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とても良い

写真をトリガーに過去に潜るとは一風変わった設定だ
本人は何の気無しにSNSへ上げた一枚の写真。これをヒカルは感情を持ち込まず利用するわけだけど、潜るトキにすれば否応なく関わるきっかけになる
「過去を問うな。未来を聞くな」その言葉が重く伸し掛かる内容だね

これ、トキの視点を通して描いていたから若干コメディ補正がかかっていたけど、本来のエマが味わっただろう絶望と苦痛を想像するとこちらまで苦しい気持ちになってしまう……
その最中にエマが上げた気まぐれな写真。これが救済と破滅を呼び込む構図になっているのが恐ろしい

写真に拠って両親は電話をかけてきた。これはエマの心を救うきっかけとなっている
同時にトキとヒカルに拠って回り回って破滅を齎してしまう。SNSに上げる写真の恐ろしさを別角度から味わった気分だった

ヒカルはトキにエマの顛末を知らせない。これも「過去を問うな。未来を聞くな」に該当するのだろうね……



良い

鬼は何も失わないから何をしてもいいと嗤う堕姫は人倫にもとる存在
驕り人を傷つけるから炭治郎は許さない。でも人の身で鬼を倒そうとすれば失うものは計り知れない。そういったものを感じてしまう回だったね

槇寿郎が蹲り続けたのは失ったものの大きさに押し潰されてしまったから。それが更に杏寿郎を失う道に繋がった
炭治郎は守るべき人々を失う怒りにより力を爆発、堕姫に打ち勝つ力になるけど、同時に炭治郎自身を失いかねないもの
炭治郎一人では全てを失う局面、それを妹達が支える流れは良いね

禰豆子が怒り狂う理由は炭治郎と同じものかな。だから炭治郎と同じように尋常ならざる力、そして自身を失いそうになる
炭治郎も禰豆子も限界ギリギリ。けれど、大切な妹を守れるのはそれこそ長男である炭治郎しか居ない筈だけれど……。炭治郎は再び立ち上がれるのだろうか?



良い

2つの国がぶつかる凄惨な戦争模様と巨人達に拠る超絶バトルが並行展開される光景
ライナー達は支援を受けられる。けれど、裏切り者のエレンは受けられない
その対比はエレンの孤立を示しているね

それがオニャンコポンとアルミンにより変わる様は良いね
エレンは確かに皆を裏切った。けれど、オニャンコポンがそうであったようにエレンも人類の未来を最優先に考えている可能性がある

この混沌とした状況でエレンを助けられるのはアルミン達しか居ない。そして助ける際にはエレンを信じなければならない
絶望的な状況を変える萌芽が早くも見えた気がしてしまう再スタート回だったね



良い

私服は作務衣でクラスでは独りな新菜、見た目はギャルで話題の中心な海夢
二人の生きている世界は異なるけれど、それが結びつくのは『好き』の感情
新菜は雛人形に魅せられた。そして海夢が魅せられたのは…

新菜は雛人形に話しかけちゃう部分を除けば、そこまでやばい趣味ではない。そもそも教室ではそれぞれが好き勝手に自分の趣味を話しているのだから混ざれないなんて本来は無い
新菜が気にするのは自分の好きを否定されることだね

小さい頃に『好き』を全否定された経験。これがあるから相手に好きを訴えられない。そんな新菜にすれば、あの見た目で自分の好きを表明できる海夢は別世界の住人
でも、海夢は『好き』に正直だからこそ、新菜の『好き』を理解できるんだよね

海夢が打ち明けた不格好な『好き』。だからこそ、新菜も海夢が本当に好きなのだと判って手伝ってやりたくなる
別世界の相手と繋がる二人の約束。自分が持つ『好き』の力で相手の『好き』を手伝う、とても気持ちいい作品になりそうだ
まあ、海夢が最後に上げたタイトルがあまりに不穏だけども(笑)



良い

この居場所を誰かに渡して良いのか、この居場所を自分のものにして良いのか
そういった迷いを抱いていた少女達が誰のものでもない海の傍で交流を深め、家族になっていく様子は麗しいの一言ですよ

釣りは知っていても料理はあまり知らないひより、料理は知っていても釣りはあまり知らない小春
親の再婚に拠って二人が出会い、欠けていた何かを少しずつ手にしていく構図になるのかな
一方で互いが互いを補完し合うだけでなく、同じ思いを抱えている部分が見える構図も良いね

父の痕跡が見える部屋を渡す気不味さ、誰かの痕跡が残る場所を使う気不味さ。二人ともあの家で同じ悩みを抱えていた
そして、ひよりが余らせていた刺し身を小春が手を加えて漬け丼にする流れ
父の味に似ているけど、少し違う新しい味の漬け丼はひよりと小春がこれから居場所をどう共有していくかを端的に表しているかのよう

小春にとって新しい家で新しい街。不安は大いに有ったに違いない
それが釣りを通してひよりと親しくなって、時間や場所を共有できるようになった。壁を無くして会話する二人の様子はそのまま近くなった心を示しているね
家だけでなくクラスも共有したくなった二人のこれからが楽しみになる初回だったね



良い

スタンドや敵の姿はまだ見えないまま
それでもジョジョらしさは随所に健在だね。持って回るようでありつつ、他の作品では見られないような言い回しを聞いているとジョジョを見てるなって感じがするよ

徐倫の身を破滅させたのは恋心が原因。轢かれた人を助けられるかもしれないという正義を脇に置く青春の恋
けれど、それが徐倫を牢獄に追いやった
だからこれから始まるのは冤罪の運命に抗う復讐の物語となるわけか

それにしてもお守りにと矢の破片を渡すなんて承太郎は何を考えてるの……?あれってかなり危険な世に出回っているのは不味い代物ではなかったの…?



とても良い

曰く付きの特別地区という割にギスギスした感じよりも人情味の方が強い印象の土地だね
それにより騒動の中心となるRGBトリオの幼馴染感をしっかりと受け取れる構図になっているね

事件を期に疎遠になった三人。ランとコウキはそれぞれの遣り方で街を良くしようと考えている。でも、シュウタはヒーローを諦めた時から上手く進めていないようで。おまけに進めない理由を死者に求めているのだから救いようがない
死者からのメッセージは強烈だろうね

ここで面白いのは3人は別の場所でメッセージを受け取り、それを明かしてないのに、少ない遣り取りから進む道を共有出来ている点
「お前も受け取ったのか?」という確認より先にそれぞれが為すべき行為を進めているのは本当に息の合った間柄でなければ為し得ないこと

二者択一のトロッコ問題。これに対してランとコウキがしたのは下地作り。決定打はヒーローであるシュウタに。
誰かを死なせなければならない二者択一からどちらかを選ぶのではなく、誰も死なせない道を掴み取ったRGBの連携は素晴らしく格好良いね

今回の件でシュウタは火災事件から一応進めはしたのかな。ただ、メッセージを受け取ったことで逆に死者により囚われる結果になったようだけど
街の未来だけでなく、過去を振り切り自身の未来を掴み取ることになったRGBのこれからの道はどのようなものになるのだろう?



普通

原作既読
今で言う処のスローライフ傾向が強い為にあんまり物語の激しさは求められないタイプの作品。
代わりに人々の優しさをどう描いていくかが鍵になるように思うのだけど、アニメではその点については心配なさそうかな

突如、ゲーム世界に。という割にケーナにパニックは見られない。それよりも食事であったり人の温もりに触れるのを優先しているように見受けられたね
病院のベッドに繋がれていたケーナにとって面倒な騒動よりも彼らとの出会いの方が尊いのだと判る初回だったよ



良い

堕姫、眷属の帯。それに対抗する炭治郎、伊之助達が行っているのは鬼狩りで有りながら同時に守りの戦い
炭治郎は鯉夏を始め堕姫に誰も殺させないため。伊之助達は帯に囚われた人を助けるため
それぞれの守りが展開されている

現時点で炭治郎がしているのは守りの戦いだから、正義の言葉よりも命を守る、奪わせないという想いが先に来る
その過程で炭治郎達を守り散った杏寿郎の「心を燃やせ!」という言葉が出る流れは秀逸。炭治郎の中にどのような炎が残っているかが判るね

人助けより鬼退治優先の印象を受ける伊之助も、帯に人が狙われれば防御優先。それを手助けするように善逸、まきを、須磨も加勢していく流れはまさしく守りの戦いを象徴している
それを締め括るのが最も『守る』を体現している天元の登場であったのは凄まじく格好良い

命を掛けるのが当たり前であったくノ一に対して、まずは自分の命を優先しろと命じる天元は相手に勝つより、命を守る事を最も大切にしているのだと判る
天元のそういった姿勢により、彼にスポットライトが当たるこの遊郭編の主題が少しずつ見えてきた気がするよ



全体
良い
映像
良い
キャラクター
普通
ストーリー
普通
音楽
良い


良い

遂に牙を剥いた堕姫。善逸は居なくなるし、鯉夏にも毒牙が迫る。上弦の鬼を相手にしては普通の人も階級の低い隊士も敵わないから、口を噤むしか無い、逃げるしか無い
それでも立ち向かおうとする炭治郎達は格好良いね

炭治郎達に帰れと促す天元の判断は間違っていない
けれど、炭治郎達は杏寿郎を助けられなかった悔いがある。猗窩座に手も足も出なかった悔しさが有る。だから逃げるなんて言葉は出ず、むしろ自分達はどう動くか?鬼に迫るかという話以外出てこないのだろうね

そうして邂逅した堕姫はやはり簡単な相手では無いようで。初撃による怯えや痺れの理由を正しく解釈できたなら、まだ立ち向かえる
ただ、それでも力量差を覆すのは簡単ではないのだろうけど。炭治郎はどこまでやれるのかな?

それにしても堕姫は凄い格好してますね……



とても良い


とても良い

モルフォとの再戦、少人数で限界に近い戦闘を行えばそりゃ損耗は激しくなる。独りで敵に立ち向かう事になる
それでもシンエイを支えようとしたのが仲間達の言葉であり、連邦の援護射撃であり。それによりシンエイは残された独りではなく、託された一人だと思えたのかな

アンジュもセオトもクレナもライデンもシンエイをモルフォに届ける為に踏み留まった。シンエイが生きてモルフォまで到達しなければ勝ち筋など無いから
生きているから先へ繋がる。シンエイがフレデリカを置いていこうとしたのもそういう理由だね。例え自分が失敗したとしてもフレデリカが生きていればキリヤを救う道が残る

キリヤが行き詰まってしまったのも同じ理由。フレデリカが死んだと思ったから、彼は更に狂いレギオンに取り込まれるしか無くなった
逆に言えば、フレデリカが生き残ればキリヤは救われる。死んだと思っていたフレデリカが目の前に居て、銃を自身に突き付けている。フレデリカと自身を救うにはフレデリカの望みを叶えなければならない

キリヤとシンエイが並び、ショーレイが二人を仲裁する有り得ない光景。それを夢見たのは果たしてフレデリカだけだったのだろうかと考えてしまう…
何はともあれ、生き残ったシンエイとフレデリカは置いていかれた。果たして二人は爆発を生き残れるのか、という点がどうしても気になる状態で3月を待つことになろうとは……



良い

ディアを救出する算段になって現れたセタンタ。彼の倒し方はルーグがこれまでに辿った道を考えると面白いね
セタンタは騎士として決闘を望んだ。けれど、暗殺者であるルーグにそれは出来ない。かといって暗殺技術のみで戦うわけでもない姿には彼の変化を感じてしまう

セタンタをルーグは騙し打ったわけだけど、それを成立させたのはセタンタの正面に出てまるで決闘を受けるような姿勢を見せたため。また、問答の最中には余計な被害を厭う騎士道精神じみたものまで見せている
これらはルーグが暗殺者としての人生だけでなく、他の生き方も手にした為であるように思える

ディアの暗殺偽装は失敗と呼んでも仕方ない事態。でも、今度の失敗はルーグに後悔をさせなかったようで
ディアを家族に加え、大切な人が平和で居られる平和を手に入れたという意味ではルーグは任務の成功以上の報酬を手にしたと言えるのだろうね



普通


全体
普通
映像
良い
キャラクター
普通
ストーリー
良くない
音楽
良い


良い

タクトとザーガンからは音楽への向き合い方の大きな対立が見えてくるね
悲鳴を聞き過ぎ音楽を失い絶望したザーガン、悲鳴を堪え音楽を保ち続け希望に繋げたタクト
それは生き方の違いでも有るね

ムジカートにも対立が見られるね
過去ばかり見て壊れたザーガンの最後の望みを叶えるため滅びに向かわせるオルフェ、命少ないタクトをそれでも望む未来のため先に進ませた運命
運命は誰よりもタクトの語る未来を見たいと思うからタクトと共に戦っている

そんなタクトや運命が絶望ばかり見る者に負けるわけがない
タクトはザーガンを打ち倒すけど、世界を救う方法は提示しない。心のままに音楽が人を救う世界だけを望んでいる
そんな純粋なタクトを前にするからザーガンは喜劇役者としてステージを降りる事になってしまう

結局タクトの曲は完成しないまま。けど、命は運命が消える事によりかろうじて残ったのか…。そして運命が残した願いや姿はアンナが引き継ぐと……
意外な形でゲーム前日譚を見せてくれた本作には予想外に楽しませて貰いましたよ



良い

吉原の暗部に迫るエピソード。でも、真の闇に迫れているわけではないから鬼の本性は見えてこない
けれど、近づいているのは事実だから、炭治郎達は気配や音、匂いによって鬼の存在を感じ取れる。それが余計に堕姫の恐ろしさを感じてしまうね

伊之助も善逸も堕姫のすぐ近くまで迫りながらもその本性を露わに出来ないのは彼女が闇に隠れているから
女将は堕姫の悪事を露わにしようとして殺された。逆に旦那は悪事に目を瞑ったから見逃された

堕姫は超えていはいけない一線に注意つつ狡猾に蠢いているのだと判るね
それでも伊之助と善逸は一時的に堕姫に迫れた。その事実が一つの手がかりになる……と思いきや、まさかの鬼の方から迫ってくるという展開は緊迫感があって良いね



とても良い

転生してから恵まれた繋がり、環境、能力により道を切り開いてきたルディ
それがルイジェルドと別れ、エリスに捨てられた事で改めて自分の弱さと向き合う事になったようで
前世の男はずっと差し伸べられる手を求めていた。でも、今は……

ルディと別れたルイジェルドとエリスは明るい表情。別れは辛いものであっても、それぞれルディから受け取った大切なものを手に持っている
ルイジェルドは自分からスペルト族と明かせるようになり、愛を知ったエリスはルディを守る目標を持った

久しぶりに登場したザノバやギース、ロキシーにアイシャ、パウロやリーリャ達もルディから受け取った何かしらを持っている。それが今の旅や心を明るいものにさせている
そこから判るのは、暗い部屋で差し伸べてくれる手を求めていた前世の男は、今や多くの人と関わり手を差し伸べるルディとなった点

だからルディは自力で部屋を出なければならないが、弱いままのルディにその力は無い。それを変えるきっかけとなったのが母の愛であったのは良い展開
転生した自分を産んだ母、手助けするのは家族だから当然と胸を張った自分。なら今も助けるのは当たり前。力は無くても理由があるなら部屋を出られる

そうして歩き出したルディは新しい旅へ。というタイミングで第二期は終了ですか
普段はこういう事思わないようにしているんだけど、流石にこれだけクオリティの高い作品だと是非にでも続きが見たくなる。どうにか続編を作って貰えないものですか……?



良い

これまでは86とそれ以外という分断が描かれてきたけど、今回はシンエイとそれ以外の分断が描かれていたね
ライデン達とシンエイは一蓮托生。でも、死神と死神になれない者という断絶が有る。ライデンはシンエイの深い空虚に寄り添いきれないし、シンエイもライデン達ほど生を考えられない

兄を討ち、レーナとも死に別れ、フレデリカの騎士にもなれない
今のシンエイに寄る辺はない。けれど、本来はライデン達が同じ命運を懐く者として寄り添えたはず
でも、ライデン達とシンエイの間には大きな差が存在する。ライデン達ではシンエイのように死者の名を抱え戦い続ける事はできないのだろうね

クレナ達はいつか海に行きたいと思える。戦争が終わればという、これまで存在しなかった戦後の未来を語れるようになった
でも、シンエイはそれすら思えない。死者を死国へ連れて行くシンエイは既に死国に片足を突っ込んでいるから、それ以外の場所を思えないのかもしれない
シンエイからすれば、ライデン達も死ねばその名を忘れない対象の一部

海を前にしたライデン達との間には光の帯による断絶、彼らの死を語る際には墓標を思わせる石に喩え……
シンエイは深い孤独の中にいるかのよう。でもフレデリカに言わせれば、そうして苦悩する事こそ正しく先を見据えようとしているからだという
なら戦争が終わった時、シンエイは何を手に出来るのだろう……
せめてレーナと再会できないものかと思ってしまうが……



良い


とても良い

奇策を重ね、出来る事は何でもやると言わんばかりの気勢を見せる八虎。何が何でも自分の作品を評価させるという全身全霊の本気を感じさせるね
そこまで行くともはや合格よりも上の目的が出来上がるのかもしれない。そういった領域に八虎は辿り着けたのかも

絵画で強い人とはどのような人か?
八虎は自信を持ってる人が一番強いと、自分以外を強いと考えるけれど、世田介は八虎の方こそ自信が有るように見えると返しているね
結局この二人が合格したわけだけど、二人だけを見ても合格できる程の強さが何であるかは見えてこない

才能面で言えば桑名が抜け出ていた筈なのに、彼女は不合格
だから才能とか自信ではなく、自分の武器を持っている人が一番強いのではないかと思えてしまう
世田介なら絵の巧さを事実と捉えられる武器
自信が無い八虎はそれを補う努力と戦略を遂に自分の武器だと思えるようになれた。それが合格に繋がったのではないかと思えた

八虎は試験の感想で受かるかどうかよりも、やりきれなかった点を反省している。自分が描く絵を完成させられなかった悔しさや絵を継続させようという意思の現れ。それは合格をゴールと、行き止まりと考えていない何よりの証と言えるのだろうね

合格は八虎の絵が評価された証。でも八虎はすぐに喜ばず、世田介に会い入学手続きを見て初めて喜びの感情が湧く。それは自分が世田介と同じくらい評価されたと判ったから
もう一つの喜びは八虎に知られない形で。八虎を絵の道に引き込んだ森がぽつりと漏らした言葉。それこそが八虎の絵を最大限に評価し、物語を締める言葉だと感じられたね



良い

ディアの暗殺依頼、実態は救出でしたか
それは他国への干渉を意味し、更には暗殺者の本分から外れるもの
前世のような道具であれば引き受けない仕事。けれど、人間としてどう生きるかを定めた今のルーグだからこそ、この依頼を引き受けられるのだろうね

タルトはルーグを愛しているからこそルーグが掲げる目的の為に道具であろうとするのか
でも、誰かの為に限界まで力を振り絞ろうと奮闘する存在が道具なわけ無くて…。そもそも道具であったら涙を流すわけがない
ルーグの為にと決めつつも、それに染まりきれないタルトの涙が辛い……

暗殺者の本分を越えて、更には家族やタルトに支えられる形でディアと再会できたのは良いものの、何やら雲行きが怪しくなってきたようで
もし危機的事態が起きるというなら、そろそろ4人全員揃って戦闘するシーンを見たかったりするのだけれど、描かれたりしないものだろうか?



良い

ボロボロの状態でも、命が残り少ないと知っても騒動の中心へ向かうタクト
タクトはザーガンと因縁が有るわけではないし、正義感を持っているわけでもない
それでも音楽のある世界を取り戻したいという想いで戦っている。それを理由にここまで来てしまった

タクトも運命はいつだって自分勝手。それに振り回される方は堪ったものじゃない
二人の安全を考えるタイタンも、二人の為に出来る事を模索するアンナも。
この状況になっても、周囲を振り回す理由が誰かの為じゃなくて自分の為だなんて、可愛くないを通り越していっそ清々しい

アンナでも制御できない自分勝手なタクトを唯一振り回せるのが運命でも有るのは良いコンビであると感じさせる。いつの間にか二人は最良のコンビになっていたようで
そんな二人の前に現れたのは地獄のオルフェ。いよいよラスボス登場で最終回が楽しみになる引きでしたよ

久しぶりに登場して戦闘にも参加したのに、「煩い」なんて理由で昏倒させられたワルキューレが可哀想だけど可愛い(笑)



とても良い

盃から零れ落ちる赤ワインは今回のエピソードにおいて印象深いモチーフとなっていたね
冒頭においては血や侵食を思わせ、ルディが失い壊してしまった諸々を想起させた
それが終盤には全く意味を変えてルディに降り掛かる構図は見事

故郷に辿り着いたルディ。けれど、そこは空っぽだから零れ落ちるものもない
だから代わりに満たすのはルイジェルドの言葉。ルディから多くを教えられたと語り、エリスに今後の道を示した
言いたい事は有っても今は言わない。心に満ちるものを零すのは再び会った時でいい。その考え方は素敵なもの

エリスの故郷にも有るべきものが無く、むしろエリスに求めるばかり
だからエリスが欲したのは自分を満たす何か、家族か
でも、最後の言葉に有るように今のエリスに満ちていたのは釣り合わないという感情ばかりだったのだろうね
特にオルステッドとの邂逅はエリスにそれを強く抱かせるものになったように思う

ルイジェルドはエリスに龍神に遭った意味を問う。様子を見るにエリスの中には龍神への恐怖が巣食っていたのかな?
エリスがそんな心境なのに、死にかけた筈のルディは再び遭遇する事態を想像し、更には対策まで練っていた。それは自身との差を感じる最大のポイントとなったのかもしれない

ルディとエリスの行為を思わせた赤ワインは一方で零れ落ちる様々を直喩していたかのよう
ルイジェルド、エリスの離脱。何もない故郷、見つからない大切な人。そしてルディの心から零れ落ちた涙や悲しみの大きさにこちらまで胸を締め付けられる
果たしてルディはここからやり直す事ができるのだろうか……?



良い

鬼の住まう遊郭にやってきて緊迫した展開になるかと思いきや、随分とコミカルな展開が目白押し。前回の覚悟完了シーンは何だったんだ(笑)
一方で、華やかな吉原の奥の奥に闇があるのだとも感じられる構図になっていたね

賑やかで自信満々な天元、遊郭を照らすまばゆい光。どちらも昼のような明るさを感じさせる、鬼とは対極の存在
だからそこで鬼を探そうと思えば、光が届かない奥深くへ潜らなければならないのだろうね
だからってあんな酷い顔にならなくてもと思うけれど……(笑)

女将さんの墜落死、奇妙な足抜けの噂、そしてまきをの不審な病欠
コミカルな入りから、鬼の姿は見えないままに気味悪さが増していく展開
今の処は視聴者からの好感度が低めな天元の印象がどう変わっていくのかを含めて今回のエピソードも楽しめるものになりそうだ



良い

八虎から体力と時間と視野を奪う体調不良。
でも、結果的に不良が解消された時の解放感が八虎に天啓を授ける構図になっているね
1日目が殆ど潰れたのは事実。でも、遅れ慣れている八虎にとって、それは不利とならないわけだ

それでもヌードモデルを課題として何をテーマにするかという点には悩まされたようだけど
『ありのまま』はすぐに思いつく。そのテーマを深める為には自分や他人を深める必要がある。それが体調不良からの回復に拠って、視界が開くように深まっていく構成は好み

どれだけ体調が悪くてもこの試験は誰かに変わって貰う事は出来ない。だから体調も精神も追い詰められる
自分しかできない。森のテーマ性も龍二の信条も自分のものではない。だから逆にそこに自分のテーマを籠められる
四角形の中に自分の世界を見た八虎。果たしてどのような絵を描き上げるのかな?そしてラストの行動の意味は?



良い

ディアとのデート回。でも、ルーグにとって本来の目的はディアの亡命だったはず。それは主題にならず、デートで茶を濁される
二人共貴族として領民を率いる立場、我儘のような望みを優先できない。それが結果的にデートの形として落ち着いたという事なんだろうなぁ……

タルトやマーハは水着で無人島。けれど、そういった雰囲気にはならず
対してディアとのデートでは何もかも特別な空気感。それだけルーグにとってディアが別格の存在なのだと判るね
そんなディアを暗殺しなければならない事態。任務に従うか人間として抗うか。ルーグにとって決断の時だね



とても良い

ああ、凄い回を見てしまった……
冒頭からレニーの回想で始まるように今回は何から何までレニーとタイタンの想いで締められていた。でも独り善がりなストーリーにならず、タクトを見守った一人の音楽家として最高のストーリーになっていたように思う

タイタンと出会ったばかりの頃のレニーが全く笑えなかったのは意外な姿。でも、タイタンの振る舞いが徐々にレニーを癒やしたと判るね
「一緒に戦ってくれる?」と戦いの光景を意識したレニーに対し、タイタンは笑顔の光景と約束を提示した
一方だけが笑顔になるのではなく互いが笑顔になれる約束

タクトに様々な道を示したレニーは師匠みたいなもの。一方でレニーはケンジの弟子であり師匠だった。教え教わる関係
レニーとケンジがそのようなものであったなら、レニーに教わってきたタクトはレニーに何を教えられたのかと言えば、それは新しい音楽だったのだろうなぁ……

肉体的な死は絶対的なもの。それに対して、タクトは自身の音楽に彼を含むと言った。それによってレニーを含む音楽は死なないと言った
だからレニーの死は描かれない。その代わり……

一人の音楽家がステージを去る姿には思わず涙が溢れてしまった



良い

つい先週まで「無限列車編」をやっていたけど、ストーリーが進むという意味では長い間待ってました!という気分になってしまう。
けど、遊郭へ行くのは次回のようで。今回は「無限列車編」での悔しい思いを受けて炭治郎達がどう感じているかをとても丁寧に描いていたね

乗客を守り魘夢を倒せても、猗窩座に逃げられ杏寿郎が斃れたなら負けも同様。だから炭治郎達にあるのは悔しい思いばかり。でも善逸が言うように蹲っていたって仕方ないから我が身を叩いて進むしか無い
炭治郎が痛む身体に鞭打ち煉獄家に遺言を届けに行ったのはそういった意味があったと言えるのだろうね

そこで出会った煉獄の父はいわば蹲って止まったままの人物と言える
息子への暴言を巻き散らし、日の呼吸への劣等感まで喚き散らす。それはまるで炭治郎の中にある不甲斐なさを具現化したような存在
だから炭治郎は逆上するまでに逃げてはならないと怒り、元柱だろうと構わず攻撃したのかな

千寿郎も別のベクトルで蹲って止まっていた人物。でも、自分の不甲斐なさに気づいている。だから炭治郎も彼に話す言葉は改めて気付いた自分の不甲斐なさを語る言葉になる
でも、それは会話の中で為されるから千寿郎にも影響する。兄のような剣士にはなれずとも彼は進むと決めたようだね

時が経ち再び鬼退治に戻った炭治郎達。でも、それは元通りではなく進展を意味しているのだろうね
杏寿郎の時は彼の戦いに付いていけなかった。それが悔しい思いへ繋がった。今度はアオイを庇う形で天元に同行する形へ
新たな戦場で見せるだろう彼らの成長に期待してしまうね



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