キャルは話が進むごとにギャグキャラになっていくような……
第2話の頃の陰のある雰囲気が微塵も感じられないよ!?
それにしても、キャルは猫っぽいし猫舌だけど、虫とかは苦手なんだ……。意外
今回、ペコリーヌ達は様々なものを手に入れるけど、整えられた形であったり、完成された形で手にしたものなんてあまりない
ギルドハウスは幽霊屋敷だし、気に入った食器も手に入る値段じゃないし、引いてくれるリマは驢馬か馬か……
また、作った食卓は家に入らない
けれど、完成していないからこそ様々な余地が生まれる
幽霊屋敷を掃除するキャルは充実してるし、値段交渉は楽しまなくちゃとサレンは言う。リマは正体不明だからこそ面白い存在に映る
何よりもペコリーヌが作った食卓はちゃんと皆で「頂きます!」を言える乗せる場所となった
完成していないと言えばユウキは未だに記憶を失ったまま。キャルからは「記憶がないって事に甘えてたら駄目よ」とまで言われてしまう
ユウキには記憶がないから幼児退行も大目に見られてるし、素行を注意される事も少ない
だからといって許されるわけではなく、いずれユウキは成長しなければならない
アメスは「知りうる全てを伝えたとしても解決にはならない」と言った。
知らずに、そして未完成のまま行動することはどのようにユウキの成長に繋がるのかな?
というか、ユウキは成長しても幼児退行から脱せないイメージがある…(笑)
行動理由を自分の為とするか、他人の為とするかで揺れ動く由希達の有り様がなんとも若い瑞々しさに満ちているね
依鈴に振られたのをきっかけに大暴れした潑春。彼がそこまで自暴自棄になったのは己の行為の方向性が見えなくなったからかな?
潑春は依鈴の為に花を活けようとしたが、自分含めて要らないと言われてしまう。相手の事を想ってした行為を否定されてしまっては想いの行き場が無くなってしまう
だから潑春は暴れるしか無かったのかもしれない
そんな潑春を由希は「いつも人の事ばかりだ」と言う。対して潑春は「自分の事しか考えてないよ」と返す
相手の為か自分の為かという境界は難しい。極論すれば全ての行為が自分の為になってしまうし
それでも相手の為に何かしたいと思うけど、どうすれば良いか判らないから迷いは足を止めさせてしまう
そんな中で迷いなく相手を想って心配している透の姿は美しいね
透の心配には邪念も迷いも無いから、周囲を感化させる
潑春を心配する透の様子は夾に更なる修練を積ませる糧となるし、由希を草摩家に向かわせる原動力になる
由希は草摩家に向かう際の理由を「俺自身の為にも」と言う
潑春も自分が依鈴の事を好きだからと諦めないと決めた
相手の為に行動を始めるのではなく、自分の為に始めた行動で相手の為になる行動をする
それこそがある意味、迷いを抜け出す答えになるのだろうね
それにしても、由希も夾も潑春も前に進んでいるはずなのに、依鈴の登場に依ってどこか不穏さを感じさせたこの回
十二支も大部分が出揃ってきた事を考えるとそろそろ十二支が持つ闇が真に描かれ始めるのかな?
いよいよ学園編に突入した本作
と言ってもカタリナの周辺は既に固められているから、これからは本当の主人公であるマリアとの絡みが重要になってきそうな予感
そしてその絡みが対立ではなく、百合展開になるならかなり美味しい展開になる予感
破滅フラグを回避したいと思うあまりマリアとヒーロー達の接触が気になって仕方ないカタリナの勘違いっぷりが面白い
「既に攻略され始めてる…」と思ってるカタリナだけど、そのヒーロー達、貴方が攻略してるんですよ?
でも、この作品ってカタリナが勘違いしつつ周囲を巻き込んでいく様子が面白いからこの方が良いのか?
7年経っても学園に入ってもカタリナの本質は変わらないんだろうなぁ、とは思ってたけどまさか学園で農園を拓くとは(笑)
農民になっても生きていけるようにと畑作業に精を出す悪役令嬢って何だ(笑)
でも、その変わらない在り方が破滅フラグを回避させてきたし、マリアとの接触でも役に立っているように見える
主人公であるマリアは本来悪役令嬢に虐められるもの。それをヒーローが助けて恋愛展開に、というのが本来の在り方
それを悪役令嬢になっても変わらない本質を保つカタリナがあっという間にマリアとの距離を詰め、それどころかジオルドのイベントすら奪っていくのは痛快
既にジオルド達とマリアの間でフラグは立ちそうにない代わり、マリアとカタリナの間でフラグが立ちそうになっている本作
破滅フラグ回避どころか、全方位に別のフラグ立ててるんじゃないかと言いたくなるね
おお……。白銀がいつになく攻めてる…
普段は白銀とかぐやの勘違い心理戦が面白い本作だけど、かぐや視点にして白銀を攻めにしても充分に楽しめる作品なんだよなぁ
というか、かぐやがポンコツになってる時のエピソードって最高に面白い
月見を利用して白銀からの好感度を上げようとしたかぐやだけど……
無心で邪念無く星を見上げる白銀には通じませんでしたね(笑) それどころか一転して自分が攻められてしまう構図に
恥ずかしいタッチや台詞の数々にあっという間に耐えられなくなるかぐや様かわいい
白銀とかぐやの関係性は切った張ったがあってこそ。かぐやが一方的に攻められる展開は二人の関係には噛み合わない
後半の展開にもその考え方は影響している
これまで白銀を会長とだけ読んでいたかぐやは遂に白銀の名前を呼べないし、接点が減ると判っていても白銀を再び会長にとか、自分が会長にとかは決して言えない
白銀とかぐやの関係はある種、噛み合いすぎたものだからそれを壊すことが出来なかった
二人の関係は噛み合っているから余計に踏み出すなんて出来なかった
だからこそ、最後の最後の瞬間に踏み出して「一生に一度の我儘」を言った勇気のなんと尊いことか
かぐや姫の物語を引き合いに出した際、「俺なら絶対かぐやを手放したりしない」と言い切った白銀
その言葉を証明するが如く、「一生に一度根性を見せる時」として再び生徒会長になるつもりのよう
今回のエピソードってもしかしたら重要な分岐点になるのかもしれない…
レオとの向き合い方に戸惑うアルテのもとに新たに降って湧いた問題、それがヴェロニカとの向き合い方
どちらも向き合い方を間違えれば大切な何かを失ってしまうもの
恋の病に冒されてしまったアルテは調子が可怪しい
レオに触れられただけで悲鳴を上げてしまっては仕事の邪魔にしかならない。そういった意味ではヴェロニカが見せた娼婦の末路は何の誇張表現でもなくて起こりうるかもしれない未来
自分の力で生きると決意したのにその道行きに邪魔なものを取り入れてしまっては生きることすら難しくなる
でも恋を自覚したばかりのアルテにはまだ難しいもの
仕事と恋の両立は現代でも難しい。だからといって恋を切り捨てるのも難しい
そういった悩みの果てにアルテが見つけた答えは美しいな
恋してるからとか、それよりも前にまずは仕事だからそれに全力を傾ける
その考え方はヴェロニカとの接し方にも活きてくる。娼婦だからとかそういった体裁ではなく、その人の努力に着目する
考えてみればレオはとっくの昔にその姿勢を打ち出していた
一人の人間としてアルテの努力を認め、今も性別をさしたる障害とせず、アルテへの仕事依頼があれば受けさせている
レオはアルテを体裁ではなく、努力や経験に依って買っている
対してヴェロニカは少し体裁を重視すぎているのかも
教養有る女として好かれる為に本を読むし、男を夢中にさせる為にわざと待たせている
それは高級娼婦として当たり前の姿
だからこそ、自分の体裁ではなく努力を評価したアルテを気に入ったのかもね
恋との向き合い方に一区切り付け、新しい友人が出来たアルテ
アルテの周囲と内面を固めた後に描くのはレオの過去ですか
彼がどうして一人だけで工房を維持してきたのか、そしてアルテを評価する背景はどのようにして出来たのか気になるね
話の中心をギャグ展開で進めつつ、しっとりとした親子愛を感じさせる描写で挟む展開の巧みさは相変わらず
と言うか、ギャグ展開だって偽名ネタからの姓名判断→占い→守護霊と繋げていく流れも流石としか
今回は可久士や姫の隠し事要素は少ないけど、代わりに目には見えない母親の存在を感じられる描写が随所に
年齢箱から溢れ出る母親からの贈り物、守護霊として見守っているかもしれないという期待、そして実際に母の目線から見たような景色
どの描写においても母親は登場していないのだけど、限りない愛情を感じられるね
こうして母親が存在しいなくても感じられる程の強い愛情を描いてくれると逆に気になってくるのが未来における可久士の消息
現代編ではとても無邪気で明るい姫が未来では瞳を曇らせている。何かがあったのではないかと不安に駆られるには充分すぎるギャップですよ
それにしても、六条先生がいい加減可哀想になってきたと言うか何と言うか……
どう見ても一人動物園にしか見えない振る舞いを隠れデートと思い込めるポジティブさはちょっと笑えないですよ……
いや、実のところ笑っちゃったけど
本当に綾女が登場するだけで画面と音声が賑やかなことになるね(笑)
それに彼につられて由希まで台詞量が倍増するし。
綾女の登場は良い事ずくめな印象。いやまあ、由希はホント綾女の言動に苦労させられてるんだけど(笑)
綾女の前ではツッコミ役になる由希。そんな彼は綾女との距離を測りかねているように見える。由希は綾女の前では王子様キャラになることも弟になることも出来ない
その曖昧さは綾女の口数をより多くしてしまう
何故なら由希からの応答が少なかったから
今回、由希は綾女の事をよく知らぬまま、それでも彼の店に行くと決めた
また透が居なくなって二人きりになった後も綾女と向き合って話し続けた
綾女の事を理解しようと考えた由希は綾女の投げる言葉を受け止め続ける
綾女が過剰なまでに由希に絡むのは由希の手を振り払った過去の反動かな
必要とされたのに応えなかった。その時は何も思わなかったけど、今になって思えば酷いことだと感じられる
だから過剰なまでに由希に言葉を投げて、ほんの少しの反応も見逃さないようにしているのかもしれないと思った
そんな綾女にとって由希がああして綾女の言葉に応え続け、両親とすら向き合おうとしているのは嬉しい変化なのだろうなぁ…
言葉を返すとは相手の想いを無視していない証だし、会話が続くとは繋がりが途切れない証
結局、由希は「何かに必要とされたかった」という共通点は見つけつつも「兄さんは余計な台詞や行動が多すぎる」と綾女への認識は残念なものに
それでも綾女とはどのような人間なのかと考えたことは由希にとって大きな変化
また、透を可愛いと褒める際に綾女の前だというのについ出してしまった王子様スマイル。
これこそ由希と綾女の間に長年横たわっていた緊張が解れた瞬間のように思えた
ユウキ君はアレだね。純粋無垢なのは良いのだけど、呪われそうな薬持って倒れ込んだ人に対して「お腹すいたの?」認識は色々とヤバいですね!
前回は一緒にお握りを食べることは拒否したものの後で食べたらきちんと美味しいと感じられたキャル
今回は遂に一緒に食卓を囲むことになったけど、まさかの虫料理とは災難な……
虫料理を美味しいと認めることはできたが、「今日は特別」とやはりペコリーヌ達と馴れ合うつもりは無いまま
食卓は囲めたし食事も美味しいと思えた。けれど、キャルはペコリーヌの仲間になるつもりがないからそれ以上は馴れ合わない。
仲間になる道を閉ざしている
その潮目が変わるのはキャルへの命令が変わってからだね
命令は監視に変わり、コッコロからは仲間にならないかとの誘いもある
ここでキャルが何かしなくてもキャルが仲間になる道は開かれた
それでも彼女が暴漢の食事に果汁を垂らしたのはより良い美味しさを求めたから
食べることは生きることと言うコッコロ、どんな人でも等しく美味しくご飯を食べることが出来る国と言うペコリーヌ
ペコリーヌの料理をさらに美味しくしようとしたキャルは何よりもその行動によってペコリーヌ達の仲間になる道を開いたように思えた
また、この際のペコリーヌの行動も良いね
食事処なのだから客が横暴を働こうと美味しいと感じられる道は残す
そして至高の食事は確かに暴漢の舌と心を唸らせるが暴漢は食事を無下にしてしまった
ならもう客ではない。扉を開いて無理にでもお帰りいただくことになる
キャルの思惑を含みつつも始動した美食ギルド。
この4人の和気藹々とした食事風景を早く見たいものです
アルテが男の世界で奮闘するこの物語。今回描かれるのは二つの要素。恋愛と初仕事
アルテが男の世界で絵師として生きていくにはまだ相容れない要素であるように思うけれど……
女性であるアルテはまだまだ入ってはいけない世界が幾つも有って、無理に入ってしまうと解剖現場のように不要な騒動に巻き込まれたりする
だからアルテは今回のように女性的な部分を隠すのが一番なのだけれど……
まさかここに来てレオにときめくようになるとは
レオってアルテが女性であるという先入観を持たずに一人の人間として評価した。だからレオはアルテを差別せずにいるのだけど、それが逆にアルテを女性として扱わず不用意な距離で接してしまい結果的にアルテの女性的な部分を引き出してしまうのは難儀な展開
一方、アルテの初仕事
こちらは初心者にありがちなミスかな。せっかく任された初仕事なのだから最良の結果を示したいと思う。けれど、それが誰かと組んでの仕事であれば我を出しすぎてしまっては不味い
アルテが正しく気付けた「客は何を求めているか?」
初仕事にしては上々の結果に終わったのではないだろうか?
それよりもやはり気になってしまうのはアルテの感情の行方
レオはアルテを正しく評価している。が、レオがアルテを評価すればするほどアルテの心は乱されていくような……
と言うか、自身の胸のときめきに対して「病気かな?」はちょっと無理のある反応じゃないかい?
今回のカタリナは破滅フラグを回避しようとするよりもロマンス小説を語り合う友を見つけたいとの欲が勝っていたせいか、とてものびのびと動き回っていたね
カタリナって自分の心に正直なタイプだから、このような時の彼女はとても魅力的
それが各人物にも届くのだろうね
カタリナは貴族には下世話なものとされるロマンス小説を好んでいたり、お茶会でも食べるのに夢中になってしまったりと貴族らしからぬ行動が目立つ
それらは元々前世が平民だからというのも有るんだけど、最大の理由は彼女が自分の心に正直に行動しているからなんだろうなぁ
だから一見すると白い髪に赤い瞳を持つソフィアに対しても単純に綺麗だと思うし、同好の士だから友達になりたいと思いそれらを口にする
偏見のない真っ直ぐな言葉だから、ソフィアは「夢みたい」と言いつつもカタリナの言葉を疑うこと無く受け入れられる
カタリナの言葉はソフィアだけでなくニコルにも影響する
ニコルは偏見を持たれるソフィアを妹に持つ為に「可哀想」とされていた
けれど、カタリナはそんな背景を知らず、ただニコルの家族のありのままを見て「幸せ者ですよね」と言い切る
「可哀想」だったニコルはカタリナの前だけは「幸せ者」となる。そうやって世界を変えてくれたのなら、惚れてしまうのも無理はないというもの
カタリナの知らぬ所で繰り広げられるジオルドとアランの恋の鞘当て、カタリナに近づく男にヤキモキするキース、カタリナに許されない想いを抱いてしまったニコル
これだけでも凄い状況なのに、ソフィアが割とガチな感じになりつつ有るのには笑ってしまった。これもう普通に悪役令嬢ではなくハーレムモノの主人公ですね(笑)
次回から始まる学園編でカタリナのポジションはどのようなものになるのか、そして本来の主人公がどのように登場するのか気になるね
これでもし主人公まで堕としてしまったら……(笑)
本作は相手のことが好きだけど、それを認められないから相手に告白させようとするタイプなんだけど……
これもうかぐやさん完全に堕ちしてませんかね?
と言うか、今回は本能と理性の間で揺れるかぐやの挙動が何から何まで可愛らしい
圭と仲良くなって白銀に何を贈ればいいかと聞き出そうとするのは理性による行動
けれど、圭が白銀と似ていると気付いてからのかぐやはちょっと本能に支配されたおかしな思考を見せているね(笑)
その後も浮ついた調子は続いて、白銀にケーキを贈る直前まで自身の行動のおかしさに気付かない
脳内会議でストッパーをかけようとしているけど、そもそもそんな会議をしている時点で大混乱以外の何物でもない
かぐやは理性的になるべきか、本能的になるべきか深く迷ってしまう
だからこそ、最後に登場するのが理性でも本能でもない根源的な望み。
「私達はどうしたい?」と問われたかぐやが選んだのは小さく切り分けたケーキと扇子の贈り物
その選択は何も間違っていないから白銀はちゃんと「うわ!嬉しい!」と思ってくれるし、これを告白させる武器にしようとしない
まあ、かぐやさんは武器にしてくるんですけど
でも、やっぱり浮ついたままだから攻撃も完遂されないんだけど(笑)
かぐやの「会長を喜ばせたい」との想いが爆発した今回のエピソード
見ていて非常にニヤニヤ出来るものでしたね
そして藤原書紀はオチ要員として完璧すぎる(笑)
ようやく野球に必要な人数が揃ったことで改めて動機付けが行われた回
「楽しい」から「本気」への移行。けれど、「楽しい」は無くさないままで
強豪校からやって来た希には今の野球部はやる気がなさそうに見える
それもその筈で人数が揃っていなかった野球部は「本気」よりも「楽しい」を重視していた。
だから野球を楽しめなかった過去がある詠深や怜達が受け入れられる隙がある
けれど、人数が揃った事で試合ができるようになり、希の口から全国という言葉が出た事で部の目標は明確に定められる
そうして部は猛練習を始めるのだけど……
全国を知る珠姫からすれば部の取り組みはまだまだ甘いもの
でも厳しくすれば今の部の雰囲気は壊れてしまうかもしれない
そうした背景で行われたのが詠深と珠姫のキャッチボール
相手の手まで届くように力強く、けれど掴めない球は投げない
キャッチボールをしつつ互いの落ち着き所を探る二人の様子は、再会したばかりだけど既に長年の付き合いを感じさせるね
「楽しい」から「本気」へ。けれど、「本気」になりたいのは「楽しい」があるからで。
全く異なる野球経験をしてきた二人の望みがこのようにして重なっていく描写は良いね
次回は遂に練習試合。出来上がったばかりの野球部の本気度が試されるというわけですか
それにしても……
第一話の頃はちょっと作画に気になる点は有ったけど、細かいところへのこだわりが見える描写が多かった
それがこの三話では遂に作画は気にならずこだわりの数々が目立つように……
希の腹部の描写とかフェチな人には堪らん描写ですよ!
前回と同じく、ギャグ描写で話を進めつつも親の心子知らず、子の心親知らずな要素を含んでいるね。
というか本作は基本的にそのような構造で展開しているか
普段は姫が不憫な目にあっていないかと可久士が気にし過ぎる描写がメインだけど、この回では姫が自分の家が貧乏なのではないかと気にするパターン
姫くらいの年齢になると友達との違いも明確に見えてくる
それであのような家に住んでたら貧乏だと思ってしまうのも無理はない
けれど、通り過がりが言及しているように中目黒の家は新築物件であり、可久士はそれなりに稼いでる
でも、どちらの事実も隠されているから姫としては貧乏と思う他ない
一方でそういった事実が隠され姫が家事に精を出したことで表に出てきたものがあるのはいいね
10歳箱の中から出てきたレシピ本は今の姫が作るに相応しいもので、その料理は可久士の思い出を呼び起こすもの
二人しかいないけれど、まるで家族三人が揃っているかのよう
……料理は変なアレンジがされてたけどね(笑)
可久士の無自覚ハーレムが出来上がるBパート
この人後半だけで四人も口説き落としましたよ……!
運動会を前に描いている作品や後藤家に足りないものに頭を悩ませ、アクションを起こした可久士
その右往左往が結果的にあの状況とは(笑)
これで姫の新しい母親になってくれる人が見つかればまだいいのだけど、姫は二人きりの方が良かったようで
Aパートでもその傾向が見えたけど、姫は今の生活が気に入ってるんだろうなぁ。だから可久士が姫の為にする様々をそこまで喜ばない
父親想いで今の生活を大切にする姫が鎌倉で気付いた二つの家の類似性
未来で一体何が起こっているのか気になる構成だね
由希回の次は夾回ですか
前回が由希の過去と現状を比べつつも未来へと向かう変化を描いていたけど、今回の登場人物達からは過去や現状が有るから未来へ踏み出すのを躊躇してしまう、そんな様子を感じさせた
学生にとって進路の話は難しい。それは現状を踏まえて想像しなければならない未来の話だから
十二支が憑いている由希達や、環境そのものが厳しい透にとってはどう想像しても不安に押しつぶされるようなもの
特に猫憑きの夾にすれば明るい未来は望めず暗い部屋が待ち受ける。果たして自分に選べる道は有るのかなんて、考えてしまうことも有るのだろうね
でも、そんな夾でも一歩ずつ未来に向かって進んでいて。それが親代わりである師匠にはちゃんと見えているのはいい話
不安に押し潰されそうでも一歩一歩進んでいけば何かしらの成長は手に入る
壁のシミを怖がって泣いた夾が今ではそんな過去を恥ずかしがったように。
家族を無くし家も無くした透がそれでも今は笑顔でいられるように。
含蓄ある紫呉と師匠の言葉が不安を抱える若者にとって道標となる様子は良いね
全部やりきれるか、克服できるか考えるよりもまずは足元から着手していく。やれることからやっていく。そうすればいつの間にか終わってしまう、変えられるものだって有る
先行きへの不安、思わず流した涙、眠れない夜
そういったものを全て些細なものだと言わんばかりに勢いよく啜る夜の素麺。進路の問題を前に賑やかな一歩を踏み出した透達の姿には思わず温かな気持ちになってしまうのでした
なんだかこのアニメを見ていると「ヤバいですね!」って台詞が癖になりそうだ……(笑)
キャル登場及び彼女の深堀りが行われる回
彼女は仲間に混ざれない猫を見て、自分と重ね「一人の方が気楽よね」なんて言う。
でも必死になって「あの方」とやらに認められたがっている彼女は自分の居場所を欲しているようにも見える
また、ユウキとの対比も気になった
ユウキは素振り中に倒れたが、自分の力で立ち上がり再び木の棒に向かった
キャルは立ち上がった際によろけたが、ユウキの手を振り払った。相手の優しさを拒否したいからってわざわざそこまでする必要はない
まるで触れるのを怖がっているかのような印象
キャルの前でユウキ達は協力してドラゴンに立ち向かう
コッコロは強化魔法、ユウキは囮、そしてペコリーヌが剣を奪う。それどころかドラゴン暴走後はあんちゃん達すら協力的になる
一人で影に隠れて魔物を操り事を為そうとするキャルと皆で力を合わせて事を為すユウキ達。その姿は対照的
ペコリーヌ達は仲間のように並んでお握りを食べたが、キャルだけ食べず。更には美食ギルドの誘いも……
自分の写し身に見えた猫は仲間に混ざっていた。ペコリーヌから貰ったお握りは美味しかった
キャルの表情を移さず、尻尾の動きと言葉で彼女の心情変化を表現する手法には惚れ惚れするね
破滅フラグを回避するために悪役令嬢というポジションに抗うカタリナの奮闘がどうにも笑えてしまうね
よくよく考えたら畑作って木を登ってる時点で既に悪役令嬢じゃない気もするけど
お茶会に呼ばれたカタリナの姿はその場に馴染めない。お菓子食べたり庭園に興奮している姿の方が似合っている。お茶会は根が貴族でない彼女には似合わない場所
同様にお茶会の席から逃れていたのがメアリ。彼女も後妻の子としてあの家を自分に合う場所と出来ない
そんな二人が畑作業という令嬢らしからぬ場所で意気投合する
破滅フラグを回避しようとやりくりするカタリナの行動は結果的にメアリが笑顔になれる場所を与える行動となる
それは有る種、本来の主人公の行動であったりヒーローの行動をなぞったものでも有る
カタリナの影響はメアリだけでなくアランにも
ジオルドに劣等感を抱く彼は輝ける居場所を持っていない。更に婚約者までぽっと出のカタリナに奪われてしまう
アランにムキになって応じてしまったカタリナの行動は結果的にアランの笑顔を引き出していく
悪役令嬢でありながら、ヒーローを夢中にさせメアリですら夢中にさせてしまうカタリナ
恋のライバルという意味の悪役ではなく、物語を壊す悪役になりつつ有るのは面白い。
それでも彼女に好感を持てるのはカタリナが天然で間が抜けて、どこか憎めないタイプだからなのだろうね
好青年アンジェロはアルテに優しく丁寧。辛い境遇にあるアルテの味方であるように見えるが、それはアルテが「女性」だから優しくしているんだよね
彼も性別という価値観から来る偏見を持っている人物の一人
アンジェロの対応はそれ程間違っていない。苦労している相手を気遣える心を持っているのは褒められるべき点
でも、相手を気遣いすぎてしまうと途端に相手は手助けされるのが当然の存在になってしまう
アンジェロの接し方は優しいけれど、相手の在り方を型にはめてしまうもの
それに対しアルテは周囲や世の常識が当てはめようとする型を破ろうとしている。木材を売って貰うだけで嫌味を言われ、転べば「女の分際で」と陰口を叩かれる世でアルテは戦い続ける
全ては画家になるために
スカートを捲りドロワーズを露わにし荷車を引く姿
粘土袋を持ち上げようとがに股になって踏ん張る姿
どちらも女性として求められる姿ではない。でも、女性がやっちゃいけない姿というわけでもない
それは男性も女性もない懸命な姿。性別の壁を打ち破る事が出来る
だからアルテは素晴らしい小屋を一人で作り上げられるし、男二人で持ち上げる粘土袋も一人で運んで見せる
小屋を見てレオは「やれば出来るじゃないか」と褒めた。握力がなくなっても彫刻に向かうアルテを見て親方は「やるじゃねぇか!」と称える
どちらも性別を理由とせず、ただアルテの努力を認めている
そうして壁を打ち破るアルテの姿はアンジェロにも影響する
「女性」だから優しくしなければ手伝わなければという認識が変わり、相手が自分の力で努力することを邪魔しないようになる。そうすれば守られるだけの型から抜け出せるかもしれない
そういうスタンスに変わる
アルテが自分の夢の為に変えた型が他の人にも影響していく好循環
どんなに苦しい逆境も「ざっけんな!」と踏ん張る彼女のこれからの奮闘が気になるのでした
白銀とかぐやのすれ違いラブコメは二期になっても変わらない面白さ
第一期ではいい感じになりかけたシーンとか有ったはずなのに、この一話ではそんな気配は微塵も感じさせないのが、なんとも……
早坂があれだけ舞台を整えているのに全く進展しない白銀とかぐや
それを嘲笑うかのように何処まで進展してるか不明な柏木カップル
進んでいるはずなのに関係はちっとも近づかない。双六上の遣り取りがまるで現実を反映しているかのような構図は面白いね
いや、そしたら白銀は藤原とくっつくことになってしまうのだけど
個人的には白銀と藤原のお祝い金としてリアルマネーを取り出すかぐやの姿に笑ってしまいましたよ
姫の臨海学校について行き陰ながらフォロー。もしもに備えて避難訓練、お祭りではグッズを大量購入
父の労力は娘の知らぬ所で行われる
一方で娘の心も父に知られず隠されている
可久士は目に入れても痛くない姫を虐めの対象にしないためカブトムシを買ったり、インド人シェフを雇ったりと無茶苦茶な
でも、流石に母親が居ない点についてはフォローのしようがない
「ママに教わらなかったの?」の言葉を可久士が聞くことはないし、その心を知る事もない
考えても仕方ないことは現実逃避するしか無い。つまり目の前の現実から隠すということ
その行為は祭りのシーンで可久士が姫の視界からグッズを隠す行為に似ているし、ある意味姫が隠し事を知ろうとしなかった点にも通ずるもの
一方で目の前から隠されて居る事で意味を持つものもある
押し入れに隠された年齢の描かれた箱。まだ開けては駄目だと一目で判るそれは秘密が開かれていく楽しみになる
同時に可久士には押入れに隠されたそれらから既に隠された人の想いを知るきっかけとなる
本編後に描かれる未来の話。娘には隠されていた可久士の描く仕事が明かされると共に大きくなった姫は幼かった頃の自分の心も述懐する
本編では隠されていたそれらが明るみに出て、箱の中の箱が開かれるエピソードには心を打たれるね
原作だとこのエピソードのサブタイは「黒い霧を抜けて」だったりします
その名に相応しく陰のある野球部を活気のある空間に生まれ変わらせるエピソードだったように思う
グラウンドは有っても人数が足りない野球部では本格的な野球はまだ無理
でも、詠深達はただのキャッチボールであっても楽しそう
思ったような野球ができず負け続きだった中学時代を過ごした詠深にとっては今の形の野球であっても「楽しい」もの
新たに入った菫と稜も競って口喧嘩してばかりだけど、本当に仲が悪いわけではないし楽しそうに野球をしている
不祥事があったという野球部は詠深達の入学によって楽しい空間に生まれ変わる
でも、それでは陰を湛えた野球部であっても存続させてきた先輩たちに報えない
だからこそ、怜と理沙を詠深達の「楽しい」野球に巻き込む必要があったわけだし、その巻き込み方は無理やりではいけない
怜に詠深達の「楽しい」野球を誠実に教えなければいけない
心置きなく野球部を辞める腹づもりで挑んだ勝負を怜は楽しんでしまう。急激に曲がる詠深のボールを真剣に打ちに行き、無事に飛んだボールも「自分なら捕れていた」と誠実に負けを認めた
詠深が形作る野球にのめり込んでいなければ出てこない発想
廃部寸前だった野球部に続々と人が集まり、遂に後2人で9人
本作は投球モーションを綺麗に描いているし、野球シーンの動画には期待が持てそうな気がする
早く彼女らの試合が見たいね
ゲーム主人公がアニメ化された際、個性が薄いとか、物語への関わり度合いが低いとかは見た事あるけど、知能が感じられないって初めて見るパターンかも
……記憶を失ってるから仕方ない面はあるけど、お金をもぐもぐするとか一周回って可愛らしいのかもしれない
でも、それ以上に可愛らしいのがヒロインたち
主人公を母親のように面倒を見るコッコロからは多大な母性が感じられるし、トラブル発生時のバッテンお口も非常にキュート
ペコリーヌは腹ペコキャラなんだけど、その分とても美味しそうに食事をしているね。また、人の悪意を疑わない純真さも好評価
そしてヒロイン達の可愛らしさを描くだけに留まらず、戦闘シーンがダイナミックに動いている点には驚かされた
第一話でこれならキャラが増えて物語が動くようになったら、更に素晴らしいシーンに出会えるんじゃなかろうか
それでも、幼児退行したかのような主人公が理知的になるシーンは想像もできないのだけどね(笑)
数カ月ぶりのフルーツバスケットですよ!
優しさに満ちた空間で繰り広げられる遣り取りは心の清涼剤になりますな
皆川素子の視点で語られる由希
彼女って学校における由希を一番見ていた人物なんだよね。由希に願望を押し付けつつも由希の変化を一番見ている
だから由希をあっさり変えてしまった透が許せないし、変わってしまった由希を上手く受け入れられない
素子との最初の出会いでは「綺麗」と言われて皮肉めいた微笑を浮かべた由希
それが今では柔らかく微笑むようになり、素子を気遣う優しさも併せ持つ
第一印象は日常に紛れ込んだ非日常のような在り方だったから王子と例えられた。納豆が好きだなんて明かしてしまう今の由希は普通の好青年
そんな彼に王子のようなイメージを押しつけることはもう出来ない。かといって受け入れるのは難しい
でも、変わってしまった今の由希こそ本当の由希であるなら、そんな彼を受け入れないのはプライドが許さないといった所かな?
素子からすれば由希を柔らかく変えてしまった透はライバルと言うよりも敵に該当するのだろうな
素子はどうしても視聴者からは嫌われやすいポジションに居るのだけど、由希に必死に振り向いてもらおうとするスタンスはどうにも嫌いになれないんだよね
それにしても由希に最も懸想する素子を通して由希の変化やその背景を描写するのは面白い試みだった
素子が以前の由希と今の由希を比べていたのに対し新生徒会メンバーは新たな由希を発掘しそう
由希を「女顔」とおちょくった真鍋、由希を「触らないで!」と拒否した真知
どちらもきっと由希にとっては初めてのリアクション。二人の登場は由希を更に変化させる出会いになったような…
第2クールの始まりのエピソードが由希メイン回である構成には驚かされたが、第1クールの頃から変わっていない雰囲気を感じ取ることも出来た
今後のエピソードに期待が持てる第一話だったね
どんな時代だろうと、自分の夢を掴むために一生懸命になる女性の姿というのは輝いて見えるものです
ただ、アルテが生きる時代は「女性が絵描きなんて」と思われるような時代
あまりこの時代のことを知っているわけではないけど、それでも作中描写からは女性が手に仕事を持つなんて可怪しいという感覚は充分に伝わってくる
それらはある意味時代が形作る常識。だからアルテが超えなければならない壁は非常に分厚いもの
その壁は髪を切ったくらいじゃ破れないし、きっと乳房を切り落としても難しい
なら必要なのは女が絵描きをしたいなんて言ってもどうせ本気ではないだろう、という認識を改めてもらうこと
思えば、レオだって回想からすると順風満帆に絵描きになれたわけではないのは判る
女性が絵描きになるのは難しい時代だけど、男なら簡単というわけではない。レオだって「物乞いなんて!」と突き飛ばされた事があった
レオの経験はアルテと重なる
アルテは一夜にして酷い仕打ちを乗り越えるわけだけど、これを持ってレオはそのまま認めた訳ではない。あくまでも本音を話し合う前提
最初の会話シーンでは椅子に座る親方とその前に立つ弟子志望という構図だったのが、アルテが本気であると知ったレオはアルテと同じように床に座り彼女の話に真正面で耳を傾ける
この話の中でレオは絵描きとしてアルテを認めると同時にアルテを一人の人間として認める
今回はまず絵描きになるどころか、話を聞いて貰うだけでも大変な目にあったアルテ
それでも滅気ずに絵が好きという気持ちを心の真ん中に置き、そして認められない悔しさをバネに一生懸命頑張り弟子入りが認められた。
それらの展開は王道的でありつつ、とても素晴らしいもの
アルテの父は絵を描いていればアルテの魅力に気づく殿方はきっと現れると言った
アルテは自分自身の力で生きられるように絵描きを目指したいと言った
レオの工房で活動する中でアルテが手にするのはどちらの未来になるのだろうね