぞれに訪れた出会いと変貌。しろがねには温かな変化が訪れたが、フランシーヌと白銀には辛い変化が待っているのだろうなとしか思えないのは、やはり二人の物語が人形遣いたちの因縁に繋がるからか
作品の質は悪くないのに展開がぱぱっと進むせいで、勝が旅立つ場面や白金が嫉妬する展開があまりに唐突に感じられてしまい、どう受け止めれば良いのか判らなかったのが難点
こよみは燈子の人間性について表の顔だけじゃ判らないことがポイントかと分析していた。その言葉をなぞるように、今回は表と裏がはっきりと分かれていた回だったように思う
冒頭から燈子は倉庫に侑を押し込んでしまう。人の視界から隔絶されたその場所は限りなく裏の世界。だから燈子は人の目を気にすること無く侑に甘えるしご褒美だって求めてしまう。裏の世界だから侑だって燈子を甘やかしてしまう
しかし、体育祭が始まれば燈子は頼りになる生徒会長の顔になるばかりか、バスケ部と競い合う姿を見せる。それは表の世界であり、青春に溢れた光景。侑も釣られて表の顔をしている燈子を応援してしまう
侑は槙に対して自分の想いや抱えていた葛藤を明かす。槙も同様に自分に恋愛感情がないことを明かす。想いを共有する二人は互いを理解し、自分を理解された気になるけれど最後の最後で槙は自分と侑は違うと感じる。
槙はあくまでも自分に恋愛感情が無いために人の恋愛を眺めることを楽しいと感じるタイプ。対して侑は自分に恋愛感情が無いために不安になっていた所を、燈子によって受け入れられたために安心したタイプ
二人は表の部分で共感できても、その裏に秘められた部分では異なる想いを抱く
都が燈子と沙弥香の二人を見て、すぐに沙弥香の想い人が燈子であると気付いたのは沙弥香の裏を知っているから。同時に燈子が厄介なタイプであるとすぐに見抜けたのは、彼女が喫茶店の店長として話し相手となる中で多くの人の表や裏の顔を見てきたからかな?
そして、倉庫にて再び燈子と侑は裏の世界に入るのだけど……。結局、侑はご褒美である自分からのキスを実行しない。それは表向き侑は燈子を好きになれないからだ。その表を維持しようとするのならば、侑からキスするなんて間違っている
けれど、侑が今も心の全てで燈子を好きになれずに居るのかといえばそんなことはなくて。速まる心臓の音は決して自分のものではないとごまかす侑の裏側で燈子への想いが日増しに強くなっていることが感じられた話だった
シスコンアイドル編開幕。今回は何が起こっているかも何が原因かも明白の事件。だからといってそれが問題であると認め対処できるというわけではなくて。
これまではいわば現代病とでも呼べそうな事態が思春期症候群の原因になっていたけど、今回はいつの時代にも共通する家族の問題。ただ、離婚した父親がすぐに再婚して出来た妹との確執となると珍しい事態ではあるが
あまりに優秀で国民的にも認められている姉へのコンプレックスを拗らせてしまっているのどか。今は知名度が低くてもアイドルグループの一員として活躍できているのだからそれでいいじゃないかと思えるけれど、そのデビューだって麻衣が休業している間にようやく叶ったもの。だというのに休んでいた姉は突然復活してあっさり多くの仕事を手に入れてしまう。母親の代理戦争として比較される方としてはたまらない事態
そして麻衣とのどかを比べた際、のどかに足りない部分があると明確に伝わってくる点はあまりも残酷
入れ替わりが発覚した直後は全体的に麻衣が会話を主導し、まず何をしなければならないかを明白にしていた。麻衣はのどかに求められる仕事を完遂するためにレッスンを頑張るだけでなくカラオケで自主トレをする。対してのどかもある程度仕事はこなすものの、そこにある意識は憧れの「麻衣のフリ」をするというもの
だから、CM撮影において麻衣になりきれていないのどかは求められる期待に耐えきれず過呼吸を起こしてしまう
他にも優秀な姉とまあまあ普通な妹の差は描かれている。
母親から独立し芸能活動をしている麻衣と母親からの通知が何十件と届き拘束されるのどか
基本さえやればCM撮影は問題なく出来ると考える麻衣と本番を迎えることすらできなかったのどか
そういった差が以前から積み重なり、更に親同士の因縁も絡めば嫌いとなってしまうのも仕方ない。けれど、あの上里が語るように姉妹間で比べられてばかりだからといって完全に嫌いになれるわけでもない。そこには言葉には表せない微妙な感情がある。それは麻衣とのどかにも当てはまっていて、のどかは番組出演の際に好きなものは?と聞かれて姉の名前を出すし、麻衣はそんな番組をチェックしていた
好きとか嫌いだけで語れる関係ではないから素直になるのも難しい。ここで第三者的立場にいる咲太がどのように二人の仲を取り持つことになるのか、期待
サポート組だけでも合体できるのか……。増々ロボットものっぽくなったな
アカネによる多人数並行攻略。響、立花、内海を夢の中に閉じ込め分断した上で自分と強い繋がりを持たせ味方に引き込もうとする作戦は良い。相手にとって都合のいいもの、状況を作り出せるアカネなら最上の方法であり普通の高校生であるならば抵抗の難しい作戦。しかし、グリッドマンと関わったことで自分の「やるべきこと」を明確にした響や、それに影響を受けた内海や立花には効かない作戦
既に彼らは自分たちがいる世界が作り物であると気付いているのだから、今更偽物の関係を提示したところで意味はない
というか、今回アカネがしたことって以前響の部屋で妖しく誘った場面や、立花は設定された存在であると教え勧誘した方法の焼き直しなんだよね。こういった部分からどれだけアカネが進退窮まった想いでいるかが見えてくる
思えばアカネは神様のように色々出来るはずなのにグリッドマンが現れて以降追い詰められてばかりいる。だからグリッドマン出現以降は街を作り直すためではなくグリッドマンを倒すために怪獣を作っている。それは邪魔者を排除したいからという理由以上の目的としてこの世界を彼女にとって都合の良い形に直したいから。
自分にとって都合の良いものを至上としているから、他人に対しても相手にとって都合の良い状況を作り出せば意のままにできると考えてしまう
でもその考え方は響とは大きく違うもの。アカネは「ずっと夢なら良い」と思うが、響は「夢だから覚める」と考える
グリッドマンと関わった響たちは世の中都合の良いものばかりじゃないと知った。「やるべきこと」をする為には時に自分にとって都合の悪い行動も取るべきだと知っている
アンチも自分の「やるべきこと」はグリッドマンを倒すことであるのは変わらない。けれど、その為にはグリッドマンを封印している怪獣を倒さなければならない。あの場面でアンチがしたことはきっと彼にとって都合の良いものではない。けれど、アンチが「やるべきこと」を成すためには必要な行動でもある
しかし、その行動こそ自身の存在の根源に反するものであり、彼が心無い怪獣ではもうないと証明するものになってしまう
神であるアカネにとっては都合の悪いものばかりが増えた窮状、アカネにはもう一発逆転の手はないように思えるけれど、アレクシスが何かしてきそうで怖いな
今回の一連の話、当麻が活躍するシーンこそ少なかったものの、彼の行動は今回描写されたいくつもの変化を象徴するようなものだったように感じられる
当麻は病院を抜けだし戦場へ赴くが後にその時の意識が曖昧であったことが判る。又、記憶が無くなり以前の上条当麻とは断絶があるというのに「覚えてない頃の俺が今の俺を動かしてる」と当麻は言い、重ねて「上条当麻ってのは記憶の有る無しで揺らぐようなものじゃないんだよ」と言う。なかなか言えるセリフではない。
そのセリフに象徴されるように当麻の行動は意識があるとか、記憶があるとかそういったもので左右されるわけじゃないと鮮烈に伝えてくる
今回の話では当麻のように自分の立ち位置を自覚し直し、それによってどう行動するかが問われた話であったように思える
美琴は当麻が記憶喪失と知り、今の当麻が不安定な存在ではないかと考える。それは当麻への信頼がまだまだ低いからか。しかし会話の中で上条当麻が持つ強さの一端を知り当麻への想いが改められる。自分の立ち位置は戦場へ向かう当麻を止めることではなく見送ることであると理解する
襲ってきたアックアは聖人であり神の右席という非常に才能に恵まれた人間。だから才能のない人間を見下すし、保つ力に相応しい覚悟を求める。神裂が天草式十字凄教に助けを求めた際には非難すらする
対して神裂も当初は聖人として、当麻や天草式を助けに来た者として一人でアックアと戦う。しかし、神裂は戦いの中でその立ち位置にこそ以前自分が失敗した原因があると悟り助けを求める
天草式も自分たちから神裂が離れた理由に自分達が不甲斐なかったからだと感じていた。だから神裂とアックアの戦いにも混ざれない立ち位置であると考える。それが神裂の助けを求める声と聖人崩しが効くという分析によって、改めて聖人である神裂と並び立つ存在になれる
そして戦いのあと、神裂は当麻に礼を言うために病室を訪れるわけだけど…。その行動は天草式の元トップとしては正しいが土御門が煽るように女としては正しくない……かもしれない
だからといって当麻がイメージする立ち位置の中で神裂は堕天使メイドなんてしない。そりゃ見ただけで悲鳴を上げられてしまうというものだ。哀れな…
せっかく自然豊かな島に来たのだから、遺産は山中とか洞窟の中に勿体つけて隠してるように思うじゃないか。何でよりによって隠し場所に便器選んじゃうのさぁ……
今回はこのように「騙し」が多かったような印象
トイレを掃除しに来たのは掃除夫のように見えて組織の幹部とボスの娘という騙し要素
ブチャラティがポルポの遺産を使いそのまま幹部に昇進してしまうのはある意味幹部を騙した結果。
トリッシュが狙われているのも、ボスの娘であるならボスのことを知っているだろうと勘違いされたから
フーゴの服が手拭きに使われると知らずほいほい差し出してしまったのも騙されたから。怒ったフーゴは上着を地面に叩きつけてしまう
そして最後にナランチャは襲ってきたホルマジオが見えなくなったと騙されてしまう
ジョルノはトリッシュ護衛を通してボスの信頼を得ようと考えるけれど、果たしてその目論見は騙されること無く成し遂げられるのだろうか?
「うしおととら」でも飛行機に乗っていたら敵に襲われる話があったような。そういや「双亡亭壊すべし」でも飛行機が行方不明になる展開が有ったけど、作者の藤田和日郎先生はなにか飛行機にトラウマでもあるのだろうか?
前回、子供達を怖がらせないために仮面をつけた鳴海。戦闘時以外は仮面を取っていた点はちょっと驚きだけど、彼の行動の基本理念には子供の笑顔を大切にしたいという想いが中心にあるのだろうなと察せられた
だからこそ、子供に対して無愛想な態度をとったギイを批判するし、そこから自分自身すら大切にしないギイに反感を持つ。自分は痛みを感じないと言い、指を何本もへし折られても何の反応も返さないギイは不気味でありまるで人形のよう。しかし、人質になりそうだった子供の代わりとなり、人形の爆発を自分の身体を使い守った行動から別の面が見えてくる。すなわちギイも鳴海と同じように子供を守るために仮面をかぶった人間だということが
だから、ギイは自分はしろがねでありどんな状態でもオートマータを破壊できると言う。それは自慢でも自負でも何でも無くて、いわば自分に課した「役どころ」なんだろうな
鳴海も次第にそれが判ったから、ギイへの反感が消えあんなに苦戦したオートマータも全て倒せてしまう。ギイが外の虫を倒すためにボロボロの身体を押して戦うことになった際も「帰ってこい」と同士に対して向ける言葉を放つ。
記憶を無くし子供を守るためにしろがねとなった鳴海。まるで孤独に戦い続けることが宿命付けられたかのような彼に仲間と言えるような存在ができたと思ったら、間をおかず海へ消えていったギイ
ギイが鳴海の下へ再び帰ってくることがあるのかという点も気になるが、それ以上に勝達と再会できたと思ったらそんな事は無く走り去っていった鳴海の背中が辛い。そっか、勝と鳴海が再び会えたとしても鳴海の記憶が無い現状のままでは意味がないのか…
それでも勝たちからすれば鳴海が生きていると判っただけで良かったか。
これからの勝たちの旅の意味が変わりそうなシーンだった
それにしても原作を知らない自分でもここ最近の展開がとてもハイペースで進んでいるように感じられる。尺を考えれば仕方ないのかもしれないが、今後もこのペースで展開するのならば、ついていくのは少し難しいのかもしれないなと思ってしまった