第11話では情けない姿を晒し続け、第12話では眠っている時だけは強いと判明した善逸。続く第13話では炭治郎の大切なものを守るために体を張る描写が
第一印象が最悪だった善逸の評価が回が進むごとに良くなっていくね
これはいわば視聴者が善逸の行動の様々を見て、正当に評価したということになるのかな?
相手を評価するのは炭治郎も響凱に対して行っている。
炭治郎は戦いの中で敢えて響凱の名前を尋ねる。それは相手を正しく知ろうとする第一歩
響凱は過去、書き物をゴミと表現された事がある。それどころか、書き物のついでに人間性まで否定された。それは相手をよく知ろうとしない言葉だ。留めに響凱を否定した男は紙を踏みにじった。それは響凱の尊厳を傷つけれると同義
また、鬼舞辻無惨からは十二鬼月の資格を剥奪されている。
響凱は全く評価されていなかった
炭治郎は戦いの中で何度も響凱の血鬼術によって体を痛めつけられるし、爪の驚異に晒される。それは攻撃で有るけれど、相手の特徴や魅力を味わうようなものでもある
部屋に響凱の書き物がばらまかれた際、炭治郎は紙を踏まなかった。ただし、炭治郎はその書き物が何であるか知らない。評価できないから炭治郎はその紙を踏むべきとも飾るべきとも思わない。避けるだけ。
響凱の鼓に散々苦しめられた炭治郎はそれでいて倒す直前には「響凱!君の血鬼術は凄かった!」と告げる。響凱の技を何から何まで味わった炭治郎は律儀に告げる
それは響凱そのものを讃えるのではなく、人を殺したことは許さないとも告げる。それは響凱の在り方を正当に評価しての言葉だと伝わる
だから、響凱も最期には自分を正当に評価してくれたと涙を流して喜ぶ
善逸は鬼が入っていると判っている箱を体を張って守る
善逸は炭治郎から泣きたくなるような優しい音を聞き取った。それは善逸が炭治郎の音を聞いて正当に評価したということでもある。そして善逸は優しい人を信じるのではなく、信じたい人を信じる人間
善逸にとって炭治郎は信頼に値する人間だ。なら、炭治郎が鬼の入った箱を命より大切だと言うなら善逸も命を懸けて守る。ただ、聞かなかったことにするのではなく、守りきったら自分の耳で炭治郎に事情を聞くつもりで居る
それは善逸の矜持とも言えるものだね
初登場時は情けなかった善逸が何かを守る時には強い人間になれると判る回だった
まさか冒頭でパジャマ勉強会の様子が描かれるとは思わなかった。原作の時系列では真冬宅初訪問回の後だったから、アニメではスルーされたのかと思っていたよ
あのエピソードって貴重な女性陣のみの会話劇で有り、原作では好きな人トークなども行われたのだけど、アニメではそちらは削り各ヒロインに成幸の尽力を感じさせる形に
また、夏祭りの場面では多少駆け足気味でも全ヒロインと成幸の絡みが描かれる。
第1期最終回に相応しい、双方がこれまでに手に入れた絆を再確認する内容に
そういった意味ではBパートの内容は真打登場と言うか何と言うか
これまでは理珠やうるかを応援する立場として、成幸に女心を指導する立場として他のヒロインとはちょっと違ったポジションに居た文乃。本人はそういう自覚で成幸と接しているから、兄妹と偽れば一緒の宿泊も同衾も平気だと思っている
でも、一皮むけばその内面は普通の女の子であるわけで。「唯我文乃」という名前に思わせ振りな反応をしてしまったり、背中の成幸の体温に過剰反応してしまったり。
同様に成幸もパニクっている
そんな二人を救ったのが星の光である流れは良いね
星といえば、文乃が苦手な理系に進む切っ掛けであるわけで。星についてのあれこれを語る文乃は現状を忘れてとても楽しそうに見える。そんな文乃を見れば成幸も飲み込まれて現状を忘れると共に、自分が持っていないものを文乃は持っているのだと気付かされる。これまで文乃達に勉強を教える立場でしかなかった成幸が本格的に自分が何をしたいのか考え始める展開。
成幸の師匠として、仮初の姉として、成幸にしたいことがあれば応援すると言った文乃。これは新しい境地に踏み込み始めた成幸を見守る先達としての優しさだね
ただ、この後の二人の寝姿は師弟でも姉弟でもなく、普通に恋人か夫婦のように見えたけれどねぇ…
最後の最後にメインヒロインの風格を出してきた文乃にびっくりというかこの構成にしたスタッフにびっくりというか
第2期はもう少し理珠の出番を増やしてもいいと思うんだ。でないと本当に文乃や真冬が他のヒロインを食ってしまうよ?
由希の本心を綾女に聞かせるために服の中に蛇(綾女)を入れられる透って天使か何かなの?普通、服の中に蛇が入ったら嫌なものじゃないの?
透の包容力が大きすぎて毎回驚かされるね
いや、今回は別の方面での包容力の大きさを見せた綾女にも驚かされたけど。「ぼくに欲情すればいい!」って……
遂に年上組三人衆が揃い踏み。超マイペースな紫呉と綾女を相手にしていたはとりの心労が察せられる
でも、紫呉も綾女もどこかはとりを頼っているような印象を受けるし、はとりははとりで二人の賑やかさをどこか好ましく思っているようにも思える
端から見える分以上に三人はバランスが取れた組み合わせなのだろうな
一方であの草摩家の十二支でありながらバランスの取れた関係性を三人で築けたが故に弟を蔑ろにしてしまった面もあったのだろうか?
それが兄弟間の不和というか疎遠に繋がってしまう。でも、ずっとそのままという訳ではなくて、大人になれば見えてくるものが変わるから蔑ろにしてしまった弟を気遣う心も生まれてくる
今回、綾女が由希の様子を見に来たのは兄として振る舞う機会だと思った点も有ったのだろうけど、同時に由希の手を振り払ってしまったことをずっと心の隅で気にしていたからなのかもしれないね
でも、この綾女の発言をそのまま認めてしまったら、今の綾女は一人の大人として懺悔の気持ちで由希と向き合っていることになってしまう。だから、ここで透が大人になったからこそ見えたものについて理解を示しつつも、子供の頃に見えていたものを忘れてはいけないと母親の受け売りを明かす流れは良いなぁ。
透のそういう言葉があったからこそ、綾女も「お兄さんの顔」が出来たのだろうしね
対する由希は綾女の破天荒なノリに反発しているけど、一応綾女が自分との距離をなんとか詰めようとしているって言う点は気付いているんだろうな。でも、何年間も疎遠だったからどういう風に距離を詰めたら良いか判らない。そこで更に綾女が素っ頓狂な発言をしてしまうから由希も余計に反発してしまう
今回、距離を縮めることは出来なかったけど「素直に好意を示すことが出来るのは凄い」と綾女の良い部分を認めることが出来た。
そんな兄を倣うように由希は心配してくれた潑春に感謝の言葉を。ここから少しずつ由希は綾女と兄弟の絆を培っていくのだろうね
前回が見えないものを感じ取る内容であるならば、今回は見えるものを疑う必要性に駆られる展開
リヴォルヴァーが突如壊れたことについて、ミスタは必要以上に気にしなければなくなる。ボスに因るものか、金属疲労か。どちらの理由によるものかで対応が全く変わってくる
また、レクイエムの能力は魂を入れ替えることかと思いきや、能力には先があり別の生き物に変えるという見えるもの全てを変質させてしまう能力。更にピンチの度合いが上がってしまい、恐怖によって正しい判断が難しくなり、余計なものまで疑ってしまう状況
そんな局面でジョルノが示したのはディアボロが自分達の中に潜んでいるのではないかという仮説。壊れたリヴォルヴァーを現状を疑う証拠として提示し、更に確かめる為には相手に近づき触れる必要があると説く
見た目が入れ替わっている状態でもブチャラティ達は言動から中身が信頼できる仲間であると確信していた。しかし、ジョルノは信頼が有っても尚疑おうとする。そうなれば、ミスタもジョルノの中にディアボロが居るのではないかとジョルノを疑い返す
ラスボスが近くにいる状況で眼の前の味方を疑うなんて嫌な状況である
そういった意味ではディアボロが出現した際、ミスタから現れたように見せたのも仲間を疑っていたジョルノ達の視線を誘導するためであり、ジョルノ達は一度見えるものを疑わないと本当は誰から出現したのか察知できない。対応が遅れる
レクイエムを倒す為には見えるものを攻撃するだけでは駄目。レクイエムは視認した人物の影のような存在であり、眼の前の光景を疑い自身の背後にこそレクイエムの核が存在すると認識した時ようやく撃破できる
矢を拾おうとした際のミスタの銃撃をディアボロは予知した上で回避した。これは既に見えている光景に対応したもの。しかし、ディアボロは敵が見える範囲以外に居ることを思い出さなければいけなかった。見える光景を疑わなければいけなかった。だからトリッシュの足掻きによって矢を取り逃してしまう
ただ、これで終わらないのがラスボスの所以。時を飛ばす能力を持つディアボロはトリッシュを始末する、矢に追いつくという2つの行動を同時にこなしたことで矢に近づいてしまう。
このままでは希望の象徴である矢を先に手にするのはディアボロになるように見えるが、何かこの光景を疑える要素が有ったりするのかな?
囲まれた状況から自分の力だけで逆転するなんて完全に予想外だった。正直ガロウの強さを侮っていたよ
ただ、その圧倒的な強さが守ろうとした子供から恐怖されてしまうのは悲しいところ。ガロウがヒーローであれば感謝されたかも知れないが、怪人の道を選んだなら仕方のない事態
内容自体は原作6・7巻の構成を変えて尺を縮めつつも丁寧に描いている。あらすじや設定の説明はないが、一度作品に没入してしまえば問題ない程。
……それでも時間移動の仕組みについての話は判りにくかったけど。あれは原作でも難しかったからなぁ…
翔子は事あるごとに咲太を支え力の源となってきた人物。だから今の咲太があるのは翔子のお陰である部分が大きい。咲太は翔子から与えられた想いを胸に生きている。だから、目の前にかつての自分と同じように上手く進めなくなった小さな翔子が居れば、与えられた力を分け与えてやろうと大きな翔子から貰った言葉を投げかける。
小さな翔子に与えられた力が大きな翔子へ繋がっていき、やがて咲太に戻ってくる。与える関係がループしている。
中学時代に翔子に救われた咲太は翔子を追って峰ヶ原へやってきて、その中で何人も助けた。そこで培われた力を持って小さな翔子のために奔走するが、その行為が翔子へ心臓が受け継がれるきっかけとなってしまう。だからこそ翔子は過去に戻り、咲太を助けようとする。でもそれは咲太が翔子を追う始まりとなってしまう。
これはどうしようもないループ構造でそれを途切れさせる、または別の道を選べるようにするには翔子が作中でしたように誰か一人が救われることを諦めなくてはいけない。
それは簡単な決意ではなくて、だから咲太は何度も迷い何度も覚悟しなければならなかった。最初は翔子の為に犠牲になるつもりでも、麻衣の涙を見れば麻衣のために生きたくなる。それでもICUで眠る翔子を見ればその決意が揺らいでしまう。更に翔子が自分を犠牲にする為に咲太を誘導していたと知れば走り出してしまう
その中途半端さの結果として咲太は麻衣を失ってしまう。でもこれは責められることじゃない。他人を生かすために自分の命を犠牲にするか、自分が生きるために他人を犠牲にするかなんて簡単に決断できることじゃない。そういった迷いが有るはずなのに、咲太を生かす為に自分を犠牲にする道を選べてしまった麻衣と翔子はとても強い心を持っているのかも知れないね
一度麻衣を犠牲にし、街を彷徨い歩いた経験は咲太に麻衣の大切さを刻みつける。そこまで経験して咲太は麻衣だけを大切にし、翔子を救わない決断がようやく出来る。その決断はループ構造を抜け出すもの
また、未来の咲太に会った麻衣は変わらず自分が犠牲になる道を選ぼうとしたが、咲太の懇願によってそれを止める。その時に麻衣が発するのは「二人で幸せになる」という言葉。これも与える関係のループ構造を打破するものになる
麻衣だけを幸せにすると咲太が決め、自分と咲太の二人で幸せになるのだと麻衣が決め、二人が幸せになれるように翔子が奔走して。そこまでしなければループ構造が終わらない展開は遣る瀬無いね。
ただ、強い心を手に入れた小さな翔子からすればそれじゃまだ足りなくて。翔子を失う咲太の哀しみを癒やす為に一人過去に戻ってやり直す決意を決めた翔子は本当に凄いとしか言いようがない。
その果てに辿り着いた世界は翔子の手術が成功した上で、咲太達の関係も崩れないまるでお伽噺のような世界。でもこれって翔子の尽力だけでなく、翔子と関わった「現在」の記憶を皆が持っていたことで辿り着けた世界でも有るんだろうな。
翔子と咲太の心臓の真相、それを知ったことに因るそれぞれの葛藤、理不尽な喪失。それらを乗り越えてラストの海岸線での翔子と咲太の遣り取りが見れた事で大満足だと言える内容だった
前回の話で奪い奪われる関係になった百鬼丸と多宝丸が描かれた
今回もそれは継続する。多宝丸は人の目で醍醐の国が奪われる悲しさを見つつ、妖の目で百鬼丸の恐ろしさを見る。百鬼丸も鬼神の心でここにあるのは自分の物だと言いつつ、人の心で多宝丸に何故足りないと問う
交わらない二人の二つずつの道。けれど、その中で百鬼丸は醍醐から全てを奪われた自分と同じく、多宝丸も自分から母や国を奪われた人間なのだと気付く
多宝丸が自分と同じ奪われた人間であるならば価値観は相反しない。奪い奪われる関係にはならない。だから戦いは中断される
ここから描かれるのは関係が改められた後の全く別の道
床下から鬼神が現れ、醍醐の国に鬼神が蔓延っていたと判る。この鬼神を倒すことで、百鬼丸は醍醐から奪う者ではなく醍醐を救う者に変わる
かつて百鬼丸を救えないと嘆いた縫の方。今回は救う救わない関係なく「ただ抱いていれば良かった」と気付く。それはとても母親らしい温かさ
生きながら死んでいた樹海。彼は百鬼丸から「おっかちゃん」と呼ばれることで生を取り戻した。今回はおっかちゃんとして振る舞うことで百鬼丸の中に生きる言葉を与える。そして、彼は生きた者としてようやく正しい死を迎えられる
無茶をして母の愛を求め、兄を捨て、二人の従者を失い、城を燃やした多宝丸。ここまで失ってようやく彼は母を独り占め出来た。その際には勿論、妖の目が付いていた面は見えない
どろろは火袋が貯めた金を使う決心を固める。しかし、それは火袋の大望とは関係なく、侍に奪われる事のない自分達の国を作るため
鬼神との約定が果たされず多くの命と家族を失った景光。彼はここに来ても更に鬼神の力を頼る。しかし、百鬼丸は景光の死を許さなかった。景光は別の道を選ばざるを得なくなる。別の道を進むしか無いからようやく自分の子供を犠牲にした行いが間違っていたのかもしれないと、嘆くことが出来る
鬼神の道に進まなかった百鬼丸。人として生きると決めたが、生まれたばかりでも有る。
なら、人としてどのような道を選ぶのか、これから決めなければならない。それは一つの巣立ちであり、いつまでも母親代わりのどろろの加護を受ける訳にはいかない。自分一人の力で道を歩き直さなければならない
二人の道が再び交わるシーンを見たかった気もするけど、これはこれで良い終わり方。本当に良い作品でした
エレン・クルーガーによって語られる真実、そしてクルーガーからグリシャに受け継がれる進撃の意志
……の間でつい見られてしまった「そういう時期」の構図がギャップが有り過ぎて(笑)
成幸とうるか、同じ話題で文乃に相談する構図がちょっと面白い。文乃の胃痛の種が更に増えていく(笑)
成幸とうるかの間柄なら気不味い空気もそのうち解消されるんじゃないかと思うのだけど、二人は文乃を介す形で何時も通りの関係へ
最後は文乃の誤爆によって成幸が髪型を褒める展開。何度も「もう一回言って」と催促するうるかが可愛らしい
でも、それに当てられて自分までついポニーテールにしてしまう文乃も可愛い
Bパートではうるかの水泳大会の様子が描かれるのだけど……。高校3年生最後の大会が失格によって終わってしまうなんて遣る瀬無い……
それでもうるかは後輩が次に進めるように笑顔を作って。
そんなうるかの強さの秘密は中学時代の成幸との会話に有ったようで。
勝負に負けた時の悔しさはそのスポーツに向ける本気度の現れでも有るんだろうね。負けた悔しさでそれに気付けていなかったうるかに気付かせた成幸は、それこそうるかの水泳を頑張り続ける原動力となったのだろうね
その力が恋愛にも向けばうるかはあっという間に成幸と恋仲になれそうな気がするんだけど……
結局、うるかの目的って現状維持の部分が大きすぎるからこれ以上進まないんだろうな
告白練習という場の勢いで遂に想いを告げてしまったうるか。でも教師モードに入っていた成幸には気付かれず。本当にうるかって報われない…
そういや、成幸の家庭事情の話カットされてたな。あれはあれで成幸の人間性が見えてくる好きなエピソードだったんだけど
炭治郎の激痛を「長男だから我慢できた」って考え方は炭治郎らしくてとても素敵
そういった心構えがあるからてる子などの小さな子供を前にしても頼り甲斐あるお兄さんの顔を保てているのだろうね
炭治郎、善逸、伊之助。三人の鬼殺隊士が揃い、その戦い方が描かれたけど、本当に三者三様。戦い方に違いが出るのは三人の雑念の捨て方、信念の抱え方に違いが有るからかな?
炭治郎は実は猛烈な痛みの中で飛び回っていたことが判明する。痛みはある意味、雑念に当たる。それを抱えたままじゃ鬼とまともに戦えない。だから炭治郎は雑念を捨てるために、水の呼吸はどんな敵とも戦えると自身を持ち直し、更には自身を鼓舞することで雑念を捨てた。鼓舞する時に自分を表現した言葉こそ炭治郎の信念なんだろうね
善逸はとことん情けない。自分より年下で守る対象のはずの正一にも泣いて縋り付く。鬼が現れれば逃げてしまう。自分の弱さに負け泣き叫ぶ善逸は雑念の塊だ。雑念を捨てるには一度意識を切らなければならない
眠り、無我の境地に入った善逸は地獄の鍛錬で身についた奥義を繰り出す。ただ、それは自動発動なのではなく直前の正一を守らなければという信念がなければ成立しないもの
伊之助は猪突猛進とまっすぐ強い敵目指して進む。けど、響凱を前にしても炭治郎が強いと判ればそっちへ向かってしまう。伊之助は雑念と信念が一緒くたになってしまっている。ただ、その御蔭であの屋敷に3日も閉じ込められても戦意を失わないでいられる
雑念を捨てる必要はないが、かといって信念があやふやになってしまう本末転倒感
そして炭治郎に対するのは雑念だらけの響凱。鬼は人を喰うのが生き様なのに、彼は十二鬼月に戻るために人を喰おうとする。だから鬼殺隊士も敵ではなく、邪魔者としか思えない
雑念だらけの響凱と雑念を捨てた炭治郎。もはやどっちが勝つかは明白だね
そりゃあね、ナランチャがフラグバリバリな発言をした段階で何となく察しましたよ。それにしたってああまであっさり死んでしまうなんて……
見えないけれど、そこに感じられるものばかりな内容
考えてみれば、前回・今回とジョルノ達の見た目は入れ替わっていて戻ってきたブチャラティもディアボロの見た目をしている。でも、それで会話が通じなくなってしまうことはなく、遣り取りは問題なく進んでいく。
心は見えないけれど、互いの正体を感じ取っている
そして衝撃的展開を生み出したディアボロ。ディアボロの身体やドッピオは登場してもディアボロの魂を持った人物が登場することはない。トリッシュも感じ取れないまま
しかし、キング・クリムゾンの発動、ナランチャの死。それによってディアボロが登場せずとも彼の恐ろしさを存分に感じ取れる内容になっている
ジョルノはスタンド能力でナランチャを蘇生させようとする。しかし、蘇生は出来ずそれどころかジョルノの魂がジョルノの身体に戻ってしまう。魂なんて見えないものをこのようにして感じ取ってしまう
また、視聴者はナランチャのスタンドが空を飛びフーゴの近くを通りアバッキオが死んだ場所に浮く雲まで行く場面を見て、ナランチャがフーゴに末期の挨拶をした上でアバッキオのいる死後の世界へ行ったのだと察せられる。
ポルナレフはディアボロのスタンド発動が見えなかった事でディアボロが二重人格であると看破する。同時にディアボロの魂が全く別の人物に乗り移ったことも推測する
見えないことで新事実が判明していく展開は熱い
ミスタは銃弾が4つになってしまい不吉だと怯えるシーンが有ったけど、今のブチャラティチームって4人しか居ないんだよね……。
これがミスタにとって悲惨な事態を呼び込む切っ掛けになったりするんだろうか…
相手に相応しいイメージを考える面々
紅葉と潑春が入学してきて賑やかな日々が増えるのかなと思っていたら、初っ端からインパクトの強い格好してますね。潑春は入学初日から開襟、紅葉は女子用制服に短パン。
それを生徒会長は常識的イメージに相応しくないと注意し、更には潑春の髪の毛にも口を出す。
けれど、他人からイメージを押し付けられるなんて苦痛なもの。会長が由希の女装姿を想像した時には由希はかなり嫌そうな表情に
潑春が言うように紅葉はあの格好の方が「らしい」し、潑春だってブラック潑春が降臨すれば開襟スタイルが非常に様になって見える
二人の格好は破天荒だけど、二人のイメージに沿ったものになっているね
遂に邂逅した透と慊人。会ってすぐは、透はその物腰から慊人を若く綺麗な人で、はとりに酷い事をしたと知っていても柔らかいイメージを感じ取る。初めて対面した草摩の当主がどのような人物かイメージを膨らませようとする
しかし、慊人のイメージではなく実際を知っている由希にとって慊人は怖い存在。恐怖しつつも透から遠ざけようとする。
それを見て透も慊人のイメージをただならぬ方、怖い人だとイメージを改める
そんな慊人を恐れる由希は幼少の頃、慊人から自分の在り方を固定化させるような言葉をぶつけられていた。そのイメージを押し付ける行動は由希にとって今でも苦しみとなって残っているのだろうね
そこで透の対応がとても良かった。由希をバドミントンに誘う。そのバドミントンはルールがあやふやでどういう遊びが想像が出来ない。イメージが固まらない。でもそれが楽しい
由希にとっては良い気分転換になっただろうね
慊人は透と会った際、お世辞のような言葉と共に「可愛い」と二度も口にする。けど、後に慊人は透を「ブス」と表現する。つまり「可愛い」は全く褒め言葉としての意味を持たないわけだね。恐ろしい……
力よりも技の方が強いと訴えてくるような内容に感じられた
格ゲーにおいてサイタマはひたすら弱キックの連続と、力で攻撃することこそ正義と言わんばかりにと普段の戦いぶりを裏切らない操作法。対してキングは指一本ながらもコンボ攻撃で綺麗にサイタマを倒す
これってサイタマが武術大会に参加する理由となった技を知る道に繋がる気がするんだけど、果たしてサイタマは気付くのだろうか?
怪人協会は圧倒的な力を持ちながら、人質を取りヒーロー協会の逃げ道を塞いでしまう。もっと言ってしまえばメッセージの伝え方もただ伝言するだけでなく、一度はヒーロー協会を騙し恐怖を植え付けた上でメッセージを伝えてきた。
結局メッセンジャーはクロビカリの力によって倒されるが、メッセンジャーが伝えた恐怖は協会から抜けることはない
ジェノスは新しいボディを貰ったことで今度こそ負けないと誓う。誰にも負けないサイタマに憧れている彼は負けないことこそ力であると考える。
それに対してクセーノ博士は負けても良い、生きてさえ居ればとジェノスに訴える。勝ち負けよりも生きて次に繋げることこそ重要という考え方。
ガロウはファングから学んだ技を使って戦うが、その戦い方は相手と正面切っての一対一の正攻法な戦い方が多い。そんな彼はある意味力の信奉者と見ることも出来るのかな
そんなガロウに対してデスガトリング率いるヒーロー達は人数と包囲網を利用して、ガロウを追い詰めようとする。その戦法は技に満ちているね
単純な力に勝る技がガロウを倒そうとしている今回。となると、そんな技を上回るのはやはりあの少年が鍵となるのだろうな…
琵琶丸は力を求めて行き着く先は修羅鬼神、かといって力を持たず争わずでは仏や情けの道。どちらにしても人では無くなると言う
また、百鬼丸と多宝丸は奪う側か奪われる側かを争う。二人も争う内に人では無くなりつつある
多宝丸達が持つ目や腕は自分の物だ、なのに何故取り返す邪魔をすると叫ぶ百鬼丸。対して百鬼丸が体を得ることで醍醐の平和が奪われると刃を向ける多宝丸
百鬼丸からすれば醍醐は奪った者であり、自分は奪われた側。多宝丸からすれば百鬼丸は奪う者であり、自分は奪われそうな側。
互いに相手が持っている物を自分の物だと思うから、相手から取り戻すまで戦いを止められない。極端に振り切ってしまった二人はもう自分を止められない。
百鬼丸達は相反する関係としてこの構図が当て嵌まるけど、奪い奪われると言うなら武士と百姓にも当て嵌まる。
武士はいつも理不尽に奪い、百姓はいつも奪われる側だった。
ただ、今回どろろと縫の方が別の価値観を提示したのは印象的。
どろろは百姓も力を付けるべきだと訴えながらも、同時に力よりも心持ちだと訴える。縫の方は子を失うか国を失いという場面で母親として多宝丸と百鬼丸のもとへ向かうと宣言する。二人は奪い奪われる関係から脱却しようとまず行動する
以前から多宝丸は甘い部分があり、国を守るか陸奥と兵庫を守るか優先順位を決められていない場面が多々有った。その甘さが今回の喪失に繋がってしまう
二人よりも国を優先すべきであれば前回の戦いの時点で二人を庇うより百鬼丸退治を優先すべきだったし、二人を守りたいなら百鬼丸の腕を二人に移植するべきではなかった
多宝丸は奪う側に徹しようとするが、その行動は奪う側に徹しきれていない。だからどっちつかずの多宝丸は二人を失ってしまう。
最後に取った二人の手は百鬼丸の手になってしまったのはなんて皮肉なんだろうね
この戦いで多宝丸が失ったものはあまりに多すぎる
また、今回の戦いで百鬼丸は腕を取り戻すが、どろろはまだ戻ってこないし、多くの命を奪いすぎてしまった。その行動は彼を人から遠ざける。それは樹海もどろろも琵琶丸も懸念していたこと。遂に百鬼丸は「人とは何だ」と自問せざるを得なくなる
取り戻した側である筈の百鬼丸もこの戦いで多くのものを失ってしまう
どろろと縫の方が多宝丸と百鬼丸を止めるためにどの様な行動を取るのか、最終回が楽しみで仕方ない
物語の背景に隠されていた様々な真実が明らかになる回。原作を知っていてもダイナが「どんな姿になっても貴方を探し出すからと」と遺言を残してからあの因縁の有りすぎる巨人の姿になるシーンは鳥肌モノ
他には宗教を描いているわけでもないのに、信仰の負の側面を見せられた気になってしまう。
グリシャの父はマーレ国の中で生き残るために自虐史観を必死になって息子に教えようとする。妹が死んでもそれを続ける父に反発したグリシャは父とは全く違う道を選ぶが、その先で己の息子に逆でありながら全く同じ行為をしてしまう
グリシャの父もグリシャ自身も自分が正しいと思う思想を息子に押し付けてしまう。
また、隠された歴史を前にしたグリシャの行いは酷いね。まともに読めない古文書を「始祖ユミルを信じているから」なんて理由で自分の信仰に都合のいい真実が書かれていると思い込んでしまう
自分に都合のいい信仰を抱き続けた彼らの末路は悲惨。グリシャの父は家庭を崩壊させ、グリシャは息子に裏切られる。また、エルディア人が苦しむのを楽しんで、それを教育だと信じていた曹長はフクロウによって落とされ巨人に喰われてしまう
様々な愚かさを伴いながら、フクロウが持つ巨人の力がグリシャに受け継がれ、それが更にエレンに受け継がれていく。そしてエレンは死に急ぎ野郎と呼ばれながらも遂にグリシャが隠した真実を知ったわけで。何とも因果ばかりな話である
あのポンコツ先生は本当にあざとい……。今回だけでメイド服に高校時代の制服を披露しますか……。流石は人気投票第1位だ
成幸のメイド喫茶入店を止めようとした真冬がメイド喫茶で働くことになってしまう。普段の教師から立場が大きく変わってしまう。とんでもない逆転現象
基本中の基本という掃除を始めようとした途端にやらかす真冬。フォローに入った筈の立場でありながら成幸にフォローされる立場に
立場が逆転すれば見えてくるものが変わり、認識も逆転する。成幸のメイド喫茶入店に反対していた真冬は自分が成幸に庇われる立場を通して成幸の魅力を少し理解する。同時にあすみが変わらず医者の道を志していることも知る。だから成幸がメイド喫茶で勉強を教えることを限定的に許容する。
……アルコールによって氷の女王から褒め上戸に変わってしまう真冬は面倒な変わり具合だったけど
Bパートも引き続き真冬の立場が変わる話
服がないからと高校の制服を来てしまった真冬。そうすれば大人の見た目と着ている物が反発してしまう。
そして発生する職質のピンチを助けるのは成幸。その後も真冬が無事に帰れるようにフォローし続けるわけで。ここでもやはり成幸に庇われる立場になってしまう
立場が変わった中で真冬が体験するのが擬似的な高校時代の青春風景であるのは良い展開だね。学校帰りにアイスを食べるなんてあの時代しか出来ない経験だからなぁ……
ただ、真冬にとって災難だったのはそれで終わらなかったこと。文乃達を避けるために恋人のフリをすることになって……
見た目上は何の動揺もしていなかったけど、自宅の前まで来たら気が緩んだのか自分達が恋人に見えていたかどうかが気になってしまう真冬。生徒と教師の恋愛なんて本人は許さないだろうけど、立場が変わり擬似的でも学生同士であるならば恋愛は許されるわけで
視聴者としてはこの時の真冬の胸中が気になってしまうね
醜態を晒し続ける善逸に対して向けた炭治郎の顔が……(笑)
普段温厚な炭治郎があの様な表情を向けるって相当な事態だからね?
本来命を懸けて鬼と戦うのが鬼殺隊の使命なのに、善逸はそれに従わない。自分はあまりに弱いから次の仕事で死ぬと思っている。だから最後の思い出にと無理やり結婚を申し込もうとする。鬼殺隊でありながら救うべき一般人に迷惑をかけてしまうなんて、本末転倒な在り方をしているね。
他にも鬼の住処を前にしても中に入ってもぎゃーぎゃー喚き続け善逸。本当に情けない姿である
あの姿からは彼が役に立つ人物だとは到底思えない。しかし、鍛錬や最終選別を生き残った実力はあるわけで……
今回は善逸のように一見役に立たないように見えるがちゃんと役立て方が存在する者がちらほら
雀は善逸の所業に困っていたが、言葉が通じないために彼を諌めることが出来ない。雀は相方でありながら善逸のストッパーになれない。というか、あれじゃ烏のように次の仕事も教えられないんじゃなかろうか……
でも、雀にも役立つ場面が在る。その愛らしさによって恐怖に震え口が訊けなくなった兄妹の緊張を和らげる事ができた
炭治郎は兄妹のために禰豆子が入った箱を残す。しかし、兄妹からすれば変な音がする箱なんて安心する役には立たない
中に入っている禰豆子はとても強いんだけどね。まだ日中だからね。仕方ないね
そして全員揃ったと思ったら鬼の能力で分断。想定していた連携は役に立たなくなってしまう。
場所の移動、回転する部屋、鬼に猪男。常識も鬼殺隊士としての力も役に立ちそうにない状況
ただ、自分が持つ力が役に立たなくても人と協力して力を分け合えば、その力が役に立つことも在るわけで。
炭治郎はあれだけ軽蔑していた善逸にたった一つのお握りを渡した。対して善逸はこれでは申し訳ないと半分に割って炭治郎に返した。
そして鬼の住処を前にして炭治郎は匂いを、善逸は音をそれぞれ感じた。お握りを分けたように力を分け協力すれば今回の事態も乗り越えられるかもしれないと感じられる描写だった
ジョルノ達に向かって全力で走って来るラスボスの姿に一瞬笑ってしまったんだけど、中身はブチャラティでしたか
それにしても声優の皆さんの演技は流石というか。中身の違いにより求められる演技の差を充分に声に表現していたね
ポルナレフが倒され、ディアボロが矢を手にし。希望はジョルノ達に渡されないかと思いきや意外な形で希望は伝えられる。まるで一旦ゲームセットになった試合が不意に延長線に突入したかのよう
その延長戦としての効果は各所で現れる。中身が入れ替わったことで本来は死に絶える筈だったポルナレフは亀として生き延び、スタンドをパワーアップさせる方法を伝授する
また、同じ場所に到着し本来なら衝突しても可怪しくなかったボスとジョルノ達はこの騒動で邂逅しなくなる。ボスとの激突が延長される
一方でローマ市民にとっては迷惑千万な事態。カビに因る騒動が終わったと思ったら今度は中身が入れ替わってしまうという事態。彼らにとっては不幸が延長される
そもそも考えてみればスタンドを得る行為だって命を延長しているようなもの。矢に選ばれなければそのまま刺されて死んでしまう訳で。矢に選ばれた者だけが蘇生し、スタンド使いとして力を振るえるようになる
そして今回のパワーアップ判明はスタンド使いとしての延長線上にある姿についての話と捉えることが出来るね
今回の入れ替わりによる延長の恩恵を最大に受けたのはやはりブチャラティということになるんだろうか?
元々、ベネツィアでボスに殺され終わっていたはずの彼の命。ゴールド・エクスペリエンスでその生命は延長されたが、コロッセオを前にして限界に達していた。それがボスの身体に入れ替わることで再び満足に動きスタンドを使えるように。
それは喜ばしいことでは在るんだけど、ボスの身体になってしまったという一点がブチャラティに新たな問題を引き起こしそうで……
ああ、「世界で一番馬鹿な旅人」の話って何となく覚えてるなぁ。
周りから見れば滑稽なほど哀れで「何もそこまでしなくて良いだろう」と言いたくなるんだけど、その旅人の側に立って考えてみると紅葉が言うように途端に愛おしく思えるようになってしまう不思議
その旅人の姿勢はどこか透に通じるものが在る。草摩家に居候し始めた頃は申し訳無さからか、由希達に遠慮し相手に尽くし過ぎているような印象が少し有った。
けれど、今は違う。修学旅行の積み立てを難しくしてもチョコを渡したのも、8話で由希達を宴に参加させる為に寂しさを隠して送り出したことも、9話でマラソン大会よりも由希の看病を優先したのも相手の為を想ってのこと。それはきっと自己犠牲的であることは変えられないのだけど、相手を立てるための優しさに溢れた尊い自己犠牲なのだろうなと思う
透がそんな姿勢をしていると知れば、夾だって我慢せざるを得なくなる。それは自分が我慢すれば周りは楽しめるだろうというよりも、自分が我慢して参加することで透を喜ばせたいという自己犠牲
夾の行動によって、透は涙を流して喜ぶ。夾としてはその表情が見れただけで我慢する対価として充分だろうね
だから今回の旅行は紅葉が企画したものだけど、メインとなるのは普段自分たちに温かい想いを提供してくれる透を饗すことであって。
由希も旅行を優先するために一旦は用意していたプレゼントを引っ込める。バレンタインのお返しであるそれを渡すのは透が旅行をきちんと楽しんでから。
それにしても、あの渡し方は幾ら何でもイケメン過ぎると言うか何と言うか。あんなことして恋人ではないということが信じられないくらいの距離感と雰囲気だったよ?
あと、自宅に居候している女子高生にメイド服着せようと考える紫呉は一回くらい逮捕されたほうが良いと思う
中野って性欲よりもモフり欲が勝ってしまうタイプなのか……
社会人である中野にとって大雪なんて、通勤を難しくする非常に傍迷惑なもの
しかし、仙狐さんに釣れられ童心を思い出してみれば雪は彼を楽しませる最高のシチュエーションに様変わりする展開は面白い
それは家に帰ってからも変わらない。中野は子供のように仙狐さんの尻尾をモフりたくて堪らない
だから、夜空がやってきて大人の色香で中野を誘惑しようとするが、雪と仙狐さんの尻尾によって童心に帰ったままの彼に色香は効かない。むしろ夜空の尻尾をモフりたくて仕方ない。本当にしょうもない男である
そんなしょうもない中野に釣られてか、800年を生きる仙狐さんも少し幼さを見せる。夜空の尻尾に魅せられた中野にヤキモチを焼き、夕食は質素なものにしてしまう。
こういった子供じみた遣り取りは本当の年上である夜空からはどう見えているのだろう?何やら彼女は不穏な発言ばかり繰り返すけど
ゴウケツが一足先に会場を出たのって、サイタマと鉢合わせ無いためかと考えていたんだけど、そんなの関係なしにサイタマはゴウケツすらワンパンしてしまうのね(笑)
サイタマの他の追随を許さない、そしてその強さゆえの孤独はこれまでも描かれて来たのだけど、その孤独感についてキングのようなコメントをする者は初めてか
キングのコメントって詰まりは物質的な強さよりも精神的な強さを目指せということでも在るんだよね
武術大会でのサイタマの振る舞いやキングの挑発にあっさり乗ってしまったり。そういった部分からはサイタマの精神面の不足が見えてくるの。……まあ、精神的にも最強になってしまったら流石にサイタマには人間味を感じなくなってしまう気がするけど
一方、舐めていた番犬マンに負けてしまったガロウ。サイタマにも再びワンパンされてしまったし、本当の強者には勝てていないせいかガロウの戦績が芳しくない印象。
彼がここから挽回するチャンスは有るのだろうか?
多宝丸の片眼、陸奥達の片腕を失わせたのはこの展開の為か……!なんて恐ろしいことを考えるスタッフだろうね
前回は立場の逆転現象が幾人かに起こっていたように思えたが、その中で流れに逆らうことも乗ることもしなかったのが縫の方とどろろ。この二人の行動は今回の話において目を見張る物があるね
そうなったのは彼らが遂に自分が何を望み、何の為に動くのかを決めたからだろうね
どろろは百鬼丸が体を取り戻すことよりも、百鬼丸が百鬼丸のままで居ることを望んだ。領主の妻と百鬼丸と多宝丸の母としての立場で悩んでいた縫の方は母親としての立場で行動することを選んだ
百鬼丸の望みと自分の望みの差に悩み苦しんだどろろは、牢の中で自分がどうしたいかを決める。百鬼丸を探して行動を始め、その際には百鬼丸の母親である縫の方がついてくることを許してしまう
対して縫の方が自分は何をすべきか決めるには幾つもの工程が必要となる。
どろろから百鬼丸が自分の言葉でどう思ったのかと問い詰められ、そのどろろが「おっかちゃん」と呟いたことで母性を思い出す
それでも縫の方は百鬼丸を捨てたことについて、「領主の妻として私は悔いはしません」と答える。
なら、母親としてはどうなのかと見れば、どろろが操る船に乗って流れるのはかつて百鬼丸が流された川。そこで縫の方はようやく母親としての本心を口に出す。「あの子に会いたかったのです。もう一度」というとても単純な言葉
母親としての本心を露わにし、川に沈んだ後の縫の方の行動は様変わりする。
誰に頼まれたわけでもなく病人達の世話を始める。その行動は領主の妻としてではなく母親としてのものだろうね
どろろも縫の方も自分の立つべき場所をはっきりさせたために行動に芯が通る
一方、多宝丸と百鬼丸は自分の立つべき場所を間違える。
領主の息子として守る者と捨てる者を分けねばならない多宝丸はそれを間違える。国の為に百鬼丸は切り捨てたが、陸奥を見捨てることは出来なかった。その果てに多宝丸は体に百鬼丸のパーツを宿し、只人ではなくなってしまう
百鬼丸は体を取り戻しに醍醐の里へ来たはずがどろろを取り返すために暴虐を始めてしまう。更には妖怪化したミドロ号に跨がり更に殺戮を繰り返してしまう。その姿はもう鬼神と変わらない
最早、正しさとは何か判らなくなりつつある状況、縫の方がどう行動するのか気になってしまう
壁の中でアルミンは海を見たいと望み、壁の中でフェイは飛行船から見る光景を望んだ。この違いは文化レベルの違いなんだろうか
今回は遂に長年の目的であったイェーガー家の地下室に辿り着き真実が描かれ始めるわけだけど、家のある場所へ辿る道の中でエレンとミカサは巨人に襲われる前の街の光景を思い返す。それは全てが壊れ戻ってこないという事実を受け入れるための準備なのかも知れないね
ただ、それだけゆっくりと家へ辿り着き、本を探す時間が有ったと言うのに、いざ本を前にすればエレンはすぐに開く勇気がない。ミカサと一緒に開かざるを得なかったように、誰もがその真実を受け入れる準備が出来ていたわけではない。
アルミンは目覚めて早々明かされたエルヴィンの代わりに生かされたという話を受け入れることが出来ない。自分よりエルヴィンを生かすべきだった、自分はエルヴィンの代わりなんてなれないと蒼白な表情で言う。
ハンジの言葉で一旦は矛を収めるけど、納得できたわけではないだろうね
ナイルはエルヴィンから歴史書が改ざんされているのではないかと言う話を聞いた際、受け入れることが出来なかった。その時は茶化してしまったが、ようやくエルヴィンの話を受け入れられる下地が出来た。しかし、エルヴィンが死んだ今となってはそれはもう遅すぎる。
調査兵団の帰還、ウォール・マリアの奪還。その報を聞き歓喜する住民たち。けれど、一方でその偉業を成し遂げた調査兵団が壊滅状態であるなんて真実を受け入れる準備など欠片も出来ていないのだろうな……
グリシャは地下室を普通の実験室に見えるように偽装していた。いわばすぐに真実に気付け無いようにする細工
それは子供の頃、壁の外に何が在るのか、その真実への備えを全くしないまま飛び出した経験からの反省なのかもしれないなんて思ってしまった。
そして真実が明かされる回想編が始まり。ここからイェーガー一家の因縁が始まるかと思うと……
あしゅみー先輩登場回。見た目の可愛さを裏切らないメイドのアルバイトをしていると同時に年上の先輩として頼りがいある一面を見せてくるギャップが堪らない
そういった立場のあすみが登場したからか今回は見守る者の視点を感じさせる描写が幾つも。
成幸はあすみとの初対面の遣り取りが最悪だった為に「話しかけんな」と鬱陶しがられる。しかし、成幸が「塾の洗礼」で参っていればノートを見せてくれるし、先人として塾で学ぶ意味合いも教えてくれる
お返しとしてか、あすみの理系の点数が低いことを知った成幸は彼女に判りやすく解き方を教える。それどころか店員から頼まれればそのままあすみに勉強を教え続けていく
これは他の店員があすみを店に留めたい、そのためにはあすみの成績が下がる事態を避けたいという懸念が合わさったものでも在るわけだけど
あすみの父親は娘が医学部を目指していることについて猛反対するけど、それはあすみの将来を心配しているから。医者の辛さ、そして国公立医大を目指す大変さを知っているからこその反対
ただ、一方で成幸も数日あすみの勉強を見守ったことで彼女の努力を知っている。そして出来ない人間の味方であろうとする彼はもう少し見守ろうと父親に提案するわけだね
……まさか庇うことで彼氏として気に入られる展開は意外過ぎるけど
文乃は成幸が彼氏扱いされている件を知ってブラックモードに突入。それは嫉妬というよりも、成幸が女心を理解する工程を見守る立場の文乃としては更に成幸の周囲をややこしくさせそうな事態を回避したいという思惑があるのだろうね
ただ、それも勉強の面や恋愛の面でも成幸を見守る立場に早くも成りつつ在るあすみが成幸を庇い、その上で文乃を牽制する。が、そこは文乃だって負けていられない。あすみのカマかけに引っかからず特別に思ってないと断言する
この対立は面白かったね。また、「違うなら別にいいけど」の言い方が原作とかなり変わっていてちょっとドキッとしてしまった
Cパートではあの三人の中で誰が本命なのかと誰もが気になっても中々指摘できない話題をついてくるあすみ。が、同時に「このたらし野郎が」と貶すことも忘れない
本作では成幸が勉強を教えるという構成上、ちょっと頼りないキャラが多いのだけど、その中において頼りがいが在る上にからかってくるあすみのようなキャラクターって本当に貴重なんだよね
ラストの提供カット、炭治郎と禰豆子の表情がとても勇ましく並んでいて好印象
矢琶羽を倒した炭治郎だけど、矢琶羽の最後の足掻きは凄まじいね。首だけになって尚、あれだけの攻撃を仕掛けるとは
その攻撃によって肋や足が折れても炭治郎は刀を口に加えて這い進む。禰豆子達のもとへ駆けつけたいから、意志の力で無理やり進む
前回では朱紗丸の放った鞠によって足を吹き飛ばされた禰豆子。しかし、今回は蹴り返すどころか、朱紗丸の威力を圧倒し逆に朱紗丸を恐怖させてしまう
珠代によればそれは禰豆子の意志の力による強化。これまでも炭治郎の成長は色々と描かれてきたが、同様に禰豆子も異様なスピードで成長していることが判明したね
けれど、朱紗丸へのトドメは禰豆子ではなく珠世がきっかけに。珠世がここで使ったのは意志を弱める香
これによって朱紗丸は名前を言ってはいけない鬼舞辻の名前を口走ってしまう。こうなってしまってはもう誰も庇うことは出来ない。朱紗丸は鬼舞辻の呪いによって殺される
愈史郎の回想では切ない表情の珠世が描かれていた
これまで愈史郎はギャグ漫画のような愛情を珠世に向けていたけど、それって単純に惚れているというよりも、自分を鬼にする瞬間に珠世が見せた淋しげな表情を少しでも癒やすために傍にいることを選んだという面もあったりするのかな?
「俺は珠代様から離れたくない。少しも!」という台詞はちょっと笑えるけど、彼の固い意志が現れているように感じられた
浅草の事件を通して、何の罪もない人や配下の鬼の意志を無視しして残忍な行いをする鬼舞辻の恐ろしさを嫌というほど思い知った炭治郎
彼の刀が鬼舞辻に届く日は来るのかな?
何はともあれ、登場早々女性の意志を無視して結婚を迫る善逸には笑ってしまった
バレンタインにダブルデート。そんなお題目で子供向けアニメ映画見るってどういうチョイスなの……?
今日がバレンタインと知り、逃げるために全力を振り絞った夾。それに追いついてしまう楽羅にはちょっと笑ってしまう
楽羅はいつものノリで夾を強引に誘い出す。でも、その中で楽羅は夾と由希が仲良くなって嬉しいと言う。更に紫呉も追随する意見を言う
これは由希を嫌いなままで居たい夾にとって受け入れ難いもの。由希を嫌うことで自分の心を守っている夾は紫呉から逃げ森の奥で子供のように蹲ってしまう。必死になって触れたくないものから目を逸らそうとする
でも、そんな夾を透が肯定してくれるのはいいシーンだったね。由希と仲良くなって欲しいと言いつつも、由希を嫌うことを責めない。
このように寄り添ってくれる透が居るから夾は閉じこもっていた場所から出て家に帰ることが出来る
後半で描かれる紫呉は、自分の内にある触れたくないものから逃げる夾とはまた別方向のタイプ
触れてはいけないものを手に入れるために何でもする気でいる。誰かを傷つけるとしても。
そんな自分勝手で理不尽な望みを話す紫呉をはとりは褒めはしない。けれど、同時に責めもしない。そんな彼が居るからこそ紫呉も自分の汚い部分を話すことができるのだろうね。もしかしたら自分の望むものを手に入れるために酷いことをしていると自覚在る紫呉にとって懺悔のようなものなのかもしれない
終盤、紫呉は透に「僕の分は?」とチョコを催促する。罪の意識が在る彼にとっては「忘れてましたっ」みたいな返しを望んでいたのかな?
けれど、透は紫呉に対しても変わらずにチョコを用意してくれているどころか、優しい表情で「食べて下さると嬉しいです」と返す
あまりに綺麗すぎる透の在り方は自分の汚さを自覚させると共に、救いのようなものでも在るんじゃなかろうか?
遂にその姿を表したポルナレフ、でも時を操るボスの前にはやはり無力か……。だとしてもこんなにあっさり敗北してしまうとは思わなかったが…
希望を伝え遺そうとするブチャラティやポルナレフ、希望を潰そうとするドッピオ又はディアボロ。その攻防は凄まじい
身体が限界を迎えつつ在るブチャラティはドッピオの力を借りてコロッセオを目指し希望を手に入れようとする。これは一見ドッピオが手伝っているように見えるが、ドッピオはミスタ達との合流を阻む。
また、ポルナレフにもブチャラティより先に接触して彼を倒してしまう。ブチャラティはポルナレフと接触して希望を受け取ることが出来ない
他にもブチャラティはドッピオをトリッシュと間違う中で、戦いが終わった後のトリッシュの身の振り方を心配する言葉を投げかける。新しい人生を楽しめと希望ある言葉を語りかける。
しかし、ブチャラティが話す相手はトリッシュではない。だから「そんなことより」と切り捨てられる。ブチャラティがトリッシュに遺そうとした希望はボスのせいで伝わらない
階段のシーンは印象的。第三部では階段上に居るディオに近付こうとしたポルナレフは時を止めるディオの能力を喰らい階段下に戻された
今度はポルナレフが階段上で時を飛ばすディアボロが下。ディアボロは時を飛ばしポルナレフに近付くが、そこでポルナレフは血痕によって能力発動を看破する。時を飛ばす能力を使うことでディアボロは傷ついてしまう
これはディオとの戦闘経験によるもの。第三部の戦いを生き残って得た希望で彼は反撃する。しかし二度は無理
ディアボロはポルナレフが生存し矢を遺すことが希望が残る条件だと思うから彼を先に始末するが、ポルナレフは自分が生き残ることよりも希望を遺すことを優先する。
それによって謎の存在が発生する。これはボスが全く知らない存在
第三部を生き残り、ここに来て再登場したポルナレフが倒れてしまうという驚愕の展開。ここから更に何が起こるというのだろうか?
あの汚部屋な高円寺が料理スキルを備えていたとは……
これまでも中野と仙狐さんの遣り取りにはお互いへの思い遣りや愛情を感じさせるものが数多く有ったのだけど、それは今回も同じ
忙しい日々を過ごす中野のためにグラタンを作った仙弧さん。高円寺から教わったやり方を守りつつ、そこに自分なりの隠し味を入れることを忘れない。プラスアルファをしたくなるのはグラタンを食べる中野への愛情の現れだね
それはカップラーメンに大量の砂糖を入れたシロにも通じる話。シロとしては高円寺に美味しい食事をして欲しいから良かれと思って砂糖を入れたんだろうね。……食べさせられる側は堪ったもんじゃないけど
愛情故に相手の為の行動に更にプラスアルファする構図はBパートも変わらない
暑苦しいスーツで毎日出勤する中野に少しでも涼しい想いをして欲しいと考える仙狐さんによる散髪。涼しい髪型にするだけでなく洗髪もしてくれる。中野への愛情溢れるその行為は中野を昇天させかけるほど
最後は冗談を交えつつも互いに感謝と楽しかった想いを伝えあう二人。本当にこの二人はとてもお似合いな二人だね