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とても良い

冒頭の本読みでは燈子だけが迫真の演技を見せる。それは現状の燈子の悩みが劇の内容そのものだから。人前で本音を見せたがらない燈子がこのような振る舞いに出てしまうのはそれだけ追い詰められている証拠だろうね
燈子の事では頼りになる沙弥香もそんな燈子を放置する方針。それは過信か信頼なのか
合宿も終わってしまい、軌道修正する時間は無くなっていく

立ち止まって考えるような時間なんて無くて、だからここから事態を挽回するのは難しかったはず。それが変わったのはこれまで二人の関係が変わる際に何度も描かれた踏切から

侑の部屋での燈子は侑に甘え、生徒会長選挙の時のように弱気になる。膝枕を所望し、キスをねだり、侑の胸に抱かれるようにして悩みを打ち明ける。それはまるで姉に甘える妹のような姿
そこで明らかになるのは燈子が本当の自分に価値を見出しておらず、それどころか嫌っているということ。現在の燈子を好きになった侑からすれば納得出来ない話
ここで燈子が侑に改めて「好きにならないでね」と釘を差したのは、既に侑が燈子を好きになってしまっていると気付きながら、それでも友達以上恋人未満の関係を侑に求めて自分が安心できる場所を確保したいからか?

燈子が本当の自分を嫌っていると知った侑。だからこそ、こよみに劇の結末を変更しようと持ちかける。侑が話したのは劇の主人公が三人の内の誰かが描く像を選ぶのではなく、現在進行系の状況の中から自分に相応しい自分を自分の意志で選ぶこと。
夜間にも関わらず侑はこよみの家に向かい、合宿が終わった段階なのに脚本を修正させる。その原動力は燈子に自分のことを嫌いじゃなくなって欲しいから。キラキラしたものに手が届かなかった侑が燈子によって少しずつ変われた。同様に燈子も変わり、少しでも自分を好きなってほしいと侑は願う。
それが傲慢であっても変えたいと願うのはある種の愛情なのかもしれないね

息つく暇もないような追い詰められた状況だけど、何も出来ないわけではない。侑の必死の疾走はまだその余地がまだあると示唆しているように思えた



良くない


普通


とても良い

今回は劇の練習のために合宿。場所が普段通う学校であっても合宿となると途端にいつもと違う空気感になる。沙弥香は燈子と一緒に入浴する事態に緊張してしまうし、燈子はいつもは隠された侑のバストを見て興奮してしまう。男子陣もちょっと浮ついた雰囲気
それでもいつもと違う空気であっても、ハプニングが起こらないのは互いに牽制しているから
就寝時、想い人が近くに居て燈子も沙弥香もそわそわしてしまうがそこに第三者が居ることで思い留まり行動には移されない。侑もその場所に沙弥香が居ることで燈子との距離感に悩むこと無く後輩の立場のままで居られる。
三角関係であるがために重心がどれかに偏ること無く、三人にとって安心するバランスが形成される

ただし、三角関係で偏りがないということは誰かに縋ることも難しくなってしまう
市ヶ谷が語る七海澪の一面は燈子の知らないもの。特別な存在だと思っていた姉に成り代わるために邁進してきた燈子だけど、実は自分の思い描いていた澪のイメージは実際の姿とはズレが有るのではないかと疑念が生じてしまう
自分が思い描く澪のイメージに成れば良いのか、それとも市ヶ谷が語る澪のイメージに成れば良いのか。このどうしたら良いか判らない悩みを解決するためには燈子の本性を知っている侑を頼るしか無い。しかし、合宿により偏りのない三角形が形成されている現状ではそれは出来ないし、侑も燈子に踏み込むことは出来ない。
唯一踏み込めたのは沙弥香だけ。沙弥香は侑が現れるまでは燈子の隣りにいてバランスの取れた関係と見られていた。だから普段と違う空気感であっても燈子の悩みを聞くことが出来るのだけど、第7話で明らかにされたように沙弥香は燈子が隠した内面に踏み込まないからバランスの良い関係を作れていたのだ
結局、沙弥香は悩みの深い部分を打ち明けられること無く会話は終わる
そして侑は沙弥香が隣りにいる状態では燈子に近寄ることは出来ないまま

考えてみれば当たり前の話ではあるんだけど、まさか燈子が思い描く澪のイメージにズレがあるかもしれないなんて思いもしなかったな
燈子に敢えて澪の意外な一面を語った市ヶ谷の思惑は気になるし、劇の行方も気になってしまう。本当にこの物語がどのような着地点に到達するのか全く予想できないな



とても良い

これまでに戦った怪獣たちが再登場するだけでなく、グリッドマンとグリッドナイトが並び立つ展開は鳥肌モノ

今回の内容は隠されていたものが露わになる回であるように感じられた

前回の戦いの影響で空の都市が常時見えるようになるだけでなく、地面も電子配線のようになってしまう。それはこの世界が作り物であると示唆する何よりの証し
同時に記憶のリセットがされなくなったことで怪獣によって人々がどれだけの被害を受けて来たかが露わになってしまう。学校が避難所になり、友人にも怪獣の存在が知られてしまう。けれど、それによってグリッドマンが街を守ったことも知られるようになったのは小さな見返りか

アンチは病院に乗り込んでくるが、そこは怪我人だらけ。元怪獣であるアンチがこれまでにした罪が露わになる場所。しかし、戦場へ向かう意志を明確にしグリッドナイトという正義の名を与えられた為に彼がこれからする行為は破壊ではなく街を守る行為であると定められる

これまではグリッドマン同盟であると声高に叫び怪獣と戦う者という立ち位置に居た内海。けれども彼は元怪獣のアンチや怪我人を前にして正義の味方などではない一般人であることが明らかになる
それは一方でグリッドマンの味方ではなく響裕太の親友であると再定義するものであるのだけど、それゆえに自分はグリッドマンであると知ってしまった響を止める術を持たない

夢の中で自分が響裕太ではなくグリッドマンであると知った響。それは同時に彼が普通の人間ではないことを明らかにしてしまう。眼が金色になり親友のはずの内海に対してグリッドマンの言葉で話した彼はどう見ても響裕太などではない
怪獣を倒しアカネを助けるという「やるべき事」の前では頼りになる姿であっても、項垂れる内海の姿が描かれることでどこか物悲しさを感じさせる

自分がアカネの友達になることを設定だと言われ一度は離れた立花。けれど、その先で気付いたのはアカネを助けたいという想いとやっぱりアカネは自分の友達だという気持ち。
想いもやるべき事もシンプルになった立花の問いはアカネに鋭く届くが、アレクシスによってアカネは怪獣にされてしまう。

怪獣は倒すべきだが、アカネは助けなければならない。この二律背反を前にしてグリッドマンはどうするのだろうか?



良い

少年のナランチャがギャングとして迎え入れられ、更にはフーゴが勉強の面倒を見ている状況がとても不思議だったのだけど、それなりの背景が有ったということか

ナランチャとホルマジオ、今回対決した二人は立場が異なる相容れない存在。視聴者からすれば味方であるナランチャを応援したくなる戦いだけど、ナランチャだけでなくホルマジオも相手の能力や戦法を推し量り必死に自分が勝利する道を探しながらあの手この手で戦う様子は平等に応援したくなるもの
けれど、見る内にホルマジオを応援する気持ちが無くなっていくのは、ホルマジオが蜘蛛を使うという視覚的嫌悪感を伴う戦法を用いた点の他に両者の信念の違いも関係しているのだろうな

ホルマジオの目的は麻薬によって得られる大金。判り易い金欲
それに対してナランチャはずっとまっすぐな想いを持っている。父親への反発、兄貴と慕っていた人物の裏切りによって他人を頼らなくなっていたナランチャ。そんな自分に対しフーゴは救いの手を差し伸べ、ブチャラティは真摯に怒ってくれた。それに感銘を受けたゆえにナランチャは仲間との約束を守ろうとするし、彼らの居場所を話すなんて裏切り行為はしない

その想いは彼の中でとても強く持っているものであり、ときに物事の優先順位さえ捻じ曲げてしまう
仲間の居場所を知ってしまったホルマジオを倒すために周囲の車を炎上させる手法はどう考えてもやりすぎだし、戦いが終わった後に彼が気にしていたのは暗殺チームに襲われたことではなくて買い物に失敗してしまったことだった
見ているこちらからすれば、ずれているとしか思えない判断だけど、彼の信念には一切反していない行動なのだろうな

ナランチャの信条がよく判るだけではなく、これからの暗殺チームとの戦闘模様がどのように描かれるのか楽しみになるような回だった



とても良い

おるすばん妹編開幕。原作エピソードの中では1,2を争うくらい好きなエピソードなので、これがTVシリーズ終盤に描かれることは楽しみでもあり、怖くもあり

懸案のスキャンダル問題はあっさり解決。やはり麻衣の対応力は流石。そしてそんな彼女が心底惚れ込んでいる咲太もなかなかの人物
けれど咲太でもどうして良いか判らない問題はやっぱり有って、それが牧之原翔子と妹のかえでに関わる問題
咲太は翔子への気持ちにもうケリを付けているが、それを現在の彼女である麻衣にどう告げるかは迷いが生じてしまう。結果的には双葉のファインプレーと麻衣の許容によって事無きを得たけど、琴美の登場と翔子が現れなかったことで翔子との再会は叶わず
それぞれの咲太の判断は間違っていないけど、翔子に会うことへの迷いが反映されているような気もしてしまう

かえでの件も咲太にとっては難しい問題
これまでに描かれたかえでへの咲太の対応や今回の外出しようとするかえでを優しく応援する姿はとても素晴らしいものばかり。その分、親しい麻衣にかえでの記憶が無いという重要事項をこれまで伝えられなかった辺りに咲太が全てにおいて完璧な対応をしているわけではない事が見えてしまう

このままでは嫌だと辛さや苦しさを押し殺して必死に外に出ようとするかえでの姿には思わず感動してしまいそうになるし、咲太のかえでを想う気持ちが伝わってくるような一つ一つの仕草や言動には感嘆する
又、咲太が次々と少女を家に連れてくる状況が引きこもり状態のかえでにどのような影響を及ぼすのかと気がかりだったけど、結果としてかえでに良い刺激を与えることとなり今回のかえでの挑戦も手伝ってくれることに
電話に出たいというかえでに優しく接してくれる麻衣、ピクニックにも付いてきてくれるのどか。どちらもかえでにとって大切な繋がりになっていると感じられる

それだけに過去のかえでと親しかったはずの琴美との繋がりが消失している事実は衝撃的



良い

結局の所、今回の話はまだまだ互いの距離感が掴めて無くて相手がどう思っているかも判らない姉妹による不器用な姉妹喧嘩だったのかなと思う

前回に続き、というか更に麻衣とのどかの力量差が描かれる今回。麻衣の過去作品を見ても演技の極意は掴めないし、結局CM撮影は12テイクもかかってしまう
そうして自分と麻衣の差を知ったつもりになって、まずはセンター曲を貰うことを目標に決めても、のどかになった麻衣はあっさりその目標を叶えてしまう。それどころかあんなに厳しかった母が喜ぶ顔さえ手に入れてしまう

だからこそのどかは母親は麻衣の方が良かったんだと思ってしまうけど、これって姉妹間ではよくある悩みなのかなとも思う。麻衣とのどかの家庭環境は特殊だけど、お姉ちゃんさえ居れば良いんだ、自分は要らないんだ、みたいな悩みはどこの家庭にもあるような気はしてしまう
ただ、麻衣とのどかの母親同士に因縁があり二人とも芸能界へ進んでしまったのが話をややこしくしているだけで

だからそういったややこしさを取っ払って普通の姉妹みたいになるには咲太による仲介が必要だったのだろうなと思う
麻衣の「嫌い」は嘘だと諭し、和室の奥に仕舞われていた麻衣の本心をのどかに見せる。いわゆる「押すなよ!絶対押すなよ」で麻衣が缶の存在を咲太に話したのは、本心を明かし素直になるのが麻衣も正しいと判っていても自分から踏み出すことは出来なかったからだろうね

ラストには恋人スキャンダルが発覚。これもある意味のどかの迂闊さが招いた結果ではあるんだけど、全校生徒を前にしての告白とか有ったし、よく今までスキャンダル扱いされなかったなという印象の方が強かったりしてしまう



普通


とても良い

アンチがグリッドナイトになる展開には驚かされたけど、ラストに響が刺される展開には更に驚かされた
こんな事が起こったら次回はどうなってしまうというのさ……

アカネがこの世界の神様であり、自分たちはアカネによって作られた存在であると明かされる。それにより、記憶まで作られたものだったなら、アカネが居なくなれば自分たちは消えてしまうのでは、と不安になってしまう内海。
けれど、その状態は長く続かなくて。彼を中心として今回は自分たちの有り様や根源を問い直すような話だったように思える

グリッドマンの由来や響の記憶喪失について考え直す面々。けれど、その悩みによって響やグリッドマンの「やるべきこと」がアカネを止めることから変わりはしない
内海はあれだけ怯えていたのにけろっと試験勉強を始める。何故なら学生にとって学ぶことこそ「やるべきこと」だから
グリッドマンを倒すために生み出されたアンチ。そんな彼はグリッドマンを倒した後を考えたことがなかった。産みの親であるアカネから怪獣として失敗作と言われた彼は本格的に怪獣ですらなくなってしまう。悩んだ果てに彼はグリッドマンを倒すために、グリッドマンを害する怪獣を倒すグリッドマンになることがアンチの「やるべきこと」となる。なんてややこしい

そしてグリッドマンに勝てないアカネは遂に限界を迎えてしまう。何故上手くいかないかも判らないし何故怪獣を作るかも判らなくなってしまった
更には雑に作った怪獣から別の怪獣が出現しアカネの世界を壊してしまう。怪獣とはアカネの悪意によって作られた存在と今回話されていたが、悪意の中から生まれ落ちたのはこれまで登場した、中に人間が入っているかのような動きの怪獣ではなく、異物と呼ぶに相応しいほど異様な動きをする怪獣
自分が判らなくなり、自分の世界を壊してしまったアカネの精神は既に崩壊寸前。その状況から抜けるにはグリッドマンを倒すしか無いが、そんな方法は見つからないまま響の変身シーンを見てしまう

アカネの「私もグリッドマンと話してみたかったな」という台詞は、グリッドマンと話すことで自分の「やるべきこと」を見つけ直したい、それだけでなく正義の味方であるグリッドマンに自分を救って欲しかったという意味でもあるように思えた



普通

まさか舞台移動の話だけで一話使ってしまうとは

前回それぞれの立ち位置が見直された影響か、新しい立ち位置に戸惑う面々のあたふた具合が面白い
神裂と対等に戦った五和は別の方面でも神裂と対等に戦おうとするが、自分はこんなの着れないとメイド衣装を購入できない
神裂は当麻に感謝を伝えようとあられもない衣装を着たが、それが上司に知られるというハプニングに見舞われる
美琴は当麻に踏み込んだ発言をしすぎたと後悔し、けれどそれによって生じた関係が心地良いと混乱の局地へ。ここまでポンコツな美琴は初めて見たかもしれない

そんな中、立ち位置も関係性もそれほど変わらないのは当麻とインデックスか。
焼きそばを無駄にした当麻にインデックスが怒らないという驚きは有ったものの、インデックスに何かがあれば当麻は動き出す。機長が乗客の命がなどと言っても当麻にとってはインデックスに手を出されたという事実だけで他の何よりも優先する理由になる

どうやら次回からは舞台がイギリスとなることで新キャラが大量に登場しそうだ。キャラクター覚えられるかな……



とても良い

こよみによって書き上げられた劇の脚本。こよみは燈子の本性も関係性も知らないはずなのに、恐ろしいほどそれぞれが隠した部分に突き刺さるようなもの
主人公の周囲の人間関係は燈子のそれを意識したものになっているが、こよみは燈子を劇の主人公に反映するにあたって誰からも好かれる燈子の裏を劇中人物に模索させる構成にした。
その為か、現実で燈子の周囲の人間が燈子へ向けるイメージとかなり合致している。燈子と沙弥香が恋仲であるイメージはこよみがしっくり来ているだけでなく、燈子を意識し始めた侑ですら「一番納得」するもの。
侑が看護師役なのは侑の元々の流されやすいが面倒見の良い性格が反映されてのものか

今回は脚本だけでなく、それぞれが相手や自分に抱くイメージ像が交錯するような展開が目立つね
侑は燈子の隣りに居ても彼女を好きにならない自分を演じるために少し距離を取る。それを見て燈子はやりすぎたのかとイメージと乖離した侑の反応に驚く
沙弥香は恋人役に選ばれ、それを燈子がどう思っているのかと気にし更にこよみがどこまで知っているのかと危惧してしまう。
侑は合宿で切るパジャマに迷う。それは燈子からどう見られるのかとイメージして、けれどどう見られたいかがはっきりしていないから
都は燈子の愚痴を言う侑から何かイメージするような表情をするがそれを口にすることはなく、優しい表情で下がる
菜月はソフトボール時代の侑へのイメージから、燈子に文句を垂れる侑が変わったと感じる。
燈子の父は燈子が劇をすることを無理をしていると考えるが、燈子はやりたくてやっているのだと考える
自分についてイメージするのは他人からどう見られたいか考えてしまうからで、他人についてイメージするのは相手を理解したいから

ラストの電話シーンで燈子が侑と話して安心するのは、侑が自分のイメージに合った反応を返し又自分も特別ではない自分のイメージで言葉を返せるからだ。対して侑がざわざわしてしまうのは燈子が自分に向けるイメージと侑自身が一致せず、又侑が燈子へ向けるイメージが形にならないままだから
作中何度か描かれた泡の表現。どちらも燈子に対して侑の心が揺れた瞬間に描かれたもの。もしかして燈子への恋心が形になろうとして、なれずに終わったイメージなのかな?



普通

あれ、鳴海って記憶失ってるんじゃなかったっけ…?もしかして拳法関連だけ記憶を取り戻したんだろうか?

ただでさえ早い展開でありながら勝サイドと鳴海サイドに分かれて物語が進んでいく為に付いていくのが大変なのに、ここに来て過去編とは

それぞれの局面に共通する事項を一つ上げるならそれは出会いによる変貌なのかな?
しろがねはルシールに出会ったことで人形のようになってしまったが、一方で勝と出会い本当の鼓動を、鳴海から温もりを与えられた。鳴海を想って暖かな表情を浮かべるしろがねにはかつての人形のような硬さは感じられない

勝は鳴海を失った夢を見ることで自分の過去と向き合う必要性を痛感する。護衛役であるしろがねを置いて一人旅立つ彼からは、かつて助けを求めて鳴海に縋り付いた弱かった頃の勝の面影はもう感じられない

回想で登場した二人の兄弟はただ人形に命を吹き込むことを目的として長い旅をしてきた。それがフランシーヌと出会ったことでそれ以上の願いを見つけてしまう
兄の白銀はフランシーヌのように誰かのためを思う道にこそ意味があると考えを改め、学問に未練はないとまで言い切ってしまう
弟の白金もフランシーヌに魅せられ、あんなに兄弟仲が良かったのに兄に嫉妬した果てに二人が結ばれる場面を目撃してしまい顔を歪めて憎しみを募らせる

しろがねとフランシーヌ、鳴海と白銀。見た目が非常に似通っているそれぞれに訪れた出会いと変貌。しろがねには温かな変化が訪れたが、フランシーヌと白銀には辛い変化が待っているのだろうなとしか思えないのは、やはり二人の物語が人形遣いたちの因縁に繋がるからか

作品の質は悪くないのに展開がぱぱっと進むせいで、勝が旅立つ場面や白金が嫉妬する展開があまりに唐突に感じられてしまい、どう受け止めれば良いのか判らなかったのが難点



とても良い

こよみは燈子の人間性について表の顔だけじゃ判らないことがポイントかと分析していた。その言葉をなぞるように、今回は表と裏がはっきりと分かれていた回だったように思う

冒頭から燈子は倉庫に侑を押し込んでしまう。人の視界から隔絶されたその場所は限りなく裏の世界。だから燈子は人の目を気にすること無く侑に甘えるしご褒美だって求めてしまう。裏の世界だから侑だって燈子を甘やかしてしまう
しかし、体育祭が始まれば燈子は頼りになる生徒会長の顔になるばかりか、バスケ部と競い合う姿を見せる。それは表の世界であり、青春に溢れた光景。侑も釣られて表の顔をしている燈子を応援してしまう

侑は槙に対して自分の想いや抱えていた葛藤を明かす。槙も同様に自分に恋愛感情がないことを明かす。想いを共有する二人は互いを理解し、自分を理解された気になるけれど最後の最後で槙は自分と侑は違うと感じる。
槙はあくまでも自分に恋愛感情が無いために人の恋愛を眺めることを楽しいと感じるタイプ。対して侑は自分に恋愛感情が無いために不安になっていた所を、燈子によって受け入れられたために安心したタイプ
二人は表の部分で共感できても、その裏に秘められた部分では異なる想いを抱く

都が燈子と沙弥香の二人を見て、すぐに沙弥香の想い人が燈子であると気付いたのは沙弥香の裏を知っているから。同時に燈子が厄介なタイプであるとすぐに見抜けたのは、彼女が喫茶店の店長として話し相手となる中で多くの人の表や裏の顔を見てきたからかな?

そして、倉庫にて再び燈子と侑は裏の世界に入るのだけど……。結局、侑はご褒美である自分からのキスを実行しない。それは表向き侑は燈子を好きになれないからだ。その表を維持しようとするのならば、侑からキスするなんて間違っている
けれど、侑が今も心の全てで燈子を好きになれずに居るのかといえばそんなことはなくて。速まる心臓の音は決して自分のものではないとごまかす侑の裏側で燈子への想いが日増しに強くなっていることが感じられた話だった



とても良い

シスコンアイドル編開幕。今回は何が起こっているかも何が原因かも明白の事件。だからといってそれが問題であると認め対処できるというわけではなくて。
これまではいわば現代病とでも呼べそうな事態が思春期症候群の原因になっていたけど、今回はいつの時代にも共通する家族の問題。ただ、離婚した父親がすぐに再婚して出来た妹との確執となると珍しい事態ではあるが

あまりに優秀で国民的にも認められている姉へのコンプレックスを拗らせてしまっているのどか。今は知名度が低くてもアイドルグループの一員として活躍できているのだからそれでいいじゃないかと思えるけれど、そのデビューだって麻衣が休業している間にようやく叶ったもの。だというのに休んでいた姉は突然復活してあっさり多くの仕事を手に入れてしまう。母親の代理戦争として比較される方としてはたまらない事態

そして麻衣とのどかを比べた際、のどかに足りない部分があると明確に伝わってくる点はあまりも残酷
入れ替わりが発覚した直後は全体的に麻衣が会話を主導し、まず何をしなければならないかを明白にしていた。麻衣はのどかに求められる仕事を完遂するためにレッスンを頑張るだけでなくカラオケで自主トレをする。対してのどかもある程度仕事はこなすものの、そこにある意識は憧れの「麻衣のフリ」をするというもの
だから、CM撮影において麻衣になりきれていないのどかは求められる期待に耐えきれず過呼吸を起こしてしまう

他にも優秀な姉とまあまあ普通な妹の差は描かれている。
母親から独立し芸能活動をしている麻衣と母親からの通知が何十件と届き拘束されるのどか
基本さえやればCM撮影は問題なく出来ると考える麻衣と本番を迎えることすらできなかったのどか
そういった差が以前から積み重なり、更に親同士の因縁も絡めば嫌いとなってしまうのも仕方ない。けれど、あの上里が語るように姉妹間で比べられてばかりだからといって完全に嫌いになれるわけでもない。そこには言葉には表せない微妙な感情がある。それは麻衣とのどかにも当てはまっていて、のどかは番組出演の際に好きなものは?と聞かれて姉の名前を出すし、麻衣はそんな番組をチェックしていた

好きとか嫌いだけで語れる関係ではないから素直になるのも難しい。ここで第三者的立場にいる咲太がどのように二人の仲を取り持つことになるのか、期待



とても良い

サポート組だけでも合体できるのか……。増々ロボットものっぽくなったな

アカネによる多人数並行攻略。響、立花、内海を夢の中に閉じ込め分断した上で自分と強い繋がりを持たせ味方に引き込もうとする作戦は良い。相手にとって都合のいいもの、状況を作り出せるアカネなら最上の方法であり普通の高校生であるならば抵抗の難しい作戦。しかし、グリッドマンと関わったことで自分の「やるべきこと」を明確にした響や、それに影響を受けた内海や立花には効かない作戦
既に彼らは自分たちがいる世界が作り物であると気付いているのだから、今更偽物の関係を提示したところで意味はない
というか、今回アカネがしたことって以前響の部屋で妖しく誘った場面や、立花は設定された存在であると教え勧誘した方法の焼き直しなんだよね。こういった部分からどれだけアカネが進退窮まった想いでいるかが見えてくる

思えばアカネは神様のように色々出来るはずなのにグリッドマンが現れて以降追い詰められてばかりいる。だからグリッドマン出現以降は街を作り直すためではなくグリッドマンを倒すために怪獣を作っている。それは邪魔者を排除したいからという理由以上の目的としてこの世界を彼女にとって都合の良い形に直したいから。
自分にとって都合の良いものを至上としているから、他人に対しても相手にとって都合の良い状況を作り出せば意のままにできると考えてしまう
でもその考え方は響とは大きく違うもの。アカネは「ずっと夢なら良い」と思うが、響は「夢だから覚める」と考える
グリッドマンと関わった響たちは世の中都合の良いものばかりじゃないと知った。「やるべきこと」をする為には時に自分にとって都合の悪い行動も取るべきだと知っている

アンチも自分の「やるべきこと」はグリッドマンを倒すことであるのは変わらない。けれど、その為にはグリッドマンを封印している怪獣を倒さなければならない。あの場面でアンチがしたことはきっと彼にとって都合の良いものではない。けれど、アンチが「やるべきこと」を成すためには必要な行動でもある
しかし、その行動こそ自身の存在の根源に反するものであり、彼が心無い怪獣ではもうないと証明するものになってしまう

神であるアカネにとっては都合の悪いものばかりが増えた窮状、アカネにはもう一発逆転の手はないように思えるけれど、アレクシスが何かしてきそうで怖いな



普通

今回の一連の話、当麻が活躍するシーンこそ少なかったものの、彼の行動は今回描写されたいくつもの変化を象徴するようなものだったように感じられる

当麻は病院を抜けだし戦場へ赴くが後にその時の意識が曖昧であったことが判る。又、記憶が無くなり以前の上条当麻とは断絶があるというのに「覚えてない頃の俺が今の俺を動かしてる」と当麻は言い、重ねて「上条当麻ってのは記憶の有る無しで揺らぐようなものじゃないんだよ」と言う。なかなか言えるセリフではない。
そのセリフに象徴されるように当麻の行動は意識があるとか、記憶があるとかそういったもので左右されるわけじゃないと鮮烈に伝えてくる
今回の話では当麻のように自分の立ち位置を自覚し直し、それによってどう行動するかが問われた話であったように思える

美琴は当麻が記憶喪失と知り、今の当麻が不安定な存在ではないかと考える。それは当麻への信頼がまだまだ低いからか。しかし会話の中で上条当麻が持つ強さの一端を知り当麻への想いが改められる。自分の立ち位置は戦場へ向かう当麻を止めることではなく見送ることであると理解する
襲ってきたアックアは聖人であり神の右席という非常に才能に恵まれた人間。だから才能のない人間を見下すし、保つ力に相応しい覚悟を求める。神裂が天草式十字凄教に助けを求めた際には非難すらする
対して神裂も当初は聖人として、当麻や天草式を助けに来た者として一人でアックアと戦う。しかし、神裂は戦いの中でその立ち位置にこそ以前自分が失敗した原因があると悟り助けを求める
天草式も自分たちから神裂が離れた理由に自分達が不甲斐なかったからだと感じていた。だから神裂とアックアの戦いにも混ざれない立ち位置であると考える。それが神裂の助けを求める声と聖人崩しが効くという分析によって、改めて聖人である神裂と並び立つ存在になれる

そして戦いのあと、神裂は当麻に礼を言うために病室を訪れるわけだけど…。その行動は天草式の元トップとしては正しいが土御門が煽るように女としては正しくない……かもしれない
だからといって当麻がイメージする立ち位置の中で神裂は堕天使メイドなんてしない。そりゃ見ただけで悲鳴を上げられてしまうというものだ。哀れな…



普通

せっかく自然豊かな島に来たのだから、遺産は山中とか洞窟の中に勿体つけて隠してるように思うじゃないか。何でよりによって隠し場所に便器選んじゃうのさぁ……

今回はこのように「騙し」が多かったような印象
トイレを掃除しに来たのは掃除夫のように見えて組織の幹部とボスの娘という騙し要素
ブチャラティがポルポの遺産を使いそのまま幹部に昇進してしまうのはある意味幹部を騙した結果。
トリッシュが狙われているのも、ボスの娘であるならボスのことを知っているだろうと勘違いされたから
フーゴの服が手拭きに使われると知らずほいほい差し出してしまったのも騙されたから。怒ったフーゴは上着を地面に叩きつけてしまう
そして最後にナランチャは襲ってきたホルマジオが見えなくなったと騙されてしまう

ジョルノはトリッシュ護衛を通してボスの信頼を得ようと考えるけれど、果たしてその目論見は騙されること無く成し遂げられるのだろうか?



良い

「うしおととら」でも飛行機に乗っていたら敵に襲われる話があったような。そういや「双亡亭壊すべし」でも飛行機が行方不明になる展開が有ったけど、作者の藤田和日郎先生はなにか飛行機にトラウマでもあるのだろうか?

前回、子供達を怖がらせないために仮面をつけた鳴海。戦闘時以外は仮面を取っていた点はちょっと驚きだけど、彼の行動の基本理念には子供の笑顔を大切にしたいという想いが中心にあるのだろうなと察せられた
だからこそ、子供に対して無愛想な態度をとったギイを批判するし、そこから自分自身すら大切にしないギイに反感を持つ。自分は痛みを感じないと言い、指を何本もへし折られても何の反応も返さないギイは不気味でありまるで人形のよう。しかし、人質になりそうだった子供の代わりとなり、人形の爆発を自分の身体を使い守った行動から別の面が見えてくる。すなわちギイも鳴海と同じように子供を守るために仮面をかぶった人間だということが
だから、ギイは自分はしろがねでありどんな状態でもオートマータを破壊できると言う。それは自慢でも自負でも何でも無くて、いわば自分に課した「役どころ」なんだろうな
鳴海も次第にそれが判ったから、ギイへの反感が消えあんなに苦戦したオートマータも全て倒せてしまう。ギイが外の虫を倒すためにボロボロの身体を押して戦うことになった際も「帰ってこい」と同士に対して向ける言葉を放つ。

記憶を無くし子供を守るためにしろがねとなった鳴海。まるで孤独に戦い続けることが宿命付けられたかのような彼に仲間と言えるような存在ができたと思ったら、間をおかず海へ消えていったギイ
ギイが鳴海の下へ再び帰ってくることがあるのかという点も気になるが、それ以上に勝達と再会できたと思ったらそんな事は無く走り去っていった鳴海の背中が辛い。そっか、勝と鳴海が再び会えたとしても鳴海の記憶が無い現状のままでは意味がないのか…
それでも勝たちからすれば鳴海が生きていると判っただけで良かったか。
これからの勝たちの旅の意味が変わりそうなシーンだった

それにしても原作を知らない自分でもここ最近の展開がとてもハイペースで進んでいるように感じられる。尺を考えれば仕方ないのかもしれないが、今後もこのペースで展開するのならば、ついていくのは少し難しいのかもしれないなと思ってしまった



良い

複雑に考えれば心に恐怖を招くと考え単純に生きてきたミスタ。
その生き様を表すように暴漢が銃口を向けられてもミスタは避けることを考えない。その姿勢は却って暴漢を慌てさせ、本来なら当たるはずの銃弾が避けていくかのように見えてしまう
けれど、このシーンで銃弾が彼を避けていると錯覚してしまうのは、一瞬で通り過ぎるはずの銃弾をゆっくりと描き又その痕跡をはっきりと残しているから尚更銃弾が避けていると感じてしまう
この回想はミスタの信念や身構えをよく表しているように思えた

そして銃弾の痕跡だけでなく、今回は様々な痕跡が入り交じる回だったように思う
罪のない運転手に発砲したかに見えたミスタ。けれど彼は運転手に怪我した痕跡がないことから小屋にいた人物ではないと看破する
サーレーはこれまでに撃った弾丸の痕跡からミスタが持つ銃は弾切れであると推測し、更にミスタが自分を殺しに来た行動からポルポの遺産が実在すると確信する

攻防の果てにサーレーはミスタが最後の一発だと宣言した銃弾を飲み込んでしまう。痕跡も何もなく口の中に銃弾が消えてしまったことで、本当に場から全ての銃弾が消えてしまったかのように錯覚してしまう。が、それこそがミスタの狙い
サーレー自身によって残っていた固定された銃弾を使いサーレーを撃破したミスタ。ご丁寧に先程自分が撃ち抜こうとした痕跡に向けて銃弾を操り、脳の手前で止まっていた銃弾を押し出してしまう。ミスタの真っ直ぐさをこれでもかと表しているね

血や車輌の痕跡からミスタが敵と戦っていると推測したジョルノ。結局彼はミスタが帰ってきた痕跡を見つけることができず運転手を脅して山方面へ
哀れ運転手……



普通


とても良い

誰かに構って欲しい欲求からネットに自撮り画像を投稿していた双葉。二人になってからの考え方の微妙な違いが面白い
眼鏡双葉は女子としての特徴が目立つ自分の身体を嫌悪しつつも、投稿して反応があれば救われる気分になると言うが今は投稿を辞めさせたいと考える。そして一つに戻せるかと聞かれれば戻せる気はしないと答える
ポニテ双葉は投稿をする自分を客観的に見て馬鹿なことをしてると思うために続け、それを自傷行為でありと自覚しながら自分が嫌いだと吐き捨てる。そしてどちらかの双葉を諦めた方がいいと進言する

自己否定からの自傷行為が続いてしまうのは自分で自分を傷つけているから。自傷行為が身バレによって他傷行為になってしまうなら途端に恐怖を感じてしまうのは仕方ないこと
ここで咲太がポニテ双葉に付いてあげるだけでなく国見を呼んで楽しい思い出で恐怖を上書きしてあげたのは良かったな。そしてこのような思い出ができたからこそ、咲太と国見の二人に見捨てられるのではないかと恐怖を感じていた双葉はその恐怖を克服することができる
夜中に突然集まって朝まで花火。こんな馬鹿なことを自分のためにしてくれる相手が居るなら何も心配することなんてない。それはどうしようもなく嫌いな自分を許せた瞬間でもあるのだろうね

そしてポニテ双葉が眼鏡双葉に突きつけた三人が並ぶ写真。これは眼鏡双葉が入り込む余地など無い光景に思えるけど、結局あの写真で咲太と国見に挟まれているのは双葉自身なのだ
ここで眼鏡双葉は写真という媒体を通し二人と仲良く映る自分を客観的に自分だと認識できるのかと試され、耐えきれず逃げ出してしまう
その後、咲太がしたのはポニテ双葉にしたことの繰り返し。台風の中、学校にいる双葉を見つけただ花火に行こうと誘う。当初は反発していた眼鏡双葉も咲太が倒れるまで自分を探していたと知り、そしてどこまでも双葉を慰めようとせず初めて会話した時のような下らない遣り取りをしてくる咲太が居てくれるなら何も心配することはないと判ってしまう

こうして見ると分裂した双葉に必要だったのは嫌いな自分を許せるかどうかだったのだろうね
分裂が終わり、ポニテ眼鏡双葉になった上に着物を装備した双葉。叶わない想いを国見に伝え、涙を一瞬流しても晴れやかな表情を崩さなかった双葉からはこの短期間で大切なものを手に入れられたことが伺えるようだった



良い

グリッドマンのサポートメンバー全員を出撃させるためにサイズ縮小という手段を選んだ内海。ということはジャンクPCをスペックアップする、という手法を本作で描くことはなさそう
世界の謎を彼らが解き明かすのではなく誰かに教えて貰うパターンが続いている描写などを見ても、スタッフはグリッドマン同盟をとことん無力な学生として描き続けるつもり?

響のように戦うわけではないし、内海のようにアイディアを出すわけでもない。立花の立ち位置はとても微妙なものでありつつもアンチと接触したりアカネと不思議な関係があったりと、彼女にしかできないことが一応は見え隠れしてきた。
今回、立花は事情を聞かずに怪獣を倒そうとする内海に反発しアカネを説得するしようとする。アカネは自分の友達であり、それこそが「自分のやるべき事」だとでも言うように。しかしその想いはアカネによって裏切られる。
アカネを大事に想う気持ちが設定されたものであると明かされたなら、立花はわざわざその想いに従う必要はない。だからアカネの居るバスから降りてしまう

そして、前回響を仲間に引き入れようとして失敗したアカネ。今回は事前に襲撃予告を入れてグリッドマン同盟を揺さぶると共にその流れで立花を勧誘。このような手段に出たのはそれだけアカネの立場が苦しく、また寂しいということだろうか。
まだこの世界の真実について見えてこない部分は多いものの、自身をこの世界の神だというアカネの言葉が正しいなら立花がアカネを嫌いになれず、それによって内海の姿勢に納得出来ない様子は理解できる
けれど、同時に疑問に感じるのは神であるなら何故あのような勧誘方法を選ぶのではなく「設定」をいじって立花を自分の仲間にしないのかと思ってしまう

またアカネが神である世界でグリッドマンとはどのような立場なのだろう
グリッドマンには使命があり、彼に変身できる響は怪獣を倒す行為を「自分がやらなきゃいけない事」と考える
けれど、この世界は作られたものであり、怪獣は街を壊して直す存在。そんな怪獣を倒すグリッドマンとは何者?グリッドマンによって助けられた先生がクラスに対して積極的になったのはグリッドマンの使命と何か関係があるのだろうか?

グリッドマンが現れたのに怪獣化しなかったアンチ。立花を求めて絢を訪れるが会えなかった彼は今何を考えているのだろうか



とても良い

紫陽花って色ごとに花言葉違うんだ…。知らなかったな
作中では明かされなかった好きな色。OPの花びら、もしくは着ていた服等が明かされなかった好きな色に関係しているんだろうか?

冒頭、自身が変わる切っ掛けとなった先輩と再会した沙弥香。その無神経な言葉に一瞬沙弥香は爆発しそうになるけれど、そうはならず自分は貴方のせいで幸せだと見せつけるシーンは強烈。前回の店長との会話のお陰か

今回の話は橙子や沙弥香の内面が描かれた後という事で、それぞれの関係性が改めて描かれた回であったように思えた

以前の沙弥香の発言を気にし沙弥香を食事に誘った侑。けれど、二人にとって共通の話題となる橙子の件はどちらにとっても深く触れて欲しくない部分。だから「橙子を好きか?」と聞かれても友人とか先輩とか誤魔化す流れになる。また、侑は本来の橙子を大切にして欲しいから劇の行方が気になってしまうが沙弥香は劇の行方よりも橙子の意思を尊重して劇を大事と思わない
共通する話題で対立する部分のある二人は一致点を見出すことが出来ない

河川敷の遣り取りにおいて橙子の隠された本音を「私を好きにならないで」だと推察した侑。てっきりあの時の橙子はそれとは逆の言葉を言おうとしていたと想像していたのだけど、違ったのか
橙子を特別に感じかけている侑。けれど、侑が橙子に特別な感情を返せない以上、友達以上恋人未満の関係は変えられない。その中で先輩・後輩、姉・妹のようになれても互いを特別に感じる関係を構築することは出来ない
傘をどちらが持つかで言い合った末に二人で持つ一致点を見出すことは出来ても、侑にとって心地よい関係を求めることはもう出来ない点はベンチで橙子が侑に寄りかかって眠ってしまった描写によく現れていたように思う。
元々面倒見の良い部分があり、橙子の傍にいると決めた侑は自分の望みを置いて橙子に譲り続けるしか無い

こちらの意志を無視して振り回し、触れてはいけない部分を明確に持っている橙子。それは沙弥香や侑にとっては厄介な存在。
Aパートでは一致点を見いだせなかった二人が奇妙な点で一致点を見出してしまうのは面白い。やっぱりこの物語の中心にいるのは七海橙子なんだな
また、もう一つの侑と沙弥香の一致点として二人が劇のその後を想像していた点が気になる。姉に出来なかった劇を橙子がやりきった時、彼女らの関係に何が起きるのだろうか?



良い

子供たちのためにオートマタと戦った鳴海。自分がゾナハ病の子供を救うための薬で助かってしまった後ろめたさ、更には記憶を失ってしまった自分が何者であるかを再定義するために戦ったという印象が強く前に出ているような戦闘だった。そこにあるのは鳴海の優しさなんだろうね。人間ではなくなってしまった自分がどうにかして自分に出来る行為で子供たちを助けてやりたいという
だというのにその行為によって子供たちからは怖がられてしまう。図らずも自身が口にした「デーモンになる」が実現されてしまう。だとしたら鳴海は記憶が無くとも子供たちに優しかった鳴海のままでは居られない。仮面をつけて別の存在にならなくてはいけない
トムに抱きつかれた時、仮面によって表情は見えないが仮面は笑っているように、流れる血は涙のように見える。正にピエロの表情だ
鳴海はこうして仮面をつけることで子供たちの笑顔を求める存在から子供たちを怖がらせる存在に変貌してしまった

以前は相手が敵かどうかだけを見ていたしろがね。それは誰も信用する相手が居なかったからだろうけど、勝を守り鳴海によって助けられた今のしろがねには信用する相手が出来た。
今回襲撃してきたヴィルマはしろがねを友だちに成れると思っていたと言うが、しろがねは襲撃者であるヴィルマを見た際に驚きはなく敵としてしか見なかった。それはそもそも誰も信用していないから。だからヴィルマが気絶した後も再度の襲撃を警戒して殺そうとする
勝が助けた後も変わらずヴィルマをターゲットだと言い、勝は自分の全てだと言う。その自分が信用する人間以外を排除しようとする姿勢は人間らしさを感じさせないモンスターだ。でも勝が助けたヴィルマを殺さなかった面には、少しだけ人間らしさも見えてくる

対して勝はしろがねを止めた。勝はヴィルマがナイフを外した時点で信用できる部分のある人物だと見抜いたんだろうね。だから再度ナイフを外した時点で勝の中でヴィルマはもう敵ではなく、助けるべき対象に変わる
しろがねは誰も殺さないと信じ、敵も自分を殺さないと信じる勝の姿勢は優しさに満ちているように見えるがある意味人間離れして。
だから強くなるためにとしろがねの血を飲むなんて非人道的行為も行える

人知れず人間を辞めてしまった鳴海と勝の下で少しずつ人間に近づくしろがね。彼らが今後どのように変貌を遂げていくのか気になってしまう



良い

ロジカルウィッチ編開幕。双葉が分裂したわけだけど、二人をどう呼び分けたら良いんだろう……。ポニテ双葉と眼鏡双葉?

咲太の想い人であった翔子によく似た少女。衝撃的な登場ではあるんだけど、誰も事情を知らないものだから話は進展せず。それにしても翔子も言及してたけど、咲太の周囲には随分女性が増えたなぁ

思春期症候群によって双葉が分裂したが、印象的なのは互いの認識の差。
どちらの双葉も分裂現象のメカニズムについては一致した見解を持っているのに、その原因について眼鏡双葉は「心当たりがない」と言いポニテ双葉は「心当たりがある」と言う。自分がもう一人いると知ってしまった眼鏡双葉はネカフェに避難し、ポニテ双葉は普通に学校に通う。見た目も眼鏡の有無や髪型などで差異が出来ている
基本の思考回路は同じでも分裂した後の行動や考え方に違いが生じていることが判る。
古賀の件とは違い、友達のために行動を始めた咲太。双葉の件については咲太はどのように向き合っていくのかな?
何はともあれ、友達の女の子があんな裏垢作ってたら本気でショックだろうな……

繰り返される日々を抜け出しようやく麻衣と付き合えるようになったというに、撮影やら双葉の問題やらでなかなか進展しない麻衣と咲太の仲。それはじれったくはあるんだけど、二人の相手に主導権を渡しつつも自分の有利に運ぼうとする遣り取りはかなり楽しめるから、まあいいかと思えてしまう



とても良い

怪獣少女が明かした世界の真実。響は直接聞いたから話を信じるのは当たり前なんだけど、内海と六花がすぐに信じなかったのは少し驚き。君ら最初は見えなかった怪獣が見えるようになったり、他の人の記憶がリセットされる光景を今まで見て来たんじゃないのかい。それでもアカネ=神といった図式は信じられないものなのか
こうなってくると怪獣少女の話をすぐに信じた響に何か特殊性でもあるのかと思ってしまうが。やはり記憶喪失になった理由が何か関係している?

アカネがグリッドマンを倒す為に用意したアンチ。紆余曲折を経て彼も一端のメインキャラになってきたように感じる。
主人公である響と敵であるアカネ、両者に共通しているのは自分の行いを「遣らなければいけない事」と信じている点。だから響は怪獣が出現すればすぐにグリッドマンに変身するし、アカネは怪獣を使い街を壊し続ける
そして、アンチは登場当初から「自分がグリッドマンを倒す」と息巻いて戦ってきたが初登場以降はあしらわれるように返り討ちに。そんな彼がアレクシスを介して怪獣を出現させた。これは非常に大きな意味を持つ出来事であったように思える
人型形態を持つ怪獣であっても自分の意志で怪獣形態になることはできないアンチ。アカネの許可かグリッドマンが現れることが変身条件の彼にとって、アカネにグリッドマンを倒す気が薄くグリッドマンも怪獣が出ない限り出現しないのならば、アンチは自分の「遣らなければいけない事」に従い自らの手で怪獣を作り出す他ない
そこにあるのはアカネを超えたグリッドマンへの憎しみの感情。

怪物少女によって真実が明かされ、街の上空に謎の街が広がる光景が発見され、更にアカネの意思を超えアンチが怪獣を作り出してしまう状況。何だか響とアカネが対立する構図にとんでもない変化が起きそうな気がしてしまう
その中で戦うだけが使命じゃないと気付いた響はどう行動するんだろうか?

そして、これまではアカネを隠れ蓑にするかのようにしてきたアレクシス。アカネに隠す形でアンチの願いを叶え、傷を与えただけでアンチを取り逃がした行動から、彼が自分の「やるべき事」に従い動き始めたように感じられた



とても良い

これまで描かれてこなかった沙弥香の内面が描かれた回。
彼女も完璧な七海橙子を信奉する人間であることは確かなんだけど、それだけではない点が色々見えた気がする。というか彼女について色々誤解していた点が有ったのだなと判った

中学時代の経験から同性への恋心を表に出すことに臆病になってしまった沙弥香。彼女の橙子への執着があるようで居て踏み込まない姿勢には疑問を覚えていたのだけど、そういった事情があったのね。
沙弥香は橙子に惹かれているが、同時に橙子が何か事情を隠しそれによって余裕が無いことも知っている。だから沙弥香にとっては橙子と付き合うことは重要ではなく、誰の物にもならない橙子の一番傍に居られる今の関係性が心地よいものとなる。

また、沙弥香は自分の存在が橙子にとって重荷となってしまうことを何より恐れている。だから橙子に好意を寄せる相手は把握していても今回ラブレターを送ってきた相手を見に行くようなことはしない。最近の侑と橙子が親しくなっていても橙子が誤魔化せばそれ以上踏み込まない

しかし、誰にも明かせない想いを抱え、それが報われることも願わない状態は辛いものでも有ったのだろうね。だから親しいわけでもない店長相手に、もしかして中学時代の先輩と違って自分の想いを理解してくれるのではないだろうかと不躾な質問をしてしまう
そこでの遣り取りは秘すべき想いを見つめ直す行為に繋がり、店長から沙弥香の想いを肯定されることで自分のあり方は間違っていなかったのだと知ることが出来る
侑や橙子が隠し事、秘密が増えてきた点に負い目を感じていたように、時に秘密は抱える当人にとって負担となる。特別な人間で在ろうとする橙子の傍に居続けると決めた沙弥香にとってこのように相談できる相手を見つけられたのは良かったのかもね

しかし、そうだとしても沙弥香が橙子に一方的に想いを寄せている関係性は変わらない。それだけにラストに橙子が沙弥香が居るから、頑張れていると告白するシーンは沙弥香の想いがほんの少し報われたかのようで心温まるシーンだった
……だからこそ橙子が既に侑に夢中になっていると沙弥香が知ってしまったらどうなるのかと恐ろしくなるんだけど



良い

拷問しながら踊るシーンはいくら何でも斬新過ぎる(笑)

ズッケェロが連絡した相手を倒す為にと一足先に島に上陸したジョルノとミスタ。上陸早々スタンドに食事を摂らせるミスタの姿にジョルノは苦言を呈すが、ミスタが言うにはスタンドが力を発揮するには大事なことらしい。
他にも今回は優先順位って大事だよなと再確認させる描写がチラホラと

ナランチャやミスタはズッケェロを拷問して彼に誰が遺産の件を漏らしたのかと口を割らせようとするが、ブチャラティ達にとって一番重要な点は誰よりも先に遺産を手に入れることだから拷問は途中で終わる
アバッキオは変わらずジョルノを信用していないが、ジョルノに自分のスタンドの正体を隠すよりもズッケェロが何をしていたかを分析する方が大事と考える。だからジョルノにスタンドを見せはしなくても声を聞かせる程度に収める
ジョルノとミスタは敵が誰かも知らないままに敵を倒そうとする。だから偽無線で小屋に来た人物が敵だと考える訳だけど、それならば一旦小屋から逃してしまった時点で襲撃は失敗している。本来はこの場面でミスタは追撃を行うのではなくジョルノを待ち、計画の練り直しを行うべきなのだけどミスタはそうせずトラックの運転手に向かって発砲している

視聴者はあの運転手が無線の男ではないと知っているが、ミスタはそうではない。だからよくよく確認もせず発砲してしまったのだろうけど……
優先順位を間違えた結果、どのような窮地にミスタが追い込まれてしまうのか次回が楽しみになってきたな



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