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良い

オリヴィアの慟哭に向き合えないリオンの弱さが目立つ回。ルクシオンやミレーヌの力を借りて好き勝手してきた彼はだから成長していないからオリヴィアと向き合えない
対してリオンに負けて駄目駄目になったブラッド達に成長の萌芽が見えるのは面白い構図かも

オリヴィアに挑戦や失敗をさせなかった為に成長が阻害された
見方を変えるとマリエの愛を得る挑戦を手にし、リオンにより大きな敗北を得たブラッド達は成長が促進されたという事になる
苦手分野に挑戦しリオンにすら頭を下げた。それは以前の彼らなら考えられない行為
まあ、ユリウスは変わらず酷い有様だったけど(笑)

状況を変える為に甲板に飛び出たオリヴィアの決意、そしてブラッド達の成長はゲームにおける理想の在り方に近付いたかのようにリオンに映るのは残酷
ゲームのキャラとダブらせて目の前の人間を見てしまうから、自分をモブだなんて扱ってしまう。オリヴィアとの間に壁を作ってしまう

ブラッド達に功績を譲ろうとしたのは自分に失敗を与えようとした動きとも取れるのかな。オリヴィアを慰められず、アンジェリカから平手され、おまけに功績すら手に入れられないとしたら、それは大きな失敗となる
でも願い虚しくそれすら昇格へ。他者の力を借りるばかりで成長を得られないリオンに求められるのはモブから脱却しようとする挑戦なのかもしれないね



良い

諦め去ろうとする嵐珠の心境を、パートナーであり似た立場のミアを通して描いたエピソードだったね
嵐珠は誰かと一緒にやるなんて無理だと諦めた。ミアは自分の夢を叶える居場所が無いから諦めていた
そんな二人を変える始まりをあの璃奈が担う構図は本当に憎いね

夢に手が届かないからと、「遣り切った」からと去ろうとする嵐珠の諦めを許さないミア。この違いは手を伸ばす先の違いか
嵐珠は憧れた同好会に近付いた上で手を伸ばしても届かないと知ったから諦めた
対してミアが手を伸ばす先は嵐珠でも同好会でも無い。伸ばす先を履き違えているから嵐珠の諦めを通せない

テイラーのステージではミアらしく歌う事が許されず、且つ居場所まで失った
ミアが求め手を伸ばしているのは自分らしく歌えるステージとなるわけだから、その夢を嵐珠に重ねてもいつまでも届きはしない
そんな彼女に、自分のステージで自己実現を達成した璃奈が寄り添う構図は良いね

ミア・テイラーではなくミアとして夢に手を伸ばす
それを知ったミアなら嵐珠に別の話が出来るわけだね。諦めさせないのではなく、夢は掴めると教える。その為の自己実現のステージ
そうして手を伸ばす先を変えたミアの姿を目前にしたからこそ嵐珠も本当の夢を明らかにせざるをえないわけだ

ソロからユニット、そして皆へ。一人から皆へ繋がった絆の形。そこに孤高の嵐珠は入れる余地が無いように見えて、実は嵐珠の在り方が同好会に影響を与えていたという事実
なら嵐珠が同好会に入れない謂れなんて無い。そして入ろうとするなら夢を掴む手を再び伸ばしたという事であり
新たな自己実現、それを友達と歩み始めた彼女のこれからが楽しみになるラストだったね



良い

兄のファッションに散々文句を言い放つ圭。白銀を気落ちさせるその言動はけれど、「白銀御行は格好良い」と見せたいし言われたいとのブラコン的な想いがそこに有ると思うとニヤニヤしてしまう
センス皆無な兄を着飾る苦労、望んだ一つを得る為なら圭は厭わないわけだ

遂に白銀への好意を自認し早坂にも打ち明けたかぐやの変化は驚き
自覚したばかりの恋を叶えたくなるが、告白の勇気を持つのは難しい。だからって諦められる程、欲していないわけじゃない
白銀への告白に悩むかぐやの様子はそれだけの恋心を抱いているのだと伝わってくるね

団長と大仏の件は驚きというか、普通に子安と付き合っているものかと……
それを知って直情的に動くのではなく、子安に告白出来る特別な人間になってから動くという石上の姿には覚悟を感じさせるね
出遅れる可能性があっても、彼女に相応しい人間に成りたいという本気の想いが見て取れる

皆が皆、望むたった一つの月を手にする為に動き出した文化祭。
「告らせたい」という意地から始まった物語は「告りたい」という本気へ
副題の『ウルトラロマンティック』が決して軽い気持ちで付けられたものでないと判る展開にこれから文化祭がどのような場になるのか楽しみで仕方ないよ



良い


良い

大きなエピソードが終わった後は整理する時間が必要。それは絵日記だったり小休止だったり
それなら学生らしく夏休みを満喫したい。けど、夏は独りで満喫できるものではない。そうして満喫を分かち合いたい相手、桃やミカンを求めるシャミ子にはニヤニヤしてしまうね

独りでは夏エネルギーの行き場はない。誰かと分け合ってこそ。独りで夏アイテムをフル装備するより、桃やミカンと屋台巡りをした方が楽しいに決まっている
それは夏祭りだけでなく、夏休みの宿題にも当て嵌められる点は学生の夏休みっぽさに溢れていて良いね

一人と一人では宿題に対する意見が分かれて進まない。けどそこにトラの赤ちゃんという別の要素を加える事で夏を楽しめると知れる。宿題も頑張れる
途端に桃に宿題を勧めていたシャミ子が引っ張られる側に回ってしまうのはモチベーションの違いが見えて面白いというか、桃ってそんなに猫科の動物が好きなんだ(笑)

そんな賑やかな中で見えた寂しさ。孤児として一人だった頃の桃が抱えていただろう感情
なかなか素直じゃない桃がポロリと零した望み。これを眷属とか桜に頼まれたとかそういう理由ではなく、桃が笑顔になれる日々を取り戻せるようにと奮起するシャミ子の様子には心温まるね



良い

佳乃子へ向けられる「何で京都に?」 それは行動の中身を問う言葉
茶道を楽しむ為でも和菓子を味わう為でもなく和の為。かといって復縁に向け行動しているわけでもない
中身が伴っていないと自覚しているから、意地を張った時から変わっていないと不安定になる

そこには実家に戻って和菓子の道を進む和の中身は自分が寄り添えるものなのかという不安もあるのかな。今の和はバンドよりも和菓子に一直線になっているようにみえる
ただ、以前の佳乃子はきちんと相手の中身を見れていたような。栗を被った和の姿に最初は絶句しても、その後は魅力を理解している

被り物に誤魔化されず、中身から和の人柄を見ていたのがズレてしまったのは和が現状より実家を優先してしまった際か
和の中身に自分が占める割合が低かった事に納得できなかった時から和の中身が見えなくなってしまった
また、和の人柄が変わったように見えるのも理由かな

一方でバンド時代も和菓子を被っていた点から、元々の中身は何も変わっていなかったと知れるのは面白いね
和の心にはずっと和菓子が有って、それはバンド時代も変わらず、だから実家に戻っても変わらない
なら、あの頃の佳乃子が見ていた和の中身だってきっと変わっていない

別れた際は「洋菓子が好き」としか気持ちに被せた言葉しか伝えなかった
だからこそ、気持ちの中身を伝えるべく「和菓子も好きだから」と言えたのは良かったね
変わったのではなく、変わってないと伝える二人の交流。なら関係性も元通りの形にできる日も来るかもね



とても良い

奇妙な世界構造ながら第一話から確かに存在した身分格差、それが遂に牙を剥いた印象
人間扱いされたいとか自分はモブだとか嘆いてきたリオンがオリヴィアから「私は人間です!」と訴えられる衝撃。自分への卑下がいつしか大切な相手をゲームキャラと扱ってしまっていたわけだ

空賊退治に挑む理由を説明する際などから明らかなように、リオンは完全にあの世界をゲームと捉えているし、王子達もオリヴィアもゲームキャラと捉えている。だから自分もモブ扱い
かと言って、王子達に一欠片も人間性を見出していない訳では無い点は少し面白いかもしれない

ブラッド達は恵まれた特別な立場のキャラではなく、彼らなりの苦労が有ると認識できている
また空賊も人間だと認識し、それを殺す事で自分が普通じゃ居られなくなる事を気にしている
後少し認識を変えればリオンは世界すら捉え直せるのだと思わせる

それが出来ないのはゲームの知識が有る為だね
ゲームでオリヴィアは主人公だった。ゲームに自分は居なかった。それが認識の歪みを生んでいたのかな
キャラは何でも知っている。でも人間を知ろうとしなかった
オリヴィアの糾弾はリオンにオリヴィア達と向き合う必要をこれでもかと訴えているね



とても良い

嵐珠と同好会を対比するような回
嵐珠はジェットスライダーの助けが無くても自分一人の力で輝いてみせた。それは孤高のスーパスターそのもの
対する同好会は皆で助け合い一つのステージを作り上げる。でも全員で一つではなく、全員が『一人』を持ち共鳴し合い『皆の虹』となった
そういった違いを感じたかな

ソロで挑む嵐珠に対し同好会は「お互い頑張ろう」「応援しに行かないとね」と嵐珠を一人として扱わず皆に含めるかのよう
その象徴がジェットスライダー。学園中を巡る船は学園そのものが嵐珠を応援する意味を体現しているかのよう
けど嵐珠はそれを必要としなかった。人から与えられるものを求めない

これは侑の引っ掛かりに通ずる要素
侑は同好会だけでなくファンや嵐珠に与えられる答えを曲に込めようとしたから行き詰まった
でも、侑の初期衝動はそれじゃないんだよね。与えたいから同好会に入ったのではなく、アイドルのファンになったから同好会に入った。支えたいと思ったから同好会に居る

アイドルの全部にときめいたから、ときめきを伝えたい。与えられたから、与え返す。これこそ侑の答えだよね
同じステージに立つわけじゃない。でも皆のステージを作り上げる
同じ曲を歌うわけじゃない。でも皆が歌えるように伴奏で支える
それが侑や同好会だけの答えじゃないのはペンライトの輝きが教えてくれるね

侑がステージの一部でピアノを披露するというクライマックス、更に全体曲が披露されてボルテージが最高潮になった後に描かれた侑の安堵の表情、見事に魅了されましたよ、ええ……

2回目のフェスによって示された虹ヶ咲の新たな答え。これを前に嵐珠は何故去ろうとするのだろう…?



良い

文化祭という大イベントを前にしての準備回。けど、準備の意味を飾り付けだけの意味に留めず、本番へ向け意識も整え直しているように思えるね
これまで蓄積してきた経験を研ぎ澄まし、そうして文化祭をより良いものにしようとしている

実行委、というより子安の雰囲気に同調しつつ補足意見を出せる石上は経験の蓄積が活きている。けど馴染みないミコは雰囲気から浮き針のむしろ
そのまま終わるかと思いきや、キャンプファイヤーという本音から変わるのが面白い

避難されるのはいつもの事。そこで突っ走るのもいつもの事
けど突っ走った果てにこれまでの経験の蓄積を元手に報われる展開は良いね
誰もがやりたいとは思っていた。でも無理だからと諦めていた。それをミコの本音と実直さが切り開く描写は確かにアガる

白銀は風船すらあのザマなのか……
でも普通の人が普通に出来る事を出来るようにする為に孤軍奮闘してきた白銀はいわば経験蓄積の宝庫。それは経験の蓄積ではなく理想の再現にて好成績を残しているかぐやにとって魅力的に映り、惹かれる理由となるのかな



良い


とても良い

芸事では先達が作った完璧な物がどうしても目に入るから、それを目指さなきゃみたいな気持ちになるのかな……
でも、完璧な物は完璧ではなく失敗に拠って作り上げられていたり、そもそも完璧に作る事が目的とされていなかったり
そういった事が伝わってくる少し素敵なエピソード

完成形だけを見れば誰をも魅了する芸術品も小さな技の連なりで出来ている。同様に職人の仕事も、助っ人へ最初に任せるのは掃除
関係ない、又は美しくない物の積み重ねで完璧は出来上がる。緋色の仕事熱心さは褒められる点だけど、彼女が見下す和の人懐っこさも一果が言うように大事な技術

和菓子の体験教室、これも完璧を前にしての実技と言えなくもないのかな
平伍が手本で作るのは完璧な形。そこに上手く作れる一果まで居れば、どうしても「上手くない」が見えてしまう
それを失敗だと笑ってしまえば、その人自身の否定にも繋がってしまう

でも、あの場ではそもそも完璧を目指す必要なんて無いわけで
和の公私無視も激しい非難とならないし、和菓子作りも美しさより楽しさが優先される
完璧でないと決め付けて笑うよりそこに有る可能性を尊重する
別の見方をすれば、母親も完璧でなかった接し方を改める機会となったのかもしれないね

完璧さを目指すのではなく、夢を目指しいつか褒めて貰いたいと目標再設定した緋色
最後には和菓子を美味しく食べれて、母親の言葉に笑顔になれたみゆ
どちらも良い変化だったね

それはそれとして、何度失敗してもひょうきんさを失わない和って実は最も強いのかもしれない、なんて事を思ってしまったよ?



普通

婚活や世界構造の珍妙さよりも人間関係にフォーカスされた分、リオンの小物感が目立つ内容になっていたね
けど小物は小物でも気持ちの良い小物。ルクシオン頼りで無双しつつも最終的にはピンチに陥る。このバランスが彼を嫌味な人物にしない要因となっているのかも

リオンは小物だけど一応の弁えはあるんだよね。カーラを助ける理由はオリヴィアの為だし、レースに出るのもアンジェリカを困らせない為。
リオンは傍若無人に振る舞うけど、守るべき者の為なら理不尽も受け容れている
そういった理不尽を受け容れつつ、その先で自分勝手に振る舞うから気持ち良いキャラになるのだろうけど

またリオンの良い点は自分勝手に振る舞った先でジルクに拠って理不尽な目に遭っていたクラリスにけりを付ける機会を与えた事か
また、他にもオリヴィアとアンジェリカとの仲が戻るように助言もしている
悪役のように振る舞いつつ嫌味にならない程度に誰かを助ける彼は主役ではないかもしれないけど主人公としての貫禄は付けつつ有るように思えるね

そういや、もう一人の小物として台頭して来たのがマリエかな。こちらはこちらで笑えるタイプの小物に成りつつ有るような
ハーレムは完成している。けれどそのハーレムによって苦労している。おまけに前世の恋愛でも厄介な男を引っ掛けていたようで
リオンもマリエも大物になれないタイプなのに、厄介事の中心に居てしまうのはどういう運命に生まれたのやら(笑)



普通

規模を拡大し不可能を可能に変えた合同フェス、それは大勢から夢を託されたから実現した形。その形が回り回って来場者や関係者に夢を与える構図になっているね
その中で栞子はフェスを支える側だったけど、フェスに夢を託しているわけではなかった。その夢の行き先が描かれた回だったと言えるのかな

栞子の挫折と言うか、諦めは少し特殊な形
栞子は自分の夢を姉に託す形で応援していた。「高校生になったらアイドルに」というのも姉の道をなぞる形
だからこそ姉の夢が叶わぬ形で終わった瞬間を自分事として捉えて夢が止まり、応援する要素だけが残ってしまったのかな

『適正』を盾に自分の可能性や夢から目を逸らす栞子の様子に付け入る隙は無いように思える。けど栞子の諦めは自身の諦めじゃないから、実は余地が有る
夢に不義理な形で蓋をしている栞子の諦めに納得がいかないから、大勢の人々から夢を託されてステージを彩る同好会は栞子の夢の為に動き始めるわけだ

だから栞子に必要だったのはかつての自分が姉を応援していたように、踏み出せない自分を応援してくれる存在であり、夢を託した姉も後悔していないという事実であり
また、「やりたい気持ちが貴方にあるんならそれだって充分適性」との台詞は良かったな。栞子を夢から遠ざけた『適正』が一転してアイドルへ進ませる後押しになった

一方、人気は高まっているのに孤独感を強める嵐珠の様子は気になるね
栞子もミアも夢や好きを与えたり与えられたりして繋がりを増やしている。「与えるだけでいい」と言い放っていた嵐珠の夢は誰の為に何処へ行けるのだろうね



良い


良い

前半で描かれた三者面談は夢や進路を問われる場。でもそれを真に問うているのは教師ではなく自分自身
自分に問い答える事で他人に教えられる。かぐやは自分に問い掛けないから答えがない。白銀はきちんと問うているから進路だけでない答えも欲するようになる

白銀は自分で答えを決めた。告白も自分の力で進み始める
すぐに自分から告白できないのは変わらないけど、期限を決めていずれは自分から告ると決めた。それは大きな成長だけど、そもそもは自己への問い掛けが行われなければ得られない成長だろうね

ただ、自分への問い掛けなんて普通は上手く行かない。藤原が言うように客観視、他者からの問い掛けと答えの方が自分を正しく表す場合もある
そういった意味では白銀が他者から自分がどう見ているか聞くのは珍しい姿でありつつ、これまた彼の成長を感じさせるシーン

かぐやだけが良い答えを返したのは、かぐやは白銀に問い掛け続けているからかな
三者面談でも自分より白銀の進路を問うていた。だから白銀が求める答えを持っていた

でも飛躍を遂げようとする白銀と変わらないで欲しいと願うかぐやの認識がズレている点は気になるけれど……



とても良い

白澤に突き付けられて以来、桃の中で課題となっていた「シャミ子に見返りを与えられるか?」
今回、夢に潜る前に口にしたのは、ここで放置したらシャミ子をまともに見られなくなる点。今の桃にとってシャミ子はとても大切な相手だから対等で居られない、共に居られない未来を嫌がったのだろうね

自分は悪夢から助けられた。なのにシャミ子を悪夢から助けないなんて釣り合いが取れていない。だから桃は生き血を出す覚悟でシャミ子を助けようとしたわけだ
精神の闇堕ち、高リスクの道へ進ませたのも桃にとってシャミ子がそれだけの価値がある大切な相手となっているからなのだろうね

過去のシャミ子は桜に返しきれない程の恩を受けた。でも桜はシャミ子の中で眠っているから桜には返せない。桜が気にかける桃が代わりに恩を返す相手となるわけだね。それだけでなく桃により悪夢から助けられて今回のシャミ子は借りが出来っ放し
超強いまぞくに成れないシャミ子に返せるものなんて今はない

それでも桃が「今はそれでいい」と言ったのは既に見返りを受け取っているから
姉の居所が判ってシャミ子は無事に戻ってきた。それは桃にとって充分過ぎる見返り
でも、桃にそう出られると今度はシャミ子の方が釣り合い取れずに困ってしまうね。おまけに驚きの笑みまで受け取ってしまったわけだから

だから二人は「誓い」を交わして改めて対等になる必要があったのかも
シャミ子は超強いまぞくになって街角を守って桜を桃に返す
桃は街角を守るシャミ子を手伝い、シャミ子が居る街に居場所を作る
夕日の下で交わす桃色の誓い。二人の関係が一段と深まった気がするよ



とても良い

呼び名は違っても同じ物を指すぼた餅とお萩、呼び名は同じだけど違う物を指す月見団子
この在り方は今回何度も言及された『家族』を想起させるね
『家族』の呼び名は同じだけど内実は異なる。それが一果を取り巻く今の環境を示しているね

家族で楽しむ運動会を去年も一果は参加しているけど、楽しみに思えないのは去年は親子で参加できなかったし、緑松を家族とも思いきれていなかったからかな
それを気にしないスタンスでズイズイ来る和は本当にいいキャラしてるね

和は何も考えてないのではなく、一果を見守る家族が居ると伝えたい
一果もそれを知ったから、和を家族として迎え入れようとしたのかな。和菓子を通してメッセージを伝える一果の不器用さが微笑ましい
一果にとって本当の父親が『家族』を指す。けどあのデカパン競争の時は和達も『家族』だったね

遂に現れた一果の母親。緑松は家族じゃないから一果を引き止める権利はない。家族である真理がどうしてもと言えば、一果を引き合わせるしか無い
でも過去の一果が母へ言ったように『家族』だからって必ず同じ物を指すわけじゃない。真理と一果では指している『家族』が違った

別に一果は家族と一緒に居たくないわけではない。でも父が好きな和菓子に関われる今を大事にしている。だから母が一番の甘える相手ではない
今の一果にとって和菓子の有る『緑松』は甘える相手であり居場所であり『家族』と別の言葉だけど同じ物を指していると判るね

ラスト、カメラを向けた和にちょっと不機嫌なような照れているような顔を見せた一果
これは構い過ぎる父親に反抗する娘みたいに思えてしまったよ



良い

真ヒロインミレーヌ登場!……はさておき、前回の決闘が嘘のような変わらぬ学園模様には唖然とするね
虐げられる男性陣、マリエに群がる王子達、虐められるオリヴィア、穢される茶会。こんな状況だからリオンも変わらず自分をモブだと認識し続ける

こうなってしまうのも結局リオンが王宮から評価された流れで秩序が守られてしまったから。だから壊れるべき風習は壊れず、学園は変わらず男性への扱いは変わらない。リオンにとってオリヴィアもアンジェリカも手の届かぬ高嶺の花という認識のまま
後ろ盾が無ければ吠える事も出来ない

それでも変化した点が有るならリオンの評価かな
圧倒的な力を持つリオンを周囲は放っておかない。だから王妃は訪れるし、カーラは近付いてくる。変わらぬ秩序の中で変わるリオンの周囲
何はともあれ、一般的な感覚を持つミレーヌとくっ付くのが一番だと思いますけどね。まあ、色々な意味で茨道になるけど



とても良い

しずくとせつ菜はユニットを組む事になったわけだけど、こうして見るとしずくとせつ菜は似たような課題を持っていたんだなぁ
生徒会長の自分とアイドルの自分、どちらが偽というわけではなく並立する在り方。それが学園祭とフェスティバルの両立という問題にリンクする話と見ると面白い

皆の夢と自分の大好きを守る為に正体秘匿を望むせつ菜。それは母や生徒達に自分の並立を受け容れてもらえるキャパシティが有ると確信できていなかった為かな
けど、合同文化祭がキャパオーバーになったように、二つの存在を二つのまま扱おうとすれば何かと問題が生じてしまう
両立させようとすれば、両立を受け容れられるキャパが求めれれる

学園にて合同学園祭に対する意見が割れたのも似たような背景から。学生達はファンとしての自分と生徒としての自分を両立させられなかったから騒ぎになった
学園の騒ぎに対してせつ菜が判断を下せばそれは生徒会長としてものしか成立しない。でもアイドルとしての自分は納得しないから悩む

この判断を説明する際、同好会に対しても生徒会長として説明している辺り、せつ菜はキャパオーバー状態
そんな彼女に歩夢達は生徒会長・アイドルという個だけでなく、生徒会・同好会としての集団を持ち出してキャパを広げた。更に他校も巻き込めばそりゃ解決の道は見つかるというもの

母と生徒に自身の正体を明かした優木せつ菜。これは母や生徒達に自分や自分の大好きを受け容れてもらえるキャパシティが出来たと確信したからかな

遂に始まった合同学園祭。この中で変化の予兆が見え隠れする栞子やミアはどういった一歩を踏み出す事に成るのかな?



良い

ラップ回。紛うことなきラップ回。A・Bパート更にはEDまでラップなものだからCパートが逆に浮いているという…
そんなラップまみれの中、一貫して描かれたのは「本音を曝け出す」点かな。良いラップには願いを、告白には恋の想いを
曝け出さないと『本音』にならない

そういった視点で見れば、このラップ回が早坂の『本音』を引き出す為に使われたのは納得かも
かぐやには気を遣い、かぐやの交友関係には嘘の姿で接し、白銀接近も主の無茶振りから。バランスを取る為には設定で切り抜ける必要があるから、彼女はどんどん『本音』を失っていった

その『本音』が他者の『本音』によって明るみに出るわけだ
白銀に藤原だけでなくかぐやですら自身のリリックを華麗に披露して見せた。それは彼女らが『本音』を曝け出せているから
自分は我慢させられているのに彼女らばかり……。そういった憤りの爆発が早坂に我儘か姉妹喧嘩のような『本音』を引き出させたんだろうなぁ

眞妃のお悩み相談。これ、面白いのは相談を受ける白銀も石上も別に恋愛強者じゃないどころか、下手すると眞妃と同じ悩みを抱える同士かもしれない点
それぞれの悩みが解決する見込みはないけど『本音』で語り合えるからあの場が盛り上がる

さておき、この『本音』を曝け出し合う流れの中で、唯でさえ厄介なかぐやの恋愛事情がより厄介な事態になりつつ有るような……
自分の知らぬ間に白銀と仲良くなっていた眞妃、何だか敵を育ててしまった感のある早坂
かぐやのロマンティックはいつになったら訪れるのやら(笑)



とても良い

桜を探す過去への旅路、それは手掛かり少ない道だからこそ厄介。手を変え品を変える必要はあるけれど、遣り方を変え過ぎれば行き着かないかもしれない
それは桜探しだけでなく、桃の中にあるシャミ子を心配する気持ちにも言える事だね。今回の桃は桜とシャミ子への心配が並び立ち妙な感じになっている

冒頭、シャミ子の欲しい物を尋ねる桃だけど、元々は自分の頼みがシャミ子のプレッシャーになっているかもという懸念から。でも懸念と質問の形を変えすぎたから伝わらない
でも桃がシャミ子を心配する気持ちは変わらないからバイト継続にも反対する。けどやっぱり伝わらない

桜が何処へ行ったか知る者は居ない。それでも情報の欠片を擦り合わせて一つの形へ変えれば真実へ近付ける。ほんの少し前まで誰も知らなかった真実へと行き着いたわけだ
でも、十年前の記憶なんて形のないものだから思い出せるものではない。だからシャミ子には危険を冒して記憶の形を確かめる事になってしまう

この状況に桃の反応は煮えきらないね。姉を探したい、シャミ子を危険に晒したくない
姉の行方が知れると思った瞬間はシャミ子が懐かしむ以前の調子に戻るけど、シャミ子が夢で危険と知ればやはり調子が変わる
桃にはどちらも大事で疎かにできないから判断は明確な形とならない

桃がどちらを今大切にしたいか定まるのは悪夢を引き合いに出してから
夢の中で助けられたなんてあやふやな根拠。でも、煮え切らない状況を抜けるには明確過ぎる形よりも多少ぼんやりしている方が良いのかもね
なかなか素直になれない今の桃にはそういった理由の方がシャミ子を助ける行動に繋げやすいのかもね



とても良い

相手の心の中身を探る難しさ。読書感想文はあっさり書ける一果も、最終日に残す和も容易なものではない
一果は言葉だけでは美弦や佳乃子の思惑は簡単に探れなかった。一果が察せられたのは相手に見せたい表面だね

和の元カノと想い寄せる少女、内面の一部を知る一果は表向きスムーズに進む遣り取りにややこしさを感じている
それは表層の言葉と中身の想いが一致していないのではないかとの邪推が有るからだね
表層の言葉と全く別の中身が鍔迫り合いをしていると思うから、一果は心穏やかにならない

懸念を他所に良好な関係になった美弦と佳乃子、そこに一果は大人びた姿を見るけど、それは結局二人が社会や好む相手に自分をどう見せたいかという表の姿
最後の言葉から表だけでは判らなかった中身を知った一果に二人が鬼の如く見えてしまうのは面白い(笑)

突如帰宅した祖母は自分本意だけど厳しい人物に見える。けど、父は祖母の舌を前に緊張してるし、母も祖母の貢献を評価している。
表層から中身が全く見えてこないから和には祖母がどういう人物か判らない
それが変わるのは少しずつのスピードで、味わうようにゆっくりと

母の言葉、夢枕の祖父、護摩木に籠められた記憶と願い
何よりも和に祖母の中身が見えるようになったのは護摩木の言葉を見て
そこには祖母だけでなく祖父の願いも籠められている
それは和が叶えねばならない願いであり、そして和に人生の方向性という中身を詰めるものになりそうな

葛饅頭を食べて表に出たのは「ええ塩梅や」という短い台詞だけ。けれど、そこには緑松を育て上げた祖母と祖父が長い年月をかけて築いた味がしっかりと詰まっているのだと伝わってくるね



良い

リオンにとっては気に入らない全てを壊しつつ、一応アンジェリカを守る行動を取っただけ。後の事なんて考えない暴れ方
既に崩壊している秩序を破壊する暴虐。でも、それが別の見方をすると秩序を取り戻そうとする動きに見えてしまうのは面白い

前回の戦闘にも言える事だけど、リオンは王子達をボコボコにしつつ彼らの誤った部分を指摘し、その誤りを利用して圧勝した。それは弱点を突く行為なのだけど、別の見方では彼らの傲慢さを目の前に突き付けているように見える
ただ、問題だったのは彼らに改心の余地がなかった事。だからリオンの暴虐は一方的なもので終わってしまう

彼らの覚悟が頑なだからユリウスとアンジェリカの仲が戻る事はないとはっきりしてしまう
あの状況でもマリエへの愛を貫いたユリウスは本気。ならアンジェリカが何をしようとユリウスの心は戻らない
ユリウスを諦めきれず決闘まで挑んでしまったアンジェリカはようやく諦めるきっかけを得たわけだ

まあ、こんな状況だからこそ大まかに見てしまえば秩序を破壊するリオンの行動は忠義の行動となってしまうのだけど(笑)
壊れた秩序を壊して全てを失う筈が秩序を守ったと評価されてしまった。だというのにリオンの手に残ったのは簡単に手が出せない高嶺の花
彼の女難の人生はまだまだ続きそうだね



とても良い

第1期8話のしずくが演技をしている自分としていない自分を多面的に受け容れられるようになる話だったなら、今回は演技をする役や舞台をぶち壊す話だったのかな
しずくが他者にイメージを当て嵌める台本から始まる歩夢とせつ菜の演技、それはしずくのイメージを良い意味で裏切るものになったような

侑をストーキングする歩夢もよく判らず付いてくるせつ菜も、それに気付かない侑も視聴者のイメージから外れぬ役割
それがズレ始めるのは遊園地で共に遊ぶようになってから。稚拙な言い訳により転換する役割は楽しさを優先するものに
それでもこの時点でしずくがイメージを崩さずに居られたのは相手を要素的に見ていたからかな

これは嵐珠の視点にも言えるね
侑に「夢追い人」の役柄を見ている嵐珠には夢追い以外も注力する侑の在り方は役にそぐわないもの
でも、侑は自分を「夢追い人」だけと捉えてないし、厳しい口調の嵐珠にも「優しさ」を見出だせてるし、言われた嵐珠も満更ではない様子
それらは人の持つ要素が複雑に入り混じっている事を示唆しているね

せつ菜の提案で始まる即興劇。しずくイメージの役柄から始まっても、次第に役者は自分の足で進む。それは台本を超え、創造主の役すら変えてしまうもの
舞台も役柄もイメージした型から外れてしまった。でも、型を超える動きがそれぞれの持つ楽しさを引き出してくれるわけで
しずくはまた一つ成長できたようだね

それにしても、歩夢が侑としずくを目撃したシーンとか、侑と二人で観覧車に乗るとなった時はちょっと緊張してしまったよ……。大事にならなくてよかった……
新ユニットという新境地への挑戦。侑と歩夢の関係が変わってしまうかもしれない時を前に二人っきりで話せる場を用意した侑は抜かり無いね



普通


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