真犯人が語られる回だけど、琴子は元から捜査状況や犯人について幽霊を介して知っていた。大事なのは彼女がどう推理したか、ではなく彼女の推理を昌幸と雪女がどう聞くか
だから前回の虚構が必要とされ真相も一部ぼやかされた。真実を明らかにする為ではなく、二人の為に推理が行われたわけだ
真犯人である飯塚が昌幸に与えていたのは虚構の献身
昌幸は確かに彼女の継続的な電話によって人の世との繋がりを維持していたけど、それは歪んでいた為に昌幸に窮地を齎した
対して雪女の献身は真実のもの。人の世ならざる繋がりは窮地に陥りかけた昌幸を救い出す
ただ、他者を信じられなくなっていた昌幸に両者の違いを認識する事は難しかった点を思えば今回の虚構が必要とされたのも納得できるね
妖達の知恵の神である琴子が願うは妖の幸福。雪女が幸福になるには昌幸の度重なる不幸を別の要素に転換する必要があり、その為に必要とされたのが虚構推理となるわけか
こうして雪女と昌幸の異種間恋愛譚が守られたかと思うと感慨深いものがあるね
まあ、それを語るのが恋人との間に真実の愛が有るのか疑わしい琴子というのが何とも言えないけど(笑)
樹にも千歳にも恋人に見える周と真昼の関係。けど当の二人はそれを全否定するんだね
他者による観測で関係が定義されながらそれを否定。どう見ても付き合ってるけど、付き合ってないつもり。お隣以上恋人未満
それはまるで自然発生すべき恋心まで否定するかのよう
毎日のように一緒に食事して相手の料理に幸せの味を感じられる
クリスマスには一緒に過ごしてゲーム
真昼が周の家への入室に抵抗がない為に、恋人を通り越して夫婦に見える二人。けど、本人達にそのつもりはなく
だから真昼が垣間見せる寂しい過去を周は追及出来ないわけだ
一方で二人がこの曖昧な関係を大切にしている点は察せられるね
入室の為の合鍵を包み込むキーケースは真昼だけが開けられる象徴。また二人は互いの顔を開いて他者に見せない素顔も見た
お隣以上恋人未満だけど、形容の難しい大切な関係を築いているのだと判るね
以前のお返しで真昼の看病をする周。これで看病に関する貸し借りは平等になった形だけど、そこで交わされる想いは必ずしも平等とは言えないかもしれなくて
無防備に眠る真昼にドギマギする周、周は自分に興味ないと過度に強調する真昼。定義を避ける二人の気持ちは二人だけが知っているという事かな
もしかして毎回6ユニットが登場するのかな?
キャラが多いと話の整理が難しいだろうけど、各ユニットや皆が持つ個性を繋げ一つの曲を形作っていく構成がむしろこのワチャワチャ感に後押しされているように感じられるね
盛り上がったピキピキの後だからこそ、やり辛さを感じてしまうのは彼女らが同じ音楽ジャンルにて活動しているからか。曲の良さや評判の正しさをダイレクトに感じるから、プレッシャーも覚える
一方で他ユニットが日々や季節から見出すお題やモチーフをどう曲に活かすかという点もリリリはダイレクトに感じるから、他ユニットに話を聞く行為は無駄にならない
リリリだけが曲へ至る思い出を形作るのではなく、6ユニットが3月の良さを持ち寄るようにして作りあげた新曲
それが街の人々に受け容れられるだけでなく、次に担当するであろう燐舞曲へも繋がっていくのは本作が持つ良さを体現しているかのようだね
死んだ筈の子供が罪を告発しつつ父に復讐するとか、復讐を遂げた相手が蘇り感想を聞いてくるとか、墜落した飛行機に迷い込むとか、限りなくオカルトっぽい話の組み立てなのに、きちんとスタンドバトルになっているのは面白い
他者の記憶を再現するのではなく、地面が覚えている記憶を掘り起こす。一風変わった能力は一風変わった事態を引き起こしている
天国を目指し徐倫の追走を振り切ろうとするプッチが恐れているのは彼女の存在よりも今は貝類とはね
確かに油断しているとアレルギーには痛い目に遭うかもしれないけど、ドナテロをスタンドバトルよりもまず味見役として使うなんて変わってる
本来よりズレているからドナテロもプッチの態度を訝しむわけだ
墜落した飛行機に迷い込むのも本来とは異なるズレの一つか
記憶の掘り起こしだけなら徐倫達に影響する筈がない。徐倫達も巻き込むズレを見せているから危機となる
また、あの事態だって徐倫を倒す為に迷い込ませたのではなく、3日間を遣り過すための副産物
ズレているし本来の用途とは異なるかもしれないが、プッチにとっては上手く運んでいる
なるようになる天国へ向かう力。前回も言及された偶然やら運命とリンクする考え方は今のところプッチに味方しているように思えるけれど、墜落が決まっている飛行機の運命から徐倫はどう逃れるのだろうね
遅れて到着した為か、能力の為かエルナは集団から浮いた存在
集団に居るのに自身を集団の一つと感じられないなら、試すは単独行動か
能力は確かに恐ろしいものだけど、その程度でクラウスをどうにか出来るならリリィが成功している筈で
常識外れの不幸は常識外れの実力に勝てないわけだ
また、エルナは味方にも勝てていないね
一人でやる筈の襲撃は他の少女達によって誘拐劇に飲み込まれる。それは集団に入れなかったエルナを集団に含み直すかのよう
クラウスやリリィ達により不幸を幸運と再定義されたエルナは改めて『灯』の一人となれたようで
それにしてもこのタイミングでエルナの個別エピソードをやりますか
1~3話ではすっ飛ばされたリリィ以外のメンバー紹介。それを改めてやるのは良いのだけど、もし他のメンバーも同様に個別エピソードをするなら今後のストーリー構成が見えなくなってくるような…
異種間恋愛譚と言えば認識ギャップに拠る擦れ違いネタが定番だろうに、琴子はその認識ギャップに犯罪の香りを嗅ぎ付けるのか
雪女は人の世ならざる存在である為に、昌幸に犯人の疑いという窮地と犯行は無理という救いを齎す。人の世では役に立たない雪女の存在はだからこそ昌幸に人の世ならざる手段を与える可能性があるという事か
琴子が語る虚構はこじつけめいた部分はありつつも、状況的に不可能でない為に、そして思い当たる節がある為に雪女を怯えさせる
それは昌幸が作り出してしまった隙だね。昌幸が雪女との関係を曖昧にし、そして人間関係に厭世的になっていたが為に生じた隙
琴子の虚構は昌幸だけでは崩せない。雪女の真の信頼が必要になる
虚構が崩れた時に明らかになるのは昌幸がどれだけ雪女に支えられているか、そして愛情を捧げられているかという真実
琴子は自分の恋愛が上手く行っていない割に良いアシストをするね
次回は事件の真相が語られるそうで。ただ、本作の面白さは虚構にこそ有ると考えれば、雪女編の魅力はおおよそ語られてしまったように思えるが…
既に局面は窮しているから誰も彼も余裕はないし、不幸な話がそこかしこを飛び交う
そんな中でも普段の元気さを失わない雪風は貴重な存在。彼女を見ていれば他の者も元気になる
…そんな雪風が蜜柑の食べ過ぎで作戦不参加とか意味が判らない(笑)
時雨は雪風の元気を分けて貰ったかのよう。雪風の様子を見てほほえみを浮かべるし、龍鳳の名を聞けば走る
時雨は他にも様々を分けられている。山城達から預かった言葉と装備は時雨だけでなく、仲間を守るものに
それは時雨を沈める雨さえ止めせるものになったようで
出撃シーンは妖精さんとの対比のせいで、ガンダムの出撃シーンかのようになっていたのはちょっと笑ってしまった
あと、海防艦をああも頼もしく感じたのは久々かも
通常戦闘では強くない海防艦。けれど、潜水艦を相手取れば無類の強さを誇るわけで。改めてそれを感じたね
毎回新曲携えてライブ演るわけじゃないのね。まあ、制作都合とか有るから当たり前だけど
代わりに今回は街アピール回か。単純なキャラ紹介ではなく、街を紹介する形を通して彼女らを改めてフューチャーした感じだね
ライブをただ重ねるだけでは、ユニット人気は上がっても街の活性化には繋がらない
既に知名度を有す者も居る各ユニットが街の各所を心から体験している様子が映されるから、間接的に街の良さも伝わる
そういう構成だったのかな
それにしても、告知動画の中で女学生の入浴姿を映すのは流石に不味いのでは?と思ってしまうけど、本人たちが良いなら良いのか…?
ていうか、入浴シーンを撮影されているのに、恥ずかしさとかを微塵も感じさせないって、色々な意味で見られる事に慣れすぎてない……?
あの一瞬の為に費やされた作中での一ヶ月、視聴者にとっては1・2話
その価値は作中ではギードを倒すきっかけに。視聴者には驚きの要素に
そこにどれだけの価値が有ったかは実際に体感した者次第かな
ただ、紛れもない事実は落ちこぼれ達が不可能任務を達成したという点
両陣営の決定的な差となったのは何を見ていたか、聞いていたかの差なのかな
ギードはクラウスばかり見ていたから、見ていなかった少女達に足元を掬われた
クラウスは『灯』を信じ、彼女らを見ていたから、任務達成した
クラウスの言葉を聞いていたリリィ達はギードに対し、最後まで戦い抜く事が出来た
盗聴を前提とした秘密兵器。ただ、それだってギードの0.1秒を削る程度のもの。けど、それで充分と言えるクラウスはやはり強いね
結局、ギードは助けられずクラウスは『焰』を取り戻せなかった。けれど新たな『灯』という家族を手に入れた事はクラウスにとっても、そして居場所を求めていた少女達にとっても大きな成果と言えるものなのかもしれないね
女体化によって前回は「兄と妹」の構図が崩れ、「妹と姉」になった。なのに、より姉らしい存在が現れた事でその構図すら崩れるのは面白い
まひろはかえでに姉を感じるから、逆にみはりを姉と感じなくなる
また、新たな繋がりはまひろを外の世界に誘う入り口にもなっているね
かえでは第一印象こそまひろの苦手意識を刺激するけど、料理スキルやメイクの世話、トイレ失敗の面倒…。何よりもその溢れ出る姉っぽさがまひろの警戒をすり抜けているね
引き籠もりで難儀な身の上のまひろがあっと言う間に懐いているという事実がかえでの姉力を何よりも示している
まひろの中でみはりの姉ポジションが崩れたからこそ、自身がみはりの兄だという意識が思い起こされたのかな
最初こそみはりが昼飯を作るのを当然とし彼女の不調にすぐ気付かなかったまひろ
でも気付いてからが早いね。妹の不調を想い、自分が兄だと気付き、何をしなければならないかを自覚させた
そうして作られたお粥は失敗作だったけど、とても喜ばれたようで
昔とは関係も姿も大きく異なる。それでも兄が妹の為に尽力したという事実はみはりに兄妹愛を感じさせるものに
兄に褒められたくて培ったスキルの一つ、クッキー作りを称賛されて嬉しそうなみはりの様子は良いね
まひろとみはりは一度おしまいにしたからこそ、新たに始められたのかも
特別編は有ったけど、シリーズものは久し振りな気がする本作。もしかして1期以降の話はゲームで補完みたいな感じなんだろうか?
その分、既にユニットの関係性は充分に熟成されているようで
それが新たなイベントの下地となっているのを感じられるね
一声で全員と繋がれなくても、一つの繋がりがもう一つの繋がりを呼び起こし、あっという間に6ユニット勢揃いする様は壮観だね
そういや、1年を通じたイベントで開始が1月という事は作中で彼女らは進級するのだろうか?それともしれっとサザエさん時空を実装するの?そちらの方も気になってしまったり
人間と雪女による異種間恋愛譚の様相を呈す新エピソード。
人間不信で人付き合いから離れた男と人間社会に紛れ混み人にたかる雪女
人と妖の境界線ギリギリに行き着いた二人だから始められる共同生活。更に助け助けられた関係が二人を運命的な男女に映すね
ただ、一応ミステリな本作で穏やかな恋愛譚なんて展開されないわけで
殺人事件から昌幸を守る筈の証人。が、雪女という人の世から隠された存在である為にアリバイは成立出来ないという
真実は明らかでも真実に出来ない雪女のジレンマ。原作でも面白かった本エピソードはアニメでも変わらず面白そうだ
前回は新しい自分の姿を何とか受け容れたまひろ。今回は社会を女性として体験し、そして女性である事を体感するエピソードだったのかな
一方で女性の在り方を知る事は妹のみはりを知る事にも繋がったのかな?
男だったらワクワクする女湯体験も利用者の年齢層や大変な洗髪に辟易してしまうまひろ
それは女性とは何かを体験する時間。その流れでかつて面倒を見た妹を思い出すのは印象的。だというのに自分を兄と思い出すより妹の成長を感じ、「お姉ちゃん」と呼んでいる
それは彼が新たな人生を始めたもう一つの証かも
女性になった自分の姿には既に慣れたまひろ。次は仕草が女性的になってきますか
髪の毛で遊んで、女の子座りして。見た目も行動も変わったなら、次は内側か…
ある意味、女性である象徴とも言える現象。それは何よりもまひろに自分の変質を感じさせたようで
これまではズバッと女性としての生活をまひろに伝授してきたみはりでも、この現象は言及が躊躇われるプライベート
男のままだったら知る事の出来なかった部分。まひろは自分がそうなった事でみはりの成長を知れた
…まあ、次は家族の間でもマナーは必要だと知るべきみたいだね(笑)
話のテンポが早いし幾つかエピソードをすっ飛ばしたね
キャラ紹介に時間を費やすよりも話を進めて一区切り付けようとの思惑かな?
実戦形式のスパイ指導。それは図らずもクラウスの人となり、『焰』と『灯』の繋がりを皆に教えるものになったようで
スパイ少女の攻勢を赤子の手をひねるようにいなすクラウス。その姿は余裕に見えるから彼女らは自分達とクラウスを隔絶した存在と考えてしまう
でも、リリィが前回クラウスの想いを知った事で隔絶は軽減されたような
敵う相手でないとは知っている。でも自分達と全く違う存在とも思わない。リーダー・リリィの存在が少女達とクラウスを繋ぐ鍵になっている
一方でクラウス自身も少女達との接し方に迷いがあったようで
『焰』を家族と捉えていたからこそ、その喪失は彼の中に残り続ける
喪失の穴を埋めるには新たな家族を見つける事。そこへ戦争の痛みや養成学校で落ちこぼれと扱われた喪失経験を持つリリィ達が新たな家族候補と成れたような
あっという間の任務開始、やはりその状況は若いスパイに負担となったようで
だからって決起会をやるなんて意味不明過ぎるけど(笑)
そう出来るのは彼女らがクラウスの庇護に安らぎを覚えているから。またクラウスもそんな少女達を守る対象と見極められたようで
『灯』として纏まり始めた彼女らは次回、どのようなトリックを見せつけてくれるのかな?
久し振りのアニメだからって、世界観・設定・琴子の遣り口・九郎の特殊性を1話に詰めるって凄い圧縮具合。話が面白いというより遣り方に感心してしまう
人と妖の秩序を守る知恵の神。快刀乱麻の手際を鮮やかに示す初回だったね
OPを見る限り、今回はやはり短編中心で構成されるようで
個人的には雪女も好きだし、ピノッキオもスリーピング・マーダーも好みのエピソードなので、それがどのようにアニメで動くのか楽しみだったり
ただ、初回を見て判るように内容に占める台詞の割合が高い作品になってしまうんだろうな、という部分が不安かも…
汚部屋で燻る周と天使と呼ばれ人気者の真昼に本来は接点など生まれない間柄
転機は傘を貸したからなんだけど、それは相手を気に掛けると同義
真昼が周の生活態度を口出ししたのは同じく相手を気に掛けたからと言えるのかもしれない
看病が終わった際に周が言う「用事もないのに態々関わる事はないよ」の台詞、家がお隣でも関わって来なかった二人にとっては正しい関係を示す言葉
それでも関わるなら用事が必要なわけで。周の雑な食事を知ったからって料理を渡し続けるなんて度を超えている
周と真昼の関わりが始まるのは、傘を貸したからとか家が隣だからではなく、「相手が気になったから」なんだろうなぁ
それを周も真昼も自覚以上に受けれている。だから料理の受け渡しに留まらず、ピザを囲む事も当然のようにやってしまう
学校での真昼の丁寧な言葉遣いと、周を前にして体面を取り繕わない言葉遣いのギャップは良いなぁ
そういった意味では可愛い女の子が主人公の前でだけ見せる特別な表情と言えるのだけど、家事の世話をしてくれる様は恋人というよりおかんって感じなのは笑ってしまう