Annictサポーターになると広告を非表示にできます。
良い

変えてはならないという絶対ルールが存在している筈の過去へのダイブ。それを裏切る試合結果から、最後に明かされる絶対的な分岐点
いや、そもそも「メッセージを伝える」行為をヒカルが改変されないと受け入れた時点で気付くべきだったか……

元々の時間軸では試合に負けた事で決定づけられた陳瀟の最悪な一日。試合は別口として当時は伝えられなかった言葉を全て伝えられて最高の1日に変わった
トキが「順調過ぎる」というのはあまりに依頼人の望みが叶いすぎて未来が変わるのでは?という懸念が有ったのか……

でも、最高になった日が何も意味を為さないのであれば、未来は変わらない
視聴者には伝えられないメッセージの内容。それは大切なものだから明かされないのか、明かした所で意味が無いからか
トキにとっては変えたくなる過去。それをどう変えずに過ごすのだろう……



良い

ダイナミックなバトルシーンが目を引く一方で物語の核心に迫るような要素が目立ってきたのも気になるね
それでいて全体的にはコミカルなノリを失わない話の作り方には尊敬してしまうよ

シリアスな舞台背景がコミカルな冒険描写に紛れ込んでいたように、他にも様々な要素が姿を変えて紛れていたね
ユウキの過去は記憶喪失に拠って、シャドウから生じたキーリはカスミの姿を模す事で。そして最大の罠はキャルへのプレゼントの形を取る事でごく自然に紛れ込んでいるね

ただ、キーリの全てが悪い存在とも思えないけど。カスミを模した彼女は異なる髪型を得た事で自警団に紛れず新たな存在になったような……

一方、城はカイザーインサイトの手に拠って全く別の存在へ模されてしまった。この帰郷はペコリーヌに何を齎すのだろう?



とても良い

始祖ユミルを支配下に起き優位に立ったジークが見せる過去の記憶。
彼にすれば過去に起きる事なんて決まっているから余裕がある。でも、そこにあるのはグリシャ支配された物語であり、それによってジークの優位性が崩れていく展開には慄然としてしまう

ジークはエレンが過去を知ればグリシャの正体を知るだろうと考えている。けれど、そこにあったのはエレンの正体だね
エレンはグリシャに洗脳され自由を失ったとの思い込み。でも、実際はエレンはずっと自由でありグリシャの制御下になく、むしろグリシャこそエレンの制御下に有ったという衝撃
そこに父としての優位性はない

始祖の巨人は進撃の巨人より優位でなく、グリシャはエレンより優位でなかった。誰も彼も運命の奴隷であり、進撃の巨人が見た未来の制御下にあったという……
全ての優位性がひっくり返った今回のエピソード。拘束された筈のエレンがジークを見下ろす構図はあまりに示唆に富んでいるね



良い

天元はその手から溢れた命を知っている、忍として命を掛ける事を当たり前とする在り方も知っている
だから天元は命の大切さを判っているし、雛鶴達もそれは同様のようだね
天元の雛鶴の危機に際した叫びにはそれらの感情が詰まっているようだったよ

それを拾い上げたのは炭治郎か
炭治郎は呼吸法を極められなくても、鱗滝や冨岡の教えを拾い上げ自分のものとした
また、彼と共に戦う伊之助も善逸も似ている。杏寿郎の命を助けられなかった彼らは今度こそ命を拾い上げられるように堕姫相手に奮闘していた

そういった想いが結実したのが堕姫の首を切り落としたシーンであり、それで安心してしまったのが彼らの未熟さであり……
拾い上げた筈のものを溢してしまう極限の戦い。自分や大切な人の命を大切にする天元が倒れ伏す姿、傷付いていく伊之助達の姿はあまりに痛ましい……



とても良い

初挑戦の衣装製作!……を短期間且つタスク山盛り状態で遣り遂げようとした新菜。そりゃ無理な話だし、そもそも海夢と納期調整をすべきだった
でも、無理を通して遣り遂げてしまったのはそれこそ海夢が喜ぶ顔が見たかった、というその一念に依るものなんだろうなぁ

その点には新菜が元から持つ職人気質な部分も関係しているのだろうな
祖父は安静にする必要があるのに、腕を保つ為に筆を手元に要求した
新菜もタスクが厳しかろうと貴重な機会での見学を受け入れ熱心に説明していた
職人として自分よりお客を優先している

衣装制作を進めたのもそういった土台が有るからだけど、それ以上に自分の『好き』を認めてくれた海夢の『好き』を叶えてやりたい、喜ばせたいという感情も強く有ったのだろうな
自分の中途半端さに、不甲斐なさに、迫るタイムリミットに押し潰されながら糸を噛み切る彼の姿には未熟さと矜持が同居していたね

結局、納期は誤解でむしろ海夢の方が恐縮して号泣。ここには海夢の優しさが滲み出ているね。
けど、新菜が見たいのは海夢の喜ぶ顔。だから海夢を謝罪させる姿から、衣装を着て楽しんで貰えるように切り替えたわけだ

二人が初めて形作ったコス衣装。そこには二人の『好き』がたくさん詰まっていたようだね



とても良い

ひよりと小春、良太と恋。釣りを嗜む者とそうでない者。相手に楽しんで欲しいと張り切る者と受け止めきれない者
それでも相手が自分の為を思って行動していると気づけたなら、相手と少しずつ擦り合わせれば良い。そんな事を感じた回だったかな

介護されっぱなしの海釣りに反発してしまった小春。彼女としてはひよりが鬱陶しいというよりも、ひよりに海釣りを楽しんで貰いたいから自分にばかり構う状況に不満を覚える
ひよりの想いは判っても、受け取ってばかりじゃ納得できない。だから小春がしたのはひよりに想いを返す行為

ひよりが苦手な料理で楽しませたい。一方でひよりが自分の力で出来る部分を用意したのは彼女なりの誠意か
家族の為に残業する父に何も要求できなかった彼女だからこそ、何も出来ない不甲斐なさ、物足りなさを知っていたのだろうね
今は独りじゃない食卓をとても楽しめているようだ

親も人間と達観した物の見方をする恋も母にはあんな事を言ってしまうのか……
恋にすれば父はちょっと駄目な人間、母は素晴らしい人間に見えるのだろうね
でも母に言わせれば仕事を続けられるのも、もしかしたら尊敬される人間で居られるのも良太の存在があるからなのかな

良太はどう考えても釣りバカでやり過ぎな人間。でも、他所様から見れば凄い人に見える
他人の芝生は青く見える。それでも青く見えるなら素晴らしい部分が有るという事になる
恋はまた一つ、父を見直せたのだろうね

釣りが好きな姉の一花と釣りなど恥ずかしいと思う妹の二葉
二葉は引っ込み思案というだけでなく、何かしらの事情があって釣りの良さが判らなくなってしまったのだろうか?
姉から別人みたいと言われる程に変貌した二葉。これに興味を覚えたひよりはどう関わっていくのだろうか



とても良い

あんな場所から幾つもの場所を狙撃できるものなの?と疑問だっただけに終盤の展開には良い意味で驚かされたよ
スタンドバトルは騙し合い。如何に相手に気付かれず襲撃するか。そんな攻撃を躱す為には全てを疑う必要があるってわけだ

骨を支えに狙撃するジョンガリ・Aは信用できる物を土台とするから正確に徐倫達を撃ち抜ける
逆に裏切られてばかりの徐倫は信用できる物がない。助けに来た承太郎を信じられない彼女は、信用できる土台を見つけられない

一方で信用しないから見つけられる物も有る
消火栓で隠した抜け穴、ガスによる気流妨害、そして辻褄の合わない目の前の光景……
夢から覚めても拘束されたままの徐倫。ここからどうやって逆転するのだろう?



とても良い

厳島で美しい祈願の舞を催す平家。それは宗盛が揶揄するように武士の在り方から程遠い。けれど、そこに集ったのは平家だけなのだから、そこに居れば武士である平家となる
でも、そういった単純なロジックで何もかも納得出来るわけもなく。アイデンティティに悩む面々が描かれた回だったね

清盛は徳子の懐妊を祈る。入内したのだからそうなるのは当然という考え。でも人間ではなく道具として使われる歪みを知る徳子は何も起きない今の方が良いと思ってしまうのだね
高倉天皇の堂々たる不倫に何も言わないのも、自分と同じように歪んだ環境に身を置く者への同情が混じっているのかも

平家の増長に耐えかねて密議を開いた公家。彼らは既に権力を失いかけているけど、ひたすら武士を下に見ている。武士である平家を倒す為に別の武士の源氏を頼ろうとするほど
公家は武士より尊い存在だというアイデンティティが有るから、武士は対等な存在ではなく使うものだという認識になる。それが彼らの足を掬う

怒る清盛は平家に歯向かった者を思い知らせようとする。それこそが彼のアイデンティティ
対する重盛は鳳凰から賜った深い恩こそ平家のアイデンティティと考えるわけか
重盛はどちらのアイデンティティを伴ってびわと帰る事になるのだろうか?



普通

前回生じた異変で事態は急変した筈なのに、その後の動きがないからRGBは変化しない。元の形に戻っていく
RGBはトロッコ問題へ対応する際は一緒に居るのに、それ以外はバラバラの行動で思惑も擦れ違っているね
特に白樺の死に強くショックを受けている様子のシュウタはかなり危ういような

梢は夜の街を放浪し治安の悪い地区へ行くというのだからシュウタは心配する。シュウタに頼んだ際、まりは梢が父の死の衝撃から危ない行動に出ているのではと見立てていたわけだ
そのように捉えると、今回舞台となったシャンティタウンも様々な見立ての上に成り立っているのかも

コウキはハザードキャストが機能しないから再開発しなければと、ランはこの地区の犯罪率は先入観でしか無いと、クナイはシャンティを濁った水、そこで生きる人を日陰者とそれぞれ言う
一つの地区を様々に見立てている。そういった地区だからこそ、人を救おうとした白樺を模した絵が燦然と輝いて見える

シュウタは白樺こそヒーローだと見立てる。他者をヒーロー扱いするという事は自分はヒーローでないと言ってるようなもの。だから梢からシュウタはヒーローだと言われても、ヒーローの教え子だからなんて濁してしまう

自身を天才と見立てられないクナイが企てるテロ。確かにこの事態は二択になってない気がするけど、ランにとっては二択になってしまう……?



良い

おー、これが噂に聞く仲良し部ですか。今回メインとなったユニを始めとして随分とキャラが濃い……
ユニは伝統校の学徒だけど、心理を解明する者ではないんだね。自分の主義を優先しながらこの世界に向き合っている

ユニが探る忘却現象。世界の謎を放っておくなんて普通はできない
そこでユニがしているのはゴール地点の変更だね。真理の解明をゴールとするのではなく、探究行為そのものをゴールに設定している
似たような事はアオイやペコリーヌもしていたかな

アオイは学院に馴染めていない事から助けを求めた。結局、馴染めないどころか更なる闇を披露したけど、仲良し部と仲を深められたから良し
骸骨王は国民を守る為に暴走し、守れなかったから絶望した。いわば骸骨王はゴールに辿り着けなかった

少女は感謝していたはずとペコリーヌは王が辿り着くべきゴールを変えたわけだ。だから王は成仏できたのかな

謎の一端は提示された。けれど仲良し部も美食殿も真理を解明する者にはならず。これからも彼女らは相変わらず楽しい日々を過ごしていくのだろうね



良い

遂に過去改変に焦点を当てたエピソードが
あれをするなこれをするな、と制限されてきたトキがやらかしてしまった些細な我儘、余計な行動が過去を変えてしまう様相が緊迫感あるね

でも改めて考えなくても、そもそもトキが過去に潜った時点で余計なものが混じっていると言える。ヒカルがトキをその時間に馴染ませようと声を掛け続けるけれど、トキの突発的な行動までは止められない
トキが過去で起こす余計な行動が本来の過去を変えていく

写真のフラッシュ、バスケで負けられない矜持、相手が眼鏡を壊す妨害。何もかも余計だから本来の流れにそぐわない
でも、トキがそんな行動に出たのは本気の想いがあるから。トキとヒカルの思い出はトキの中で余計なものにならず根付いているからバスケで手を抜くなんて出来ない

そんなトキの感情がバスケ部存続を懸けて全力を傾けていたキャプテン達と混じり合ってしまったわけだ
過去に混ぜるべきではなかった余計な行動、感情。試合の勝敗が変われば、過去も変わる。この改変からどれだけの影響が生じてしまうのだろうか……



良い

運命の一瞬に向けた激しすぎる攻防から目を離せない
誰も彼もエレンとジークの接触を阻止するため、そして大切な者を守るために戦い続けている
本当にその一瞬の為に全てを掛けているから作中時間の経過は短くても濃密な時間になる

ファルコが巨人になっても最後の一瞬まで一緒にいるため離れなかったコルト
ファルコに運命を捧げようとしたライナーは、運命の一瞬を知ったポルコに庇われる
そしてエレンとジークは遂に…という一瞬を、ずっと同じ事を繰り返していたと実感し自身の過ちを認めたガビが打ち砕く展開はあまりに凄まじい

ただ、ガビの一瞬はエレンとジークの一瞬には間に合わなくて…
座標にて言葉を交わす二人。けれど、この一瞬に辿り着けば全てが終わるというわけではなく、二人共にこの一瞬に全てを掛けていたというわけか
終わりではなくむしろ始まり。エレンとジーク、願いを叶えるのはどちらになるのだろうね



とても良い

すげぇ…凄すぎる……。週間アニメであのバトル描写を実現してしまうのか……
これまでもufotableには何度も驚かされてきたけど、今回の衝撃は超弩級。もしかして柱と上弦の鬼のバトルは毎回こんな感じにしてくれるんだろうかと期待が膨れ上がってしまいますよ

以前は「祭の神」なんて名乗っていた天元、別に自分を特別とは思っていないのか
自分より凄い奴を知っている。守れなかった者を知っている。自分を形成した価値観を否定して生きてきた
そんな彼にとって最も特別と言えるのはお館様に貰った言葉だったんだろうなぁ

特別を知る天元に炭治郎達は継子と呼ばれた。その言葉もまた特別に成り得る
杏寿郎の時は見ているしか出来なかった。けれど今は並んで戦えている。統制が取れてないと馬鹿にされた連携も戦いの中で改良されている
炭治郎達は戦えている

既に限界バトル叩きつけているような現状、でもまだまだ鬼妓夫太郎との戦いは始まったばかり。
次回以降もこのような超絶バトルが展開されるのかと思うと毎週が楽しみになってしまうね!

それにしても…善逸はいつまで寝てるの(笑)



とても良い

別世界に生きているような海夢。だから仲が良いと周囲に認識されることは彼女に宜しくないのではないかと新菜は思ってしまう
そんな新菜を明るい世界、それこそ海夢の世界に連れて行くかのように引っ張り上げた海夢は輝いているね

反面、新菜も海夢を別世界に連れて行く存在となっているね
海夢一人では見栄え良い衣装なんて作れなかった、正しい素材の選び方なんて判らなかった。でも、これまたその反面、新菜だけではコス素材を買う店を知らなかった
互いが別世界の入り口になっている

好きな物に対する二人の姿勢は異なる。好きな物にすぐ綺麗と言える海夢、特別な綺麗を知っているから簡単に言えない新菜
そういった意味で二人の『好き』は相変わらず別世界なんだけど、海夢は新菜の『好き』を認めたし、新菜も海夢が『好き』なヌル女の魅力を認めている

別世界は別世界だし、二人の『好き』は少し違うまま。それでも自分が居る世界を『好き』だと思える二人は相手の『好き』を尊重し合えるという構図は本当に良いね

あと、好きなものに夢中になっている二人の会話が社会人達にはそれこそ別世界扱いされていたシーンには笑ってしまう



良い

前回はひよりが小春に自分の事を教えていた。今回は新たに家族になった親に対して距離を埋めていく様子が描かれていたね
親だから敬語はおかしい。親だから仲が良いのは当たり前。そういった姿勢を当たり前と捉えてしまえば、直さなければならないかもしれない。けど、親子の姿なんて千差万別なんだから、こより達はこより達の家族の形を求めれば良いんだよね

新しい親とどうやったら親しくなれるか。天真爛漫な小春でさえ遠慮するそれはひよりにとっても難しいもの
仲良さげに見える恋・良太親子も実の親子だから仲が良いのではなく、相手とどう向き合うかを自分の中で整理できたから仲良くなれた
だから必要なのは相手がどういう人間で、相手とどう向き合いたいかという話になってくる

親は親だから助けを求められない場合がある。ひより母は料理をしないのではなく、父が居なくなった事で余裕が無くなったから作れなくなったように。小春父が虹の面倒で手が離せなくなり食事できそうになかったように
母の言葉から親を知り始めたひより。父が言葉に出さなかった大変さを拾い上げられたようだね
それは仲の良い親子へ繋がる一歩なんだろうな

こういった視点で考えると小春のアルバムの続きが「パパも私も」整理が苦手だから纏められていないというのもそういう意味なんだろうなぁ……
ここまではひよりサイドを深堀りするような話が多かったけど、これからは小春がどういう風に物事を捉えているかという点もそろそろ描かれるんだろうか?そんな事を小春の終盤の言葉を聞きながら思ってしまった



良い

第2話ではスタンドというルールを知る事が徐倫に求められたけど、今回はスタンドバトルにおけるルールを学ぶ形か
というか、承太郎の登場は意外に早かったね。折角の旧主人公登場回なのだからもっと勿体ぶるものかと

前回、刑務所やスタンドのルールが説明・理解が行われたけど、今回はそれの発展形が描かれているね
安易な金品の貸し借りはたかりの始まりになる。糸状のストーン・フリーは強度は低くても相手に気づかれない行動は得意等々……

承太郎はスタンドの戦い方やスタンドを使う人間の行動をよく理解している。だから「何にもするな」と要求する
でもスタンドバトルのルールを知らない人間が敵から狙われた状況でそんな行動不可能なわけで
面会で起きる「死ぬこと以上の不幸」、やっぱりそういう事なんだろうか……



とても良い

本作を見ていると、ただただ「巧い…」という言葉ばかりが頭に浮かぶ。演出、脚本、声優の演技、そして音楽。何もかもがハイレベルで制作されているように思える
やがて滅びる平家を描く物語。けれど、本作では確かに今を息づく人々の生き様を感じられるね

乗合事件を受けて重盛は過剰なまでの事後処理へ。これは次期棟梁とか中間管理職といった立ち位置よりも、重盛が人間性として持つ律儀さに振り回されているように見える
対して、清盛は権力者であると同時に面白さを優先する人間性を持つ。面白さを求める彼は予想が難しい言動に拠って周囲を振り回す

清盛は男性的な人間性に拠って物事を決めるから、盛子や徳子が女性である為に受け入れねばならない悲劇性を気にかけない
そして清盛最大の犠牲として今回描かれたのは白拍子の祇王だね。寵愛を受ければ上り調子、寵愛が外れれば駒として良いように使われる
そこに人間性はない

だからこそ、祇王は人間性を取り戻すために出家する必要があったのかも
自分は白拍子でなくなり、賑やかさも無い場所。けれど穏やかに暮らせるという
自分の都合などお構いなしに移り変わる人の心に世の姿。そこから隔絶された場所にこそ安らぎはあるのかもしれない

祇王の出家は重盛が言った「今この時は美しい」という考え方に通じるものが有るのかな
暗闇も未来もそれが見えてしまうから恐ろしい。でも、在るが儘の今であれば恐れるものは無い。重盛とびわにとって穏やかに見ることが出来る光景なのだろうね

それにしてもふとした仕草であったり登場人物の生活感の描き方はたいしたものだね
盛子の話をする時の徳子の手癖や横になる様子、普通の一家のように映る天皇家
俗世感に溢れたそれらの光景が丁寧に描かれるからこそ、権力者や時の運に翻弄される弱き者達の悲哀も際立って映る



普通

第1話であれだけ阿吽の呼吸を発揮できたのだから、ここに来て意思疎通できてる風で出来てない協力体制の不和が描かれるとは思わなかった
これはRGBが助けたい対象が第1話と比べて曖昧だった為なのだろうか?

第1話ではまりを助け列車を安全に止めるという共通目標が有った
けれど今回、竜巻から市民を避難させる点は一致しても、どの層をどう優先するのかという点がそれぞれの思想によりズレていた。息は合わせられても思想は話し合わなければ合わせられない

仕組みを正攻法で利用するコウキ、仕組みをアウトローに変えるラン。そしてシュウタは助け方が明確でないから必要以上の活躍は出来ず。だからRGBの足りない部分を大人である白樺が担うことに成り……

前回は二者択一から選ばなかった事で誰もが助かる未来を掴めた。しかし、今回は同様の手法を採った事で無用な犠牲が生じてしまった気がしてならない

そんな感傷的な気分になっていた処で妙ちきりんな存在が登場したんですけど……!



とても良い

前回は写真をSNSに上げた事でエマの運命が更に激変する話だったけど、今回の話は写真とは一瞬の光景を切り取ったものに過ぎないという点を感じさせたね
秘伝のレシピ、絶好の理由は写真からは探れない

夏と林貞の写真はどれも幸せそう。そこから不和の原因は見えてこない
夏と林貞の積み重ねられる一瞬を写した写真は一瞬でしか無い。ヒントは一瞬一瞬の間に存在する時間経過にこそ有ったんだろうね

店と共に変わっていく夏、それに付いていけない林貞
二人が居る場所は変わっていないのにどんどん遠くなる。そういった展開だったから、答えが遠い場所でありながら原点に有ったというのは驚きだし、それを夏が思い出す展開には感動してしまうね

答えを知った直後の「やっと見つけたわ」はレシピを指しているように思えた。けど、実際は別
夏は林貞が何を使っていたかを思い出して、一番幸せな記憶を見つけられたのだろうね。だから、受け止める林貞も「お帰り」と返す
いや、本当にいい話でしたよ……



良い

ガビの「悪魔なんて居なかった」という台詞がこの回の全てを象徴しているね
悪魔とは敵であり滅ぼさなければならない天敵。でも、ガビにとってパラディ島の住人が悪魔でなかったように、エレンも悪魔ではないかもしれない。だからジャン達は再びエレンと戦えるようになる

でも、悪魔という敵が居ないなら味方も居ないかもしれないわけで
脊髄液を飲んでしまった味方は立体機動を付けて一緒には戦えない。マーレにとってかつての仲間であるジークは今は誰にとっても驚異の存在
敵と味方の境界線がぐちゃぐちゃになってしまっている状況

信じられるものがあるとすれば、それこそ相手個人を見て決めなければならない
ナイルはファルコから彼の兄を信じた。ガビはカヤ達を見てきたからナイルを悪魔と決めつけなかった
またガビがファルコの腕章を引き千切ったのは、彼の巨人になる未来を否定し、彼の好意を未来に亘って見極めたいと思ったからかな?

そんな混沌とした状況でエレンに問い続けるライナー。彼は様々な形でエレンを見てきたというのに未だにエレンが判らない
これはミカサ達にも言えるね。アルミンの推測から行動を変えたけど、エレンの正体は判らないまま
全てはエレンの目的が達せられる時に全ての者に明かされるわけだ



とても良い

アイドルだけど戦う二面性を持つカルミナが登場した今回、ペコリーヌやキャルの二面性も強調されていたような
ペコリーヌは王女だけど、市井の人間であるように見せている。キャルは美食殿の一員だけど、スパイである自分に苦しんでいる

仲間に見せないもう一つの面。それを明かすのは大変な覚悟が必要になる。だからペコリーヌはユウキやキャルに出自を明かすタイミングを図っている
キャルはカイザーインサイトに美食殿の事情を話せなければ、美食殿にスパイの件も話せない二重苦の状態

キャルにツムギが見せたのも二面性かな
ノゾミ達には衣装担当としての姿を見せている。一方、夜のステージで一人練習。そうしてノゾミ達に並べられるようもう一つの面を鍛え、笑顔を届けられるようにしている
誰かの為の行動が笑顔に繋がれば…

ツムギ達カルミナの考え方はキャルを美食殿に戻すものになったね
ライブに参加できず後ろ暗い仕事に従事したキャル。でもそれは結果的にライブを守るものになった。紛れもなく誰かの為の行動

ペコリーヌの「お帰りなさい」に「只今」と返したキャル。相手の為の言葉が相手の笑顔に繋がる。そんな素晴らしいラストだったね



とても良い

傷つけられた兄や弱き人々の為に力を暴走させた禰豆子
それを「戦わせてごめん」と謝りながら止める炭治郎。そこにあるのは麗しき兄妹愛だね
そういったものが映されただけに、対比されるように描かれる堕姫と妓夫太郎の絆を単純に兄妹愛と捉えて良いか判らなくなる…

兄の声すら届かなくなった禰豆子。そんな彼女を止めたのは子守唄ですか
これは暴れる禰豆子を必死に押さえつけながら子守唄を歌った炭治郎の献身、そして禰豆子が大切に思う母の思い出が有ったからこそ
禰豆子を止めたのは兄弟の絆であり家族の絆

妓夫太郎は天元への私怨バリバリだし、堕姫を「おつむが弱い」なんて言っている
でも、妹の危機に起き上がり、「可愛い顔」なんて褒めてもいる。そこには兄として妹を大切に思う気持ちが感じられる
でも、この兄妹の目的は殺戮。炭治郎達と似た兄妹愛なのに目指す場所は全く違う

妹を大切にする兄がどれだけの力を出せるかは、これまでの炭治郎を通じて視聴者は既に知っている。だからこそ、堕姫を守る 為に妓夫太郎が出す力が天元を圧倒できる展開を納得できてしまう
これを止められるのは同じく妹の為に戦う炭治郎であるように思えてしまうが……



とても良い

「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり」で始まる有名な物語。あっという間に繁栄し、あっという間に零落した平家
その中に取り込まれた未来を見るびわ、亡者を見る重盛。尋常ならざる光景を見てしまう二人が尋常ならざる時代を生きる姿を描く物語になるのだろうか

重盛が素性の不確かなびわを引き取ったのは、自分と似た物を見ているからか
亡者が見える重盛は滅びを意識せざるを得ない。だから父や一門がどれほど栄えようと彼はその波に乗れない。
だからこそ、同じように滅びを予言したびわに心開き、そしてびわと一緒なら滅びを回避できると思うのか

でも、びわはまだ重盛に心開いていないから未来を教えはしない。そもそも父の仇なのだし
でも、暗闇に消える重盛に声を伸ばしたように、びわも同じ物を見る重盛に温もりを求めようとしているように思えてしまう
今は頑ななびわの認識。それが平家という人間達に囲まれる中でどう変わっていくのだろうか?



良い

五条新菜15歳の受難。傍から見る分には羨ましいの言葉しか出ない状況
でも、海夢はコスプレの為に真剣。新菜もそれに応えなければならないのだけど、だからといってあまりの刺激から無心にもなれないというジレンマ
いや、本当に羨ましい状況なんですけどね

海夢が語る作品愛を全く理解できなかったように、新菜は作品の良さもまだ判らない。それでも海夢に協力したのは彼女の『好き』に応えたいと思ったから
新菜は職人タイプだから、作業に打ち込めればスムーズに行くのだろうけど、それにしたって相手が難敵過ぎたね(笑)

一度は集中できたものの、間断なく襲い来る刺激にはたじたじになってしまう哀れな新菜
一方で海夢が赤面しつつ過剰反応しなかったのは、彼女も彼女で新菜の真剣さに応えようとしていたからなんだろうなぁ

その真剣さが新菜の家族問題に発展しそうなのはオチとして最高だったね(笑)



良い

ひよりと家は共有できてもクラスは共有できなかった小春の前に現れたのは恋。彼女はひよりと時間を共有してきた人間となるわけだね
恋はひよりを昔から知っているからひよりの性格も把握している。でも、そんな彼女でも踏み込めなかったのが家庭の事情となるわけか……

一方、ひよりが小春を付き合わせた店や灯台は趣味や記憶が詰まった場所。どちらにも自分や父の時間が詰まっている事を考えると小春が知らない自分を教えようとしているかのよう
家を共有する事になったひよりと小春だけど、小春はまだまだひよりについて知らない事ばかり。それをこうやって少しずつ知り合っていくのかと思うと、いつか感慨深い描写に思える日が来るのかもしれない

後半は皆で早速管釣り。でも恋は釣りしないのね
恋はひよりと時間を共有してきた。でも、そんな彼女も知らないのは小春と出会ってからのひより。人見知りの筈なのに、積極的に小春の世話を焼くひよりの姿を恋は知らない
共有できてない部分を見てしまえば、過去の共有できなかった部分も思い出してしまう

踏み込めなかった家の話。それを悔いていた恋の認識を変えたのはひよりと家を共有している小春の言葉
資格の有無ではなく笑顔になれるかを重視する小春。そんな小春に影響されて恋は小春にちょっと踏み込んだツッコミ。小春と恋は早くも何かを共有できたかのよう
また、ひよりにも少し踏み込んだ恋は更にひよりと仲良くなれそうだったね



とても良い

初戦闘回。敵となったグェスはかなりやばいタイプだね、動物の死骸に他者を閉じ込めるなんて
これは小規模な意味での拘束。この刑務所と同じように徐倫を閉じ込める存在であり、徐倫はグェスからの脱出が刑務所脱出の手始めとなるわけだね

冒頭で所長が語る刑務所の規則。虜囚を閉じ込める場所にはルールが有る。同様にグェスの拘束にもルールが存在する
小鳥の中に入っていた看守はルールを守れなかったから殺された
徐倫はグェスの課すルールを守りつつ、その拘束からの脱出を狙わなければならない。指示に従って調査も行わなければならない

でも、グェスはエネルギーに関するルールの全てを知っているわけではない。だから徐倫は相手の知らないルールを使って拘束から逃れ、更には相手の知らないルール、ストーン・フリーの力に拠って逆襲できた
そして新たなルールをグェスに課す事で危機すら脱出できたわけだ

ラストは空条承太郎を思わせる台詞と共にオラオララッシュ!これぞジョジョシリーズの主人公と言わんばかりの姿だね

それにしても、鼠の死骸を被って走り回る徐倫の姿は可哀想なんだけど、一方でコスプレじみていてちょっと可愛らしいね(笑)



普通

激動の初回から続く第2話は静の話ですか
スピードダウンにも感じるけど、この話で描かれているのは、物語の中心となるRGBが何に拠って支えられているのかという点だね
アスミとまりは別々の遣り方によってRGBの原動力となっている

アスミの役割は判りやすい。RGBの良い所を見出し未来へ向かって背中を押している。時にはRGBだけでなく校舎保全にも貢献している
対してまりはその背を見続けているタイプか。火災事件の際にも「私が行く」との言葉は遮られ、アスミを追うことも出来ない
まりにアスミと同じ行動は出来ない

でも、だからって誰の役にも立ってないという事ではないんだよね
対タカラモールのグルフェスでは頼みの綱とされてるし、RGBが寄り合う理由や場所になっている。
まりはアスミに敵わないし、追いつけないかもしれない。それでもRGBの大切な居場所となっている点が見えてくる回だったね



とても良い

冒険心に仲間を思う気持ちにコメディに美食探求等の要素が小気味よくミックスされた初回だったね
先輩冒険者との出会いで異なる色を持つドタバタ冒険劇。目的の物を手に入れるより、仲間との冒険が何より尊いのだと伝わってくるね

キャルが美味しい食事に辿り着くまでの工程も素晴らしい
冒頭では苦手な野菜を残していた。冒険中には魔物肉なんて食わされてしまう。おまけに幻の調味料は手に入らず
踏んだり蹴ったりの冒険。だからこそ家に帰った後の食事が美味しいと思えたのだろうね



Loading...