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とても良い

復讐者としては割とオーソドックスなタイプであったウルガーに対して、あまりにも複雑な家庭環境を持っていたルカは驚き。
と、同時に親と確執を持つ者がこの班に集められたのかもしれないという推論が気になる。前回登場した親たちのイメージが更に変わりそう

目の前に現れた不条理にどう対応するかが問われた回であったように思う
ウルガーは優しく接してくれた兄貴の不条理な死に対して、怒りを覚え銃の扱いを身に着けた。銃に因る復讐を考えた訳だね。
そして、マルコの息子であるルカを目の前にして自分と同じように家族の喪失を味わうべきと、相手にも不条理を押し付けようとする

しかし、既にルカは不条理の中にいる存在
跡継ぎにする為にと引き取られたのに、インターセクシャルな身の上から疎まれ更には後から生まれた弟が家を継ぐと決まってしまった
そんな生き様でも「オイラはオイラ」と明るく言うルカ。終盤のシーンでは自身の不条理を利用してウルガーをイジっているほど。だけど、同時に自分の死で父は悲しまないと考えている
それは不条理を生きてきたウルガーからしても「畜生!」と叫びたくなるほどの不条理

ここで二人を襲う津波も一種の不条理
この不条理に対してルカは枝に掴まって耐えるが、ウルガーは耐えず流される道を選ぶ。自分が死んでカナタが再び不条理な想いを抱えないようにと、自分だけが不条理の中に沈む道を選ぶ
ここでカナタが空からやってきて更にはウルガーを引き上げるほどの筋肉を見せつけたのは素晴らしいシーンだった
カナタはカナタで先生を助けられなかった不条理に打ち勝つためにずっと鍛えていたんだね

ザックから、兄貴の死について更なる黒幕の存在を示唆されたウルガーはたった一人しか殺せない銃で応じることを辞め、ジャーナリストになる決意を表明する
カナタ達の前で敢えてそれを表明することで、彼が真の意味で仲間になった瞬間であるように思えた

ラスト、カナタが自分を気にしてくれない不条理に苛立ったアリエスがシャルスにちょっかい出したら別方向の不条理を引き出してしまったという展開
本当に隠し事が多いメンツですね…



良い

罠にかかった兎を前にしてほまれを呼ばずに自分の力で兎を殺そうとしたり、兎の解体を買って出た睦は無人島生活の中で一段も二段も成長していたようだね。何でもかんでもほまれに頼っていたら、ほまれの力を頼れなくなった時にどうしようも無くなってしまうからね
睦は結局、兎にトドメをさせなかったけど、睦の一生懸命さに触発された明日香が代わりにトドメを。
少し前まで普通の女子高生でしかなかった彼女たちが大きな勇気を見せたシーンであったように見えた

そんな勇気を見せた彼女たちにはやはりご褒美が有るべきで、紫音の無茶ぶりから始まった兎料理は意外にも美味しく出来たようだね
見ているこちらも食べてみたくなるくらいに美味しそう

他者の命を覚悟を持って奪う行為は命の大切さを知ることにも繋がる
だからこそ、か弱い兎の命を最大限味わった彼女たちの行動は称賛すべきだろうし、最後にきちんと「ご馳走様」と呟いた明日香は兎の命から得られた有り難みを理解しているように見えた



普通

信長と道三の会見は割と逸話通りの描き方をするのか。この作品のアレンジバランスはちょっと面白いな

この回でそれぞれに求められていたのは己に相応しい生き方について。特に帰蝶についてはしっかりと描かれていたね
忍として育ちながら、ある時から道三の子供として利用されるようになった帰蝶。それが信長と出会い、信長に一人の人間としての価値を見いだされたまでは良かったがそうなると忍としての価値が薄くなる
信長を守ることばかりに気を取られて、斎藤義龍の策にまんまと嵌ってしまった点は彼女の忍としての力が弱まっていた証拠と見ることも出来るのかな?それを信長が機転を利かせて助けたのは良い展開

信長も自分の生き方を模索中であるように見える
第一話では民に貿易品を横流しし生活の足しにさせる優しさ、彼らの危機には立ち上がり庇う正義感を持っていた。
今回も同じように子供に書物を渡していたが、今の信長の有り様は既に戦国武将。子供からすれば自分の生活を奪う悪の存在
織田家内では家督争いが始まっており、信頼できる相手も限られる。信長からすれば自分の理想と今の有り様が乖離し始めた時期
そんな時期に出会ったのが斎藤道三となるわけか。義龍も嫌がる蛙や商いの話を切っ掛けに意気投合する様子は面白い

既に戦国大名として勇名を馳せている道三相手に戦の世を終わらせ誰もが望みを持てる世にしたい豪語した信長。彼の生きる道がようやく定まったようだね



とても良い

もう一巻の終わりだ、という場面で現れる柱の頼もしさが素晴らしい
しのぶは謎めいた可憐さを持って瀕死の善逸のもとに降り立つし、冨岡は炭治郎と伊之助が苦戦した父蜘蛛を瞬殺してしまう。これほどまでの魅力を持っているなら、たしかにもっと早く登場してくれよと言いたくなるかもね

お婆さんの言葉、炭治郎の行動に影響されて少しずつ鬼殺隊士としての振る舞いを手に入れていた伊之助。それは確かに成長と呼べるものであるけれど、同時に外からの影響で急激に作り上げられたものでも有るから、伊之助の振る舞いとしてそのまま合うわけではない
敵を前にして考えて戦うなんて振る舞いは伊之助には似合わない。戦いの中で伊之助は「考える俺なんて俺じゃない」と自分を取り戻し、その上に炭治郎やお婆さんから掛けられた言葉を重ねていく。嘴平伊之助という人間に相応しい鬼殺隊士としての振る舞いを手に入れる。
脱皮して更に凶悪になった父蜘蛛から逃げずに立ち向かった彼の姿はとても格好いいね

一方で那田蜘蛛山の歪さを煮詰めたような鬼、累が炭治郎の前に姿を表す
那田蜘蛛山で登場した鬼は、鬼でありながら集団で存在し更に家族として振る舞っていた。母蜘蛛は子供達を守るように強要されていたし、父蜘蛛はひたすら「俺の家族に近づくな!」ばかりを繰り返す。これらの振る舞いは鬼として歪なもの。
そして、今回の描写からそういった「家族」としての振る舞いに最も拘っていたのは累であると判る

累は仲間という繋がりを薄っぺらいと馬鹿にし、自分たちは家族だから強い絆で結ばれていると主張する
けれど、そんな主張は間違っていることは明らか。特に長男として守るべき家族を持っていた炭治郎からすれば、姉の顔に平然と傷をつける累の振る舞いは「家族」として認められない。累が主張する絆など存在しない紛い物だと切り捨てる

炭治郎に言葉を取り消せと迫る累、決して取り消さないと譲らない炭治郎の戦い。二人の抱えた矜持がぶつかる戦い。その中で突然折れてしまった刀は炭治郎の力が負けていると意味するのか、それとも炭治郎の主張が負けた事を意味するのか。
次回のあれやこれやがどのように描写されるのか楽しみだ



良い

どう考えても非道い設定で非道い始まり方をして非道い展開とか含んでいるはずなのに、こうして一つのエピソードが終わってみればいい感じに纏まっていたように思える不思議

チートツールなどに始まる不正行為を用い荒らし回っていたワイズの母親。億単位の損害賠償なんて話まで出て、突然話が大規模になってしまう
それを「この話を通して親子の絆が深まった」と不正行為の問題を矮小化して親子間の問題に置き換える展開はこの作品ならではと言った所
また、強大な力を有し倒すことが難しいと思われたワイズの母親に対し同じく強大な力を持つ真々子が力で対抗するのではなく、母親の話として対抗する為に勝機が生まれる展開。こちらもやはり問題の矮小化を行っているね
戦いの後は擦れ違い続けた親子の仲直りの方法として親子喧嘩。戦闘中は「子供なんて作らなければよかった」なんて親として言ってはいけないことを言っていたワイズの母親。しかし、親子喧嘩の中ではちょっと微笑ましいベクトルの言ってはいけない言葉に。あのような喧嘩が出来るようになったならまあ、親子の問題は解決できたと見て良いのだろうね

ゲームクリアしたはずだけど真人に付いていく道を選んだワイズ。迂遠な方法を取らずもう少し問題を矮小化すれば、簡単に解決できそうに思えるんだけどねぇ、その感情は。



とても良い

物の怪憑きの草摩の人は様々な苦難を抱えるけど、杞紗に訪れた苦難はそれとはちょっと別の方向性。
毛色が違う物の怪憑きとして見た目を指差されることに始まり、それへの抗弁は無視に繋がり、やがて何をしても笑われるようになってしまった杞紗。物の怪憑きであることを始まりとしつつ日常にある苦難へと至っていく
日常の中にある苦難だから誰だって持論をぶつけて「こうすればいいじゃないか」とか「貴方が変われば良くなる」とか解決法を見いだせると思ってしまう。
でも、虐められた中で必要なのは解決法とか改善策ではなくて、もっと単純に自分の気持ちに寄り添ってくれる人がいるのかどうか、という点なのだろうね

今回杞紗とか関わった面々は、杞紗の問題を解決しようとして言葉を掛けたのではなく杞紗の気持ちに寄り添おうとしたのだろうなと思える
紅葉は杞紗みたいな目にあったことはないと言いつつ、どんな気持ちだったのかと自分が同じことをされた場合を想像して涙を流す。透も釣られて涙を流す
潑春は小さい頃、その見た目や丑の来歴から自分の気持ちを無視してとやかく言われた経験がある。杞紗が今陥っている境遇が少し共感できる
透も虐められていることを母親に言えなかった時期があった。結局知られてしまってそれが恥ずかしくて、でも「大丈夫だよ」と言われた経験が何よりも安心できたと今の杞紗に繋がる話をする。
透の話は杞紗本人の苦しみを代弁するものでも有り、同時に杞紗の母親と杞紗を繋ぐものでも有る。透を通して杞紗の好物であるニラ玉があみだくじで選ばれる展開はとても良いね

透の話は杞紗だけでなく由希にも繋がる
多分、由希は透の話を通して辛いけどその辛さを言えなかった時期の自分が何を感じていたかを再認識したんじゃなかろうか?透の肩を借りて目を瞑る由希の姿はまるで母親のぬくもりを得ようとする子供のようにも見えた

今回の話を通して、温かく迎え入れてくれる透の存在、態度を改めた母親、自分と同じような経験をしたと話してくれた由希などの支えを見つけられた杞紗。
杞紗は誰の為でもなく、弱い自分を乗り越える為に学校へ再び行く決意を固める。それはとても大変な覚悟だけど、同時に辛さに負けなかった自分を手に入れられる
同様に由希も気が乗らなかった生徒会の話を受ける。

弱さゆえの向上心を手に入れた二人がこれからどのような心を手に入れていくのか気になる所



良い

シャミ子の身体を借りてリリス顕現!……なのだけれど、ただでさえへっぽこそうなご先祖が虚弱体質でポンコツなシャミ子の身体を借りても出来ることなんて無いのです。それどころかシャミ子の借金まで増やしてしまう何とも言えない展開
これ、何処をどう見たって闇の勢力側が魔法少女を倒す余地なんて無さそうなんですけど……

Bパートでは借金を少しでも返すためにシャミ子はバイトを始めるのだけど……
一族に掛けられた封印のせいで月に稼げるお金に上限があるのはやはり厳しい所。封印を解くには魔法少女を倒す必要が有るけど、魔法少女を倒すにはまず借金を返さなきゃならない。ある意味袋小路の様相
……タコさんウインナー救出で桃は更に強くなったみたいだし、シャミ子は桃を倒すとか諦めて普通に友達になった方が良いんじゃないかなぁ



良い

サザエが採れると思ったらヒトデばかりが見つかり、兎を処理することを考えれば罠を確認することも恐ろしい。サバイバル技術に秀でたほまれが居ても思い通りにならない事は幾つも有る
でも、紫音たちにとって一番思い通りにならない事は一向に救助されそうにないこと。それが最も表れたのが船を見た気がしたと言って泣き出してしまった紫音であり、釣られて明日香達まで泣いてしまう。こればかりはサバイバル技術ではどうしようもない

どうしようもないなら別のことで頭を一杯にすれば良いわけで
大量のべらでバーベキューと洒落込んだほまれ達。救助が来ないと泣いていた気持ちを一掃し、四人で無事に帰る意志を改めて表明。
本当にこのメンバーは遭難しているはずなんだけどそこまで悲壮な感じならないから安心して見ていられるね

次回は遂に兎の処理が描かれますか



良い

体育祭とはようやく学生っぽいイベントが始まった……と思ったらその準備がやっぱりこの作品らしい描写だった
リレーの選手に選ばれてしまったひびき。かといって走る練習をするわけでも、メンバーとバトンの受け渡し練習をするわけでもなく、足が速くなる筋肉を鍛える展開に。
なら、バトンの受け渡しに失敗して失格するオチは当然とも言えるかもね
いや、ほんとバカにできないんだけどね。バトンの受け渡しって



良い

アリエス達を思って暗い表情の親パートと楽園のような島を満喫する子供パートのギャップが酷い(笑)

親パート、特にアリエスの母が暗く沈んでいるのはアリエスが生きている可能性を捨てられず、同時にアリエスの不在を忘れられないから
居なくなった子供のことを忘れられないから、いつまで経っても不安感は消えない。ルカの父親も反対していた法案に従う事に整理はついても、ルカが居なくなったことには想いが整理できていないことが判る
逆に冷たい他の親は子供が失踪したことについて既に心の整理がついているというわけでも有る。……単純にこの失踪事件の裏に関わっている可能性もあるけど

親達と違い、カナタ達の空気がとても明るいのはシャムーアでの補給が上手くいき、次の惑星アリスペードの環境があまりに良すぎる点も有るのだろうけど、何よりも自分達の環境の辛さを忘れられているからってのは大きいのだろうな
自分達の置かれた状況の辛さを忘れられているから、彼らは単純なことを考えてわいわいできる。
ユンファは皆の暖かさを知り、その輪に入ろうと自分の目を遮っていた髪を切った。男子陣はその可愛さにメロメロのようだね
アリエスは女子トークの勢いでカナタに突撃。……カナタの酷い対応を忘れるために日記をつけず不貞寝するアリエスにはちょっと笑ってしまったけど。
誰にでも懐けるルカはもっとウルガーとの距離を詰めようと和やかに質問攻め

でも、やっぱりこの明るい空気は大切なことを忘れているから保たれているものである。ルカのフルネームから何かを思い出しルカに銃を突きつけるに至ったウルガー。
更にユンファの言葉をきっかけにカナタは自分達の中に裏切り者が居ることを思い出してしまう。そして突然の行動を起こしたウルガーがそれなのかと空気は急転直下

ウルガーの行動も気になるけど、所々で登場するDNA採取やら記憶移植やらのワードは何とも不穏。これがカナタ達の失踪に関わってきたりするのだろうか?



良い

自害しない平手政秀って初めて見た……と思ったけど、信長協奏曲でも自害してなかったな

前回においては父の弔いのために何ができるのかと自問した信長。今回は病気を押し隠して自分に尽くしてくれた平手政秀の仁義にどうやって報いることができるのかと考えた回だったように思う

信長がこのように大切な者が死にゆく事態に悩まされる回が続くのはまだまだ信長を信頼してくれる人が少ない証のようでも有り、同時に織田家を支えてきた重要人物が立て続けに亡くなっている現れでも有る
今の織田家にとって織田信秀と平手政秀という屋台骨を失って、更には家督を継いだ信長への信頼が少ない状況ってかなり厄介なもの
その状況を打破するには家臣から信頼を得て家臣の足並みを揃えるしか無いが、そもそも信長に人望が無いからこのような事態になっているわけでも有って。

となれば、次善策として平手政秀が言うように誰が相手であろうと精一杯戦い、その勇姿や知略を家臣に見せつけるしか無くなる。そういった意味では今回信長が行った三段撃ちは有効だったのかもね。
敵に損害を与えることよりもその大きな音を立て続けに放つことで相手をビビらせる。ついでに家臣にも度肝を抜かせる

これで信長の評価が鰻登りになって家臣団一致団結!となるわけでは無いのが悲しいところでは有るが



普通

こういう形の最終回かぁ……

ジョルノのラッシュを受けたディアボロの最期が悲惨。いや、GERの能力的に彼は最期にすら辿り着くことは出来ないのだけど
ディアボロが辿り着けなかった人間であるなら、逆にジョルノは辿り着いた人間。
ディアボロに勝利するという偉業に辿り着いたし、コロッセオに戻ればブチャラティの死に辿り着く。そして最後にはギャング組織のボスなどという夢物語のような椅子に辿り着く
ここまで辿り着けたのはそれだけジョルノ・ジョバァーナという人間が運命を切り開く力を持っていたという面はあるのだろうけど、それだけではないと判るのがあの長い回想ということか

ローリング・ストーンズが示した運命は絶対に変えられない。しかし、ミスタがしたように抗うことは出来る
ここでブチャラティがルカの調査の中でジョルノに出会った事で全ての運命が動き出した。ブチャラティに誘われたジョルノが入団試験の最後にポルポを殺したことで遺産を巡る騒動が始まり、トリッシュが表に出て暗殺チームが動き出し、ボスの本性が露わになり、ジョルノがディアボロを殺すに至った。まるで転がる石の動きを止められないかのような流れの中で幾つもの命が失われたのは運命と呼ぶしか無い
そこまで辿り着かせたのはジョルノが掲げた黄金の夢が吹かせる風だったのだろうけど、同時に辿り着けたのはブチャラティ達が運命に必死に抗い続けたからなんだろうね

そういった意味ではジョルノが何を成し遂げたのか、何故成し遂げることが出来たのかを見つめ直すようなエピソードは最終回を飾るに相応しいのかもしれないけど、正直もうちょっと早い段階でこのエピソードは見たかった気がしないでもない



とても良い

人面蜘蛛やら兄蜘蛛を見て、善逸は泣き叫び逃げ回っていたけど、ちびらなかっただけ偉いと思ってしまうよ……
あの光景は怖いよ…。ホラーだよ……

那田蜘蛛山のエピソードにおいては「振る舞い」が重要なキーだと思っているんだけど、それは自意識的なものだけでなく単純に人からどう見えているかという点も含まれる
人から見える面では伊之助と善逸は正反対の振る舞いをする。どう見たって血だらけなのに怪我してないと強がり下山を嫌がる伊之助。鬼殺隊士でありながら鬼ですら無いただの人面蜘蛛に怯え木の上に逃げ込んでしまう善逸
振る舞いが正反対だから周囲の対応も全く違ったものになる
炭治郎は強がる伊之助に包帯を巻き、父蜘蛛からは庇う動きをする。強がりすぎる伊之助をフォローしようとする
泣いて逃げてばかりの善逸に対して、師匠を先生と呼ぶ少年は善逸に消えろと言葉をぶつける。兄蜘蛛は善逸を腰抜け、大したこと無いと蔑む
己の振る舞いはそのまま周囲からの評価や対応に繋がる

けれど、善逸がどんな姿を見せても対応を変えなかったのが師匠。
彼は善逸がどんなに泣き喚いても逃げても結果を出せなくても対応を変えない。「一つのことしか出来ないならそれを極め抜け」と善逸に諭した師匠はその言葉に沿うように善逸がどう否定してもあの少年が嫌味を言う状況でも善逸を鍛え続ける。一つの振る舞いを続ける
なら、善逸も結果を出せなくても怖くても泣きたくてもたった一つの振る舞いを続けたくなる。師匠の自分にかけてくれた時間に応えたい、覚えられたたった一つの技を極めたいという一心が無意識の善逸を突き動かす

その果てに魅せた霹靂一閃六連は凄まじい迫力。その見に纏う雷光も格好良いが、兄蜘蛛に一瞬斬られたと気付かせなかった程の神速は惚れ惚れとする
これは一つを極め続けた善逸でなければ魅せられない振る舞いだろうね
炭治郎達が見られなかったのは残念だと思えるほどのもの

いつも泣いて逃げてばかりの善逸。そんな彼は頼りないし多才ではないけれど、人から向けられた想いに一生懸命応えようとする優しい少年であることが伝わってくるような回だった



普通

破茶滅茶な展開と母親推しな展開に辟易していたところに、割と真面目な親子の物語を入れてくる構成には驚かされた
母親との縁なんてもう無いと思っていたワイズの中にはまだ母親のぬくもりの記憶がしっかりと残っているじゃないかと真々子によって明らかになる展開は良いね。



とても良い

ありさと再び出会った透が何も事情を聞かずにありさの逃亡を助ける展開は意外。透にもこういう面があるとは。

前回、ありさが今日子を罵倒し本田家を拒絶したのは憧れを裏切られたからであり、同時にヤンキーをやっている自分の道の先に今日子が居ないと気付いてしまったから。どうあっても今日子や透と自分がリンクしないと思ったから逃げた
でも、再び本田家を訪れる中で自分の家と本田家は異なるのではなく、ただ自分が温かい家庭の空気を知らないからそこから除け者にされているようで寂しいからだと気付く

そこまで気付けたのなら、後は少しずつ変わっていけば良いわけで。何かを変えれば自分の家も本田家と同じような空気を出せるかもしれなくて。
あの後、ありさが本田家に通い詰めるようになったのは今日子達に懐きもう一つの家庭だと思えるようになった面もあったのだろうけど、普通の家庭の空気を知ろうとした面もあったのだろうね
そういった本田家で過ごした日々が有ったから最終的に父親と普通の家庭として再スタートを切る事が出来たのかもしれない

ただ、自分の変化は他人はあまり認識してくれないものでありさは少しずつ変わって透と仲良くなっても周囲はありさを変わらずヤンキーとして扱う。なら、痛い目を見ても族抜けをしなければならない。誰にでも反発して自分も他人も傷つけていた自分から卒業するための通過儀礼として必要となる
ここで秋本が助けを呼び今日子がそれに応える展開は良いね。通過儀礼を一人で耐えるしか無いと思われたありさを見守ってくれていた人はきちんと居たのだと判る。
通過儀礼をくぐり抜け、周囲の優しさが判ったからこそ、ここで初めてありさは透と友達になりたいと口にする。
このような望みを泣きながら言えたようになれたから、これまでの痛みも優しさも無駄なんかじゃなかったと伝わってくる

因縁つけてきた後輩ヤンキーにありさは諭すように対応。これも自分が散々苦しみ、そして周囲から優しさを受け取ったから伝えられる言葉であり、ありさ自身の成長の証なのだろうね
このようにして今日子から受け取った優しさが継承されていく様子が本当に素晴らしい回だった



良い

あのダメダメそうなご先祖からもダメ出しされ、母親からも才能がないと言われ、敵である桃には毎回手玉に取られてしまうシャミ子って……

これまでもシャミ子のダメダメさはひっきりなしに描かれてきたけど、Aパートではそれがご先祖譲りであったことが判明。闇の一族の始祖でありながら勝利したことすら無さそうってどういうことなのって突っ込みたくなるけど、それはつまり闇の一族はそもそも戦闘に不向きであると推測することも出来る
だから魔法少女の中でも弱い方の桃にすら手も足も出ないのも仕方ない……のかもしれない
というか、桃はシャミ子を敵として認識していないどころか暴発しないように見守っていたことすら判明してしまうし

桃に会えば丸め込まれて鍛えられて、最後には何だかんだ楽しい思い出を得てしまうシャミ子
どう考えてもシャミ子と桃が敵対するのは無理がある。だからシャミ子の役割はもっと別にあると見るのが自然なわけで。
彼女の本質として掲げられた「皆が仲良くなりますように」。これが光の一族の魔法少女と闇の一族のシャミ子が敵対する関係性の中でどのような意味を持ってくるのか、今後のストーリーも楽しみ



良い

学生の夏休みと言ったら、新しい何かに挑戦したり、友達の家に行ったり、海に行ってはしゃいだり。そういった舞台設定は何の変哲もないのに、ひたすら筋トレしてるひびき達って……

ポージング取ってる時とジャージの時の街雄の体型が明らかに違うだろうと疑問に思っていたけど、ああいう感じに変化してたの…?人体の不思議ってレベルじゃない気がするよ?



とても良い

苔の大地に降り立ったカナタ一行。なるべく楽しんでいこうぜという言葉に従うように皆楽しそうに食糧を確保するのに一人だけ暗い顔のままのユンファ……
物事を楽しむとは自分のしたいことが出来ている現れでも有る。特に未知の生物の背中に乗れたシャルスは楽しそう
だけど、失敗しても活躍しても目立ちたくないし自己表現は恥ずかしいとまで言うユンファは自分のしたいことをしようとしない。だから楽しみの輪にも混ざれない。それどころか自分が居る事で他人のしたい事が出来ない、満足に食事ができないかもと思ってしまったらもうそこに居られない。だからユンファは出ていってしまう

擬似的な閉鎖空間で何十日も一緒に過ごすなら互いにしたい事を我慢するのは当たり前なんだけど、一方で本当に我慢させてしまうのはNG
カナタの声に皆で応えるのは必要な行為だけど、恥ずかしいなら別の掛け声にしたって良い。
サバイバルを生き抜くためには仲間の中の犯人探しなんてしている場合じゃない。でも、不安になる代物だからその直後にカナタがやっぱり犯人に言及してしまうのは仕方ない
シャムーアでは満足な補給は出来なかった。先に進むか留まるか、誰かが何かを我慢しなければいけない局面。ここでカナタは皆の意見を汲んだ上手い折衷案を出したね
これらを見る限りでもカナタが仲間達の良い調節役になっているように感じられる。だからユンファに真っ先に追いついたのがカナタで、一度手を取った彼がユンファの言葉を引き出すために一旦離れる展開は納得できるもの

親から事ある毎に否定され、次第に自身を失っていった様子が手に取るように見えるユンファの過去。あの場面でユンファが語った想いは嘘偽りではないだろうけど、全てではない。ユンファをきちんと見ていたアリエスやカナタを通してユンファの本当のしたいことが語られ、それが毒キノコにやられた仲間を癒すために使われる展開は素晴らしい
歌には解毒や治療の効能はない。それでも、辛い思いをしている者達を癒やせる。これはユンファのしたいことであると同時に誰かの役に立つ行為となる。ユンファにとって大きな契機となる一件だったんじゃんかろうか

そういや、カナタが解毒キノコを見つけたトリック。あれもある意味毒キノコにしたいことをさせた為に解毒キノコへの道が開けたと見ることも可能だったりするのかな?



良い

最低限の水やシェルターが確保されたなら次はしっかりとした食糧というわけね
当初はリスを捕まえようとしていたほまれ。しかし、アナウサギが居ると知るや標的をそちらに変更。この工程の中でほまれはひたすらウッキウキだけど、他のメンツはそうは行かない。そういったほまれと他のメンツの対比が面白い回

紫音はリスをトラップで捕まえると聞いた時点で「残酷よ」と完全拒否
明日香は手にしたカエルを処理すると聞いて思わず逃してしまうが、兎を捕らえるトラップを作る際にはノリノリになってしまう単純さを見せる
睦は顔にはあまり出さないものの心では引いていた。でも、兎を捕らえるために心を鬼にし、更に罠を応用して仕掛ける協力を見せる

生きた、それも可愛らしい動物を捕らえて食べるという現代の女子高生にとっては恐ろしくハードルの高い行為。それがほまれがいるだけでスマートに纏まってしまう構図はやはり感服するね



良い

織田信秀の葬儀といえば、信長が抹香を投げつけるシーンが有名だけど本作ではその道は選ばなかったのか。ちょっと意外
代わりにこの回で信長が悩み続けたのは死に瀕した父に対してどのような弔いをするのかという点だったのだろうね

ただ、そういった悩みは他人からは見えにくいものだし、立場が違えば織田信秀の死によって受ける影響は変わってくる。だから信長以外の行動は信長の思惑とは異なったものになってしまう
家臣は今川との戦を考え始めるし、信勝は兄弟二人で織田家を守っていくのが一番だと考えている。恒興はこの危機に動く間者への対応に余念がない。でも、信長はただ単純に父のために何が出来るかばかり考えてしまう。それがズレとなる

そういった悩みの果てに信長が見つけた弔いが、父が守り大きくした尾張という国の証である領地安堵状を取り戻し裏切り者を捕らえることだったのだろうね
そして、それが出来たからこそもう葬儀に参加する必要はない。簡単な手紙で済ませてしまう
でも、それは他人から理解される代物ではない訳で。

信長と信勝の兄弟仲に亀裂が入る様子がよく判る回だった



とても良い

鬼の糸が相手から正しい振る舞いを奪ってしまうと言うなら、炭治郎は相手に正しい振る舞いを取り戻させる役割を持っているように思えた

邂逅時、「癸なんて何人来ても同じだ。意味がない!」と炭治郎達を否定し、それでいて隊士として求められる働きが出来ていなかった村田は炭治郎達を先に行かせて自分は操られた隊士を抑える役目を買って出た。隊士の操り方を見つけ、操り鬼を見つけた実力を持つ二人を認めると同時に、自分の実力に見合った振る舞いを取り戻す

骨が折れるのも構わず操られていた隊士達。彼らはその苦しみから、糸から開放されることよりもとどめを刺されることを望んだ。その際に助けてくれとも言うのが本当に痛ましい。
そこで炭治郎は彼らを跳ね上げ糸で操れないようにする。これは素晴らしい策だけど、そもでも彼らは糸から開放されていないし、本来の振る舞いも取り戻せていない。結局、母蜘蛛から「役立たずの人形」として殺されてしまう

前回から変化の兆しを見せ始めた伊之助。今回もその路線は継続
村田に対してクソ猪と呼ばれたことに憤慨してしまったり、操られた隊士を前にすればぶっ飛ばすしか無いと考えるほどの短慮さを見せる。しかし、炭治郎の振る舞いに付き合う内に伊之助の中にも鬼殺隊士として求められる振る舞いが身についていく。炭治郎と同じ様に操られた隊士を跳ね上げたり、炭治郎と連携して首なし鬼を倒したり
最後には鬼が居ると知れば何も考えず突っ込んでいた以前とは違い、炭治郎を空中から強襲させるという搦め手まで実現した
伊之助はこの短い間に一人前の鬼殺隊士として成長できたようだね

鬼でありながら、母としての振る舞いに縛られていた母蜘蛛。彼女の仕出かしたことを考えれば同情なんてする余地はないのだけど、それでも死によってしか押し付けられた振る舞いから解放されることはないというのは何とも無情な話
そんな母蜘蛛に対して何かを察した炭治郎は苦痛のない干天の慈雨でとどめ。これは炭治郎が与えられる最大の慈悲と言えるのかもしれないね



良い

女子高校生が思い思いの水着を着る中、スクール水着を着用し続ける透。確かにあの様子はちょっと泣けてくる……
危ない趣味を持つ紫呉だって思わず居た堪れなくなるというもの

今回はAパートで透の水着選びが行われ、Bパートでありさの過去が語られる。そして話は次回へ続くとこれまでとちょっと異なる形。話を今回だけで終わらせず次回へリンクさせる形となっている
同様に内容も他者とのリンクが主題となっていた印象

ありさは父親への反発も有りヤンキーとなった。それは父親への嫌悪であり、父親のようにはなりたくないという反発でも有る。いわば父親とのリンクを拒絶した形であり、代わりにありさがリンク先を求めたのが今日子というわけだね
女でありながら男よりも強く輝く今日子の姿はありさにとって憧れのもの。憧れるということはその人のようになりたいという願望であり、ありさがヤンキーを続けていたのも今居る道の先に今日子の姿が有る、今日子のようになれるという希望があったからだろうね

ただ、ありさの憧れはあっさり崩れ落ちる。今日子は完全な親ばかになっており、その娘の透もぽやぽやしてどんくさい娘だ。
その家庭を見たありさには今の今日子と透がリンクしてしまい、代わりに自分と今日子のリンクが絶たれてしまう。
ヤンキーをやっていても今日子のようになれるなんて思えないし、代わりのリンク先も見つけられないしありさは自暴自棄に暴力を振るい続ける。容赦なく堕ちていく

視聴者からすれば、この頃のありさと今のありさは中々リンクしないし、ここからどうやってありさと透が仲良くなるかも見えづらい。この過去がどうやって現在へリンクしていのか気になる所

あと、夾と由希はいつになったら、透の水着についこだわってしまう心と透へ向ける感情をリンクさせるのだろうね(笑)



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