閉鎖環境、無限の一時、膨らむ怪物…。それらの恐怖は中に居る者達を馬鹿にしていくね。最終的に姫野ですら選択を誤った点は驚き
なら、最初から馬鹿なデンジとパワーはどうだったのか。そしてデンジを守った早川は果たして馬鹿だったのかという点を緊迫感と共に描いた回だったのかな
脱出不能で救援も望めず。そんな環境ではコベニや荒井のように心が参ってしまうのは当然。堂々と居眠りでき、大事な食料独り占めするデンジやパワーが可怪しいだけ
心が参ると正しい判断が出来なくなり馬鹿になる。けど元から馬鹿なデンジとパワーは心が参らないから更に馬鹿になる事は無いとは珍妙な話
対して早川はもしかしたら銃の悪魔馬鹿だったのかもなぁ。銃の悪魔を殺す為なら何でもする
そんな彼は冷静に見える馬鹿だから、面白い仕返しをする。理不尽な理由で叩かれた姫野は馬鹿になる事で耐えた。これを早川は相手こそガムに気付かぬ馬鹿だと構図を引っくり返した
馬鹿みたいな遣り方だけど、誰かを救える馬鹿
デンジを助けたのはそれと同じだね。
皆が馬鹿になってデンジを殺そうとする中で早川だけは馬鹿真っ直ぐに銃の悪魔だけ考えていた。その馬鹿さは恐怖馬鹿になっていた皆を引っくり返す。また馬鹿なデンジに賢い行動を起こすきっかけとなる
閉鎖環境は引っくり返り時計は壊れた。全てを切り裂くチェンソーは皆の馬鹿さを切り開けるのかな?
宇崎の「どう見ても桜井が好き」という要素が周知の事実になった事で、それを面白がったり後押ししたりと賑やかな様相に
けど肝心の二人は中学生レベルの恋愛を遅々としたペースでやっているというね…
宇崎と桜井って放置してたら進展なさそうだけど、その方が二人にとっては良いような気もしてきたよ(笑)
弁当を作るとか本当に今更の今更な行為
でも桜井にしては良い感じの反応だったし、宇崎の方も特別感を演出できてる。中学生レベルでも進展が有るならそれで良し
…というのに、本当の中学生がマッハで距離感詰めてきたのには笑ってしまう。宇崎花は名前呼びに苦労しているのに妹は早くも「柳ちゃん」だなんてね(笑)
女子による陰湿な悪口……と思わせて、実は友人として真剣に千代を心配していたという冒頭のエピソードはメリハリが効いていて良いなぁ
ただ、テストが12点だったのに微塵も焦ってないし、お世辞を真に受けている千代はマジでヤバいと思うけども(笑)
再びの水着回、だけど翼の立ち位置を前回と変え、千代がナンパされる流れにする事で差別化されているね
千代は不要なナンパに怯えるかと思いきや立派な反撃、翼は男らしく救出かと思いきや女々しい嘘泣き…
そうした展開の果てに、翼を「美少年」→「美少女」と再定義するオチとは。それぞれのウソが海の一日を残念なものにしてしまう話は面白いね
友達皆無のひとりに課せられた難題。学校の人に声は掛けられず、家族に頼るのも拒みバンド仲間にも助けを求められない
友達の居ないひとりは味方を見つけられない。だからバンド畑且つ赤の他人である廣井だけがひとりを直接助けられるわけだ
一方、ヤバい廣井を前にするとひとりのヤバさが軽減されるのは面白い(笑)
ダメ人間な廣井が先輩バンドマンとしてひとりに授けた「一日で諦めるの勿体ないよ」、廣井はバンドを続けてきた人間で今のひとりのようにチケット売りに苦労した過去も有る
いわば廣井は諦めなかった人間、そしてひとりが妄想した飲兵衛の未来は諦めた人間
独りで諦めない道を進むのは難しい。だから味方の助けが求められる
味方となるのは廣井だけじゃないとひとりが知る演奏シーンは良かったね
自分に味方はいないと影に籠もれば光ある場所に居る者を敵にしかねない。自分の音を誰が聴いているのか。それに気付いた瞬間、ひとりが立つ場所が影でなくなり観客との境界線が消え、背を丸めていたひとりが変わる流れは良いね
観客が敵でないと知り、表情を見られれば想像できるのはバンドの未来。それは仮想風景だから現実に見たいと思えるのだろうね
自ら差し出したチケット、それは招待状であり再び自分の音を聴いて欲しいという懇願と言えるのかな
今は遠くで光る花火、ひとりを近くで照らす日は遠くないのかもと思えたね
ひとりが頼れないと返信できなかった結束バンドも直接にはひとりを助けられなくても味方であると判るシーンが有るのは良いね
学校でのひとりを心配してくれるし、ひとりの魅力も理解している
……それでもひとりの完売報告を「絶対ウソ吐いてる」と判断してしまったのはひとりへの信頼に依るものかなぁ(笑)
一皮剥ける為に求められるステップ。それは風巻の場合は自分という枠の限界越えで有り、夕日の場合は過去の先達を超える事か
風巻のステップには夕日の馬鹿みたいな行動が関わる。でも考えてみれば夕日があのような行動が出来るようになったのも先達によるステップが有ったからで。それを思い起こさせる回だったかな
風巻から思われていたように夕日の過去は確かに内向的
けど半月との出会いや祖父、他にも大勢との遣り取りによって外向的となった。夕日にとって彼らとの出会いや交流一つ一つがステップに。今では許せなかった筈の祖父さえ許せるようになった
そうして成長した夕日が風巻の成長を助力するのだから面白い
そんな夕日が更に成長する為にはステップを登りきった者による指南が最適
長い階段を登る途中で出会う年長者達は夕日にとって超えなければならない相手。その代表格が半月か
彼に自身の成長を認めさせてこそ夕日のステップは1段どころか2段も3段も登れたというわけなのだろうね
念願の胸揉みには到達できたのに雑な行為に不満足が溜まる幻滅したかのような状態
目標値が低下すれば応じて努力の上限も下がる。そのようなタイミングで悪魔の如くデンジを虜にしたマキマは本当に悪魔的で恐ろしく、そして魅力的……
マキマが言うのは質の話か
ただ信念を叶えれば良いという話ではなく、質の高い信念を叶えるべきと言う
だからデンジはマキマの形を覚えた直後に胸を揉んだ際には、一揉みなのにパワーの時と比べ物にならない程のリアクションを見せた
デンジが質の一旦に触れた瞬間だね
銃の悪魔を殺した際の交換条件、「何でも」と夢のある条件を提示しながら、デンジが「セッ…」と言いかけるのを制しマキマは重ねて「何でも」と言っているね
言質は与えず優位性を保ったまま、けれど「何でも」という褒美をチラつかせる
ここまで恐ろしいけど魅力的な女性ってナカナカ居ないよ……
この質を利用する遣り方は他にも行われているね。早川の躾けっぽい遣り方もそうだし、姫野は特に顕著
ただのキスでデンジが釣れないと見ると、すぐに質の高いキスを条件に出してデンジを釣りだしていた
あれで男子二人のやる気は高まったわけだ
それでも悪魔との戦いは容易ではないようで
姫野があのような誘いをしてでもデンジ達に褒美をチラつかせたのは少しでも彼らの生存率を高める為か
一方で悪魔に出来る妨害法として、ハンター達の質を高めないなんて方策も有るのかな
同じ階に閉じ込められた早川達は悪魔の罠によりどのような恐ろしい目に遭うのだろう…
今回はスリガオ海峡突入前の緊張感有る空気を上手く描いていた印象
時雨達は囮部隊だから生還の目は薄い。それでも主力部隊の援護として海峡まで生きていなければならない
その矛盾じみた息苦しさが彼女らの必死さをより強調していたように感じられたよ…
生きる為に、守る為に何が出来るのか
偵察に先行に直掩。そういった限りを尽くしても漏らしは出てしまう。だから彼女らには団結が求められるわけで
前回は時雨が主に守る役目を課された演出となっていたけど、今回は1YB3H全員が皆を守ると強調されていたね
それでも待ち受ける敵は大群で強敵。史実と異なる要素が何処まで1YB3Hを守ってくれるのか……
PTってゲームにおいて、最悪に鬱陶しい存在だったりするのだけど、それはアニメでも変わらないようで
ただ、アニメでは命中率補正でも有るのか割と1YB3Hの砲撃が直撃していたね。その勢いで、素晴らしい戦闘描写をお供にゲームユーザーの鬱憤を晴らしてくれると嬉しい限りですよ
ジム通いにより明鏡止水の境地に至る桜井。が、周囲は誤解や焦りで嵐が吹き荒れているという(笑)
本作は宇崎にイジられる桜井を通して視聴者も楽しむ作品だった筈が、今では桜井のせいで苦悩する面々を楽しむ作品になっているね
長い付き合いで憎からず想う相手なのに今更誕生日を気にするとか、榊でなくても呆れるというもの
けどそこで焦って欲張るのではなく、桜井にいつもの日常を提供するのは宇崎らしいね
その様子には二人の想いが詰まっている気がするよ
だというのに明言された日常の終わり
これは流石の宇崎も焦らざるを得ないようです。それに釣られ桜井も焦りだしたら面白いのだけど
あと、折角夫婦円満なのだから、誰か月の誤解を解いてあげた方が良いのでは(笑)
祝福を授ける筈のバースデーソングが呪い歌に聞こえてくる……
さておき、思えばエランだけでなくミオリネやグエルもスレッタの影響で生まれ変わった人間と言えるか
これまで保護者が授ける環境に唯々諾々と従ってきた彼らがスレッタとの衝突によって自己を生み出した。そうも考えられるのかな
お近付きになろうとしたエランに最悪の形で振られたスレッタ。彼女が望むのはエランをより理解する道ですか
彼が何を考えていたかなんて何も判らない。かといってそこで終わったら何も得られない。だから再び進むべき
スレッタの性格を理解したミオリネだからこそ良いアシストが出来たね
会話に応じないエランを無理矢理に起こすバースデーソングと戦闘
それはエランに産まれる苦しみを与えるもの。それは別の存在に生まれ変わる事と同義だからから、彼は産声のように自分の痛みを訴える羽目になる
後はどちらが相手に呪いを与えられるか、祝福を授けられるかの戦い。その点はスレッタに軍配が上がった形か
スレッタにより自分に存在した祝福を思い出し、更には「何もない」すら否定されたエラン。まさしく彼は生まれ変わったわけだ
……だというのになぁ
スレッタは結局エランの親になれない。保護者は別に居て彼の価値を決める
子供は保護者に支配される。それが最悪の形で示された回だったよ…
前回は関根弄りが良い意味で酷かったけど、今回は翼(剛)弄りが面白い事に
他の強烈な個性を持つ三人に比べたら没個性の筈なんだけど、女子校に男子という独自のアドバンテージが彼というキャラを光らせているね
翼は男子だから女子と異なる価値観を持っている。それは正体を隠す主旨の作品ではハプニング要素になっても、本作の場合はギャグ要素として処理されるという
結婚相手にグラビア写真、男女の価値観の違いが如実に出る面が翼弄りとして機能するのは面白いね
女子のフリは辞めたいけど横暴な姉が許さない。それが彼をコメディな立場に落とし込む
故に女体になり、ナイトプールを楽しむ場面は翼に有った価値観の壁が取り払われたシーンと言えるのか
でも女っぽい翼は翼らしくないから、それはそれで笑いの対象になると
ラスト、自分の男の部分をネタにしてでも千代の笑顔の為に行動した彼は男らしいよ。…大事なものを失いかけている気もするけど(笑)
何を以って成長とするか。結束バンドがお遊びバンドではなくライブハウスバンドである為に求められる成果としての成長
例えばバイト代がひとりの努力の成果とならず活動費に消えるのは、それ含めてバンド活動だから。バイトやら何やらはひとりとしての成長であり、バンドとしての成果ではない。それが描かれた回だったね
結束バンドに降って湧いたライブ出演できるのか?という問題
報酬を手にする為に求められる成果は成長の表明。短期間でそれを示すには努力やその証は当然として、それだけでは足りない。だからリョウもひとり達に当て振りを勧める
そこで成果の切り口として示されたのがひとりの真の実力か
バンドマンとしての成長は見た目ではなく、夢の表明でもなく
迷走するリョウに釣られ、ひとりも成長とは何かを答えられない。けど、虹夏は「はっきりしてる」と言う
それというのも虹夏の中で辿り着きたい夢・目標が有るからかな。だからそこに辿り着く道が明確化され、求められる成果が何かも見えているのかな
ひとりも曖昧な成長を成果として追求するのではなく、自分の中ではっきりとしている望む成果の為に演奏に熱を入れたわけだ
ネットの世界ではなく、ステージで地面を踏み直した。その震えるような感覚は独りぼっちで輪の中に入れなかったひとりがこの期間で手にした何よりの成果だったのかもしれないね
今回もひとりはきらら主人公らしからぬ描写が何度も見られたね(笑)
臓器売買に手を出そうとしたり、ゾンビっぽい肌に、ダム決壊
視聴者の期待を外さない酷さは成果を示し続けていると言えるのかも(笑)
ひとりに求められた新たな成果、チケットノルマという絶望的な壁を果たしてどのような酷い顔でクリアするのか(笑)
開始早々に分断された騎士団、その中で年少組が纏めてはぐれた事で太陽と昴・ユキとの違いが明確化するのは面白いし、その構図が結果的にヒーロー参上へ至るになるのだから良いね
太陽が直面する事になった何の為に生きるのかという問題。彼はその問いに答え始めたようで
怪我をして動く事が難しくなっても諦めを許さなかったユキに対して、太陽は最初から諦めている少年
けど死の恐怖は彼に「本当に諦めているのか?」と問いかけてくる。でも自問で変わるわけはないから、太陽を変えるのは外側からの問い掛け
一つはユキの拳であり、もう一つが夕日・三日月による救出
特に夕日の存在は大きいね。自覚なかった太陽の頑張りを褒め称え、憧れる大人の姿を見せつけた
それらは生きる為に戦う事を諦めない大切さを太陽に実感として与えるもの。だから太陽は太朗を助けられなかった事実に気付くし、花子にそれを叱責される事を恐れる
裏切ってもアニムスと戦った先代、裏切ったつもりでも味方として受け入れられている自分
明確な形のない葛藤の果てに独力で土人形を倒した太陽は大きな成長を見せたね
又、その姿が赤子からは格好いい大人の姿に見えるというのは面白い。太陽がこれからどのような大人になっていくのか見えたような気がするよ
ゲームプレイ中、前作アニメ未視聴
静謐な空気の中、絶望の海戦へ向かう艦娘達の覚悟が早くも描かれた第一話
史実ベースで有りながら歴史を変えそうな要素も散見され、更にあの田中謙介氏が脚本を書いてくれるなら期待しかないです
と言うか、第一話を見た時点で既に大の大満足な感想ですよ!
1944という年が示すように既に艦娘達は劣勢。その状況に辿り着くまでに白露のような離脱者も出ているわけで
それはまさしく降り続ける悲惨、失われ続ける絆。そんな状況でも彼女らが新たな海に出るとしたら、それは悲しみを止める為の筈で…
なのに時雨達が配された部隊が囮艦隊というのはあまりにも無惨……
キツイ態度な山城の背景に在るのは皆を犠牲にしないという気負いの現れか
でもその気負いは何も山城だけが抱える必要はない。1YB3Hとして組むからには皆がその想いを抱ける
囮であっても死を目指すべきではなく、守るために戦う事こそ本望
絶望の雨を止める為に彼女らに何が出来るか。それが描かれるのが本作の物語になるのだろうね
既に絶望的な空気感が満ち溢れた内容、それだけに瑞雲でブンドドする最上に癒やされる。というか瑞雲に癒やされる
まさか瑞雲にこのような感情を抱く日が来ようとは(笑)
パワーの過去シーン、これは前回描かれたデンジがポチタを探すシーンと瓜二つ。パワーはニャーこの温もりを求め、デンジはポチタの温もりに落ち着いた
又、パワーは蛭の悪魔と戦うデンジを見て「悪魔じゃ」と評している。魔人も悪魔の類と考えれば、パワーとデンジは本格的に同類となったわけだ
ただ、デンジは特筆すべき存在になりつつ有るね
「夢バトル」なんてキラーワードを持ち出し、胸を揉む為に死闘の限りを尽くした彼は間違いなく信念を持っていると言える
だから前回は彼を公安に相応しく無いと考えた早川も緩い条件で認める
デンジは悪魔らしさを持ちつつ、同時に悪魔狩りらしさも手にしたようで
パワーが早川家に同居し始めた事でデンジの社会性がまともに見えるのは面白いね(笑)
デンジが居ても早川の穏やかな朝は邪魔されない。デンジが人の生活に馴染んだ面、早川がデンジとの生活に慣れた面もあるのだろうな
だから人よりも悪魔に近いパワーは二人にとって相容れない存在となる
異なる属性を持つから相容れない。折り合う場所を見つければ同居できる
その考えだとマキマは特殊な存在かも。人であるが早川達と折り合う場所を持たず、高みから見下ろしている。そんな人を飼い主とし、女性を求めたデンジは果たしてどう彼女と折り合いを付けるのか…
それはそれとして、自分を見下ろすパワーを悪魔でなく天使と評したデンジが面白すぎた(笑)
もはや勘違いも何もない桜井と宇崎の状況。だから周囲の人間は二人の関係を正しく判断する。それは外堀を段々と埋められゆくようなものなのに当事者はようやく名前呼びという……
あんまりにももどかしい状況だけに、勘違いを一人で加速させる月を癒やし要素に感じてしまうね
ここまで来れば逃げ場なんて無いだろうに筋トレに逃げる桜井は凄い。…けどそれが別の袋小路に繋がりでちょっと面白い
一時的であっても逃げ場を確保した桜井。対して宇崎は職場だけでなく家でも逃げ場を失ってしまった
逃げられないなら向き合わなければ。関係を変えるのは宇崎の方が先になりそうな雰囲気になってきたね
相手の知らない部分を知りたい。想像で終われれば穏やかに済むけど、勝手なイメージから裏切られたと思えば理不尽な怒りに変わる
「氷の君」と評されるエランは命令に従いガンダムを探った。けどあのような失望を覚えたのは彼が氷以上の熱をスレッタに持っていたからなのかな
本作は親や生育環境に抑圧された子供が多数登場するけど、エランは少々別種か
ベルメリア等の制御下に居るけど、彼女らに反発する様子は薄い。代わりに求めるのは同種の存在?だから裏切られたと判った瞬間にスレッタへ向けていた熱を伴う興味が冷たい嫌悪へ反転してしまうわけだ
グエルはスレッタを守るため決闘に応えたけど、エランが決闘を求めたのはベルメリアの命令から
決闘は自分の望みを叶える場所。けどエランは他人の望みの為に決闘した。それは本質的には彼に主体が存在しない証なのかな
でもあの流れで申し込んだ以上、エランの意思が存在している証と考えられるかもしれない
自分に意思があれば他人の意思を利用できる。あの決闘はエランがグエルの意思を利用した形
怒りのあまり己を取り巻く状況を理解せず猛進した。その熱は彼自身を哀れな人形へ
エランが次に意思を向ける相手はスレッタ。家族を失うかもしれない危機に彼へ向けていた熱をスレッタはどう変えるのだろうか?
スレッタの為に戦ったグエルはとても格好いいのだけど相手が悪かったし、まだスレッタから信頼されていないのはちょい哀しい…
バンドグッズ作りにアー写撮影、バンドらしさを確立しようとする動きの中でお題として出たのは中核と言える歌詞の方向性
表事情としてはそれに悩むぼっちの奮闘が描かれるけど、裏事情として存在したのはリョウのバンド愛だったのかな
結束バンドという名に反して結束力が曖昧なバンド
だから虹夏もお題トークっのノリでバンドの方向性を決めようとする。トークが進む虹夏と喜多、ボケが冴えるリョウは話を回せるが、それでバンドらしさを満たせるわけじゃない
だからひとりの作詞作業、そしてリョウの作曲が肝要となるわけだ
アー写を撮る場所を何処にするかもバンドらしさが求められる
喜多が良いと思った場所は既に潰れたショップ、それは昔ながらの音楽を体現する場所だから間違いじゃないけど、これからの場所じゃない。対してひとりが見つけたのは別の道の先に有った駐車場脇の壁
格好の付かないきららジャンプ、結束バンドのこれらからを象徴するアー写になったね
喜多が歌うからって青春・応援ソングっぽい歌詞をひとりが書けるわけじゃない。自分の言葉をバンドに込めなくなったら終わり
ひとりのサイン集は自分らしさすら迷走している現れか
自分のことすら判らなくなったらメンバーの教えが必要となるわけで、その対象は同じくバンドらしさを形作るリョウとなるわけか
同じ問題に向き合う同志。っぽいだけの歌詞に収まるか、自分らしさ・バンドらしさを追求するか
悩みバンドを嫌になったリョウだから言える「自分の好きなように」
意見を言えない事が多いひとりが貫いた自分らしさ。苦悶の果てに生み出した歌詞はリョウから認められ、メンバーからも評価された
ひとりの頑張りが認められた形だ
どちらの拳が相手を上回るのかというファイトクラブに見せてからのスタンドによる不意打ち・搦手を多用する勝負への流れはJOJO作品らしいね
一方でサバイバーに因る怒り増幅環境に負けじと最終的に冷静さを取り戻した徐倫が勝つ展開は、自分の本質を失わなかった者が勝つ戦いと言えるのかな
筋肉美を競うかのような看守との戦いは徐倫が糸を使い、看守が隕石を介入させた事で唯のファイトクラブでは無くなる。けどそれでスタンド勝負一色になるのではなく、筋肉の限界を求める戦いも継続される
徐倫は筋肉もスタンドも駆使して看守を上回ろうとする。一方の看守は自身のスタンド能力に気付かず、ただ長所としか受け取っていない点は面白いかも
看守は隕石を自分に利する事象と受け取ったから、それを利用する方法に頭を割く。徐倫も釣られ隕石対策を考える必要が生じる
でも骨を見つけた事で、徐倫は最も集中しなければならない物に気付けたようで。それは看守の散逸しかけた集中を凌駕する
承太郎の口癖を引用し、ジョースターの星に雄叫びの如き勝利宣言を行った徐倫の声には数多の気持ちが籠められていると感じられて震えてしまったよ
前回にて半月が遺したものが夕日と三日月の中で確かな存在となった事を反映してか、半月が夕日にとって大人の代表だったように、年少組にとって夕日と三日月が大人に見えていると察せられる描写が増えたね
又、それぞれが願い事について再考する流れは自身の望みを再確認する工程でもあったのかな
昴とユキは秋谷という大人が居たから、夕日達への懐き方は単純に年上の人だからといった処か
でも住処が曖昧な太陽は自分を教え導いてくれる親を求めている。だから夕日に願い事について聞いてしまうし、三日月の修行に付き合ってしまう
でも夕日と三日月では太陽と群れる相手にはならないから太陽の孤独は継続すると…
騎士にとって願い事は厳しい戦いの対価。だから自分の願い事が対価として見合っているのかを気にしてしまうのかな?
逆に言えば願い事が決まらない太陽はそれに見合うだけの何かを見つけられていないわけだ
太陽にとって夕日や三日月との交流、渡された秋谷の日記が良い手本になると良いのだけどね
動物的な動機で公安に居るデンジは人間から下に見られる存在。早川からは早くも公安に相応しく無いと言われてしまう
今回はそこに、同じく公安が似つかわしくないパワーが居る事で両者に違いはあるのか?と問い、更に人間と悪魔の違いにすら踏み込んでいた気がするよ
冒頭でパワーがデンジに責任を被せる際、「嘘を吐くのは人間だけ」なんて嘘を言う。デンジも前回嘘を吐いていたし、この点において両者に違いは無い
一方で犬猫に対する考え方は隔たりを見せるね。デンジはポチタがまだ自分の中に居ると信じる。けどパワーは生きてるニャーコを助ける為に奔走しているわけだから、死んだ命に価値を見出さない。それはこの時点で大きな違い
面白いのはマキマの認識かな。
マキマの上司達は悪魔と対立国を別け隔てなく脅威と感じている。デビルハンターなのに…と言いたくなるけど、現場ではない場所に居ればそういうものか
マキマもコーヒーや車の悪魔なんてものを想像した上でデンジを語る。大局を知るマキマの中でそれらに隔たりはないのかもしれない
捉え方を変えれば隔たりはなくなる
犬猫で判り合えなかったデンジとパワーは大切な存在を喪う経験で共感する
それは蝙蝠の悪魔にも及ぶわけだ。血を吸う側の悪魔にとって人間の血は本来美味、素晴らしい行為。けど自分が吸われる側になれば「気持ち悪い」なんて言ってしまう
それは血吸いの本来の姿を露わにしてしまうものだね
隔たりが消えて、本来の姿が現れた後に始まるデンジのアクション劇は素晴らしいね
街を壊す戦い方は悪魔と変わりない。でも辛うじて人を助ける事で、デンジは悪魔と隔たりある存在と判る。……まあ、男性には少し冷たかったけど(笑)
何故ならデンジが求めるのは女人の胸。悪魔だけど、人間らしく、そして犬っぽく性欲に従順に戦う彼が貫く信念が見えた気がするよ
本作は誤解や勘違いを用いつつ、素直になれない遣り取りを繰り返す桜井と宇崎を楽しむ作品だけど、榊がそれを崩しかねない指摘をしてみせたね
宇崎が「桜井は自分が好き」と思い込むのは一種の誤解。けどそこで安穏としてしまうのもまた誤解
遂に宇崎と桜井がくっつく時が近づいてきたのかな?
桜井との関係に悩み母に相談するのは関係の進展へ繋がる意味で良いのだけど、それにより月の誤解が加速してしまうのは面白いし、誤解に負けまいと積極的になった結果、宇崎が別の誤解をしてしまうのも面白い
ラブコメにおいて勘違い等は良いスパイスとなるけど、宇崎達の場合はそれが度を越している気がするよ(笑)
求婚からのツンデレ化とかグエルさん面白すぎますよ(笑)
さておき、今回はスペーシアンとアーシアンの対立が鮮明になっていたね。蔑む者と蔑まれる者、虐げる者と虐げられる者。一方的な関係
けどその考えに凝り固まれば所属でしか相手を判断できなくなるわけか
その中でスレッタは特殊な立場になっているようで
スペーシアンの中では決闘と生まれで爪弾きにされ、アーシアンからはスペーシアンがと言われる。スレッタに境遇を共有する味方は居ない。独り異なる制服もそれを助長している印象
ただ、ミオリネも似た境遇と言えるからスレッタに協力できる
前回、スレッタの力となったミオリネは今回もその流れか
スレッタサポートの為にマニュアル暗記して、チュチュ達から庇い、実習の際も最後まで諦めず声を上げ続けていた
トロフィー扱いされ時には酷い蔑みを受けていた彼女が自己実現の為にスレッタの自己実現を手伝う。その構図が明らかになった形だね
スレッタとミオリネが虐げられる立場ながら自己実現を為そうとするなら、それを虐げるチュチュもスペーシアンと何ら変わらない。
チュチュだって本来は虐げられるアーシアンに心寄せ、学校で奮闘している。スレッタと境遇を同じに出来る
だからスレッタを馬鹿にするスペーシアンに拳を振るえる
今回はスレッタに協力者と理解者を作る一件となったようで
これまで孤独な立場だったスレッタがようやく寮に入れた。それは良い流れかな
けどこれでスレッタはスペーシアンと対立する所属となってしまったわけで。これから起きるだろう不遇にスレッタとチュチュ達がどう抗っていくかが主題となっていくのかな?