切り。
「『デュラララ!』みたいなのやりたかったんだろうな…」という思いは伝わるが、現代を舞台にしていることと、登場人物の突飛な設定がうまく噛み合っていない印象。
福岡が殺し屋の激戦区だとか殺し屋の派遣会社が平然と存在するところとか、新卒の斉藤が「はずみ」という軽い理由で裏稼業に入ったこととか、リンの女装趣味とかが現実世界という舞台に対して水と油になっていて、物語の楽しみを妨害するノイズに感じてしまった。
楽しむ前にツッコむことに忙しくて疲れるし、話としても「劣化デュラララ」でしかなく、追う価値はないと判断し切り。「原作は面白い」パターンなのかな…。
「ジェネリックな『新世界より』」という印象を最後まで払拭できず。
しかもワンクールで「俺たちの戦いはこれからだ!」エンドとあってはガッカリもやむなし。
個人的には時間の無駄でした。(ファンの人、ごめんなさい)
ヒロインが「急に歌うよ」したことぐらいしか記憶にない…。
「あの『銀英伝』が1クールに収まるわけないだろ!」 これにつきる。
原作小説も旧アニメも未見だが、それでも「マキで進んでるな」とわかってしまう各エピソードの尺の短さが常に不満だった。
惑星同盟と銀河帝国、両サイドの主人公がいよいよ激突する!というところで「続きは劇場版でね!」というオチは言うまでもなく最悪。
詰め込み気味の尺を除いてはアニメとしてちゃんとしてるからこそ、脚本面の不満が際立つ。
声優の演技は言わずもがな、3DCGの艦艇・宇宙機の優れたデザインに、それらが繰り広げる宇宙戦、劇中のGUIのデザインや作画など、金がかかってることが目に見えてわかる。
なにより、こんな早回しのようなアニメでも、名作の呼び声高い原作の素晴らしさの片鱗が伝わってくる。
もっとちゃんとした尺で、それこそ『ビルドダイバーズ』の後番組あたりで分割4クールぐらいの時間をくれれば「21世紀の新たなる『銀英伝』」となれた可能性があっただけに惜しい。惜しすぎる。
ホント、どうしてこんな超1級の素材を1クールアニメにしてしまったのか。