文化祭を前にひとりが精神崩壊気味に迷走するのはいつもの事だけど、ひとりの迷走が喜多に一歩を踏み出す勇気を与えたようで
でも、ひとりだって廣井から勇気を貰った側で、廣井だって元々勇気を持ち合わせていた側ではない
誰かに勇気を与える存在をヒーローと定義した場合、その連鎖にエモさを感じてしまうよ
結束バンドにとって文化祭は目立つ絶好の機会。けど大失敗のリスクが有り、観客数も学校生活への影響もライブハウスの比ではない
ひとりには勇気が無いから自分から参加申請なんて出来ない。かといって喜多に知られればひとりの気持ちに反しイケイケドンドンに進む可能性もあるから相談できない
まあ、勝手に申請されちゃったけど(笑)
ひとりの恐れを変えるのは廣井だね
観客も多く集め圧倒的なステージを演出出来る廣井。そんな彼女もかつては根暗で外からの勇気を求める臆病者だった
けど今の廣井は紛れもなく人気バンドのヒーロー。それは他者に勇気を授けられる存在だね
廣井のお陰でひとりも自分の臆病を変えられる
でもイケイケドンドンに見えていた喜多だって勇気を求めていた人間。ひとりが申請を捨てたと判っていても、判ってないフリして申請する程
でも臆病を抱えたままでは恐怖も強まってしまう。喜多の謝罪は許しを請うもの
そんな喜多に感謝を返したあの瞬間、ひとりは紛れもなくヒーローだったね
喜多に新たな勇気を与えていた
誰とも繋がりを持てなかったひとりがネットに居場所を求めてギターヒーローなる存在を創作した
それが今や虹夏の夢に応え、リョウとバンドを続け、喜多に勇気を与える者と成った
相変わらず顔面崩壊著しいけど、ひとりは少しずつ名前負けしない存在になっている。なら残すはヒーローとしてもっと名を知らしめる点。文化祭はひとりにとってターニングポイントとなるのかな?
前回でFFが追い詰められたと思いきや、一瞬にしてプッチが不味い立場に
徐倫達に勝利の兆しが見えたと思ったら、一転して絶体絶命
二転三転する有利不利、それは各人が自身の勝利の為に全てを投げ打つ覚悟で挑んでいるからなのかも
だから誰も彼も安心できない
冒頭のプッチはその点が判りやすいけど、勝利を希求するもう一人はアナスイだね
徐倫と結婚する為に彼女に愛を囁き続ける。ライバルになりそうなウェザー・リポートはFFを使っても邪魔しようとする
時には徐倫の神経すら逆撫でするアナスイの無礼、それは徐倫から愛を獲得しようとする勝利への渇望がそうさせる
それが後に他の勝利にも影響する
徐倫にとって最大の勝利とは承太郎の記憶を取り戻す事。それは他にプッチから奪いたいものより優先されるが為に、プッチが彼の勝利を求める上で脱出口となるわけだ
徐倫の求める勝利は明確でも、危うく手は届かない
だからこそ、徐倫を勝利させる事が命を失うという敗北に直面したアナスイとFFにとっても勝利に繋がるわけだね
プランクトンと下に見ていたFFに全てを託そうとしたアナスイの選択により、FFはアイデンティティを示す勝利へ辿り着いた。そしてFFの知性がアナスイにディスクを取り出させる勝利へ辿り着いた
二人の勝利は徐倫に最も手にしたいディスクへ辿り着かせが、しかし状況が彼女にとって勝利と言い切れないのが悲しいね…
徐倫が手にすべき他の勝利、その為にはあと何を犠牲にしろというのだろう……
新興宗教と勘違いされるおじさんの家、実態は宗教よりも異端な異世界鑑賞に興じているわけですが
でも、実際おじさんはセガを宗教の如く心の支えにして異世界を生き抜いたのだから彼は宗教家のようなものかもしれない。だからたかふみ達も異世界話に夢中になれるのだろうし
宗教家のような生き方をしているから常人とズレている。人の記憶をすぐに消そうとしたり、大事な話を聞かなかったり
そんなおじさんと付き合おうとするなら、エルフだって少女を脅すなんて非道に出なければならない
…なのにおじさんはエルフを振り切って一人で寝ようとするのだから大概だけど(笑)
アリシア達も混ざりわちゃわちゃ感が増す状況でもライバルになりかねない存在にマウントを取るエルフは隙がないね
ただ、指輪の経緯を省略している辺り、なりふり構ってられないだけとも言えるけど
かなりズレてるおじさんに合わせるように色々ズレてきたエルフ。ここにアリシアがどう介入してくるか楽しみですよ
人間性の保持が許されない必死の戦場。人質を取れば攻撃されないなんて常識は通じず。必死の戦場を制するのは人間らしさを捨てた者だけ
マキマとコベニが生き残っていた点は嬉しいのだけど、同時に彼女らが示した人外的な在り方がデビルハンターとは生易しい職業ではないと突きつけて来るかのよう
いや、それにしてもマキマの存在が改めて恐ろしい…
これまでも彼女に悪魔的な要素を感じてきたけど、今回はそれを超越している
死んだ筈が生き返って、生者を用いて死者を生み出す。更には部下達の死や恐怖にも鈍い反応
まるで神の戯れを見ているのではないかと錯覚してしまう
デンジを助けたのは姫野が早川へ向けた想いの残り滓、荒井は銃撃後すぐにコベニの盾になった
瞬間的な何かが欠けていたら助からなかった神懸かり的な展開。でもそれを実現したのが人であるならば、この悪魔的状況も神様の力を借りずとも変えられるのではないかと思える。けど、コベニ等の様子を見るに人の心では耐えられないのだろうな…
あまりに大きすぎる損害を被った公安
喪われた命は多く、早川は姫野消失の衝撃から立ち直れそうもない。コベニも公安を辞めてしまいそうで、デンジも全快するのかどうか…
誰も彼も大きな傷を抱えてしまった中で、出張に来た同僚を迎え入れたかのような雰囲気を崩さないマキマだけが本当に異様だ……
距離が近いと遠慮も配慮も無くなってしまうのか、桜井と宇崎は
突然脱げと促す桜井も、ホラー映画が怖いと抱きつく宇崎も、最早恋人を通り越して家族のよう
だから宇崎用の布団だって当たり前のように有るし、下着もストックしようなんて考えてしまう
それが逆に働くのが桜井家か。知らない間に妹が生まれてたとか割とヤバい話な気がする(笑)
家族として遠慮がない関係だから配慮を忘れ帰省を疎かにしてしまったのが原因か
クリスマスという一大事を前に家族がフォーカスされたのは桜井と宇崎がそういった関係に近づく前フリでないかと思えてしまうね
ミオリネを手にしようと迫るシャディク、今回は彼が前回から口にしていた視野が試される話だったのかな
シャディクは本当に望むものの為に様々な視野を持ち策謀を巡らせた。それだけにミオリネを愚直に信頼するスレッタを下に見た。それこそがシャディクの視野が誤っていた証左になるのかな
シャディクが契約書周りで行ったのはミオリネの視野を狭めようとする行為。悪い話じゃないと思わせて答えを誘導する
でもシャディクという人間を正しく視野に収めるミオリネだからそれに嵌まらない
そこで終わらないのがシャディクか。集団戦は多数を視野に収める能力が試される
集団戦の為にはパイロットもMSも複雑な人間関係も視野に収めるキャパシティが必要
スレッタは視野がまだ狭い人間。だから道に居たグエルに直前まで気付かず、彼が本当に望む言葉も判らない
シャディクへの言葉も自身の視野の狭さを認めるようなもの
でも視野の狭さは悪ではない筈で。それが描かれるのが決闘シーンかな
追い詰められた状況では視野が更に狭まるもの。でもそれは見るべきものが見えている印かもしれない
エアリアルは家族、ミオリネは信じる。そこに迷いはないから、後の行動もまっすぐ道を切り開く
結局シャディクは色々考えるあまり、視野が広がっているようで狭まっていたのかもしれない
だから本当に手にしたいミオリネを手にする為に何が必要か見えなかったし、障害はスレッタだけと思い込んでしまった
ようやく理解した彼が見るべきもの。それはミオリネが言うように本当に今更…
それにしてもエアリアルの正体が更によく判らなくなってきたような……
スレッタはエアリアルを家族と言い続ける。プロスペラは審問会でドローンと誤魔化したが、後にガンダムであるとバラした
だからこそGUND技術を無効化するアンチドートを克服出来た理由が判らない
エアリアルは本当にガンダム……?
4人の間に嘘があるという事は当人達や周囲に開示されていない情報があるという事
エスパーやら宇宙人やら女装やら。そういった日常では有り得ない要素が半蔵の襲撃を台無しにしてしまう展開には笑ってしまうね
あと、軽々しく子供を作ろうとするリッカ怖い
4人の間には嘘が存在し続けているから全てを明かせない。嘘で形作られた穏やかな日常を守る為には新たな嘘を吐かなければならないし、嫌われる勇気も必要
それらが完全にコメディとして笑える展開になっているのは好印象
お互いの為に嘘を吐いているのにとばっちりで苦々しい思いをする関根と翼は御愁傷様(笑)
というか、翼(剛)は折角男子校に通えるチャンスが有ったのに自分からフイにしてしまうのか
彼にとって自分の在るべき場所より親しい友人が居る場所の方が居所と感じているようで
自分の場所を守る為なら奮闘する。それは千代にも当てはまるポイントか。だから昔は可愛がっていた半蔵にも容赦しない
今回のリッカはやらかしとアシストを同時に発揮していたね。しかも無自覚に
関根にとっては最難な存在、千代にとっては救いの存在。半蔵にとっては予想外の宇宙人
……改めて考えると忍者の任務を妨害する宇宙人って特殊すぎて意味が判らないな。だからオチの「オリジナルブレンド」なんて台詞も意味が判らなくて嵌まるのだろうけど(笑)
普段は陰キャひとりと陽キャの虹夏達という構図なのに、観光地へ場を移した事でアウトドア派喜多とインドア派の3人に分かれるのは新鮮な構図
普段と異なる場だと普段と異なる姿が見られる。長期休暇特有の現象だね
ひとりが冒頭で可怪しくなっていたのもそういった背景。夏休みなのに普段と同じ生活、遊びの誘いもなく。かと言って誘えもせず
他人に見えないキャパオーバーを拾い上げた星歌は「いつも見ている」の言葉に恥じないアシストだったね
ひとりのメンタルケアに係る江の島観光、それはひとりの為だけでなく、皆が楽しめるものに
だから喜多のテンションは上がるし、他の3人も一応ついて行こうとする
4人で楽しんで4人で思い出を作る。それこそが夏休みの遊びというもの
練習ではなく遊びの一日として
だからリョウはベースをあっさり手放そうとするし、音楽芸能の神様へのお参りも揃ったお願いにならない
結束バンドとして遊ぶ一日だけど、結束バンドではない4人として楽しめたようで
アウトドアで陽キャの喜多とインドアで陰キャのひとり
共通項の薄い二人が静かに会話する帰りの車内。再び遊ぶ約束をしてそれを嫌だと感じない。それこそが4人が手にした夏休み最大の成果に思えるよ
……なのに最後が決まらないひとりは本当にひとりらしい(笑)
辿り着いてはいけない、もしくは辿り着けない終点。FFにとっては絶対死の罠、徐倫にとっては無限の空間
終点と自分の間には距離が有り、そこには障害も有る。ただ、アナスイと協力して緑色の赤ちゃんに対峙した徐倫より独りでプッチに立ち向かったFFの方が不利なのは仕方ないけどそれにしたって……
元々はただのプランクトンがスタンドにより知性を持ったFF。そんな彼女にとって自身を構成するスタンド能力よりも思い出を重視していたのか
知性を持った時がFFの始点。ならば重視する思い出の象徴たる徐倫に危機を知らせる事こそ今の彼女にとって終点
だからこそ終点に至る為の水道を罠に変えてみせたプッチの悪辣さが目立つ
近づく程に縮小するなんて、距離が存在しないも同じ。辿り着けない終点
なのに徐倫は終点は存在するとの信念から飛び込むわけだ。それが道を開くと
アナスイのした事は面白いね。終点に辿り着けないなら、自分達の行き詰まった場所こそを終点とする。更には終点の先の道すら作り出してしまう
この逆転劇からも彼の有能さが見えるよ
果たして赤ん坊は敵か味方か
現状は赤ん坊が徐倫に懐いたことで、赤ん坊がプッチという終点に辿り着く事態は取り敢えず防げたようで
ただ、赤ん坊が謎の存在である点は変わらず。プッチより承太郎より徐倫という終点を優先してしまうアナスイが余計な行動を起こしそうだけど……
おじさんを勘違いさせるエルフの言動がテンプレ外しのラブコメを誘発しているんだけど、一方でおじさんの人を勘違いさせる言動はラブコメじゃなくて余計なトラブルを誘発している気がする…
指輪渡して「俺の気持ちだ」とか他にどう勘違いしろと(笑)
おじさんとしては本当に精霊の声が聞こえている。けれどそう語る彼はどう見てもヤバい人にしか見えなくて
常人には理解できない感性を持ち精霊の声を聴くおじさんを理解するのは難しいし、そんなおじさんに惚れてしまったエルフの言動を理解する事はおじさんですら難しい
だからってエルフが指輪の為に身を滅ぼしかけた横で安易に指輪を渡すのは地雷原を全力疾走するようなものだけど(笑)
泥塗れで同じくらい汚い二人。オークもエルフも無くなったと思いきや、清潔感の壁は高かったか……
ホント、おじさんはもう少しエルフに優しくしたらそれだけで関係が激変しそうなんだけどなぁ(笑)
空いた口が塞がらないとはこの事か……!
前回の酷い呑み会を受けての冒頭から、穏やかなデビルハンターの日常に戻っていくかと思わせて、呆気なく日常が壊れ人の命が失われ……
以前存在していたものが全て無くなってしまうかのような衝撃ですよ……
だからこそ痕跡を求める動きが見られたのかな…
デンジを自分で連れ帰ったのに、敬意を覚えていないどころか、性行為に誘う姫野。ビールを飲んでいたように、彼女は前夜の痕跡を求めている。それはマキマに夢中な早川への苛立ちであったり、呑み会の楽しい記憶であったり
その流れでデンジを誘っている
デンジが姫野の誘いを断るのも同じく痕跡に拠るものだね
眼の前だけ見れば流されて構わない。でもポケットにはマキマが自分を思い遣ってくれた痕跡。それが有るからデンジはマキマへの純心を通せたのかな
その後、自分の中にあるポチタの痕跡に謝るのはデンジらしさに溢れた言動
…からの後半がもう衝撃的すぎて……
前フリも何もない強襲と強者。死を理解した姫野が自分を犠牲にしてでも早川を助けようとしたのは自分という痕跡を彼の中に残す為か…
姫野が消えた痕跡に瞠目する早川は何を思うのか……
スペーシアンとアーシアン、ガンダムとカテドラル協約。それらの分断を乗り越える為に設けた会社が別の分断を呼び覚ますという構図
これまでは所属が異なる事がそのまま分断へ繋がった。けれどこの回で示されたのは思想に拠る分断だったのかな
本作が今後歩む道が見える回だったよ
ミオリネがまず直面した問題、それはガンダムの正体が不明瞭すぎる点だね
プロスペラが言うように正体不明の物は危険視される。そしてガンダムの正体は会社の正体にも繋がる。オジェロ達の躊躇いもガンダムへの恐怖が底に在る
恐怖を解決するには正体を突き止めるしかない。改めて「ガンダムとは何か」を考えるミオリネは主人公然としているね
ただ、ミオリネが探るガンダムの正体は呪われた歴史に手を突っ込む事になりそうな
ミオリネはデリングやナボの演説映像からガンダムとは何かを探った。けどそれはPVのようなもの。それがどれだけ信頼性が無いかはスレッタが作ったものを見れば一目瞭然
それで正体は判らない筈だが…
ミオリネが見出した分断された者達が納得し手を携える道。人を殺す兵器ではなく人を癒やす医療として
……理念そのものは良いのだけど、これはヴァナディース機関が掲げ行き詰まった道の筈。シャディクが奪い取ろうとしている点を含め、ガンダムの呪いを再現する旅路になりそうな予感が……
正体が見えないのはシャディクも同じだけど、ミオリネは正体を知っているつもりだし、スレッタは勘違いして納得するから恐れない
でもシャディクが隠す正体は飄々とした態度の先にこそ有るようで
スレッタが居る時と二人だけの時の誘い方の違い、そして望む未来
彼の正体不明さはその未来にこそ在るように思えるよ
4人は嘘を吐いている。そこには危険も含まれるから時には友達さえ巻き込んでしまう恐れが有る
関根を契機とした冒頭の展開はその象徴。それを理解しているから関根も研究所送りを受け入れる
寂しい展開を変えるのもまた嘘から発展した勘違いである点が本作の面白さだね
関根の不在を歌手デビューと勘違いするリッカ、そこから更に翼が誤解しているのも面白い
けど、それが関根を救うわけだ。リッカと翼に共通する考え、納得出来ない事は辞める
それは嘘吐きであっても受け容れられるから脱出する決意が固まる
関根はリッカの嘘の中身を知っている。けど知らないフリで遣り過し
二人の嘘は嘘のまま。だから困った事があった時は自分で何とかするとの関根の言葉も嘘
その温もりを感じ取れる内容だったね
…からの怒涛のカイジパロはギャップが有りすぎて大笑してしまったよ!
作品名がサブタイに来る回は良回。その法則を裏切らない内容でしたよ
駆け出しバンドの初ライブが台風とモロ被り。それは星歌が言うようによくある理不尽。これをどう乗り越えるかにバンドの真価が見えてくる
それを最も発揮したのがひとりである点にカタストロフィが詰まっているね
リョウや虹夏ですらお手上げな災難。明るく居ても空元気だからトークは滑る
ひとりはこの事態に当初は妙なテンション・格好で対応しようとしたが、それは求められていない
ひとりに求められるもの、観客が見たいもの。ギタリストならギターの腕前に他ならない
バンドの雰囲気を変える一閃
ひとりが上手く演れてないメンバーを感じ取り、オーディションでの本領を思い出し。その上で自分の演奏を聴いて楽しんでくれた人達の目を思い出した上で弾き始めるシーンが本当に素晴らしい
ひとりに釣られて皆の調子が上がって、聴く者の為に鳴らすべき音を鳴らす
それこそバンドですよ!
後半部は結束バンドがライブを通して何を手にしたかを間接的に描いていたかな
バンドを続ける未来、次のライブ。諦めていたら手に入らなかったそれら
また、喜多の意外な名前が明かされたり、廣井から助言を授けられたり
そしてライブを乗り切れたから、虹夏の本当の夢も明かされる
そう易易とは言えない本当の夢、バンドマンとして託す未来
ひとりもバンドには無謀な夢を懸けているけど、他のメンバーだって同じ。ひとりと虹夏達は同列
それで居ながら彼女らを救う一閃を魅せたひとりは正しくヒーロー
虹夏が見たいひとりのロック、それを視聴者もまだ見たいと願うからラストは最高に決まるわけだ!
王国軍や教会のロジックにも司令官の倫理観にも勝る体罰凄い……
いや称賛しちゃ駄目なんだけど、ああまで雁字搦めになって変えるのが難しくなっていた認識をワンサイドゲーム的に変えた田淵先生は本当に凄いなって…
ほんと称賛しちゃ駄目なんだども(笑)
おじさんが田淵先生に頼るのはそもそも対人能力が低いから
アリシア達のダンジョン攻略も手伝ったのに、それを失敗扱いして記憶消去、攻略後も記憶消そうとしたり。ゲーム脳のおじさんは他人の都合を考えない
それが妙な勘違いや擦れ違いをコミカルな感じに描いてくれるから、本作は面白いのだけど
それだけにアリシアがおじさんを含めた4人での冒険を忘れないと言ったのは嬉しかったんだろうなぁ
それが見えるのが終盤のシーンか。司令官に謝れと促しつつ、アリシア達なら許してくれると考えていた。そう成ったのは、アリシア達との交流を通して、異世界で少しだけ他人を信じられるようになったからなのかな?
不可視で正体不明のヨーヨーマッによる攻撃、徐倫は必死になって謎を解こうとしているのに、アナスイは我関せずヨーヨーマッを無力化してFFに任せますか(笑)
相手の攻撃が予想不可能であるならば、予想を不要とする攻略法を用いれば良い。それはチーム連携として正しいかもだけど、スタンドバトルとしてそれで良いのか?と突っ込みたくなるよ(笑)
予想不可能という意味ではFFもそのような事態へ
プッチはこれまで通り、影に潜んで黒幕として動き続けるかと思いきやFFの前に躍り出ますか
骨の暴走によって予想外に天国へ近づけた。だからこそ手掛かりとなるDアンGを逃せない。結果、誰も予想していなかった行動に出ると…
ヨーヨーマッ以上の驚異が出現した今、FFは勿論危機的状況だけれど、DアンGの暗殺が難しくなった事で間接的に徐倫達の危機も続く。けれど双方共に遠隔地にいる味方の状況は判らない。予想が許されない
こうまで誰にとっても容易でない展開に成ってくると、頓珍漢に徐倫に迫り続けるアナスイが予想外の癒やし要素と思えてきてしまうよ(笑)
「キスの味」ってサブタイでこの内容は想像してなかったよ……
てか本編だけでも衝撃的なのに、EDでも追撃されるなんて……
さておき、話の筋としてはデンジのぶっ飛び具合が描かれつつ、他のハンターも何かしらネジが緩んでいる部分が有るよねという点が見える回だったかな
悪魔が恐れる頭のネジがぶっ飛んでいる人間。それにデンジが当てはまるのは判り易い話
悪魔の自殺を狙い、悪魔の血を飲み、3日程度戦い続けた。それはどう見ても人間的でない悪魔の所業
だから姫野はそんなデンジを使えば銃の悪魔を殺せると企める。それもまたネジが弛む考えかもしれないけど
普通の人間がネジを簡単に弛められる行為が飲酒だね。酒を呑めばまともさに隠れていた本性が露わになる
一方でハンターが完全にまともかと言えばそうでない点も見える
昨日新人が亡くなったと平然と言い、ましてや亡くなった翌日に呑み会へ行くなんてまともな人間では難しい
ハンターも幾らかネジが弛んでいる
ネジが弛めばネジの硬さも消える
顕著な例がコベニ達の心情変化かな。デンジを殺そうとした件、デンジが悪魔的な件。それらは頑なに態度を変えにくいしこり
けど呑み会にて荒井はデンジの情けない姿を世話し、コベニは奢られる利点を知った
弛んだ頭で考えれば難しい事なんて何もないのかもしれない
だとすれば、上司にお持ち帰りされてしまったデンジがそのまま「しちゃう」のも難しい話ではないように思えるけど……
ネジはぶっ飛んでても▓▓を食わない程度のまともさは有ったデンジ。彼はマキマへの愛をまともに保てるのだろうか?
まず言及したくなるのは圧倒的美麗な背景美術かな。新海誠作品と言えばと真っ先に言及したくなるくらいに奥行きと静謐さを備えた背景の数々には毎度感心するね
新海誠作品の鑑賞といえば『秒速5センチメートル』以来な気がするのだけど、それでも鑑賞早々にこれぞ新海誠作品!と思えるのは先述の部分が徹底されているからなんだろうなぁ
内容としては各地に出現する災いの元となる扉を閉じる前半部と、大切な人を取り戻す故郷への旅となる後半部に分かれていた印象
前半部は判りやすく危機感を煽るミミズに対応しつつ草太を椅子に変えたダイジンを追うエンタメ性の高いパート。けど災いが発生する度に鳴り響くアラートや鈴芽の目に映り込む災いの赤は日常を歪ませるモチーフとして徹底されているね
人々を守る装置である緊急地震速報のアラート、けれど作中で描かれるように鳴り響いた瞬間はビクッとしてもすぐ「なぁんだビックリした(笑)」みたいに遣り過してしまう。
でも常世が見える鈴芽と草太だけはそのアラートに別の意味を見出す。そんな二人は現し世と異なる世に身を置きかけた人間と言えるのかな
だから災いから守るべき現し世の住民達との触れ合いが鈴芽に自分が何を守っているのかと指し示すわけだね。彼女らに助けられる事はそのまま助ける人々の温もりを知る事に他ならない
ただ、そういった触れ合いの中で鈴芽にとって最も特別となる対象が草太ですか。最初は一目惚れだったかもしれない。眼の前のトラブルに首を突っ込んでしまった結果の関わりかもしれない
それでも特別な仕事を一緒にし、多くを守る中で彼の存在も大切で特別な存在へ成っていったと……
だから雰囲気が一転する後半部は大切な人を取り戻す旅
後半部にて作中で指摘されては居ないけど存在する要石の役割を誰が担うかという問題。大切な一人の命と見知らぬ数百万の命どちらを優先する?といった天秤。鈴芽がノータイムで草太が大事と考えているから表沙汰にならないのだけど
あの時の鈴芽にとっては草太が大事。それこそ自身を心配する叔母を振り切っても故郷へ向かおうとしたくらいに
そうした鈴芽の無茶苦茶さは現し世に身を置いていないだけに、現し世に居る叔母や芹澤に説明できないから共感されない。むしろ当てつけのように現し世に存在する問題を突きつけられてしまうわけだ
あれは左大臣による嫌がらせなのだろうけど、同時に鈴芽が居るべき場所を指し示すものでも有るんだよね
あの時点で鈴芽が草太の代わりに要石になる未来は否定されていたと受け取れる
ただ、草太も鈴芽も要石とならないなら、別の犠牲が必要となるわけで…
この点が先に述べた天秤の問題となってしまう気がするんだよなぁ……。大切な人は犠牲に出来ない。かといって自身を犠牲にする事も否定されてしまった。なら元から犠牲になっていた者が再び犠牲になる他無い
この点はダイジンの印象が前半部と後半部で真逆であり描写不足な為に納得できない部分はあったかも……
さておき、後半部で旅が進むごとにあの大災害の傷痕が。美麗な絵であるが為に現実感を以って描写されていくね
既に過去の事ながら、その傷を持つ鈴芽にとっては過去になりきらない。けれど記憶に蓋をしていたから悲しみと向き合えない。向き合うきっかけとなったのは大切な存在の為だったという点は、人は一人で生きているわけではなく助けが有って生きていると暗示しているような…
「死ぬのは怖くない!」と吠えていた少女は常世にて死を悲しむ幼い少女に未来の尊さを説いた。それこそが鈴芽が旅の中で手にした成長であり明日への希望なのだろうと思えるラストシーンでしたよ
とてもじゃないが平静には見ていられない、初々しいにも程がある桜井と宇崎の遣り取り
名前を呼べない理由を大真面目に考えて、大真面目に「特別だから」とか気付くなんて中学生か?とツッコミたくなる
そして気付いたのに進展しないとか中学生じゃん…とツッコミたくなるよ(笑)
中学生通り越して高校生の桐はシニア層相手に無双しようとか目立ちたがりな中学生か?それでいて無双失敗とか恥ずかしい……
そんな彼を更に追い込むのは桜井ですか。彼は宇崎家を様々な角度から混乱に追い遣るね
最後、桐が男の尊厳でも大敗北して終わる点には流石に同情してしまう(笑) 相手が悪かったんだ……
今回はミオリネの内面の成長に迫った回だったのかな
初期は決闘制度によりスレッタを依り代としていただけだった。そして父への反発からスレッタへの責任を自分に課し、いつの間にか『花嫁』である事を自らの在り方とした
親に反発するばかりの子供が少し垢抜けたかのよう
スレッタ救済のための新規事業プラン、経営戦略科であろうと瞬間的に作れるものでない点は明らか
冒頭にてスレッタが聞く「人の事で頭が一杯になる」現象、ミオリネは地球に行くしか考えてないと否定したけど、あのプランはミオリネがスレッタにどのような感情を抱いているか間接的に描いているように思えたよ
インキュベーションパーティーをミオリネは「上辺だけのはったり」と評した
それを正解とするかのように皆して真意を明かさない遣り取りばかり
その急先鋒がプロスペラだね。素顔を明かさない彼女はミオリネが意識していなかった幼稚さを表出させる
けどその行為はミオリネの為ではなく、それこそ別目的の為の「上辺」に思えるね
そういった「上辺」を最も利用したのがペイル社か
スレッタを讃える演壇は一転して裁きの場へ。でもそれすら「上辺」であり真の狙いはガンダムとプロスペラ
だから場を崩すのは「上辺」でない「真意」となる。ミオリネが示したプランも実は「上辺」、それだけで人は動かない
ミオリネの意地ではない「真意」が問われた瞬間
投資が成ったのはミオリネが自身の動機が意地だけでないと証明できたから。一方でデリングが子供に応えた事で彼が親であると証明したような
又、この親子の存在は、子が助けを求めた際に現れないどころか騙していたプロスペラとスレッタを本当に親子なのかと疑念を生じさせる結果となったような……
ツッコミ役でイジられ役な関根の環境が悲惨なんてレベルじゃない……
それでも本人はその環境を「何とかやってますよ」と明るく言えるのだから凄い
酷い環境だけど、関根が明るいから訪れた千代達も楽しく過ごせる
嘘の多い彼女らだけど、あの瞬間だけは普通の女学生らしくわーきゃーしていたね
中でも千代は輝いていたね。友達の家に呼ばれる憧れのイベント、特に関根は大切な人の中でも特別
お泊りの空気感だから言える普段と異なる空間、二人だけで就寝し朝食を共にする様子は微笑ましいを通り越して愛情すら感じてしまう
…これで肉の正体さえ気にする必要なけりゃ最高だったんだけどなぁ(笑)
スターリー以外では会わないし、虹夏に至っては学校の様子は伝聞。だからバンド以外でのひとりがどのようなものか期待が高まる
それを受けての空回りが酷すぎる……(笑)
そんなひとりの良さを理解して笑って受け止める虹夏と喜多が天使……
4話のグッズ・アー写考案と似た構図なTシャツ作り。結束バンドらしさを考える集まりだけど、リョウが居ない時点で結束力無い…。またひとりもデザイン作りより部屋作りに精を出し…
あの時と同じく個の方向性がばらばらだから中核となる要素が肝要となる。けど、舞台がひとりの家である為にひとりの個が強調される形となったね
家族からも信じられてないひとりの友達。なら本人はもっと信じられていないかもしれなくて
それが過剰な飾りつけに繋がったのかな。ひとりだけではバランスが取れないその動揺。両親の存在は良い緩衝材になったような
唐揚げでひとりの気を引き、本人は言えない虹夏達訪問の喜びを伝える。これは自宅空間ならではの現象
でも結局そこはひとりのホームだから虹夏達には腐海となるのか(笑)
最終的に虹夏案に落ち着いたのは、ぐだぐだになる事態を想定していたから?
結束力はなくても上手く纏まっている結束バンドの願い虚しく、嬉しくない来訪者はやってきた。ひとりはそんな空模様でもライブをハレの日と出来るのだろうか?
スタンドに依り植物が肉体を侵食する現象、ホラーを超えてスプラッターの領域に足を突っ込みかけているように思うのだけど、徐倫はそれを物ともせず骨を求めるのか
侵食とは体や心の自由を奪う現象と捉えれば、その状態でも目的を失わない徐倫はそれだけ父を助けるという意志を強く持っていると言えるのだろうね
それは別の意味で承太郎も示していたね
記憶を失い「空条承太郎」である事実すら奪われたような状態。それでも娘を想う気持ちは侵食されていないかのように徐倫の文字をその腕に示した
直後に徐倫にも同様の文字が現れるのは面白いね。文字の伝達がそのまま徐倫に父の想いが侵食されずに伝わった事実を示している
人間の体を侵食して罠にするアナスイは恐ろしいが、それ以上に恐ろしい存在がヨーヨーマッか
敵スタンドなのに無害どころか役に立つ召使い。それはこちらの信頼を侵食しているかのよう
徐倫の知らない場所でFFを害した見えない恐ろしさ。それはこれからどう徐倫達に牙を剥くのだろうか?
己が何者か。泥人形とは何か
それを問い直すのが体を自由自在に変えられるマイマイクテリオンと様々な形の泥人形を作れる風巻というのは面白いね
形に定型が無いから本質の形にも迷う。マイマイクテリオンが騎士団だけでなくテレビキャラクターにすら扮していたのはそれだけ迷走していたからか
面白いのはそういったマイマイクテリオンの迷走が風巻に答えを示した点かな
体を自在に変えられるから形に拘る必要はない。答えは中に何を求めるか
風巻はそれを心としたからアニムスの真似事から脱した。一方でマイマイクテリオンが最後に本を望んだのは、彼が自身に知識の探究心を見つけていた現れだろうか?
形ではなく中身に何を求めるか。それを別アプローチで遣っていたのは夕日と白道だったのかな
今の形はただの戦友。そこに詰めようとしたのは恋人か敵か。割と重要な問い掛けだったと思うのだけど、一旦保留ですか
…流れで告白の返事すら保留というか約束されたのは笑ってしまうけど
彼女らが突き進むは地獄道だから生還の目は薄い。地獄を変えるには彼女らは見捨てられた存在でないと示すのが最良だったわけだけど…
いやはや、ああまで友軍が続々来るとは。本作は史実の再現ではなく艦これ。それをまざまざと示す逆転劇だったよ
1話では時雨に守る役目が課され、2話では1YB3H全員でそれを共有し、3話では更に艦娘全体に広げた形か
また大和達がスリガオ海峡まで来れたのは1YB3Hが囮の役目を完遂したからなのかな?
大和達の登場は1YB3Hに二重の意味で祝福を届ける存在だったわけだ
扶桑が中破したことで1YB3Hは中目標の自分達を守る役目を持ちつつ、小目標として扶桑を守る役目も意識したようで
それを最も感じたのは山城と時雨だから敵ボスへのトドメも担う
姉を喪った深海棲艦を飛び越える姉を守る連携、それは史実を飛び越えようとしたかのよう
元ネタとなった史実では1YB3Hの旅はここで終わってしまった。本作はご都合主義的であっても艦娘の命懸けの戦いによってその先へ辿り着ける
けれど「史実の先」とは深海棲艦と戦って、皆を守る役目を担ってきた1YB3Hにどのような景色を見せるのだろう?