スピード感と緊張感のある戦闘シーンで、見応えがあった。
対戦車ライフルを駆るイゼッタの姿勢や挙動は、バイクのイメージだろうか。まるで空飛ぶバイクとレシプロ機が戦っているようで、映像にセンスオブワンダーを感じてワクワクする。
浮遊するバイクはスター・ウォーズでも見た覚えがあるが、あくまで地上を走るものだった。本作のような、航空機と空戦をする空飛ぶバイクって、他にあるのかな。
ピュアイリュージョンを、過去回想を一捻りする手段として使ってくるとは。
これまでのピュアイリュージョン(や無人島)は、怖い目に遭うこともあるけれど楽しいこともある、そんな場所であり、今回のような悲しいことが起こる場所ではなかったように思う。パピカとココナが経験することも、これまでになく現実的で重い。ピュアイリュージョンというフィルター越しでなければ、もっと重く感じたかもしれない。
自分にはマニキュアを塗る資格がないと言っていたイロドリ先輩が、パピカとココナ帰還後はマニキュアを塗っていたのは、二人があの世界でオバチャンとの約束を果たしたことで、現実の方も書き換えられたということだろうか。怪しすぎるぞピュアイリュージョン。
ナイスジャンパースカート。
百合とホラーとアクションという、ともすればバラバラになりそうな三つの要素が、きちんと一つのまとまった流れになっていて、かつどの要素も面白い。何をどうすればこんなことが可能なのやら。
「ごきげんよう」の女子生徒のキャストが押山清高監督なのに笑った。
作画面では、時計塔のアクションもよかったが、Bパート冒頭のヤヤカがココナに詰め寄るシーンが、非常に繊細な動きで見応えがあった。
イゼッタが駆る対戦車ライフル(?)の機構の描写が、自分の中のメカ好きな部分がくすぐられて、見ていてテンションが上がった。
常に主人公の能力頼みでどうにかするのではなく、弱点がちゃんとあって、戦争だからプロパガンダにも使うし、場合によってはペテンも辞さない、というのはストーリーに幅が出て面白い。