どちらの拳が相手を上回るのかというファイトクラブに見せてからのスタンドによる不意打ち・搦手を多用する勝負への流れはJOJO作品らしいね
一方でサバイバーに因る怒り増幅環境に負けじと最終的に冷静さを取り戻した徐倫が勝つ展開は、自分の本質を失わなかった者が勝つ戦いと言えるのかな
筋肉美を競うかのような看守との戦いは徐倫が糸を使い、看守が隕石を介入させた事で唯のファイトクラブでは無くなる。けどそれでスタンド勝負一色になるのではなく、筋肉の限界を求める戦いも継続される
徐倫は筋肉もスタンドも駆使して看守を上回ろうとする。一方の看守は自身のスタンド能力に気付かず、ただ長所としか受け取っていない点は面白いかも
看守は隕石を自分に利する事象と受け取ったから、それを利用する方法に頭を割く。徐倫も釣られ隕石対策を考える必要が生じる
でも骨を見つけた事で、徐倫は最も集中しなければならない物に気付けたようで。それは看守の散逸しかけた集中を凌駕する
承太郎の口癖を引用し、ジョースターの星に雄叫びの如き勝利宣言を行った徐倫の声には数多の気持ちが籠められていると感じられて震えてしまったよ
前回にて半月が遺したものが夕日と三日月の中で確かな存在となった事を反映してか、半月が夕日にとって大人の代表だったように、年少組にとって夕日と三日月が大人に見えていると察せられる描写が増えたね
又、それぞれが願い事について再考する流れは自身の望みを再確認する工程でもあったのかな
昴とユキは秋谷という大人が居たから、夕日達への懐き方は単純に年上の人だからといった処か
でも住処が曖昧な太陽は自分を教え導いてくれる親を求めている。だから夕日に願い事について聞いてしまうし、三日月の修行に付き合ってしまう
でも夕日と三日月では太陽と群れる相手にはならないから太陽の孤独は継続すると…
騎士にとって願い事は厳しい戦いの対価。だから自分の願い事が対価として見合っているのかを気にしてしまうのかな?
逆に言えば願い事が決まらない太陽はそれに見合うだけの何かを見つけられていないわけだ
太陽にとって夕日や三日月との交流、渡された秋谷の日記が良い手本になると良いのだけどね
本作は誤解や勘違いを用いつつ、素直になれない遣り取りを繰り返す桜井と宇崎を楽しむ作品だけど、榊がそれを崩しかねない指摘をしてみせたね
宇崎が「桜井は自分が好き」と思い込むのは一種の誤解。けどそこで安穏としてしまうのもまた誤解
遂に宇崎と桜井がくっつく時が近づいてきたのかな?
桜井との関係に悩み母に相談するのは関係の進展へ繋がる意味で良いのだけど、それにより月の誤解が加速してしまうのは面白いし、誤解に負けまいと積極的になった結果、宇崎が別の誤解をしてしまうのも面白い
ラブコメにおいて勘違い等は良いスパイスとなるけど、宇崎達の場合はそれが度を越している気がするよ(笑)
女子校に男子が入り込むなんて夢のある話だけど、当事者である翼にとって女子のフリをしなければならない時点で拷問となるのは可哀想でありつつ面白い
この点は心が読める関根でも把握できないし、そもそも姉は敵。彼の理解者は居ないという…
強く生きろと言いたくなる…
他にも千代の苦悩が描かれていたね。本人は衣装製作とか可愛いものに目がない。けど忍者に甘い認識を持たれたら我慢できないし、出し物も本気になってしまう
それは彼女が可愛いものと同じくらい、忍の在り方に誇りを持っているからなのだろうね
それにしたって「吐いてからが本番」は鬼かな?と思うけども
翼も千代も望む自分の在り方は別にある。けど翼は嘘により遠ざかり、千代は嘘があっても遠ざかれない
難儀な二人が和解したラスト。翼は嘘のアイテムとして受け取ったけど、それは本物の道具。
本作は4人の嘘を楽しめるけど、そういった嘘と本当のすれ違いも魅力なのだと感じられたよ
妹からも「クソめんどい」と言われてしまうひとりと対極に居る喜多登場回
奇行と陰キャ根性が暴走するひとりは人の話にすら入れない。けど喜多は友達に恵まれているし接客業も出来る
なのにひとりが喜多をバンドに連れてきて留める役を担うという不思議な構図に説得力有る描写だったかな
虹夏は面倒見良いタイプだったけど、喜多は褒め殺し的コミュ力によりひとりとの距離を詰めていくね。特にひとりの黒歴史に対し咄嗟にボイパで返すのは中々出来る事じゃない
でも全くひとりと別次元というわけでもないのが面白い。逃げた経験とか、不順な動機とか、重いリョウ愛とか
それは喜多であっても「クソめんどい」部分を持つ証左
同じ世界に生きてないと思えるひとりと喜多は実は同じ人間。バーカウンターでバンド観を語る二人は同じ世界(ライブ)を見ていた。だからひとりは喜多の頑張りを肯定し、彼女を引き止められる
虹夏の台詞も良いね。喜多が逃げ出すというネガティブな一件を、ひとりと出会えたポジティブな一件と捉えていた
…ただ、決め手がリョウのノルマを貢ぎたいだなんて流石に不純過ぎるけど(笑)
ひとりの教え子としてバンドに加わった喜多
喜多の「バンドは第二の家族」という考えを借りると、プレイングの下手さに嘆く喜多の姿はひとりにとって昔の自分であり、同時に子供の姿
音合わせシーンは未熟な二人が親子のように歩んでいる様を思い起こさせたよ
徐倫は囚われの身のままだし、戦闘シーンにレギュラー陣は関わらない。それでも普段と変わらぬ面白さを提供できるのだから、本作の質って高いのだなと再認識できるよ
DIOとプッチが語るのはスタンドと適材適所の話。思えば冒頭の話だってその類か。人間と他生物の数は調整され魂の数は一定。つまり適材適所
けど一人が何万個もの魂を持てれば、それは適所を越えながら所有の資格から適材となるわけか。魂を幾つも持てる適材の人間、それがプッチが目指す人間の形なのかな
エンポリオがアナスイの協力を否定したのも、彼の適所ではないから
アナスイの適材を思えば救出は相応しく無い。けどアナスイは自分の適材の意味を広げてみせたね。徐倫を気に入って結婚したいから彼女を守る
…いや、それにしたっていきなり結婚だ何だと言い始める彼は色々な意味で人間性が可怪しな事になっている気もするけど
最弱のスタンド、サバイバー。これも言い換えれば人の適材を広げてしまうものかな
電気信号を利用して人の怒りを触発し、友人間に命を脅かす諍いを巻き起こす。懲罰房棟に居る徐倫を遠方から始末するには適所のスタンド。これに懲罰房棟が適所ではない徐倫はどう対抗するのかな?
半月が遺したものは形を変えて夕日と三日月の中に残ったわけだけど、今回の話にてようやくそれらが実感として彼らのものになったような
初対面時は相性最悪で理性有る遣り取りなんて不可能に思えた二人が拳を交わす事で互いが互いの山となる。それは互いの人生の糧となるのだろうね
それはそれとして、流石に画作り全般が哀しい事になっている点が気になって仕方ない……
あの良作がどうしてこんな事に……
マキマの膝で寝て、マキマに食べさせて貰って、その次はマキマの……
三大欲求に忠実なデンジ、学が無く野生児的に生きてきたからこそ動物的なのかも
マキマに失望して、すぐ好きになって、抱きたいと願って。単純だからこそ、それが強い信念に繋がるという事か
元々の生活様式、ポチタがデンジの中で生きている点含め、デンジは犬っぽい。そんな彼が主人と認めたのがマキマとなるわけだけど、彼女は底知れない悪魔みたいな女性だね
マキマに従えばハンターへとなり、信念が無ければ生きていけない。だというのにデンジはそれを守る為に死んでもいいなんて狂ってる
でも、それだけの信念を持たせるのがマキマという存在か
思えば、早川は前から見るとあの髪はリード紐を連想してしまうし、パワーが悪魔を探す仕草は犬っぽい
悪魔みたいな女性に率いられた犬っぽい部隊。主人に認められる為に、もしくは獲物を狩る為にワンワン吠える彼らが掴む夢はどのようなものになるのだろうね
桜井が学際行かないからって自分も行くの辞めようとする宇崎は付き合い良すぎない?榊にデートと茶化された時も息がぴったりだったし
そんな相性抜群の状態で恋占いを受けても結果は自明の理。でも当事者がそれを認めないから面白おかしい空気が醸し出されると
特筆すべきは榊も亜美も桜井と宇崎がくっつくように場を整えるのに「付き合え!」と囃し立てはしない事かな
だから桜井と宇崎が現状をどう捉えているかがメインになって、桜井がボケて宇崎がヘタれるなんてオチが維持される
それでも占いでカップル扱いされた事は事実なわけで。この些細だけど確かな事実が第1話のクリスマスへ繋がっていくのかな?
演劇やコントで見掛けそうなお題だけど、テンポ良い遣り取りや関根によるキレのあるツッコミが面白い作品に仕上げているね
特に見た目に反して重い背景を持つリッカが良いドタバタキャラになってるね
宇宙人・忍者・サイキッカーと比べると女装の翼ってキャラが弱い筈なんだけど、普通の女子校が舞台となる事で常識人且つ無知枠として活きるのは良いね
リッカと千代も無知枠だけど、あっちは暴力的に他者を自分の流れに引き込む力があるからなぁ(笑)
ある意味、出落ちとしては充分に楽しめる第一話
これからは四人が作り出す空気感に視聴者がどれだけ引き込まれてしまうのか。また四人と因縁ある者たちがこの空気感にどのように関わってくるのか
その如何によって更に楽しい作品になりそうな気がするよ
ぼっち根性マックスパワーなひとりによる千歩一歩物語
ライブハウスに入るのも接客をするのも彼女にとって一大事。できれば誰かと一緒に歩きたいけど、歩くのはひとり本人
だからこそ、このように彼女の偉大なる一歩が丁寧に描かれたのだろうね
ミーティングで示されたようにひとりと虹夏達に共通点は殆ど無いし、盛り上がるポイントも無い。ひとりはすぐ自分の世界に入るから馴染めないし(笑)
馴染めなければ支援は得られない。そうなれば自分を変える一歩を始めるのは自分の力でとなる。
でもそんな力は無いと思っているからバイトへ行かなくて良い理由として風邪を求めてしまう
虹夏はひとりの一歩を直接助けはしないけど、彼女が一歩を踏み出しやすい環境を用意しているね
朝のメッセージ、カウンターには一緒に。また、ライブハウスの意義はひとりに強く響いたようで
何よりも虹夏はぼっちなひとりとこれからも一緒にバンドを続けてくれる気で居る。そんな虹夏やお客に応える為に、応えられる自分になる為に踏み出したひとりの姿は良かったね
踏み出した千歩は一歩扱いされ、笑顔も結局笑われてしまった
それでも出来たというその一点は事実。また、ひとりは何気なく言っていたけど、虹夏やリョウにとってはひとりが「また明日」何よりも大きな一歩と思えたようで
……これで風邪さえ引かなきゃ格好が付くんだけどね(笑)
エルメェスの能力、対象を二つに分けた後でくっつけるという能力は前々から面白いと思っていたけど、エルメェスに課された復讐譚が描かれた事で更にその印象は強まったかも
グロリアを殺された憎しみは誰とも分かち合え無い。けどスポーツ・マックスを倒す目的は分かち合える
見えないゾンビはスポーツ・マックスから発出するものだから本来はエルメェスだけの敵。けどディスクや左脚を理由として徐倫やF・Fも敵と出来る
エルメェスが一つの敵として戦った事で二人の敵へと分かれた
逆にスポーツ・マックスは分かれていた目的が一つに収束している。喉の乾き、くつろぎ。それを無関係の女で解消した
エルメェスの能力は物を分けて一つに戻す能力。徐倫達にも分けられた敵はエルメェスだけの敵へ戻る
不利は逃げる理由とならず、F・Fも必要としない。エルメェスが求めるのは復讐だけ。だから同じように次の目的を復讐に収束させたスポーツ・マックスが何をするかも読めるわけだ。それはスポーツ・マックスも同じだったわけだけど
なら最終的に相手を上回るのは目的の収束をより強く行った方か
スポーツ・マックスは自らの復讐にゾンビを使った。目的を分けてしまった
けどエルメェスは自分の身体と能力のみで、蹴りも拳もグロリアの復讐に費やした。涙さえ後回しにしていたその一念が報われた瞬間はとても美しいものでしたよ……
皆から愛された日下部太郎の死。それは喪失である為に却って太郎が居た事実を深く皆に刻みつけているようで
太郎と半月の死が刻み込まれた夕日は常の力を出せず、三日月も彼のつまみを求めてしまう
それでも最も近くに居た花子の衝撃とは比べ物にならない訳で
太郎からは感情が希薄と呼ばれた花子。前回後半から彼女は静かなままで感情を見せなかった。まさしく希薄
それが崩れるのが太郎の偽物が現れてから
喪った筈なのに眼の前に居る。その矛盾は花子が失った筈の感情を取り戻す契機となるのか
花子の感情は太郎に預けられていた。彼が居なくなればそれは彼女に戻ってくる
喪服の騎士団による弔い合戦とは別の場所で戦う花子のそれは別種の戦い
叫んで力の限りで泥人形を倒した彼女の戦いは産まれ直す為の儀式と言えるのかも
太郎の夢を自分の夢として進路を決めた花子。思わずほろりとするようなエピソードだったよ
藤本タツキ先生といえば、『ファイアパンチ』で評価しつつも苦手意識を持って以来だったのだけど、その感覚を裏切らない初回でしたよ…
強烈なクセの強さ。それでも画面から目を離さずに居られない魅力が本作には確かにあるね
デビルハンターというグロテスク且つ爽快感の強いデンジの生業に加えて、ポチタという可愛らしいペット要素を加える事で違和感のない悪魔合体を果たしている作風
デビルハンターでありながら悪魔と契約するデンジ。本作はそういった本来なら調和が難しい要素が合わさっているからこそ魅力的なのかもしれない
調和が難しいものを合わせようとしても普通は上手くいかない。それこそヤクザが力を求めた結果、悪魔と調和できず呑まれたように
ならデンジとポチタが何故調和できたかと言えば、最初から同じ物を見て、同じ契約の下に生きてきたから
だからポチタはデンジの心臓になれる
人でも悪魔でもない何者かに変化しながら、マキマにより「人」と再定義されたデンジ
普通を夢見ながら普通に手が届かなかった彼が最後に手にしたもの。きっとマキマとしては大した事のない報酬。それをこそ「最高」と言えるなら、ヤクザのように分不相応な夢を見て命を失うなんて事はないのだろうと感じられたよ
誤解の連鎖を生みつつ、青春な日々を送る宇崎と桜井。初期は宇崎のウザ成分が強かったけど、各人のアクの強さが平等になってきた事でウザ成分薄めでも彼らの日常を満喫出来るようになってきた印象
どう見ても付き合ってるようにしか見えない宇崎と桜井の関係性を生温い視線で見守りつつ、それによって生じる誤解や勘違いの連鎖を別種の魅力として楽しめるようになっているね
桜井は水泳だけでなくサッカーでも凄まじい才能が…!もう別番組出た方が良いんじゃないかな(笑)
前回、衝撃発言をしたミオリネだけど、積極的に結婚したいわけじゃないのね。勘違いしてしまったよ
でも、箱庭のお姫様なミオリネにとってルールを打ち破る可能性を持つスレッタは希望の象徴。だから彼女との繋がりが必要となり、結果的に結婚へ突き進むと…
今後への期待溢れる2話だ
総裁が定めたルール、協約、校則…。スレッタやミオリネ等を縛る世界の形
他にもスペーシアンやアーシアンの対立等、人々に息苦しさを覚えさせる束縛は山のように有る
その頂点に居るのがデリングであり、力を持つ者だね
だからそれを打ち破るかもしれないMSに皆注目する
ただ、小説での様子やガンダムを知らない点からスレッタは無知な少女に過ぎず、ミオリネは父の仕組みから抜け出せない少女
騒動の中心であるエアリアル、ルールに抗えない無力な少女達はアクセス出来ないわけだ
その転換点がプロスペアの詭弁であり、脱出屋の介助となるわけか
プロスペアの詭弁は詭弁故にルール内でルールを変える遣り方
仕組みから脱出したミオリネの挑発はルールを使用したルール破りの搦め手
力ある者が定めたルールを唯一変えうる決闘。それに賭ける二人の少女が世界を何処まで変えられるか、そして鳥籠に囚われたミオリネを救えるか。それらが楽しみになってきた話だね
太郎と花子に関するエピソードを詰め込んだ為に多少駆け足になっているけど、好きな女の子を守る為に臆病ながら無茶をした太郎の勇気は存分に描かれていたね
また、彼の死を悼む様子が入る事で彼が皆から好かれていた人間だという点も強調されていたのは一応満足
臆病者と怖いもの知らず、感情豊かと希薄など対極な太郎と花子
けどラブコメみたいなお隣さんだから太郎が花子を好く状況が納得できるし、臆病者の彼が花子の為なら命懸けになれるのも納得
『願い』によって花子は簡単には死なない。それでも助ける為に動けた彼は真の勇者と言える
ただ、『願い』が有る為に太郎の死は無駄死にとなってしまうのは哀しいね
それだけに残るのは彼の純粋な勇気とそれを目撃者への影響のみ
怯える者、悲しむ者、力を求める者。それらの中で最も泣きたい筈の花子が求めるものは一体何なのか……
そして誰かを守って死んだ者を再び見た夕日は八宵との決闘で守る力が手に入るのか…
…あと、あんまり触れたくないけど、分断されるシーンは流石に笑っていいやつだよね……?