光はまなかの幸せのために自分の気持ちを諦ようとする
ちさきには光にまなかを追いかけないでいて欲しい気持ちと、それと相反する光の幸せのためにその気持ちを守ってあげてほしい気持ちがある
光は後者を見てちさきは優しいねって言ってくれたけど、きっとちさき自身は真っ直ぐに澄んだ心になりきれない自分と光を追いかけていたい気持ちの間でどうしたらいいのかわからなくて…、そして自分の気持ちを割り切れた光が羨ましくもあるのだと思う
すごい華があるわけではなかったけど、着実に「挫折から立ち直る」までのストーリーを描いていたように思う。
最終回の「選んだ道を自分の力で正解にしなさい」、とっても響いた。
もともと水族館が好きだったからそういうとこでも楽しく見れた。
特に好きなのが16話で、それまでチクチクしてた知夢さんの裏にある挫折や思いと、それを知って優しくなりたいですってくくるが本当に本当に胸のうちから込み上げるものがあった。
この選択が正しかったのかまだちょっと悩むところのあるくくるだけど、おじいの掛けた「選んだ道を自分の力で正解にしなさい」って言葉は本当に勇気になるよね
自分で新たな道を切り開くこともあれば、時には新しい環境の中に置かれることを余儀なくされることもあるけれど、未来は不確定なもので自分次第でどうにだってなる
そういうことをくくるや風花を始めとしたみんなが見せてくれた締め括り
気になってたキジムナーも語らずともその存在に上手く説明をつけてくれて満足だった
絵と向き合うことで己自身と向き合っていく美大受験アニメ、悔しさと劣等感にまみれた鋭利で鈍重な展開は傑作
何周も遅れてたとこから美大への道が始まる八虎の劣等感とか悔しさと、それとの向き合い方がものすごいセンセーショナルだった
龍二や世田介とか桑名さんみたいな圧倒的強者ですら容赦なく打ちのめされる世界には本当に心動かされるものがあった
自分はずっと後ろにいると思ってた八虎が努力と葛藤の末に憧れだった世田介とか先輩に認められるの、嬉しいよなぁ…ダメ泣く…
それにしても桑名ちゃんと橋田が合格できなかったのはびっくりした、本当に狭き門ってことを思い知らされた
合格できた八虎も嬉しすぎてただただビビってるだけなのもおもしろかった
一人ぼっちだった珠彦だけど、夕月に合って色んな人と関わり合って繋がりを持って…、今こうしてたくさんの人に助けられるようになって
悲観的だった珠彦にもそういう光が見えたことや逆に夕月が本当にいなくなってしまったじゃないかって悲しさからぼろぼろ泣いてしまった
好きが止まらないから涙も止まんないよ…
好きになることは辛い
だから好きにならなければ良いって分かってるのに、正しいやり方が何なのか分かってるけれど、大好きは諦められない全部が欲しい
あかりが好きを抑えて海に帰ろうとしていたように、美海も大好きだったお母さんみたいにもう大好きな人を失いたくないからあかりを遠ざけてしまってた…
でも、あかりは美海のそばにずっと一緒にいるからどこにも行かないって約束する
大好きは抑えられっこないし、愛がある限りあかりともお母さんともずっとずっと一緒にいられるから
お互い大切な誰かを守るために傷つけあってしまって、その痛みの中で分かり合っていく。
不器用にぶつかり合いながらも、その奥にある良いところを探り合っていくような。
だけど、ちさきは良い子だからやり返せなくて守るばかりで分かれないのかな…。
地上の人だからって、愛することは罪なの……?泣きそうになる
光はまなかを海の底に閉じ込めておきたい、
だけど、まなかは波の上の世界に手を伸ばしたくて、
好きなのに、好きだからお互い傷つけてしまう…
ちさきの目には紡の優しさが4人の世界を壊してしまう光景がはっきりと見えている
地上の人たちと海の底の人たちの世界、互いの間を貫く哀しげな溝を感じる